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2016年02月05日号から

札幌版次世代基準改定、4月からスタンダードに80万円

2016年2月5日号の読みどころ

20160205_1men.jpgインターネットを活用して、スマートフォンから住宅設備を制御する暮らしの革新が始まっている。暖冷房・給湯・照明の制御、玄関ドアの施錠・解錠はすでに商品化されている。大切なのは、これからの住宅取得世代が、こういった技術に親しんで育った世代であり、避けて通れない提案内容のひとつになってくる可能性が高い点だ。スマート設備と呼ばれる次世代住宅設備をまとめた。


札幌版次世代住宅基準が4月から改定される。改訂の大きなポイントは補助金額の変更だ。ベーシックが30 万円、スタンダードが80 万円、ハイは150万円、トップランナーだけはこれまで通り200 万円。20160205_3men.png

YKKAPの大開口片引きテラス戸発売など、ニュースが多い紙面だ。


2016年01月15日号から

窓選びのポイントはどこか

2016年1月15日号の読みどころ

160115-1men.jpg道内外ビルダーへのアンケート(1月5日号)から、樹脂窓のトリプルガラス化が加速し、採用率が大幅に伸びたことがわかった。そこでこの号では、樹脂窓メーカー4社と木製窓メーカー2社を取材した。
2年前まではトリプルガラス入り樹脂窓のU 値は最高値でも1.2W 程度だったが、YKK AP がAPW430 でU 値0.91W という高性能を掲げて2014 年にデビューしたのを皮切りに、U値0.7W 台の製品がYKK AP、LIXIL から発売。トリプルガラスの先陣を切ったエクセルシャノンもさらに性能を上げた製品を今春から発売するなど、性能競争によって一気に高断熱化が進んだ。
 
 
 
 
2016_0115dannetsu_re.jpg第2の特集として「断熱リフォーム」と「外壁リフォーム」を取り上げた。凍害で外壁が傷みやすい寒冷地で、外壁の交換は断熱性能の改善や強化、外壁の高耐久化など付加価値を提案するチャンスだ。
室内側から行う低コストな断熱リフォームも紹介している。
 
 
 
 

2016_0115pv.jpg2020年を目標にZEH提案を強化する取り組みなど、話題豊富。
 
 
 
 
 
 
 


2016年01月05日号から

ビルダーアンケート:断熱と暖房等の標準仕様

2016年1月5日号の読みどころ

160105_4-5men.jpg2012年から5年連続して道内外ビルダーへのアンケートを実施した。東日本大震災以降の電気料金値上げに直面し、熱源と設備、そして基本となる断熱性能の標準仕様をどこにおくのかをまとめる目的でスタートしたこのアンケート。
2016年はトリプルガラス窓の増加、1.0W相当の断熱性能を目指す動きが強まってきたことがわかった。
また、大工不足についての危機感は高く、「5年後に建築大工が足りなくなる不安を抱えている実態も浮き彫りになっている。

もう一つの大きな問題は、消費増税後の2017年、そして少子化によって新設住宅着工がハッキリ落ち込むとみられる今後の戦略だ。
注文住宅をメインとする工務店・住宅会社が「企画住宅」を持つべきだという視点で、第2特集を組んだ。
なぜ企画住宅なのか。なぜ注文住宅だけでは厳しくなるのか、まとめた。
このほか超低金利の中、長期固定金利の提案で市場を誘導する住宅金融支援機構の取組も紹介する。


2014年10月05日号から

エアコン暖房注目度増す

 東日本大震災以降、道内でもエアコン暖房を採用する動きが目に付くようになってきた。メーカーも積雪寒冷地向けに性能・機能の強化を進めており、積極的にエアコン暖房に取り組む住宅会社も出てきている。

寒冷地対応進み、採用しやすく
 毎年末に行っている本紙アンケートによると、道内で暖房にエアコンを採用する住宅会社は、2011年18%、2012年24%、2013年19%と、この3年間はほぼ5社に1社が採用。道内におけるエアコン暖房採用戸数は2012年度が約2800戸、2013年度が約2930戸とされ、着実に増加している。エアコンが寒冷地の暖房の一つとして認知されつつあることがうかがえる。
 その理由としては、①機器の高性能化②電気料金の値上げ③一次エネルギー消費量による評価を導入した省エネ基準の改正④躯体の高断熱化―などが挙げられる。

特集記事はPDFファイルで提供します。
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2014年09月15日号から

とうほく走り描き 第三回 池田(有)池田建築店 池田新一郎さん

20140915_2_1.jpg  7月は秋田出張で、弊社リボス自然塗料の古くからのユーザーである能代の池田建築店さんを訪ねた。秋田県における高断熱・高気密住宅の草分けとも言えるビルダー。その黎明期の貴重なお話をうかがったので、紹介したいと思う。
 もともと大工だった池田社長が、暖かい家づくりをめざし勉強しはじめたのが昭和60年代。昭和63年(1988年)には北海道住宅新聞主催の第一回寒地住宅学校に参加。本州からは池田社長含めて、わずか2名の参加だったそうだ。
 その後、室蘭工業大学の鎌田紀彦先生をはじめ数々の出会いがあり、北海道との情報交流が深くなったとのこと。気密部材ひとつから北海道から取り寄せるような時代で、工法も手探り。みんなで知恵や意見を出し合いながら仕事をして来た様子。たとえば、今では当たり前となっている基礎断熱についても、床下環境の保全について賛否両論あり、実物件での実証を自ら重ねたというエピソードもうかがった。
 地元能代では「外断熱が危ない」などの著書で知られる、建築家・西方里見先生とも親交が深く「毎月のように酒をくみかわす」仲だそうだ。西方設計&池田建築店の強力タッグは秋田中心に多くの高性能住宅を実績として残している。
20140915_2_2.jpg 全国には星の数ほど工務店がある。そのなかで池田社長がなぜいち早く高断熱・高気密に取り組み、また鎌田先生や西方先生との出会いを自らの糧として、仕事の質を高めてこられたのだろうと考えると不思議だ。そうなるようなDNAを持っていたのではないかとも思う。
 わたしがマラソンをはじめたのは、2010年暮れ、とある忘年会で友人から「来年12月の沖縄NAHAマラソンに出よう」と誘われたのがきっかけ。酒宴での話なので同じように誘われた人もたくさんいる。年明けの練習会から少しずつ走りはじめ、震災があった2011年の12月、NAHAマラソンでめでたく初フルマラソン初完走を果たし、その後またまた同じ友人から誘われたウルトラマラソン挑戦。そして完走。わたしも「走るDNA」を持っているのだろうか。
 池田社長のDNAは、お嬢様へ引き継がれ、池田建築店の設計の主力として活躍されている。今年も着実に秋田に暖かい家が建つことになりそうだ。


2014年08月25日号から

特集 性能・環境測定のススメ

 2000年の品確法施行以降、国が住宅の性能を重視した住宅政策を進め、省エネ基準に加えて長期優良住宅基準や住宅事業主基準(トップランナー基準)、低炭素建築物認定基準などを制定することにより、性能・品質の向上を促進。これらの法制度に対応する性能・品質が確保されているのかを確認する手段として、性能・環境測定に取り組む住宅会社が少しずつ増えてきた。
 また、省エネ住宅や健康住宅などをアピールする場合、その根拠として断熱・気密性能や室内の化学物質濃度を数値で示すことができれば、それは〝住まいの成績書〟としてユーザーの信頼を得るとともに、安心感を与えるツールになる。
 さらに自社の施工技術のチェックや、クレーム時の性能確認を目的とした利用方法もある。施工技術のチェックでは、物件ごとに性能のバラつきがないことの確認に加え、新しい工法や納まり、建材を採用した時の性能の変化を把握できるし、クレーム時の性能・環境データの確認では、クレームの原因を探り、不具合があるのか否かの確認にも使える。

断熱性能や空気質も実測可能

 家づくりを取り巻く環境の変化や技術の進歩によって、様々な測定ができるようになってきたが、 その中でも代表的な性能・環境測定を見ていきたい。
主な性能・環境測定機器販売メーカーおよび測定事業者等をダウンロードする

>>エクセル形式11KB>>pdf109KB

気密測定
 最も多く行われているのは、住宅の隙間量を測定し、相当隙間面積(C値)で表す気密測定だ。断熱・気密性能の向上に熱心な住宅会社は、全棟での実施も珍しくなく、北方型住宅ECOや札幌版次世代住宅では、気密測定が認定の必須要件となっている。
 床面積1㎡あたりの隙間に加え、小さい隙間が分散しているのか、大きい隙間があるのかを判断できる隙間特性値=n値も算出できるので、気密施工のチェックにも役立つ。


続きは、以下のページから伝言欄に「8月25日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください
http://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


2014年08月15日号から

特集 職人不足に備える

 ここ数年、住宅会社の深刻な悩みとなっている職人不足。特に道内では高齢化や本州への流出などによって、大工・協力業者の確保が年々難しくなってきている。来年には再び消費増税前の駆け込みと、それにともなう職人不足が予想されるだけに、今のうちから対策を考えておきたい。

なぜ職人が足りない?

住宅会社ができる対策
1.まずは根回しをしっかり
2.工法の合理化・工程の見直し
3.アウトソーシング

注目の部資材とサービス
組立簡単なダンネツ型枠ユニット
国内で唯一「PCa束」採用の合理化基礎
屋根通気層施工を省力化
床組施工を省力化
金物ユーザーに8つのサービス

特集pdfをダウンロードしてお読み下さい。(7.7MB)

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2014年03月25日号から

特集 Q値1.0Wが目標に

 これからの住宅の断熱性能として、Q値1.0Wを目標とする住宅会社が増えている。今年の本紙アンケート調査結果ではQ値1.0Wが必要と考える住宅会社の割合が4割近くに達し、2年前のほぼ2倍に増加。Q値1.0Wが住宅会社の共通目標となってきた。

住宅会社、4割近くがQ1.0W目指す
この3年間でほぼ倍増

20140325_01_1.jpg 『2014年は断熱がどの程度必要と考えますか?』―。
 これは今年の本紙1月5日号で取りまとめた「消費増税前後の景況感とこれからの家づくり」アンケートの設問の一つ。回答結果は「Q値1.0W相当」と「北方型ECO相当(Q値1.3W以下)」が37%で並び、続いて「次世代基準相当(同1.6W以下)」が23%となった。
 ここで注目したいのは、「Q値1.0W相当」と回答した割合の変化。必要と考える断熱性能について、本紙では読者に3年続けてアンケートの中で訊ねているが、2年前に「Q値1.0W相当」と答えたのは20%で、「北方型ECO相当」の49%、「次世代基準相当」の22%に及ばなかった。しかし、昨年は「Q値1.0W相当」が27%となって「次世代基準相当」を上回り、今年は37%で「北方型ECO相当」に追いついた。
 この間、「Q値1.0W相当」は18ポイントアップ。「北方型ECO相当」は12ポイントダウンで、「次世代基準相当」はほとんど変化がない。これは、必要とする断熱性能を北方型ECO相当からQ値1.0W相当に変更する住宅会社が増えていることを表している。
 こうした流れを読み取ると、今後はQ値1.0Wが断熱性能の共通目標になりそうだ。

続きは、以下のページから伝言欄に「3月25日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください。
http://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


2014年02月25日号から

暖房費高騰。見直される断熱の価値

2月25日号 保存版特集

140225_betuzuri_1.jpg2月25日号北海道住宅新聞は、別刷りの保存版がついております。
暖房費・エネルギー単価が高騰することで、光熱費を節約するための「断熱」に関心が向いている、という特集紙面です。
 
 
ガソリン、灯油、電気とエネルギー価格が上がり、誰もが燃費を気にする時代になりました。
 
「どうせ建てるなら燃費のかからない家」
 
という要望は、かなり当たり前の要望、すなわち住宅新築の際の基本的性能になってきつつあります。
 
 
 
コンテンツ
2面 300mm断熱標準化に前向き 岩見沢・武部建設
   設備に頼らない高省エネ提案 旭川・芦野組
3面 まず暖房エネルギー半減を標準に
4-5面 300mm断熱 山本亜耕氏の納まり
6面 ツーバイで400mm断熱に挑戦 網走・光輝建設
7面 黒い部分はカビではない-グラスウールの耐久性検証など 北総研・研究発表会

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2013年11月05日号から

35周年で記念式典 講演会や現場見学会など行う 十勝2×4協会

20131105_01_01.jpg 十勝2×4協会(会長・赤坂正(株)赤坂建設社長)は10月21日・22日の2日間、帯広市で35周年記念式典を開催した。式典には会員のほか、お祝いに駆けつけた道内工務店や関係者など約50名が出席した。
 式典では赤坂会長が挨拶に立ち、「設立当初は『ツーバイフォーって何ですか?』という時代だったが、先人たちの努力により定着し、設立35周年を迎えることができた。最近はエネルギー情勢の変動で、高効率設備の採用や建物本体のいっそうの省エネ化が求められているが、今後も会員同士の協力と、行政や関連組織との連携を大切にして課題に立ち向かっていきたい」と述べた。
20131105_01_02.jpg 次にカナダ在住のK.Ito&Associates・伊藤公久社長が、「サスティナビリティーを支えるカナダの木造建築」について講演。カナダの木造建築の取り組みについて、2010年のバンクーバーオリンピック時に建設された競技場など、大型木造建築も含めた具体例を交え説明した。
 翌日は朝から会員の建築現場やモデルハウスなどを回る現場見学会を開催。道産スタッドを使った建築現場や、デザインや間取りに特色のあるモデルハウス、リーズナブルな価格で北方型ECO基準を上回る高性能住宅など、バラエティーに富む現場を昼過ぎまで熱心に視察した。


【写真】
[上]赤坂正会長
[下]伊藤公久氏


2013年09月15日号から

防耐火・性能試験を工場内で評価 新製品を送り出す栗山工場 エクセルシャノン

 (株)エクセルシャノンでは今年春に樹脂サッシのラインナップを一新、ペアガラスサッシ「シャノンウインドⅡ」、トリプルガラスサッシ「トリプルシャノンⅡ」、防耐火サッシ「シャノンウインドTypeEB/TypeEC」をそれぞれ発売した。これらの新しい樹脂サッシがどのように生産され、品質を担保しているのか。年間10万窓以上を生産し道内に出荷しているという空知・栗山工場を取材した。

20130915_04_01.jpg 工場では、従業員がそれぞれ機械を使いこなして工程ごとに組み立て作業を行っている。作る窓の種類が多いこともあり、自動化よりも人の力が重要視されている。
 樹脂サッシのおおよその製造方法はこうだ。塩ビ樹脂に可塑剤などを混ぜて押出成型した形材(プロファイル)を切断加工し、熱と圧力を加えて溶着してサッシの枠材を作る。それに気密材などパーツを取り付け、ガラスをはめ込んで完成させる。
 ポイントは、溶着だ。形材を窓の寸法に合わせて斜め45度にカットして窓枠の四辺部を作る。切断面の端部に圧力と熱を加えて四辺を溶着し、四角い窓枠ができあがる。熱を加えるというと、素材にストレスをかけるようなイメージがあるが、熱溶着の強度は強力接着剤を使った時と比べて数十倍も強いという。
 さらに、同社の樹脂サッシは製造開始以来肉厚を変えていない。熱溶着と合わせ、頑丈な構造でトリプルガラスの重量にも耐える。

最新の試験設備を完備
20130915_04_02.jpg 工場内には、最新鋭のサッシ試験設備がある。JIS規格に準じた水密試験や耐風圧試験などを行えるほか、防耐火試験、金物の開閉耐久試験などもできる。道内の公的機関と同等の設備だ。
 公的機関で本試験を行うと数百万円単位で費用がかかるので「試験したけど基準をクリアしなかった」では済まされない。工場内の試験設備で事前評価しておくことで製品改良を低コストで進められるほか、製品の基礎開発等でも活躍している。特に昨年は防耐火サッシの試験体をいくつもテストするなど、フル稼働した。この大がかりな設備は、他社からも試験依頼が来るほどだ。
 栗山工場は1980年に製造開始し、樹脂サッシのパイオニア工場として今年で操業34年目。同工場では、「今後、防耐火樹脂サッシのコストダウンと、トリプルシャノンⅡの出荷比率をさらに高めていきたい」と話している。


【写真】
[上]工場内で防耐火試験をしている
[下]開き窓の開閉試験機や照度試験機が並ぶ


2013年09月05日号から

消費税アップ後のビジョン 1持家並み賃貸、2既存客ケア、3新築の再見直し

20130905_01_01.jpg 消費税率が上がったあとの住宅市場はどうなるか。そこでどう仕事をしていくか。営業地域によっても各社の得意分野によっても答えは違ってくるが、政府の住宅政策に目を配りながら、今後の展望を探っていきたい。

高齢・過疎化背景に住宅再整備が大きな仕事に

 政府はこれからの住宅政策の柱として①長期優良住宅と省エネ・低炭素化の推進②耐震改修の促進③中古住宅流通・リフォーム市場の整備④高齢者の居住安定⑤空き家問題への対応を掲げている(3面参照)。
 家づくりに熱心な多くのビルダーは①の省エネ化の対応はすでに終了している。問題は②~⑤の既存住宅・リフォーム・高齢者居住-というテーマにどのような答えを出していくかだ。
 その答えは、①戸建て並み広さと装備の賃貸住宅②既存客ケアから始めるリフォーム③新築の再見直しにありそうだ。

・購買力が低下し家を買える人が減る。
・融資額が減らされ購入可能額が低下する。
・過疎化の進行とコンパクトシティ化が同時に加速しハコモノ再整備が始まる。
・階級格差がさらに拡大し"おしん"の時代が再来する。
・国土再整備を目的に土木工事が再び増加する。
・後継者不足などが原因で中小企業が激減する-の6つに集約することができる。

続きは、以下のページから伝言欄に「9月5日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください
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2013年07月25日号から

トップを訪ねて 東北・宮城編

 日本には元気な工務店がたくさんいる。巨大化を目指すことなく、軸足を地域と住宅業に置きながら、住宅会社の経営に集中したり、業種の幅を広げたりと、さまざまなかたちで活躍している。今回は宮城の工務店3社を編集長が訪ねました。

カネソ 曽根建業
実力十分の地場中堅

20130725_01_01.jpgいまから35年前のことだった。当時、大手ハウスメーカーの大工として働き、お客さまから新築祝いに呼ばれて行ってみたら、「家を建てたい人が2人いるから行ってみなさい」と住所・電話を教わった。2棟建てたらそれぞれのお客さまが2件ずつ紹介をくれた。振り返ってみるとそこが現副社長と2人での創業だった。
 自然体でそう話すのが㈱カネソ曽根建業の曽根輝雄社長(仙台市泉区)。特に独立するつもりもなく直接受注をもらい、紹介、紹介で徐々に仕事は拡大。自社物件と同時に大手の下請も施工し経営が安定してきたころ、お客さまから「寒いんだよねー」とひとこと言われたのが悔しかった。平成に入ってすぐのことだったという。

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佐七建設
20年かけ徹底した地域主義

20130725_01_03.jpg年に10棟、ライフスタイルや家の希望をていねいにヒアリングしてプランニング、吟味した地場産材と地場の職人で家をつくり続けるのが仙台の北、大崎市の㈲佐七建設だ。佐々木実氏は昨年長男に社長を譲り、会長となった。地域工務店として生き残るために、大手の対極に自らの会社を置き、打ち合わせと設計方法のシステム化を達成。そのノウハウについて業界内のセミナーもこなす佐々木会長は、先代から建築業を引き継いで悩み、勉強して一歩ずつむしろ慎重すぎるくらいじっくりとここまで作りあげてきた。

 地域主義工務店を掲げている。まず、地元の材を使う。構造材はスギ材。小屋組にマツを使いたいが地マツがほとんどない現状を受け入れ、横架材にもスギを使っている。
 米どころの地域性を生かし、タタミも稲わらから地元産材。もちろん建具も左官も近所の工事店に頼む。
 最初は簡単ではなかった。ただ、家づくりの理念や地域の職人がおかれている現状と将来などを協力業者とじっくり話し合いながら、いっしょにつくることを提案し、徐々に理解が得られるようになったという。

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鈴木環境建設
エアコン1台で快適な家目指し

20130725_01_05.jpg東日本大震災の揺れと大津波を経験した仙台の北東に位置する石巻市。鈴木貞良さんは当時、地場有力工務店の幹部だった。未曾有の災害の後だからこそ、それまでのしがらみを断ちきって、自分自身が納得できる形で故郷復興の礎を築こうとしている地域のみんなの助けになりたい。そう決意して脱サラ。鈴木環境建設㈱を設立し、断熱性能を高め設備に過度に依存しないネットゼロエネルギーを目指す家づくりをはじめた。

 目標としたのはエアコン1台で全室暖冷房できる家。暖房環境として温水パネルヒーターが最良であることは十分わかっている。理想は高断熱躯体に温水パネルヒーターだ。ただ、震災と避難所生活を経験し、家族の暮らしを守る断熱性能をまず高めようとすると標準仕様の原価が上がってくる。それなら、ひとつの提案として断熱性能を高めた上でエアコン1台で暖冷房できる家を目指す方法もあると考えた。

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流されすぎず頑固にもならず
 東北の中心都市、宮城県仙台市とその近郊エリアは、100万人を超す都市住民と、農村や中山間地などが続く都市と地方の集合体だ。このエリアで、信念や理念を曲げずしたたかに大手メーカーと対峙する工務店を紹介した。
 仙台地域は、地場工務店にとって札幌より条件が厳しいと思う。住宅の基本的な仕様は関東と同じ。雪は降るし氷点下にもなるが、根雪はないし真冬日もほとんどない。こういう気候の地域は、全国一律型商品を持つ大手にとって攻略しやすい条件が整った地域でもある。乱暴な表現かもしれないが、住民は多くが南(東京)を見ており、地域性をあまり意識していない。
 そういう地域で基本性能の高さとものづくりをベースに据えながら、3社はそれぞれの信じる家づくり、それぞれが得意なやり方で道を切り開いてきた。
 企画型のハウスメーカーとの違いを際立たせ、集客方法は宣伝広告に頼らず、看板と口コミ、そして住宅公開。
 震災復興景気で大手ハウスメーカーの受注は震災前の3倍とも言われている。しかし、地場工務店は棟数を急増させることができない。むしろ、震災から1年は既存顧客からの修繕要望に追われ、新築を待ちきれないOB客が大手に流れ、その数が管理顧客名簿の1/3に及んだという工務店社長の話も聞いた。
 こういった時代や環境変化を敏感に感じ取りながら、流されすぎず頑固にもならず生きてゆく姿が強く印象に残った。


2013年05月05日号から

地域に生きる工務店 消費者と結ぶ新しい「つながり」

20130505_1.jpg農業や料理体験、ものづくりの喜び、地域パトロール、移住者のよろづ相談・・・。消費者と工務店を結ぶ新しい「つながり」が各地で生まれている。子育て世代の減少、増税など受注の先行きに不安を感じる中、広告以外で消費者と接点を作っている工務店を取材した。

続きは、以下のページから伝言欄に「5月5日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください
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2013年05月05日号から

連載記事2回目 北の国から2013 集結 〝飛び道具〟は本当に省エネなのか?

20130505_2.jpg 富良野のエコ住宅視察は、一般消費者、建築会社、設計事務所、ブンヤという異色の組み合わせになった。そのことで、自分と違う立場のいろいろな見方をライブで聞くことができる実りの多い視察だった。さて今回は、最も関心の高い太陽光発電。

積雪・寒冷地での太陽光発電

 Nさんは2009年に設置して丸3年間のデータ(日別も)を保存している。当初から後付けする予定で6寸こう配、約30度の三角屋根になっている。パネルは国産S社で5.12kW、パワーコンディショナー(パワコン)は4.5kW。パネルは横1段ずつ4回路でパワコンにつながっている。
 方位は南南東で日影をつくる建物や電線などの障害もなく、ほぼ最高の条件。年間発電は、目安といわれる容量×1000=5000kWhの大台に乗ったことはなく、4600~4900kWh台で推移している。市内では容量×1000に達している家もあるといい、これについてはパワコンの容量不足も考えられる。購入前のシミュレーションは5200kWhくらいだったという。
 積雪期の発電はどうか。冬場は20日以上連続して発電ゼロの日もある。雪が載ってしまうからだ。「発電モニターを見ないことにしている」とNさん。冬場の発電量はたかがしれているとわかっていても、発電ゼロの日が続くとすごく残念だそうだ。


連載初回を読みたい方は、以下のページから伝言欄に「4月25日号から見本希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください
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2013年04月26日

Web特集 熱交換換気は本当に省エネなのか!?

省エネ関連基準の強化や電力不足という状況の中、寒冷地住宅でエネルギー消費の過半数を占める暖房エネルギーを削減するため、熱交換換気への期待が高まっている。
ただ、一方で選ぶ際の基準がわからない、計算通り省エネになるのか知りたい、といった声も多い。
日本スティーベルの顕熱式熱交換換気「LWZシリーズ」を例に、熱交換換気の省エネ性と実力を見ていきたい。
 
 
2012HJSmeetsLWZ_1.jpg1ページ:熱交換換気は本当に省エネなのか!?
どんな住宅に入れても省エネが実現する、わけではない。
 
2ページ:「熱交換効率」実測値で90%は本当なのか!?
それなりの技術なら、第3種換気のほうが省エネ

 
2012HJSmeetsLWZ_2.jpg3ページ:暖房機能、そして極寒冷地での安心
注目の新・システム部材群

4ページ:ビルダーインタビュー
「大切なエネルギーを無駄なく使いたい」武部建設・武部英治さん
 
 
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この特集は、2012年の新聞連載をまとめた日本スティーベルと北海道住宅新聞のコラボレーション企画です。


2013年04月25日号から

採用する前に解消 太陽光発電の不安

 道内でも太陽光発電を設置する住宅が増えつつあるが、記録的な大雪となったこの冬は、「パネルに雪が載って落ちない」「発電しない」「スガモリした」など、安心面での課題が出た。そこで安心できる太陽光発電をユーザーに提案するには、どのように設置すればいいのか。
注意点と対策を取材した。

*パネル上の積雪*
2ヵ月以上も発電ゼロが続く

20130425_01.jpg「北海道札幌市在住です。今年の1月下旬に三角屋根面(南向き)に太陽光パネル10枚設置いたしました。今現在、設置してから一度も発電はしておりません。おまけに雪は全く滑り落ちません。パネルが7枚ほど見えているのに、全く発電しなくて業者に連絡。回答は、回路が1系統のため、大切な部分(パネル)が隠れているのでしょうと...。そんな説明は設置する前は全くありませんでした。そうなると冬は雪も滑り落ちないし、発電も全くしない。おまけに室内のモニターの電源までは入らなくなりました。何故だろう。工事トラブル? 困ったもんです」。
 これは今年3月に弊紙編集長のブログに寄せられたコメント(一部改編)。雪が多かったこの冬は、同様のコメントがいくつかブログに書き込まれた。「パネル(モジュール)に載った雪が落ちない」「雪が載っているのは一部のパネルだけなのに発電しない」などだ。
 なぜそのような状況になるのか? 積雪寒冷地で、パネルに雪が載るのはしかたないこと。ただ、晴天でも雪がなかなか落ちず、発電しない日が続くと、ユーザーの気持ちは複雑だ。

架台のをできるだけ高く

 実際に雪が落ちない原因の多くは、パネルの傾斜角や方角、架台の高さにある。発電効率を考えれば、道内ではパネルの傾斜角が30~35度で真南に向けて設置するのが一番いいと言われる。しかし、落雪を促して冬期間にいかに発電させるかということを考えれば、フラット系屋根では40~45度、こう配屋根では6寸こう配以上の傾斜角がいいようだ。フラット系屋根の場合は、屋根上の積雪がパネルからの落雪を妨げないよう、架台の足をできるだけ高くすることも大切だ。
 土屋グループで太陽光発電設置を行う㈱アーキテクノの藤原輝治常務は「当社では無落雪屋根の場合、パネルの傾斜角を45度、屋根面からパネル下端までの高さを80㎝~1mとしている。こう配屋根なら6寸、最低でも5寸のこう配はほしい。傾斜角が30~35度と40~45度の発電量の差は2%程度なので、いかに冬期に発電させるかを考えれば、雪が落ちやすい45度の傾斜角のほうがいい」と話す。
 また、パナソニック㈱エコソリューションズ社北海道・東北電材エリアマーケティンググループの和田登参事は、屋根の形状や架台の傾斜角と荷重、方位などをトータルで考えることが必要と指摘。「当社では道内を垂直積雪量によって3つの地域に分類。それぞれこう配屋根、無落雪屋根、地上に設置する際のパネル傾斜角や架台の高さを設定することで、晴れればパネル上の積雪が落ちるようにしている」と語る。

1枚でも積雪あれば発電しない?
*雨もり・スガモリ*
*感電・漏電*
*施工品質の確保*
など続きは、以下のページから伝言欄に「4月25日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください
http://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


2013年04月15日号から

"喜びのおすそ分け"でクレームを防ぐ

編集長の目

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 "アリが出た"だけでクレーム、"常時換気を止めて結露"しても呼ばれ、状況を説明すると、ふた言めには"シロウトだからわかんないの当然じゃない"とさらに苦情を言うのが昨今の消費者。その扱いに頭を悩ます会社は多い。
 対策としては、引き渡し説明と取扱説明書の記載充実という法対応をしっかりした上で、自社の家づくりに共感してくれるユーザーと家づくりをするのがいいことは確かだが、ユーザーを選別することは現実には難しい場合のほうが多い。300件に1件の確率でモンスターに近い消費者に当たるとも言われる。
 ただ、この手の苦情対策を進めると、地域に根ざす建築業の良さが出にくくなる。どうしたら、消費者の満足を高め、地域ビルダーの良さを発揮できるのか。そんなことを昨年夏くらいから考えている。
     *     *     *
 というのも、この1年間、主に子育て世代の親子を対象にした簡単な農作業と料理教室を月に1回ほど開き、顔の見える関係の中なら、"ふれあい"とか"お互い様"といったコミュニケーションを基本に据えた関係づくりができるかもしれない、と感じているからだ。ただし、それを実現するためには、ボクたちがねばり強く働きかける必要がある。
 自分はいま50歳。ボクらを含め上の世代は基本的に文句の多い世代だ(^_^)。しかし、文句もコミュニケーションのひとつである。ところが、今の子育て世代は面と向かって文句を言う人はほとんどいない。むしろ素直に指示通り動いてくれる。しかしリアクションがない。最初はそのことが怖かった。
 徐々に慣れてくると、また違った面が見えてきた。彼らは基本的に家族単位でしかコミュニケーションをしないが、家族同士ではしっかりコミュニケーションを取り合う。つまり、信頼していない人間とはコミュニケーションを取らないだけらしい。
 そうなら、信頼を獲得すればいい。どうやって?
 もうひとつ目についたのが、子育てや家事といったこれまで主婦が担当してきた仕事に不慣れなこと。子どもを保育所などに預けて働きに出るお母さんの数は増え続けており、主婦はとても忙しいのだ。加えてコミュニケーションが不足しているので、知識の入手方法も限られるのだろう。
     *     *     *
 『そんな家庭ばかりじゃない』『こんな話がクレーマーとどう関係するか』という声が聞こえてきそうだ。
 先に触れた体験型教室は多いときで60人超の参加者となる。対してスタッフは10名程度の少人数。そのため考えついたのは、クレームを減らすより喜びを全員に感じてもらう運営だった。
 クレームは、自分が無視されている、粗末に扱われている、と感じたときに起きやすい。では、粗末に扱っていないことを伝えきれるか、といえば難しい。むしろ、喜びを伝えることの方が簡単なのではないか。そして喜びを伝えられれば、クレームというテンションの下がる感情より満足というテンションの上がる感情に誰もがつつまれたいと思うはずだ。
 そして、まず運営側が楽しむこと。楽しみの輪から漏れている人の手を取って輪に戻ることを実践してみた。そうすると、想像以上にみんな楽しみの輪に入ってくれる。そう、大切な日曜日を家族で楽しむために来ているのだから、本来楽しみたいのだ。
     *     *     *
 家づくりに使う時間を消費者側から見ると...。平日は仕事や子育て、家事で忙しく、大切な休日に家づくりの打ち合わせをする、現場を見に行く。そういう時間だから、楽しく過ごせたら大切な思い出になるはずだ。まず、ビルダーサイドもいっしょに楽しむ。その結果、クレームが減ったらとてもありがたいし、こんな地域ビルダーらしいサービスはほかにない。
 もう一歩進んで、心配事が表面化する前の声がけ、より良い方法の提案などを遠慮なくしていく。たとえお節介と思われようとも。
 さらにもう一歩進んで対象を広げ、地域住民に対してもお節介をしてみる。楽しい場をつくる、楽しさの輪に参加する。みんなを誘う。そうやって楽しさを振りまくと、だんだん笑顔が増えていく。

 いまの世の中はお節介焼きなど「絶滅危惧種」だ。でも喜びのおすそ分けは、お節介を焼かない限り広げることができない。


2013年03月29日

スガモリについて

2012年末のクリスマス寒波からほぼ3ヵ月にわたって大雪と寒波に見舞われた12-13年の冬。住宅の屋根ではさまざまな障害が発生しているようです。

当社ホームページ内では、スガモリについて特集した2005年の新聞記事が、「スガモリ」のキーワード検索で上位表示されるようになりました。
もう8年も前の記事ですが、内容に不備はございません。

このページのコンテンツをリフォームするとともに、特集pdfを差し替えました。

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http://www.iesu.co.jp/shinbun/2005/17-6-5.htm

寒冷地の住宅を知るなら北海道住宅新聞。


2013年03月25日号から

特集 改正省エネ基準と断熱建材の進化

2013年1月末に国の省エネ政策のベース基準となる改正省エネ基準が告示され、それに先立つ昨年12月には誘導基準となる低炭素建築物認定基準が告示・施行された。これらの動きに合わせるように、昨年から今年にかけて高性能な断熱材や窓が発表されている。

特集は全5ページ構成です。
2-3面 改正省エネ基準の特徴と位置づけ
4面 開口部の進化 性能アップとコストダウン
5面 主力のグラスウールに超高性能品登場.付加断熱専用のウレタンボードも

特集部分のみpdfファイルで提供します。
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2013年03月15日号から

記者座談会

2013年3月15日号

130315-1men.jpg 北海道住宅新聞の記者たちは、住宅会社や住設建材メーカー、行政などに取材し、情報を取捨選択して記事にしている。そこは記者の見識や考え方が試されるところだが、記事にできなかったことの中にも、伝えたい情報はある。そこで今回は記者が実際に取材の現場で感じていること、考えていることを知ってもらおうと、「省エネ基準と断熱建材」「消費税増税への対応」「震災復興」の3つのテーマによる匿名の記者座談会を企画。記者たちが記事に書けなかったホンネを語った。


1.省エネ基準と断熱建材
関心は基準そのものよりエネ問題に

20130315_01_01.jpg記者A:1月末に改正された省エネ基準が告示されたが、実際に住宅会社は基準が変わったことに対する意識があるだろうか?
記者B:意識は全然ないと言ってもいいくらいでは。
記者C:断熱性能のハードルは上がっていないという冷めた見方もあるし、外皮の計算もQ値と同じで、おいおい慣れていくと考えている住宅会社もある。
記者A:12月告示・施行の認定低炭素住宅をやりたいという話もない。
記者D:現状では認定低炭素住宅にメリットはないからだろう。住宅ローン減税の控除限度額を増やしたいのであれば、長期優良住宅のほうがやりやすいこともあるし。
記者A:改正省エネ基準は補助金絡みで徐々に浸透していくと思うが、それよりもエネルギー問題のほうが住宅会社にとって重要な関心事。熱源は電気でいいのか、電気でも生焚きはダメなのか、ガスのほうがいいのかと。
記者C:ユーザーは省エネ・省CO2より、経済性を優先して設備を評価する。そうなると、マイコン割引や5時間通電割引がなくなっても、深夜電力を使う電気蓄熱暖房器や電気温水器はまだ有利。電気生焚き設備の良さである"壊れにくい"ことも大きなメリットで、多くの住宅会社が電気蓄熱暖房器や電気温水器から離れない理由もそこにあると思う。
記者D:また、熱交換換気は改正省エネ基準で以前のようにQ値を下げるための手段としては使えなくなり、正しい評価ができるようになったと思う。改正省エネ基準では暖房機の一種として見ることができるようになったため、エネルギー価格が上昇している中、電気を使いモーターを回しても暖房エネルギーを少なくできるかどうか、ヒートポンプと併用しても意味があるかどうかなどが、評価のポイントになりそうだ。
記者B:断熱建材は昨年から性能向上へ向けた動きが目に付く。これは現時点で最も高性能な製品を目標基準とする断熱建材版トップランナー制度の導入や、改正省エネ基準告示・施行の影響と言われているが、雰囲気的には札幌版次世代住宅基準を睨んでのことのように見える。
記者A:これまで主要な断熱建材はほとんど性能値が変わらなかったが、グラスウールは熱伝導率=λ競争が起きてきて、発泡プラスチック系断熱材もB3種の上の製品が出てきた。
記者D:同じくトップランナー制度の対象となる窓も、熱貫流率=U値で1.0Wくらいの製品が出てきている。

[写真]2月下旬に札幌で行われた改正省エネ基準の講習会。住宅会社の関心は高いように見受けられたが...


2.消費税増税への対応
地域との関わり見直し増税後に備えを

記者B:消費税率が5%から8%になるまで、いよいよあと1年となったが、住宅市場の動きはどうか。
記者A:住宅会社が内覧会をやると、どこもけっこうな数のユーザーが来ている。ただ、「いずれ家を建てるなら今だろう」という気持ちはあると思うが、「うちも建ててくれ」というユーザーが頻繁に来る、いわゆる"駆け込み"が発生している状況ではない。
記者C:大工の絶対数が減少している中では、住宅会社もできる棟数が決まってくる。ユーザーが家を建てたいと来ても来年4月まで間に合わないケースも出てくるのではないか。
記者B:ただ、道内着工の春先の出足の悪さは改善するのでは。昨年の春先は地域型住宅ブランド化事業でバタバタしていたが、今年は補助を受けずにどんどん現場を進める住宅会社が増えると思う。着工のピークは8~9月で、12月も増える可能性があるだろう。
記者C:春先の着工物件を持っていなくても、分譲やモデルハウスをやるという考えもある。
記者A:住設建材メーカーは着工のピークがいつになるのか、気にしているようだ。欠品が不安なのかもしれない。
記者C:住宅会社は消費税増税後の対応について、どう考えているのだろうか。
記者B:今は目の前にある仕事でいっぱいいっぱいでは。昨年はリフォームの強化という話も聞いたが、最近は聞かなくなった。
記者A:住宅会社は一見さん相手の商売と言えるので、実は方程式のようにわかりやすい対策はない。経営者は住宅市場が冷え込んでも自社商品がしっかりしていれば大丈夫という考えになりやすいが、今のうちから自社の弱点を補っておく努力をしないと、"ガクッ"となるかも。
記者D:大切なのは地域との関わりを見直していくことでは。地域への奉仕や感謝、ふれあいを増やすことで地場工務店としての信頼を得ることが、まず第一だと思う。

3.震災復興
暮らしと命を守る住まいの実現へ

20130315_01_02.jpg記者D:東日本大震災から2年。改めて震災により失われた多くの人々に深く哀悼の意を表すとともに,被災された方々にお見舞いを申し上げます。
記者A:今回の震災は地震と津波、原発を切り分けて考える必要がある。原発事故がなければ単純に復興の話は進んだと思うが、原発事故=震災という刷り込みが起きて、電力問題、エネルギー問題の話が先行し、東北復興の話になかなかならないのが現状だ。
記者B:2年経っても前が見えないのは、被災者にとって相当つらいだろう。
記者C:その状況の中で岩手県などの沿岸部では人口流出が続いており、県内陸側の都市である盛岡や北上にはかなり家が建っているらしい。両市が営業エリアの住宅会社は多くの仕事があり、心の中は複雑だという。
記者D:道内からも住宅会社や大工などが被災地に入っているが、原発での作業と同じく元請けの下に直接入らないと、上前をはねられるという話も聞いた。
記者A:道内の住宅会社が被災地に進出するのは、経営的には正しいかもしれない。復興で最低でも10年は仕事があり、その後の10年も普通に仕事があるとすれば、住宅会社だけでなく、大工など職人もまだ40代前半なら行ったほうがいい。もっとも、そうなると道内ではさらに住宅関連産業の空洞化が進むことが心配だ。
記者C:本紙が何かできるとしたら、それは災害に強い家の提案だと思う。流行ではなく、家づくりの基本のひとつとしてとらえ、啓もうを続けたい。

[写真]仙台市の海沿いに建つ被災住宅。補修すればまだ住めそうだが、災害危険区域に指定されたため、住民は移転を余儀なくされている(2011年12月撮影)


2013年02月25日号から

保存版特集 断熱施工の要点と高断熱化

20130225_02_1.jpg北海道や東北など寒冷地では、エネルギー価格の高騰に備えるとともに、省エネ設備に過度に依存しない家づくりとして、高断熱化が進んでいます。今回は2012年に連載した特集を再編集し断熱施工の要点に絞って別刷り保存版としました。

2面 断熱施工の要点
 その1 グラスウールは高性能16K使う 
 その2 剛性ある材料で床断熱受ける

3面 断熱施工の要点
 その3 天井断熱はブローイング工法で施工
 その4 気密施工を簡略化できる桁上断熱
 その5 屋根断熱は棟木の先張り忘れずに

4面 付加断熱の施工
5面 200mm断熱の施工(下地)
6面 200mm断熱の施工(入隅・出隅)
7面 200mm断熱の施工(土台・軒) 300mm断熱の施工

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2012年10月25日号から

決められない施主と処方せん

「何ヵ月経っても契約のハンコがまだもらえない」「『これでいいですね』と念押ししたのにまた設計変更だ」。ビルダーから嘆きの声が聞こえてくる。ひょっとして相手にしているのは、「決められない」顧客じゃありませんか?

注文住宅に向かないユーザー増加中

20121025_01_01.jpg 注文住宅は、施主の要望に細かく応えることで、顧客満足度が向上する と考えられてきたが、それは顧客である注文主が"注文できること"が前提だ。しかし、小さな子どもを抱えた若い親は子育てに忙しく、注文住宅で一から打ち合わせすることが苦痛に感じられることもある。また、人生経験が浅く、あふれる情報を消化しきれないために「結局何がいいのかわからない」と決められない顧客も増えてきている。

 一方、住宅会社側からは、「お客と一緒になって悩むと、結局振り回されるばかりで契約が取れなかったり話が進まない」という嘆きも聞こえてくる。売上と原価は従来と変わらなくても、長引く打ち合わせで社員1人あたりの労働時間が延び、そのことが人件費アップにつながると同時に社員や社長の長時間労働という負担になっている。
 こうした「家を建てる」というよりも「買う」感覚が強まってきているユーザーに対し、企画型住宅をモデルハウスとして建て、セミオーダー型を目ざす住宅会社が多い。
 「ユーザーは"注文住宅"を望んでいるわけではない。自分らしい暮らし、ステキな生活を望んでいるのであって細かな注文を実現するよりも、打ち合わせコストを省いた結果安くていい家が目の前にあればそれを『買う』方が自然」と語る住宅会社の社長もいる。
 徹底的にこだわるフルオーダー住宅よりもセミオーダー型住宅が増えるのは、こういった消費者像の変化がある。
 もっとも、住宅会社からすると、デザインやプランをパターン化して決めてしまうのは勇気がいる。対象を絞り込んでしまうことになるからだ。それでも札幌圏は人口が250万人ほどあり、対象を絞り込むマーケティング的な手法が十分成り立つ。
 一方でこの手法は注意点もある。そのスタイルの住宅を選ぶ理由、仕様を絞り込む理由が顧客にきちんと説明され、顧客が「欲しい」と感じなければ押しつけがましい営業になってしまう危険性がある。

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2012年10月05日号から

薪ストーブに熱視線

環境にやさしく、災害時も使える

20121005_01_01.jpg薪ストーブに対する注目度が徐々に高まってきている。以前は炎を楽しむ嗜好品、ぜいたく品だったが、昨年3月の東日本大震災以降、環境にやさしく、災害時にも使える暖房器具として改めて評価され、新築・リフォームで設置するユーザーも増えてきた。

 薪ストーブと言えば、薪が燃える様子を眺めて安らぎを感じたり、疲れた心と身体を癒したりなど、男の趣味で使う暖房器具というイメージで、実際に設置するユーザーは高額所得者やアウトドアを趣味とする人、田舎暮らしに憧れている人などが中心だった。
 それがここ数年、一般的なユーザーでも薪ストーブの設置を希望するケースが増えてきている。きっかけとなっているのは地球温暖化など環境問題の深刻化、そして東日本大震災で起こった長期的かつ広範囲なライフラインの寸断だ。

 環境問題に関して言えば、薪ストーブは地球上のCO2を増やさない暖房という点で、環境に関心が高いユーザーから評価されている。薪を燃やした時に出るCO2はもともと大気中に存在していたものを立木が成長過程で取り込んだものなので、大気中に排出されても地球上のCO2の総量は変わらないという考え(=カーボンニュートラル)だ。
 ライフラインの寸断については、電気暖房はもちろん、ガス・灯油暖房でも停電してしまえば使えないが、道内で冬に暖房が使えなくなったら生命に関わる問題だけに、電力不要な薪ストーブが改めて見直されているというわけだ。福島第一原発事故の影響で泊原発が止まったままとなっているため、今年冬場の電力供給に不安を感じて薪ストーブの設置を考えるユーザーが増えていると話す住宅会社もある。

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2012年09月15日号から

工務店・設計事務所に聞きました

「コストはこう下げる」(後編)

 8月25日号に引き続き、魅力ある商品をユーザーが納得できる価格で提供するため、利益を確保しつつ価格を引き下げる手段について、実際に工務店や設計事務所が実践している工夫を紹介する。今回は仕入れ編と工程管理・社内体制編。

仕入れ編
ネットショップを賢く利用

 木材や建材・設備の仕入れ価格は、住宅価格に直結するだけに普段から様々な努力や工夫が見られる。
 よく聞くのは、複数の建材店から見積りを取って仕入れる複数社購買。「建材の種類によって4社から仕入れを行っている。それぞれ価格を安くできる"得意分野"があるからだ」(旭川・工務店)というように、建材店ごとにどの建材の価格競争力が高いかを把握して買い分ける工務店もいる。
 また、インターネットの普及によって、ネットショップから建材等を安く仕入れるケースも目に付くようになってきた。
 ネットショップは基本的に店舗を持つ必要がなく、営業や配達の人件費もかからないので、その分、価格も割安なことが多い。代引き手数料無料で、一定金額以上の購入なら送料もかからず、購入代金をポイントで還元してくれるショップもある。また、「当社が利用しているネットショップでは、金物に付属する釘やビスを省いたり、本数を減らしたりすることができるので、それら付属品の在庫が社内にある時は必要な分だけ安く買える」(道東・工務店)と、ショップによっては細かいニーズにも対応してくれる。
 手形での支払いができなかったり、アフター面での不安もあるが、価格を重要視するならネットショップの利用は検討に値する。
 このほかでは、「常に使える手ではないが、お客様了解のうえ、建材店で売れ残ったアウトレット品や、メーカーショールームの展示品を安く仕入れる」(旭川・工務店)、「海外の建材は可能であれば商社を通さないで直輸入する。商社を通すと直輸入するより商品価格だけで20%程度高くなり、さらに国内運賃を含めると1.5倍くらいの価格になる。それならばノウハウも必要だが、コンテナで直輸入し、自社で使い切れない数量であれば他社と共同購入という形にすればいい」(オホーツク・工務店)などといった声も聞かれた。

※ネットショップ「匠の一冊」のホームページ
http://www.takumi-probook.jp

金物・工具を中心に取り扱っており、価格以外にも、細かいニーズに対応した販売方法やポイントサービスなどのメリットがある20120915_01_01.jpg


工程管理・社内体制編
工期短縮や手戻り・クレームを削減

 目には見えにくいが、工程管理や社内の業務体制を改善し、工期短縮やプラン・仕様変更に関わる手戻りの解消、クレームの削減などにつなげることでコストダウンを図っている例もある。
 例えば工期短縮や着工前の仕様・単価の決定など。「以前、基礎工事業者を別の業者に変えたところ、基礎工事の工期が大幅に短縮された。協力業者の能力を見極め、そのまま任せるかどうか見直すことも必要と思う。また、施工途中で仕様や間取りの変更がないよう、お客様に全体のスケジュールを示して、その通りに進行するよう誘導することも大切。計画通り工事を進めることで、ムダな経費をなくし、利益を着工前に確定させ、その結果見積額に安全を見込んだマージンを盛り込まなくても済む」と、札幌市のある工務店は言う。
 また、「社員教育という投資によって、受注が獲得できる、クレームを抑えられる、というのがけっこうコストダウンの王道なのではないかと思う。細かなコストダウン努力は当然必要だが、経営規模が小さいとコストダウン額も小さく、表面的に仕入れや人件費を削っても、クレーム対策費がかさんだり、評判を落としてしまえば、結果コストは落ちない。むしろ、しっかりした仕事、行き届いたサービスこそが最高のコストダウンなのではないか。そういう視点も大切なように思う」(十勝・工務店)というように、日常の仕事にどういう心構えで取り組むかも、コストを左右する重要なポイントと言える。


2012年08月25日号から

ショールームぞくぞく出店!

創成川EASTの暑い夏

住設建材メーカーが、札幌を南北に流れる創成川東側エリア「創成川EAST」にショールームを相次いで出店している。集客力のある大型ショッピングセンターがあり、札幌駅から車で数分の至近距離で駐車場を確保しやすいからだ。このエリアが賑わう理由を分析してみた。

創成川EASTが賑わう理由

20120825_01_01.jpg 創成川EASTでは2009年9月、北1条東7丁目にTOTO(株)と大建工業(株)がコラボショールームをオープン。昨年4月にはLIXIL(株)が大型ショッピングセンター・アリオ札幌の向かい、北8条東10丁目に統合ショールームをオープンした。さらに6月、一度道内から撤退したヤマハリビングテック(株)がショールームを大型ショッピングセンター・サッポロファクトリー内に新規オープン。今年8月8日には、YKKAP(株)が同じくサッポロファクトリーにショールームを新規オープンした。わずか3年で4つのショールームがこのエリアにオープンしたことになる。
 サッポロファクトリーには、開店当初から北電、北ガスのショールームがあり、また人気家具メーカー「カリモク」のショールームもある。家づくりを真剣に検討している消費者にとっては、短い移動距離で複数のショールームを1度に回れる。
 住設建材メーカーにとって、このエリアにショールームを出店する理由は3つある。第1は集客力だ。「アリオ」や「サッポロファクトリー」は、多くの買い物客が集まる大型ショッピングセンター。商圏は市外にまで広がっている。サッポロファクトリーは1万2000坪の敷地内に160の店舗が入っており、年間来客数は620万人。アリオ札幌も同様の規模だ。第2は駐車場が確保されていること。車での来場を意識して、両方とも数千台規模の駐車場がある。第3は、不動産相場が札幌駅周辺よりも安いこと。出店コストを抑えたいメーカーにとっては好都合だ。

「窓とドア」に特化したYKKAP

 8日にオープンしたYKKAPのショールーム「P-Stage札幌」は、展示面積が約220坪。窓とドアに特化したショールームとして専門性をアピールしている。同社サッシの道内シェアは、LIXILに次いで第2位。ショールームオープンをきっかけに、LIXIL追撃のペースを早めたい考えだ。年間の来場者数は約2万人を見込んでいる。
 YKKAPは、水まわりに特化したTOTO、建材に特化した大建工業と3社で「TDYアライアンス」という業務提携をしており、新規ショールームも2社以上が共同出店することが多い。TOTOと大建工業は、既に北1東7にコラボショールームを出店しているが、YKKAP製品を新たに展示するには手狭なため、コラボショールームから徒歩圏内のサッポロファクトリーに出店を決めた。
 ショールームには4名の女性アドバイザーが在籍。事前予約することで商品選びについてアドバイザーが消費者に時間をかけて説明する。ショールームを入った右手には、最大の特徴である玄関ドアのひな壇展示があり、主力製品の「ヴェナート」が34デザイン、「デュガードMD」が5デザインの合計39デザインを取り揃えた。展示スペースには商談スペースもあり、その場でドアの仕様決めもできる。
 またサッシについては、枠やガラスの種類による結露のしやすさを実物比較で確かめたり、パネル説明などで窓の役割と性能を専門用語を使わずに説明する。
 需要の多いリフォームについては、ドア、サッシともビフォーアフター形式の展示を行い、取り替えのメリットをアピールする。
 同社では、このショールームを「まずは販売店が住宅会社・工務店を招待して商談の場にしてほしい」としている。さらに、住宅会社・工務店やリフォーム店がイベント開催の会場として消費者を呼び寄せるために利用したり、消費者が窓とドアについて単独で来店することも想定している。

ショールームで販促のお膳立て

20120825_01_02.jpg 創成川EASTの集中出店に、危機感を募らせる住設メーカーもある。
 「消費者は複数のショールームを見て回ると言うが、真剣に検討する人ならば1日に回れる数はせいぜい3社で、ショールームが増えれば消費者は回るショールームを絞り込む必要が出てくる。創成川EASTのショールームが増えれば増えるほど当社にとっては厳しいと感じる」という。
 一方、別のメーカーは「ショッピングセンターというわかりやすい目印があると消費者は単独で来店しやすい。今後もこのエリアで出店を考えるメーカーがあるのでは」という。
 ショールームの出店が過熱する背景には、「販売店、住宅会社を支援して売上げやシェアを伸ばしたい」という事情がある。住宅会社向けの商談会、消費者向けのイベントなど、販売促進のお膳立てをメーカーが積極的に行うことで販売店や住宅会社の営業力強化=売上げアップにつなげたいのだ。
 住宅会社・工務店にとってもメーカーショールームの出店は、顧客サービスの強化につなげられる。"創成川EASTに一見の価値あり"ではないだろうか。


2012年08月15日号から

白い布1枚で〝すだれ〟と同等 窓開けのじゃまにならず、明るさも

20120815_01_05.jpg 去年までの取り組みにより、"外気温が30℃だから家の中が暑いのではなく、室内に侵入した日射によって窓まわりや床が発熱し、あたかも電気ストーブを運転した状態になるから暑い"ことが、日射遮へいをやってみて、はじめてわかった。また、窓辺で実施した温度測定からも、室内が発熱し室温が上昇することが裏付けられた。
 外部で日射を遮へいすると、断熱住宅では、温度が上がる日中に室温をほぼ外気温度以下に抑えることができる。また、夜になれば室温も下がってくる。日中、室内に熱がこもっているかいないかの差が、ここに現れる。

 これら去年までの成果を踏まえ、今年は通風したい窓の日射対策に取り組み、遮へい部材として寒冷紗(かんれいしゃ)を採用した。

 寒冷紗は日よけ用の農業資材で、ホームセンターに売っている。札幌市立大学・斉藤雅也准教授が、同大学の図書館遮熱用に採用した実例を拝見し、先生のアイデアをちょうだいした。
 1ヵ所目の施工部位は台所の窓。調理をするときに南東面のこの窓を開けると、黒い屋根面で熱せられたヘアドライヤーのような風が室内に侵入する。"窓は開けたい、暑いのはイヤ"という主婦の要求を、寒冷紗でこたえてみよう。第1に日差しをさえぎり、第2に屋根面の過熱を防ぐため、寒冷紗は長めに切って使用した。
 2ヵ所目の施工部位は、北東面の縦長窓。窓を開けると風が入るが、日射もいっしょに入ってくるため、窓を開けた結果、涼しくなったのか暑くなったのか微妙なのだ。お盆ころになると窓を開けても台所の窓と同様、熱風しか入らなくなる。この窓を日射だけさえぎって風を入れたいというのが目的。

台所のモワッとした熱さが劇的に改善

20120815_01_01.jpg 結論から言うと、寒冷紗の効果はかなり高い。白い布1枚で体感上ここまで違うと、ぜひ試してみることをおすすめしたい。
 まず、毎日台所に立つ主婦の声だが、「モワッとする不快感がなくなった」という。朝6時頃から台所仕事が始まり、そのときに窓を開ける。そして、昨年までは7時前になると暑さにたまりかねて窓を閉めたが、寒冷紗をつけてからは「風が熱くはない」という。その結果、午前10時ころまで窓を開けているようになった。
20120815_01_02.jpg 窓辺で測定した温度データを見ると、窓を閉め切りよしずを下げた窓との温度差は、最大で3℃程度。それも日差しの強い日に窓が開いていたため。窓を閉めた状態ではよしずに劣らない日射遮へい効果が出ている。デザイン面で制約のあるよしずやすだれより、寒冷紗は万能で効果的。
 室内を見ると、寒冷紗がかかっている部分は、少し明るさが落ちるだけだが室内の発熱がぜんぜん少ない。もちろん、屋根面も過熱が抑えられるから、風が熱くないのだ。
 北東面の窓は、効果がさらにわかりやすい。朝5時台に窓を開けて、7時を過ぎるとこれまでは窓まわりがすごく暑くなっていた。寒冷紗をすると室内の発熱はほとんど感じられない。例えば、蛍光灯と白熱灯ほども熱さが違う。

【写真】
・外部に寒冷紗を設置した台所の窓
・寒冷紗を取り付けた状態。H=600mmの窓を長さ1800mmの寒冷紗で覆った


モダンデザインにも採用できそう

20120815_01_06.jpg 窓の外で日射をさえぎる場合、よしずを立てかけたり、すだれを吊したりできれば一番効果的だ。しかし、デザイン面や取り付けの問題、外開き窓との相性など、課題も多い。その点寒冷紗は布状で取り付け方法さえうまくいけば、窓を開けられないという問題も生じることはない。

日射の浸入と地面の照り返しを防ぐ
20120815_01_03.jpg20120815_01_04.jpg
 最後に本紙の事務所で実施中の暑さ対策を紹介する。方法は単純によしずを立てかけた。
 驚いたのはその効果。外気温26~27℃の日なら1日の2/3、30℃を越えた日でもおよそ半分はエアコンを切っていても暑くないのだ。来訪者によると、30℃以上の日でもよしずの内側に入っただけでホッとするという。室内への日射の侵入と、床スラブの加熱を防ぐから、事務所内が涼しいのだ。曇りの日にも効果はかなりある。

【写真】
・寒冷紗の効果をよしずと比較した2012年夏の測定データ
・札幌都心部の夏季の可視(上)、熱画像(下)。曇りの日でも道路や建物の壁・屋根に蓄熱され、表面温度は40℃に達している。
(写真提供:札幌市立大学・斉藤准教授)

 
*関連記事*
雨の日も窓を開けたい 高性能住宅Q&A752
http://www.iesu.co.jp/article/2011/09/20110925-2.html

30℃で暑くないって本当? 高性能住宅Q&A753
http://www.iesu.co.jp/article/2011/10/20111005-2.html

鎌田紀彦室工大教授が論破「断熱住宅は暑さにも効果的」
http://www.iesu.co.jp/article/2012/06/20120615-1.html
 


2012年07月15日号から

高断熱・高気密 基本と実践12

断熱施工の要点(中編)

 外壁に引き続き、今回は床断熱と基礎断熱における施工上のポイントや注意点などを取りあげる。

要点その3
剛性ある材料で床断熱材受ける

20120715_02_01.jpg まず床の施工だが、在来木造の床断熱は大引(床梁)と根太を直交させて、その間にグラスウール50㎜+100㎜の合計150㎜か同100㎜+100㎜の合計200㎜を充てんする。これは熱橋を避けることと、床の断熱強化を考えてのこと。より断熱性を高めるため、根太間はグラスウールボード45㎜を納めることも考えられる。
 ただ、最近では28㎜厚の構造用合板を直接大引・土台に張って、根太を省略する根太レス工法の採用が増えている。この場合、Ⅰ・Ⅱ地域では土台・大引間のグラスウール100㎜だけで、次世代省エネ基準の床の基準値をクリアすることが難しくなるため、横面に受け材を打ち付けた土台・大引間に発泡プラスチック系断熱材を納めるか、後で説明する基礎断熱を採用する手が考えられる。
 ちなみにツーバイフォー工法の場合は、ブローイングで根太の厚さいっぱいに断熱材を吹き込む方法がもっとも一般的。北海道では床根太に210材という梁背が235㎜もある材料を使い、その間にめいっぱい断熱材を吹いて床の断熱性能を上げているが、根太が206材や208材の時もこの方法がいい。ツーバイフォー工法の床用にプレカットされたグラスウールがないからだ。
 床断熱の注意点は、何と言っても断熱材の垂れ下がりを防止すること。断熱材と床下地の間に隙間ができると、そこに気流が走って断熱性能を低下させてしまう。これを防ぐために、断熱材の支持はたわんでしまう心配があるネットなどではなく、剛性を確保できる板材などで支える。
 なお、前にも説明したが、床の気密化は床下地合板を気密層として利用し、ポリエチレンシート(防湿・気密シート)を使わない工法を推奨したい。クッションフロアなど透湿性のない床仕上げ材の上で水をこぼすと、クッションフロアとポリエチレンシートに挟まれた床下地合板が、こぼれた水で腐ったりする可能性もあるからだ。

要点その4
土間下断熱材に熱損失低減効果

20120715_02_02.jpg 基礎断熱の場合は、発泡プラスチック系断熱材を布基礎の①外側だけ施工②内外両側に施工③内側だけ施工―という3通りの施工方法がある。寒冷地や準寒冷地では外側だけ、または両側とすることが多い。この時、基礎外周部から室内側にかけて、土間下に90㎝程度の長さの断熱材を敷くと熱損失がより少なくなり、土間下全面に張るより費用対効果が高まる。3×6尺の押出スチレンフォームなどを並べるだけでいい。
 なお、断熱材は布基礎のコンクリート打設時に一緒に打ち込むことが多いが、コンパネなど型枠の役割を果たし、コンクリート打設後はそのまま基礎断熱材となる型枠兼用断熱材を使えば、基礎工事の省力化にもつながる。   (次回に続く)


2012年07月05日号から

激戦生き抜く地場の力

札幌・創業10年未満の元気ビルダーたち

 道内最大の住宅市場・札幌で、全国大手や地場大手などに続く確認申請棟数21〜30位のグループは、数年で順位変動や入れ替わりが起きる激戦区。その中で創業10年未満にもかかわらず、着実に業績を伸ばし続けている住宅会社も存在する。その好調の秘密はどこにあるのか。元気印の3社にスポットを当ててみた。

20120705_01_01.jpg


(記事は以下のページから伝言欄に「7月5日号の見本も希望」とご記入の上、試読紙をお申し込みください)
http://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


2012年07月05日号から

高断熱・高気密 基本と実践12

断熱施工の要点(前編)

 気密と前後するが、今回から断熱施工を取りあげる。なお、ここでは充てん断熱として一般的に使われているグラスウールを例に説明を進めていく。

要点その1
グラスウールは高性能16K使う

20120705_02_01.jpg 現在では耐震性を高めるため、外壁は軸組屋外側に構造用合板などを張って筋交いをできるだけ減らす工法がほとんどなので、グラスウールの施工は以前と比べればかなりやりやすくなっている。しかし、それでもロール品は幅方向をカットする必要があるなど、作業が面倒。面倒な作業はいい加減な作業につながりやすいので注意が必要だ。
 そこで第1のポイントとして、グラスウールの施工にはプレカット品を使うことが大切。現場でグラスウールをカットして軸間に充てんする場合、正確にグラスウールをカットしないと柱など軸組材との取り合い部分に隙間ができて断熱欠損になってしまう恐れがあるし、手間もかかるからだ。
 北海道ではプレカット品の使用が当たり前となっているが、本州ではまだ必ずしも普及しているとは言えない。断熱欠損をなくし、施工効率も高めるうえでプレカット品は必須と言える。
 プレカット品のサイズは様々だが、例えば在来木造の柱と間柱の間に充てんするのであれば、幅が395mm、長さが2740mm。ツーバイフォーで標準的なスタッド間に充てんするのであれば、幅が425mm、長さが2350mm。
 第2のポイントとなるのが、グラスウールの密度。北海道では高性能16Kと24Kが使われている。断熱性能はほぼ同じだが、24Kは密度が高いため反発力が強く、筋交いなどのまわりではていねいな施工をしないと壁がふくらむなどの現象が発生する。この点、高性能16Kは繊維を細くすることで通常の16Kよりも性能をアップさせており、しなやかさがあるため施工しやすい。〝綿のよう〟とまでは言えないが、昔の〝とげが突き刺さるよう〟な気分の悪い刺激もないので、施工する職人のことを考えても高性能16Kのほうがお勧めだ。

要点その2
筋交い回りはヘコミつくらない

20120705_02_02.jpg それではまず壁の断熱施工から。
 プレカット品のグラスウールは柱・間柱の間などに壁の上部から入れていくが、プレカット品は柱・間柱の幅よりやや大きい寸法にカットされているので、隙間ができる心配はない。柱などとの境目を指先で〝キュッ〟と押して納めると、その部分がへこんでしまうが、あまりに神経質にならなくても大丈夫。
 ただし、グラスウールを施工した状態で現場見学会をやるときは、当然きれいに施工しておくべき。押し込んでへこんだ柱の境目は、定規などを使ってグラスウールを手前に引っ張るときれいになる。
 壁の施工で注意しなければならないのは、やはり筋交い回りなど。特に2ツ割の筋交いの回りはグラスウールが押されて山なりにへこんでしまう。これをそのままにすると気流が流れて断熱性能を低下させる可能性がある。
 そこで筋交いに沿ってグラスウールを切り込み、へこみをなくすことが必要。高性能16Kはさほど反発力が強くないので、切り込んだ後に筋交い部を切り取るところまでする必要はない。切り込みを入れて少し引き出してやれば、筋交いの回りは自然ときれいに納まる。
 同じく内装下地受けとして入れる胴縁部も切り込んでやるときれいに納まってくれる。
(次回に続く)


写真上:壁断熱1...在来木造のグラスウール施工例。軸間にていねいに充填されている

写真下:壁断熱2...横胴縁に当たる部分を切り込んで施工し、防湿・気密層のポリフィルムを張り終わった状態。この事例も非常にていねいに施工されている


2012年04月15日号から

いま、木造賃貸がおもしろい2

事実1 町村では住宅が足りない

 なぜ町村で住宅が足りないのか。例えば道北の猿払村は、郵便・学校関係や民間企業の転勤族が、所得制限を厳しくした平成21年度の公営住宅法改正によって村営住宅などに入ることができなくなった。企業などは転勤者のため社宅を猿払に建てるわけにいかず、近隣の稚内や浜頓別から通勤しているケースが8世帯以上はあるという。民間賃貸は1棟4戸のアパートが3棟あるだけで戸数が足りない。
 ニセコ町は、リゾート施設で働く人や移住者などが家を求めているが、町営住宅などに空室がない。民間賃貸もないため、近隣の倶知安町から通勤している現状。


事実2 高品質なら満室経営できる

 空室・空家があっても満室経営を続けるノウハウと住宅需要によって、賃貸が好調な地域もある。道南・八雲町の㈲山野内建設(山野内辰男社長)は、自社施工アパートの管理・仲介をしており、満室運営を続けている。
 オーナーへの提案は、戸建て同様の断熱性とオール電化。イニシャルコストは若干高くなるが、入居者が「快適」なので満室経営が続けられる。この春完成させたのは、ヒートポンプ暖房・給湯で光熱費負担を大幅低減した。

事実3 民間事業者がいない

 旭川の近郊、愛別町は、賃貸の事業者がいないという。町民で旭川に仕事を持っている人はいるが、通勤圏ではなく、需要が薄いためアパート業者が参入しない。
 同じくニセコ町も民間の事業者がいない。採算への不安からニセコ町での事業に参入してくれないという。
 どちらの町も町営住宅などが多数あるが、収入制限などもあって入居希望者が借りられない場合があるほか、町営で建てれば建てるほど民間の参入を難しくしてしまう。

20120415_01_01.jpg子育て世代向けの町営住宅(愛別町)は、音の問題に配慮した長屋式(タウンハウス)

実例1 戸建て賃貸(ファミリー向け)

 札幌近郊の都市で戸建ての賃貸住宅を経営する工務店が、匿名で取材に応じてくれた。というのも、本業である住宅新築をもう一方で否定するような事業展開に対して、やや閉鎖的な地元の反応が不安だからだという。
 新築受注に変化を感じたのが2000年ころ。それまでオープンハウスのチラシを打てば必ず次の受注が決まったが、鈍ってきた。そこで2002年からは宅建の資格を取って賃貸経営に乗り出した。工務店自らがオーナーになり、自社で立てて不動産経営を始めたのだ。
 メインを賃貸経営にシフトした理由は、エンドユーザーの志向が変わると感じたからだ。景気が悪くなると、支払いの面で賃貸はラク。また、家に縛られず職を変わりやすい。一般の人が持ち家を持つ時代は終わったと考えた。札幌市内とは異なり分譲マンションがないことも、背景のひとつだった。
 ただ、一生賃貸となれば仮住まいではない。また安普請で15年で建て替えるようなアパートは環境にも悪いと考え、戸建ての住宅品質を持ち込んだ上で、防音には十分に気をつかっている。
 現在、戸建て賃貸を24戸経営しており、もう少し拡大したいと考えている。
 札幌のビルダーからも、「農家などのアパート経営者から、収益力よりも安定経営を重視して戸建て賃貸の要望がある。年に数棟ずつ建てているが、ファミリー賃貸は独身者の物件より管理がラクだそうだ」という話も出ている。


実例2 プレミアム賃貸
(ディンクスなど)

 住宅の所有にこだわらない層、長期ローンを背負いたくない人、賃貸に対する目が肥えている転勤族を対象に、上質な賃貸を提供して入居率98%をたたき出しているのが道東・帯広のルームアンドスタイル㈱。対象を独身女性、ディンクス(共働きの子どもなし夫婦)、子育て家族に限定し、広めの1LDKと2LDKを用意。1Lは看護師、2Lは医師、公務員などが多いという。(詳細は本紙昨年10月15日号に掲載)
20120415_01_02.jpgプレミアム賃貸は、エクステリアも重要な差別化ポイント


実例3 ガレージハウス(単身者)

 北海道ではまだ例を目にしないが、首都圏ではガレージと一体の賃貸住宅が静かなブームになっているという。メゾネット式で1階がガレージ、2階がワンルームの居室という東京都世田谷区の物件は、ガレージが車2台分、2階のワンルームは約15畳。札幌は1階が車庫で2階、3階が居室という3層構造のアパートが多いが、ちょっと発想を変えればガレージハウスという打ち出しもできる可能性がある。


提案1 高断熱アパート
(技術力フルに)

 戸建て並み断熱からさらに一歩踏み出して、超高断熱アパートを計画し、今年着工する工務店がある。猿払村の小山内建設㈱は、村が今年度から開始した1戸あたり上限350万円の助成制度を受けて、200㎜断熱のアパートを計画中だ。断熱性能は、光熱費の安さとして入居者に還元されることになり、助成が受けられればイニシャルコストのアップも負担にはならない。
 事実2で紹介した山野内建設は、300㎜断熱とヒートポンプ暖房・給湯のアパートを5月に着工する予定だ。こちらは、光熱費メリットを入居者にもオーナーにも還元することで、オーナーの投資意欲を引き出すという考え方。


提案2 中古再生アパート(仕入はただ同然)

 空き室が多くなったアパートを中古で取得し、外壁塗装や内装一新、ペット対応などで入居率改善を実現する例はあった。例えば「賃貸アパート、お色直し計画」をすすめているアステリ(札幌市)は、直感的に住みたいと思わせる印象的なデザインを限られた予算で行っている。女性対象に花柄とチェックのクロスや目隠しのためのロールスクリーンの設置などといったアイデアだ(詳細は本紙昨年9月5日号に掲載)。
 これを住宅性能や間取り面にも展開しようというアイデアもある。中古の戸建てを買取り、断熱・耐震改修した上でメゾネット式の賃貸や、数人が同居するシェアハウスに用途変更する(コンバージョン)。移住者などを対象とすれば都市部以外でもニードがあるとみて、計画している工務店もある。
20120415_01_03.jpgお色直し計画のビフォー/アフター。女性にターゲットを絞っている


2012年04月15日号から

いま、木造賃貸がおもしろい1

 「賃貸住宅がおもしろい」という声を最近ときどき耳にする。サラリーマンオーナーが急増したり、大手賃貸デベロッパーが建てまくったりと、ときに嵐もやってくる賃貸市場だが、いま、戸建てでつちかったノウハウを投入し需要を開拓する動きが徐々に見られる。

家が足りない、ファミリー向けがない
住宅問題は意外と深刻

 2011年の住宅着工を10年前(2002年)と比べると、全国では総数が27%減に対し賃貸(貸家)は17%減にとどまる。ところが北海道は、総数が33%減に対し賃貸はそれを上回る40%減。賃貸市場が好況とは、この数字からは言えない。
 北海道内の貸家をさらに調べると、こんなことがわかった。同じくこの10年間で、木造アパートは3分の1近くに大幅減少する一方、木造戸建ての賃貸は14%減にとどまり、木造の長屋(タウンハウス、あるいはメゾネット方式)は増加して何と2・5倍。いまや長屋式は、アパート2棟に対して1棟以上の比率に達している。建て方の変化は、ニーズあるいは提案の変化だ。
 統計上、北海道は14%の空き家があるはずだが、空き家がない(住宅が足りない)という地域もある。それも都市部ではなく、町村だ。町営住宅など公営住宅の所得制限が厳しくなり入居できない。あるいは町営住宅も空きがない。民間アパートがない、呼びかけてもアパート経営をやってくれない―といった事情。
 札幌など都市部では逆に、建てた先から空室になるといった深刻な問題もある。基本的には供給過剰だが、魅力は新築だけ、というのでは、次から次と建つアパートにお客をとられることは目に見えており、家賃を下げれば収益を圧迫するという悪循環。それでも満室経営を続ける例もある。
 大きく住宅問題をとらえれば、持家が買えなくなれば、ファミリー向け賃貸が必要になる。そして北海道だけでなく日本全国、ファミリー向け賃貸は圧倒的に不足している。都市部は新築/中古ともに分譲マンションがあるが、北海道ではほぼ札幌圏限定で、住宅問題は意外と深刻だ。
 町村では民間の賃貸住宅に助成制度を用意する例も出てきている。
 道北・猿払村は、新たに村内に民間アパートを新築する個人・法人に対して、建設費の一部を助成する制度を2014年度までの期間で実施する。戸数は延べ8戸程度で、助成額は村内の施工業者は建設工事費の35%(戸当たり350万円が上限)。
 またニセコ町は、2010年度からアパートの固定資産税を減免する制度を開始したが効果がなく、今年度は半年がかりで部門横断のプロジェクトをスタートさせた。どうすれば住宅を用意できるか、という課題に対応するためだ。

新築の技術力で需要開拓

 北海道には戸建住宅で技術を磨いた工務店がたくさんいる。しかし、マイホームはピークの3分の1に減少し、とくに都市圏から離れた地域は新築がなくなっている。
 しかし、住宅は戸建てだけではない。木造アパート、そして移住者などを対象とした中古住宅の改造なども、断熱・耐震化技術を応用することで事業展開できるはずだ。
 道内でいま何が起きているか、(次の面で)まとめてみた。

20120415_02.jpg


2012年01月15日号から

「快適な住まいづくりのために 女性座談会」

住宅業界は、住まいづくりを通してエンドユーザーの暮らしを快適に導く使命を持っている。
一方、エンドユーザーのライフスタイルや住まいに対するニーズは日々変化を遂げている。今回の座談会は、その変化にいち早く気づき、顧客ニーズや生活者目線に立った住まいづくりの提案を実践している8名の女性に集っていただいた。


出席者
20120115_01_01.jpgアシスト企画リフォーム事業部e-Rehome 資産運用部ERAアシスト 統括マネージャー 柳ゆかりさん

イネスホーム設計部課長 斎藤文恵さん

コンフィ代表取締役 伊藤実枝子さん

三五工務店コーラルハウス事業部設計 蝶野陽子さん

シノザキ建築事務所 篠崎正子さん

勇和建設総務部長 池田千夏子さん

ノースファクトリー ショップ店長 岩波郷子さん

司会:本誌編集長白井康永

日時:2011年12月5日
会場:ノースファクトリー

内容はこちらをご覧ください。
http://www.iesu.co.jp/ghs/article/20120118110116.html


2011年10月25日

なるほど!素敵に写せる住宅写真術 第2回 Webでの補足

【ブレボケ写真の実例】
連載記事ではわかりづらかった『失敗写真』を原寸大でご覧下さい。
※下の2点とも、画像をクリックすると別画面で拡大されて表示されます。
 
 
ピンボケ写真
111025_syashin_2150_2.jpg連載記事に掲載した『写真1』をトリミングしたもの。写っているもの全ての輪郭がぼやけている。

原寸大でクリックしてみても、フローリングの木目ははっきりしないし、なんかぼやけている。こういう失敗は、後で修正が利かない。
 
 

手ブレ写真
111025syashin_0663_2.jpg110mm相当という望遠で撮ったこと、上向きに無理な姿勢で撮ったために手ブレを起こしてしまった。シャッター速度も1/20秒と遅めだが、暗いのでこれ以上速くできなかった。少しのブレであれば、後からパソコン上で多少修正は利く。
本来は、ストロボを併用すべき事例。
 
 
 
【カメラの正しい構え方】
手ブレしにくい構え方は、さまざまなサイトで解説されていますが、比較的わかりやすいと思われるページを見付けてきましたので、リンクを貼っておきます。
 
 
アサヒカメラ.net(朝日新聞出版)
http://www.asahicamera.net/info/technique/kamae.php
※デジタル一眼レフの正しい構え方を説明
 

BPnetセカンドステージ(日経BP社)
http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/manabi/digicam_061122_2.html
※コンパクトデジタルカメラ中心に説明

 
今日から始めるデジカメ撮影術第65回(アイティメディア)
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0701/25/news011.html
※コンパクトデジタルカメラの構え方が詳しく出ている。また、ブレ写真についても詳しく解説

 

【参考】 感度と手ブレ、画質との相関関係
一般的に、感度と手ブレ、画質(きれいさ)の間には深い関係があり、感度を上げると手ブレしにくくなりますが画質(きれいさ)は悪化します。

低感度(ISO200未満) 手ブレしやすい        画質◎
中感度(ISO200以上800未満) 手ブレしにくい     画質○
高感度(ISO800以上) ほぼ手ブレしない       画質△


なお、屋外では低感度でも手ブレしやすいシャッター速度になることはまずありませんが、室内は暗いので低感度ではなかなか撮れません。画質を良くすると手ブレしやすくなるので場面に応じた感度選択が重要です。

感度設定は、プロはその場で判断できますが、一般人にはなかなか判断がつきません。そこで最近のカメラに採用されている「自動感度」を選びましょう。


一方、夜や天気の悪い日の室内撮影は、感度を上げてもシャッター速度が上がらないことがありますので積極的にストロボを使った方がいいでしょう。お使いのカメラで「ストロボ強制発光」という機能があるはずですので、それをONにします。「全自動モード」「シーンモード」などの場合は、ストロボのオンオフがカメラ任せしかできない場合もありますので、その場合はモード切替を「P」に変更して下さい。


<お知らせ>
「なるほど!素敵に写せる住宅写真術」の第3回掲載は11月15日号の予定です。


2011年10月19日

なるほど!素敵に写せる住宅写真術 第1回 Webでの補足

説明書をパソコンで読む

連載記事では、カメラの選び方を書きましたが、もう一つ大事なことがあります。
それは、「説明書をよく読む」ことです。


当たり前のようですが、説明書を読むのは意外に面倒なもの。特に、カメラの場合は持ち運びできるように説明書の大きさが小さく、逆に文字などが見づらいことがあります。また、カメラをいじりながら使い方を覚えようとしても、説明書を開いたままにできないなど不便さを感じることがあります。

そこで、このページを見ている人にとっておきの情報をお知らせします。
取扱説明書は、パソコンやiPadで読むのです。


たとえば、フォーカスロックについて111025_syashin_manu.jpg説明書をパソコン画面で見るとこんな具合です。(画像をクリックすると画面いっぱいに広がります)
 

お手持ちのパソコン画面いっぱいにマニュアルを拡大することができます。

説明書はPDFという形式のファイルですが、ほとんどのパソコンにはこのPDFを読み込めるソフトが入っています。入ってない場合は、無料で使えるソフトがAdobe社からダウンロードできます。

AdobeReader(無料)をダウンロード


取扱説明書がダウンロードできる場所(2011.10.17現在)

※お手持ちのデジカメのメーカーを確認してから、下記のリンクから説明書をダウンロードします。型番は、カメラの底カバー部分などに書かれていることが多いので確認しましょう。
※メーカー名は順不同です

キヤノン
http://cweb.canon.jp/manual/digitalcamera/
※キヤノン旧製品はこちらから
http://cweb.canon.jp/manual/digitalcamera/index-old.html

ニコン
http://www.nikon-image.com/support/manual/m_pdf_select.htm#heading02

ソニー
http://www.sony.jp/ServiceArea/impdf/sc-smc-mc-8375.html

オリンパス
http://www.olympus.co.jp/jp/support/cs/man/man_compact.html

パナソニック
http://panasonic.jp/support/dsc/manual/manual_02.html

ペンタックス
http://www.pentax.jp/japan/support/download_manual.html

リコー
http://ricoh.co.jp/dc/support/manual_pdf/

 
 

※連載本文は北海道住宅新聞10月5日号をご覧下さい。
まだご購読されていない場合は、下記のボタンを押して試読紙をご請求下さい。


2011年10月15日号から

平成24年度概算要求 ゼロエネ住宅に補助

20111015_01_01.jpg "ゼロ・エネルギー住宅に補助・支援"―。このほど各省庁がまとめた平成24年度予算の概算要求で、住宅関連では国土交通省と経済産業省がゼロ・エネルギー住宅の普及推進を目的とした補助金制度の創設などを盛り込んだほか、省エネ性能の認定制度を立ち上げ、認定を受けた住宅に税制優遇を行うことも計画。環境省ではリフォームのみ対象とする〝節電リフォーム推進エコポイント制度〟を実施する考えだ。

一次エネルギーゼロに
 各省庁の来年度予算概算要求の中で、住宅関連事業の目玉となりそうなのが、ゼロ・エネルギー住宅への補助・支援だ。
 省CO2・省エネ推進を目的に、国交省では断熱性能を高められる先導的省エネ技術の導入や、再生可能エネルギーの活用による創エネ・蓄エネによって、年間の1次エネルギー消費量が正味ゼロになる住宅=ゼロ・エネルギー住宅の建設を支援する「ゼロ・エネルギー住宅推進事業」に50億円の予算を要求。
 経産省でもゼロ・エネルギー住宅・公共建築物の新築・改修事業に補助を行う「住宅・建築物のネット・ゼロ・エネルギー化推進事業」に140億円の予算を要求している。
 ゼロ・エネルギー住宅のイメージとして国交省では、躯体や設備の省エネ性能向上によってエネルギー消費量を削減し、削減後のエネルギー消費量は太陽光発電などの活用によって作られたエネルギーでまかなうことにより、年間の1次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロまたは概ねゼロになる住宅と説明。具体的には躯体の高断熱化や太陽光発電、太陽熱温水器、高効率給湯設備、高効率エアコン、蓄電池、HEMS(ヘムス)の導入などが想定されている。

長期優良補助は形変えて継続実施
 また、国交省は中小住宅会社が建設する長期優良住宅に100~120万円を補助する木のいえ整備促進事業の内容を見直し、地域ごとに原木供給元や製材工場、プレカット工場、中小工務店などの連携による木造の長期優良住宅に対して支援を行う新しい事業として実施する予定。
 このほか、長期優良住宅先導事業は予算要求を行っていないが、住宅・建築物省CO2先導事業は来年度も予算を要求しているという。
 経産省では家庭等の節電支援を強化するため、住宅用太陽光発電と家庭用燃料電池のエネファームに対する補助を継続要望しているほか、蓄電池やヘムスの導入支援も予算額未定のまま要望。いずれも今年度3次補正予算と来年度予算を一体化して取り組む考えで、住宅用太陽光の予算要求額は127億円と前年度の3割程度だが、エネファームは前年度比9億円増の96億円としている。

以下省略
※続きは試読をお申し込みください。
(伝言欄に「10月15日号から希望」とお書き添えください)
http://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


2011年09月15日号から

特集 家づくりを見直す。震災から何を学ぶか。

 3月11日の東日本大震災から半年が過ぎても、その日のことは記憶に新しいが、北海道も太平洋岸は数百年に1度の割合で巨大地震が発生していることがわかっている。また札幌も地震が少ないとは言え、約180年前の1834年に石狩川河口を震源とする震度6クラスの石狩地震が札幌近辺で発生し、最近の研究では震度7の直下型地震の可能性が指摘されている。

 今回の特集は、編集部が札幌の地震リスクを知るきっかけになった「北海道の地震」(1994、北海道大学図書刊行会)の著者である島村英紀博士に北海道の地震の危険性についてインタビュー。また、J建築システム(株)・手塚純一社長に液状化の対応について話を聞くとともに、工務店として地震の脅威にどう向き合っていくのかをテーマに札幌圏の有力地場工務店経営者による座談会を行った。始めに島村博士のインタビューを紹介する。

島村英紀博士
研究の進歩でわかった危険
20110915_01_02.jpg20110915_01_01.jpg ―札幌や旭川など道内の一部地域では「大きな地震が少ないから安心」と思っている方も多いようですが、先生から見るとどうでしょうか?
島村 北海道で地震が多い地域は2つあります。1つは、襟裳岬の南から千島列島、カムチャッカ半島あたりまで伸びる千島海溝ですが、世界で一番地震が起きるところです。北海道は日本でも有数の地震の多い地域と言えます。
 もう1つは北海道の西側です。今までは比較的安全であると思われていましたが、1993年の北海道南西沖地震によって研究が進み、道北の幌延や留萌、積丹半島沖、奥尻島、渡島半島西側などに沿って地震を起こすプレートの境が新たにできつつあることがわかってきました。北海道は西、東と大きな地震が起きる舞台に挟まれて存在していると言えます。
 北海道には、文字で書かれた歴史というものが残っていません。先住民族が文字を持たなかったため記録が残っていないのです。京都だと千年以上前から地震の記録が残っていますが、北海道は記録がないだけなのに安全だと思ってしまう。

道東に大津波の痕跡
泥炭地の多い札幌も危険
20110915_01_03.jpg ―先生の本に書かれていた、1834年の石狩地震が衝撃的でした。
島村 札幌は、有感地震(体に感じる地震)そのものが少ない地域です。東京では2週間に1度は有感地震があります。札幌だと半年か1年に1度ぐらいしかありません。そんな札幌でも19世紀半ばには大きな地震があったわけですが、その前となると記録がないのでさっぱりわかりません。
 北大の構内などで石狩地震の液状化の痕跡が見つかりました。液状化というのは震度6クラス以上でないと起きません。ですから、過去起こっていたということは、とても恐ろしいことです。
 実は函館本線の北側は泥炭地が多く、とても悪い地盤なんです。1968年の十勝沖地震の時に震度を調べたところ、鉄道の南側が震度3、北側が震度5と2段階も違っていました。
 同じように、襟裳岬から東、すなわち道東では今度の東日本大震災のような大津波が来た形跡がかなり見つかっています。アイヌの伝承の中にも残っているそうです。ただし伝承ですから正確な日付や地震の規模はわかりません。北海道は地震の歴史の空白地帯と言われています。だけど地震がなかったというわけではなくて、日本の他地域と比べてもそれ以上に地震があった地域かもしれません。
 奥尻島も北海道南西沖地震が起きるまでは地震がほとんどない地域と思われていましたし、函館も今から三十数年前には函館群発地震が約4年にわたって続きました。

日本海側にプレート
南西沖地震で明らかに
 ―地震学の進歩で何がわかりましたか?
島村 地震が演劇だとすれば、どういう舞台でどういう役者が揃うかという研究がかなり進んできました。予知は難しくても、どういう地震がどのへんで将来起きる可能性があるかということについては、ずっとわかってきました。さっき話した北海道の日本海側にプレートがあるというのも、舞台の研究ということになります。ここでは、北海道南西沖地震クラス、ひょっとするとそれよりも大きい地震が将来も起きる可能性があります。
 1940年の積丹半島沖地震は、昔はどのような性質の地震かがわかりませんでした。というのも、当時地震計は北海道全体で3つしかありませんでした。しかし、今では北海道の日本海側にできかかっている新しいプレート境界付近で起きる地震だということがわかってきています。また、1971年のサハリン南西沖地震や1983年の日本海中部地震もそのプレート境界付近で起こる地震のグループだとわかってきました。

震度3でビル被害
建基法も最新の地震学を
 ―地震学から見て、地震に強い建物や街づくりについて何か提言はありますか?
島村 特定の周波数の地震波を出し続ける地震があり、中高層ビルなどに影響があることが、ここ数年でわかってきました。東京の六本木アークヒルズビルでは2004年の中越地震(マグニチュード6・8)の時に震源から200㎞以上も離れているのにエレベーターを吊っているメインロープの一部が切れました。このときの東京は震度3に過ぎませんでした。
 一方、大きなビルなどには地震計が備えられています。しかし「企業秘密」ということで大地震の時の記録はほとんど見せてもらえません。ほんとうはこういったものがわかればずいぶん設計に生かせると思います。
 住宅や建物を作るときにはいろんな周波数の地震波が来ることを考えてほしいと思います。ただ、建築基準法やゼネコンの技術者たちは昔のままの地震学を使っています。私としてはもっと勉強してほしいと思います。

島村英紀先生
元・北大地震火山研究観測センター長。現在は武蔵野大学特任教授
海外にもたびたび渡航して海底地震計を設置し、地震研究を進めた(写真提供・島村英紀先生)
島村先生の著書・北海道の地震」が、取材のきっかけとなった衝撃の1冊


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2011年01月15日号から

アンケートから見た厳しい現実

営繕が必要でもガマン

20110115_02_01.jpg 本紙では昨年に引き続き、新築戸建住宅を建てたオーナーにアンケートを実施した。
 昨年の新年号では、新築戸建住宅を購入してまもないエンドユーザーにアンケートを実施した結果、左円グラフのよな不満が多いことが分かった(円グラフ参照)。

 新築住宅を建てたことで得られた幸せについては
①子どもが騒いでも近所迷惑にならない
②家族がのびのびと生活できる。居場所ができた。
③部屋が暖かい、家事動線が良いなど快適
 といった回答が多かった。

 また住宅のプランなど、家づくりの意志決定の約70%は主婦が握っていること、住宅会社のアフターフォローや接客態度などが満足度に大きく影響していることも明らかになった。新築戸建住宅を建てても光熱費の負担に関してエンドユーザーと住宅会社との間に誤解が生じやすいことと、必ずしもオーナーの要望に添ったプランが実現できないケースも少なくないことがわかった。

 今年のアンケートでは前年のアンケート内容に加え、より具体的に、現在の住まいに対する不満と、解決策、予算などについて聞いてみた。
 不満を見ると営繕・リフォームが必要と思われる不満が多く聞かれた(別表)。
 その一方で「リフォームか、建て替えをしたいと思っていますがそこまでのお金がない」「住宅会社の設計・施工のミスではないかとも思うので、私がお金を出して直すのではなく、今度トラブルが発生したら直させたいと思っている」「既に10年位の間に外壁の塗り替えなどお金を掛けて手直しをしている部分が多いのでこれ以上は予算がない」「不満はいろいろあるが、経済的な備えがないのでリフォームができない」といった回答が目立った。
 回答者の7割近くがリフォームや建て替えを考えてはいるものの、実際には、お金を出して家を希望通りに手を加えることには踏み切らないと考えているという回答だった。
 なお質問には、問題解決のために支払える金額の上限についても聞いたが、100万円以下、300万円以下、500万円以下、1000万円以下、それ以上という選択肢の中で8割以上の回答者が100万円以下と回答。1度住宅を取得した人は、新たな出費を避けたがる傾向も明らかとなった。

別表 現在の住まいに対する不満(2010年アンケートより)
●押し入れの結露(40代女性)

●トイレが狭い(30代女性)

●築10年で外壁塗装や設備交換が頻発(40代女性)

●風呂や台所のシャワー・蛇口等が水漏れする(50代女性)

●下水の配管の勾配が緩く、つまりやすい(30代女性)

●2階の特定の部屋のドアが、屋根に雪が積もるとゆがんで床をこする様になる(30代男性)

●床が沈んでいる(30代女性)

●1階が寒い(30代女性)

●車庫の高さが低く、駐車しにくい(40代女性)

●スノーダクトが氷結し、春先に雪融け水が押し入れの配管から漏れてきた。修理しても再発し、結局配管を電熱線で巻いて凍らないようにするのが一番良いと言われたが、設計ミスではないかという思いがぬぐえない(30代女性)


2011年01月05日号から

春の工事確保は業界全体の課題

 業界全体が後半メチャクチャに忙しかった2010年。しかし終盤にはやや暗い話も聞こえるようになり、2011年の展望が必ずしも開けていない。その原因の1つに「忙しすぎた」2010年の状況がある。忙しいことはいいことだが、仕事量の波が大きすぎるのはマイナスだ。2011年は、受注の波とどうつき合うか、この問題を考えてみたい。

本当のリスクは何か?
 住宅会社の経営にとって大きなリスクは、利益率が低いことと受注に波があることではないだろうか。
 2008年、2009年に住宅着工がどん底に落ち込み、多くの企業は売上が2009年より小さくてもバランスがとれるような予算を2010年に組んだ。ふたを開けてみると売上は伸びたが前半は着工のズレなどで工事が少なく、後半に集中。年間を通してバランス良くとれていればさほど問題にならない程度の受注でも、集中したことでパニックになった面があると思う。
 受注の波は補助金とからんでいるため、根本的には補助金制度が改良されることが一番だが、現状を前提に考えれば、どう会社を適応させていけばよいか、ということが大きな経営課題になってきた。

本気で取り組む谷間対策
 1つは谷間をどう埋めるかということ、もう1つはピーク時の現場管理の改善策だ。
 谷間を埋めるというのは、『言うは易し、行うに難し』簡単ではない。それでも本気で対策に挑戦し、谷を少しでも浅くできれば、資金繰りや収益性が改善される。増員による忙しさ解消のメドも立ってくる。
 しかし、谷が深いままだと、増員できないし秋までの資金がキツイ。受注が少ない心理的なつらさもバカにならないと語る経営者もいる。何より忙しさの対応だけに追われると、谷間対策が打てないまま次の年を迎えてしまう。
 方法はさまざまだ。考え方として、次のような流れがあると思う。
▽規格商品→違う顧客層の開拓→社内活性化や外部とのコラボレーション。
▽工事確保を最優先→価格引き下げや建売。
 規格商品を用意する、または建売という方法は、言葉を換えれば新しい顧客層をつかむために商品構成を増やすことだ。夏までに家を建ててもらうためには、ある程度、着工までの手離れがよいこと、顧客側に補助金を活用しにくい事情がある、または興味がないこと、が条件になる。
 新しい顧客層を獲得するには、違った発想が必要になる。社内活性化によってタレントを発掘し育てるか、外部との連携によって企画を進めるか、いずれにしても従来と違った動きが必要になる。ただ、そのことはきっと従来の商品にも相乗効果を生むはずだ。
 一方、価格引き下げは、補助金と同等の値下げを実施するという決断になる。大幅な値下げ(値引)になるが、谷間の時期に工事してくれるなら、それもアリではないか。想定範囲内の値引幅で、かつ期間限定なら他の顧客への影響もないだろう。

振り返れば以前は公庫が
 この問題の背景を考えると、旧住宅金融公庫の回次別募集が使われなくなって以降、春先の着工遅れはずっと言われ続けてきたことに気がつく。北海道の場合、4月着工→6月引き渡しというサイクルは、現状として家を建てる側にとってあまり魅力がないのだろう。また春先から動き出したユーザーにとっては、4月着工はあまりに時間がない。
 こういうことを考えると、4月着工のユーザーを増やす受注営業をすることは、業界全体の課題であり、実現すれば共通利益につながるとも言える。


2010年11月25日号から

忙しいときに役立つ現場管理の工夫

忙しいときに役立つ現場管理の工夫 その1
 ここ数年、国の補助事業などの関係で夏以降に仕事が集中し、年末にかけて目が回るほどの忙しさにまいっているという住宅会社も多いが、一つのミスが後々大きな問題になることもあるだけに、忙しい時こそ管理が大切。今回は忙しい時ほど役に立つ現場管理の工夫をピックアップした。

気密低下をどう防ぐ
 「忙しくなればなるほど現場に目が届きにくくなり、大工の施工ミスも気付かないことがある」とはある住宅会社社長の言葉。忙しくなると知らず知らずのうちに仕事が雑になっている大工もいると言い、忙しい時ほどしっかり現場を見ることが必要だと強調する。
 特に大工の仕事が雑になってくると、影響が出やすいのが気密性能だという。普段なら相当隙間面積で0・5cm2/m2を軽く切っているが、たまにギリギリ0・5cm2/m2というケースもあり、やはりそういう物件ほど工期が厳しかったそうだ。
 これが北方型住宅ECOプラスや北海道R住宅のように、気密測定で一定の数値をクリアしなければならない物件だったり、契約書の中で気密性能値を保証している物件だったりすると、問題は深刻。万が一、クリアすべき値を0・1cm2/m2でも上回ったら、最悪の場合、壁をはがして気密施工をやり直しなんてことにもなりかねないが、そうならないために、現場管理で気密性能を確保するための工夫を行っている住宅会社もある。

20101125_01_01.jpgボード張る前に測定・確認
 例えば内装下地の石こうボードを張る前の気密測定。ほとんどの住宅会社の場合、気密測定は完成後に1回行うだけだが、性能値を契約で保証していたり、建物形状や納まりが複雑だったりする物件では、念には念を入れて石こうボードを張る前に気密測定を行うケースも見受けられる。
 石こうボードで防湿・気密シートが押さえられていないため、測定値は参考程度となるが、室内を負圧にすることによって隙間からの空気漏れを確認できるし、この段階であれば、気密施工に何らかのミスがあったとしても、まだ手直しできる可能性が高い。
 中には道央・A社のように、すべての物件でボード張り直前の測定を行っている住宅会社もある。ただ、測定業者に依頼するとなると1回あたり数万円の費用がかかることから、A社ではキッチンのレンジフードを最大風量で運転して室内を負圧にしており、大工総出で防湿・気密シートの前に手をかざしながら隙間をチェックしている。
 また、道東・B社では測定で室内が負圧になった時に、発煙筒を焚いて外壁の回りを歩き、煙が室内に入ってくるかどうかで、隙間を確認している。

報奨金出すなど競争促す
 一方、施工途中の気密測定は行わず、気密に対する大工の意識を高めることによって、気密性能を確保するという考え方もある。
 自社大工を3~4組の班に分けて現場を回している道央C社では、相当隙間面積が0・7cm2/m2以下で5千円、0・5以下で1万円、0・3以下で1万5千円というように、気密性能の結果によって各班の大工に報償金を出しているという。金額が多い少ないは別にして、"頑張ったご褒美"がもらえるのはやはり嬉しいもの。各班ごとに競争意識も出てきて、性能・品質の向上につながっているという。
 道央・D社も大工の競争意識を促すことを目的に、大工全員を集めて一人一人担当した物件の測定値を発表。
 同社社長は「気密競争の是非はともかく、他の大工が自分よりいい数値を出したら、次は負けないゾ、と思う気持ちになってもらうことで、安定して高い気密性能を出せるようになれば」と話す。
(その2に続く)

※写真
気密施工が終わり、石こうボードを張る直前の現場。この状態で気密測定を行って施工状態を確認するのも一つの方法

忙しいときに役立つ現場管理の工夫 その2

外注との連携も大切
【その1から続く】また、気密化に関しては設備業者などとの連携も重要なポイントになる。
 特に忙しい時には普段から付き合いのある業者ではなく、たまにしか頼まない業者や初めて頼む業者が現場に入るケースも出てくるが、これらの外注業者が気密層を配管・配線などで貫通させた時に、適切な処置ができるかどうかは大きな問題だ。
 そこで道北・E社は初めて頼む業者はもちろん、付き合いが少ない業者が現場に入る時も、事前の打ち合わせで必ず自社で行っている配管・配線回りの気密施工方法を教えている。
 中には「他社の現場でも気密施工はやっているから大丈夫」という業者もいるが、自社の工法や使用部材、納まりに合うかどうかはわからないからだ。もちろん現場では教えた通りに施工しているかどうかを大工がチェックする。

忙しさを伝えないことも方法
20101125_01_02.jpg なお、忙しいとは言っても、それはあくまで管理する側、住宅会社の事務方の都合。現場の大工には精神的な負担をかけず、いつも通りきちんと仕事をしてもらうことが施工ミスを防ぐうえでは大切だ。
 そこで気密施工が終わるまでは「引き渡しまでの工期がきつい」「やることが多くて忙しい」などということは現場に伝えず、通常通りのペース・人数で工事を進め、造作段階に入ったら応援で社員大工などを投入するといった方法をとっている会社もある。
 また、請負で仕事を出しているのであれば、工期を設定したうえで投入する大工の人員などを棟梁に任せてしまうのも一つの方法で、棟梁に次の現場との兼ね合いも考えて大工手配まで任せる場合もある、という会社も。
 事務方は事務方、現場は現場で判断して動くことによって、それぞれ自分の仕事に集中しやすくなる。


※イラスト
気密施工が終わるまで現場には忙しいことを伝えず、造作段階になったら応援で社員大工を投入する住宅会社もある


2010年11月15日号から

あの人に聞きたい 第1回 蔦洋平さん

 この連載では、住宅会社、住設建材メーカー、研究者など「住宅業界で今、活躍している人やキーマン、気になる人」にインタビューし、住宅業界の最新動向を伝える。

イメージ戦略の仕掛け人

20101115_02_01.jpg 第1回目は、豊栄建設(株)(札幌市、古澤政治社長)の蔦洋平さん。現在31歳。広報・広告・マーケティングからモデルハウスのコンセプト決めへの参加など、「雑用係です」と本人が謙遜するほどその業務内容は多岐に渡る。受注を伸ばす豊栄建設の中で重要な役割を担っている。

 蔦さんには所属部署がない。名刺には「社長付」とだけある。セクションに囚われず自由に動くことを期待されている。同社のホームページや広告のコンセプト決めをし、制作の指示を出していくほか、同社のグループ企業全体の広報戦略を考え、モデルハウスのプランニングにも参加する。
 その根底にあるのは、「豊栄建設の考え方、打ち出したいことをいかに消費者に伝えるか」だ。経営トップから出てくる発想やメッセージは、消費者にとって分かりよいものばかりとは限らない。時代の気分や消費者の変化をキャッチし、それに対してメッセージをどう伝えていけばいいのかを考える。

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2010年10月15日号から

不況時こそチャンス 前向きな起業者たち

 日本の中小企業の数が減っている。住宅業界も成長の時代から安定・そして減少時代へ突入しているが、そんななかでも起業して受注をのばす上昇志向の会社がある。「まわりは『儲からない』と言うが、そんな弱音をはく人には戦う前から勝っている」。そんな肉食系の会社社長にインタビューした。

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2010年10月05日号から

特集 リフォームを拓く "準新築"という新しい市場

20101005_01_01.jpg 「新築が縮小したらリフォーム」という動きとはちょっと違う。掘り起こしが始まったばかりでまだ市場は小さいけれど、いずれは住宅取得のメインが新築から中古に置き換わるという予想もある。ただ、現在はその過渡期にあり、新築市場は曇天が続く一方、リフォームも先が見えない。そのような中、本紙では10月からリフォーム面を新設し、情報発信を強化する。今回は拡大特集として、住宅会社やリフォーム会社の取り組み、経営者の考え、工法・技術の概要などについてまとめた。

リフォームに注目するユーザー側の事情

 リーマンショックに端を発した不況の影響は、昨年、住宅着工戸数にくっきりと表れた。全国では80万戸割れと45年ぶりの低水準、道内も2万6千戸台と5年前の半分近い水準となった。今年は昨年よりプラスで推移しているものの、ここ数年の落ち込みを取り戻すほどの勢いではない。
 国は住宅分野の経済対策として、新築とともに断熱・耐震・バリアフリー改修という性能向上リフォームに手厚い補助を開始している。しかし、リフォーム市場全体としては単価下落で売上が伸び悩んでいるといわれる。
 それでも今、リフォームが注目されるわけは、人口減少や収入の伸び悩み、団塊世代の第二の人生設計などを考え合わせれば、性能向上を柱にしたリフォームに可能性があるからだ。
 別の見方をすると、20代から30代の一次取得層で、新築戸建てを予算の都合であきらめた人たちの一部が中古住宅に流れ、その入居前改修が新しい需要となっている。ただ、この場合は予算の関係で性能改修に踏み込めないケースも多いといわれる。
 一方、退職前後の年齢層で、以前は2回目の新築を行った人たちの多くが新築を見合わせ、その一部が大規模リフォームを実施している。
 これまでは少なかった新築住宅の取得に近い"準新築"気分のリフォームが新しい需要になりつつあることは事実だ。

補助金や減税など行政が手厚い支援

 国では平成18年度から20年度にかけて耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修に対する減税措置を創設したほか、補助事業である長期優良住宅先導モデル事業では、最大補助額が新築同様の200万円、しかも今年度からは補助率を工事費の1割以内から3分の1以内に引き上げた。1年延長が決まった住宅エコポイントも新築に比べるとポイント還元率はリフォームの方が高いと言われている。
 また、札幌市が今年度から省エネ・耐震・バリアフリー改修への補助制度を創設するなど、地方自治体の支援も目に付くようになってきた。
 建築業とは言え、サービス業・店舗販売形態に近いリフォーム業にあって、性能向上リフォームは、新築で培った技術を活かせる。
 リフォームの主力がこれからも内外装材や設備の交換・更新で変わらないとしても、性能改修に関しては現在の新築市場以上に『技術』が物を言う。特に国が力を入れている断熱改修や耐震改修などは、基本原則を押さえた上で応用技術が必要とされる場面が多く、むしろ新築以上のスキルが求められる。
 幸いなことに、住宅会社はこれまで新築してきたOB客という宝の名簿を持っている。リフォーム営業で最初の大きな関門である"ユーザーの不安解消"がすでにできているので、すんなりリフォーム提案に進むことができるはずだ。

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2010年08月15日号から

特集 長期優良住宅

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20100815_02_03.jpg 長期優良住宅の認定制度がスタートして1年2ヵ月。国の補助や各種減税措置などもあり、今年6月末時点での認定戸数は全国で約8万戸に達した。今や長期優良住宅への対応は住宅会社にとって重要なテーマの一つ。ここでは長期優良住宅のポイントを再確認するとともに、手間がかかる技術的審査や認定申請をサポートしてくれる各種サービスなどについてまとめた。

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2010年02月25日号から

少々説明が必要なLED照明・・・コラム取材ノート

 昨年末完成の住宅オーナー取材を立て続けに2軒行ったが、驚いたのは2軒とも入居後にLED電球を購入していたことだ。LDKに付いている12個の電球を、「1個3000円で特売していたので12個とも買ってしまいました。やはり電気代はバカになりませんので」とすべてLED電球に交換したオーナーもいる▼一方で、2軒ともオーナーがこんな話をした。「思ったより暗くて少しがっかりしています」。四方に光が広がる白熱電球と違い、LED電球は放熱用のフィンがあるため光の広がりは限られている。しかし、暗いとわかって気軽に別の商品に交換できる価格ではない▼気になるのは、住宅会社のかかわり方。照明の打ち合わせ時に、LED電球について簡単な説明などがあれば、オーナーの小さな後悔は生まれずに済んだだろう。話題が先行して実態がわかりにくい商品だからこそ、プロの提案やアドバイスが求められる。(北郡)


2010年01月25日号から

住宅版エコポイント

リフォームも最大30万円

 今国会での今年度第2次補正予算成立後にスタートする住宅版エコポイントの講習会が、去る18日、札幌市教育文化会館で行われ、国土交通省住宅局住宅生産課課長補佐の原田佳道氏がポイント数は新築・リフォームとも規模にかかわらず最大30万となることや、同時に実施する他の工事にポイントを使える即時交換が可能になることなど、今月15日に新たに発表された内容を中心に制度概要の説明を行った。講習会のポイントは次の通り。

着工時期-今年12月31日まで

1.工法を問わずトップランナー基準(住宅事業建築主の判断の基準)に適合する住宅 2.木造で次世代省エネ基準に適合する住宅―のいずれかを対象とし、昨年12月8日から今年12月31日まで着工することが条件。着工は根切り工事または基礎杭打ち工事の着手時とする。
 リフォームは窓や外壁等の改修部位が次世代省エネ基準に適合することを条件に、1.ガラス交換・内窓追加・窓自体の交換を行う窓の断熱改修 2.定められた最低使用量以上の断熱材を使う外壁・天井・屋根・床の断熱改修―の2つの改修工事を対象とする。新築とは異なり、今年1月1日から12月31日に工事着手した物件が対象。
 リフォームと同時にバリアフリー改修として手すり設置や段差解消、廊下等の拡幅を行う場合は、その内容に応じてポイントが加算される。
 新築戸建て・リフォームとも工事完了・引き渡しは今年度第2次補正予算成立後となることも条件となるが、工期が短いリフォームの場合、この点に注意したい。

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リフォームのポイント計算-窓は面積で異なる

 もらえるポイントは、規模にかかわらず新築戸建てもリフォームも1戸あたり最大30万。
 リフォームの場合、窓の断熱改修と外壁等の断熱改修、これらと同時に行うバリアフリー改修で与えられるポイントの合計数がもらえるが、窓の断熱改修は内窓追加と窓自体の交換は窓面積の大きさ、ガラス交換はガラス面積の大きさによってそれぞれ大・中・小の区分を設けポイントを設定。面積が大きいほどポイントを多くもらえる。
 外壁等の断熱改修は部位別にポイント数が定められ、外壁が10万ポイント、屋根・天井が3万ポイント、床(基礎)が5万ポイント。省エネ基準の断熱材性能区分に応じて各部位の必要使用量が定められており、例えば戸建住宅の外壁改修で高性能グラスウール16Kを使う場合は6以上、押出スチレンフォームB3種や硬質ウレタンボードを使う場合は4以上は最低使う必要がある。
 リフォームで外壁等や窓と同時に行うバリアフリー改修は、手すり設置と段差解消が5000ポイント、廊下等の拡幅が2万5000ポイント。1戸あたり5万ポイントを限度とするが、各部屋・空間ごとにポイントを加算する仕組みで、例えば浴室とトイレに1本ずつ手すりを付ければ合計1万ポイントになるが、浴室だけ手すりを2本付けても5000ポイントと計算し、1万ポイントにはならない。

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ポイントの申請と利用については、本紙試読をご請求ください。


2010年01月25日号から

工務店生態レポート

第6回 広告宣伝予算

インターネットの普及にともない、新聞のチラシや雑誌広告は効果が薄くなっているが、「広告宣伝は麻薬と同じで止めるに止められない」という声もあり、今でも会社のアピールや集客の手段としている工務店は多い。そこで今回は広告宣伝の年間予算と掲載メディアについて調査した。

200万円以内
 広告宣伝にかける予算は年間200万円ほど。そのうち雑誌広告が半分以上で、他は見学会の新聞チラシなどにあてている。ただ、出稿している住宅雑誌は昔と比べてかなり広告を出す工務店が減ってきており、当社もこのまま雑誌広告を出続けるのかどうかを考える必要があると思う」(札幌A社・年間施工棟数10棟)

 「1年で大体200万円程度は広告宣伝に使う。『ライナー』など旭川ではフリーペーパーの反応が良いので、予算の半分以上はフリーペーパーに使っている。後はチラシの制作費にあてている」(旭川F社・年間施工棟数5棟)

300万円以内
 「広告宣伝費は毎年大体250万~300万円となっている。住宅雑誌への広告出稿が大半を占めるが、最近では実験的に無料の不動産情報誌にも広告を出すことがある。できるだけ多くのユーザーの目に留まるメディアとインパクトのある広告を組み合わせていきたい」(札幌B社・年間施工棟数25棟)

 「毎年300万円を広告宣伝費として計上しており、一番多く使うのは雑誌広告で、次に新聞広告。雑誌広告は出し始めた頃、反応がゼロだったが、最近になって見たという人が増えてきたように思う。逆に新聞広告は反応が鈍ってきているようなので、サイズを小さくした」(十勝G社・年間施工棟数25棟)

売上の2%
 「当社は不動産事業もやっているが、広告宣伝予算は住宅工事だけ売り上げから2%をあてている。主に道新など一般紙の折り込みチラシのほか、OB客や新規見込み客向けに独自に作っている広報誌の制作・発送費にかけている」(道央D社・年間施工棟数30棟)

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2010年01月05日号から

札幌市内戸建住宅オーナー3,000件にアンケート

今年こそは受注競争に勝ち、活路を見出すために、やはり「顧客ニーズ」に対しピントの合った戦略が必要。

一番参考になるのは「顧客の本音」ではないだろうか。そう考えた本紙は、札幌市内で住宅を取得したばかりの3000件にアンケートを送付、ユーザー40名の率直な回答を得ました。戦略のヒントが隠れているはずです。

アンケート結果については見本紙をご請求ください。http://www.iesu.co.jp/inquiry/


2009年11月25日号から

必要度高まる性能測定・検査

国の住宅政策は、長期優良住宅に代表されるように"高い性能と品質をもった建物を長く大切に使う"というスタンスが明確になってきた。そこで性能・品質を保証する手段として重要性を増しつつあるのが性能測定・検査。"住宅の性能・品質を実測値で示すことが、信頼できる住宅会社と安心できる住まいの証になる"―。そんな時代がやってきそうだ。
小特集の内容は見本紙をご請求ください


2009年08月25日号から

住宅はどうなった?

取材ノート

 トヨタのプリウスが大人気だ。今契約しても納車は来年4月以降らしい。薄型テレビも好調だ。今年上半期の販売台数は前年比17%増だという。プリウスはエコカーへの買い替え補助金、薄型テレビはエコポイントによって、お買い得感が一気に高まった。それでは住宅はどうか。国は過去最大のローン減税をアピールした。中小業者で長期優良住宅を建てたら100万円補助する支援事業も行っている。だが、今年上半期の住宅着工数は目を覆うばかり。やはり数千万の買い物である住宅は車や家電と同じ感覚で購入できない。最大600万円のローン減税? 実際に600万円の減税措置を受けられる人はどれだけいるのか。10年経っても5千万円のローンがある人って一体...一般のサラリーマンでは想像もつかない。結局、最初から今年家を建てようとしていたユーザーが少し得をしただけで、需要の掘り起こしには結びついていないのではないか。(水越)


2009年08月05日号から

情報管理のミスは一大事

 今や大手ハウスメーカーから中小住宅会社まで、パソコンによるデータ管理とインターネットによる情報発信・収集が当たり前。ただ便利になった一方、セキュリティ対策をしていなかったために想定外の事態が起こり、それが仕事の障害になったという例が意外と多い。ここではそのような事例をピックアップし検証した。
 
情報管理のNG/ユーザーに不安感
20090805_01_01.jpg 住宅会社はユーザーの個人情報として、住所・氏名・年齢・電話番号から勤務先、場合によっては年収など細かい部分まで知る立場にある。それだけに情報管理には慎重になる必要があるが、知らず知らずのうちにユーザーの個人情報を第三者に公開していることはないだろうか。
 ケース1...「商談中のユーザーに、これまでの施工事例の写真をパソコンで見せたが、事例を選ぶ時に使ったOB客の一覧表に、名前や住所、電話番号などもそのまま表示されてしまっていた」。
 このケースは担当者が無意識にパソコンの中の個人データを見せてしまったわけだが、商談中のユーザーとしては「自分の家と名前、住所もこのように他人に見られるのか」と、不安な気持ちになるかもしれない。自分がお客様だったらどう思うか、ユーザーの立場に立って考えるべきだろう。
 ちなみにある住宅会社では、同じデータでも社内用と社外用を用意し、商談などでユーザーなどに見せる社外用は、個人情報を削除しているという。
 
(図...ユーザーとの商談中に何も考えずOB客などの個人情報を見せてしまっていることはないだろうか。「自分の情報もこのように他人に見られるのか」とユーザーに思われたら、会社にとって大きなマイナスになりかねない)
 
 
無線LANのNG/パスワードが未設定
 社内のネットワーク用としてLANケーブルのほかに無線LANを併用している住宅会社もあるが、意外とパスワードなどのセキュリティを設定していないケースが目に付く。
 ケース2...「LANケーブルが邪魔になるので無線LANを導入したが、ある日、お客様が自分のノートパソコンを持って事務所に来た時、パスワードを入力しなくても無線LANにつながったのを見て、『セキュリティは大丈夫なの』と指摘された」。
 有線のネットワークと異なり、無線LANはパスワードなどのセキュリティを設定していないと簡単にネットワークにつながってしまう。セキュリティの設定方法は無線LANの機器のマニュアルに書かれてあるが、パソコンなどに慣れていない人にとっては難しく見えるので、ついつい何もしないままになっているということもあるようだ。
 しかし、そうなると事務所の外から無線LANにつながっているパソコンのデータが盗まれたり、データが消されたりする可能性もある。自社でパスワードなどのセキュリティを設定できなければ、社外の信用できる人間に設定を任せるといったことも検討してはどうか。
 
セキュリティのNG/添付ファイル届かず
20090805_01_02.jpg 有線にしろ無線にしろ、外部からネットワークに侵入されないよう、セキュリティ対策を施したとしても、その内容を自社で把握しておかないと、後から大変な目にあうこともある。
 ケース3...「ある情報機器関連会社にネットワークのセキュリティシステムを設定してもらったが、プレカット工場に図面データを電子メールに添付して送ろうとしたところ、何度やっても送れなかった。セキュリティレベルを高く設定したのが原因のようだが、これで1日無駄したあげく、メールが大嫌いになった」。
 仕事を安全に進めるためのセキュリティシステムが、逆に仕事の足を引っ張ったという例。このようにセキュリティレベルを高く設定した場合、電子メールに添付したデータの送受信ができなくなる可能性が高い。
 セキュリティシステムを依頼する際には、どの程度のレベルで設定するのかを相談し、問題が起こった時の対応方法についても事前に確認しておくことが大切。
 
(図...外部に社内のネットワークセキュリティを任せている場合、会社によってはセキュリティレベルが高すぎてファイルを添付した電子メールが送受信できないなんてこともある。セキュリティが仕事の妨げになったら本末転倒だ)


2009年07月15日号から

黒アリは断熱材が好き

 ちょうど1年前の昨年の7月15日号と25日号に、黒アリ(トビイロケアリ)が新築住宅に侵入する理由は、基礎断熱などに使う発泡プラスチック系の断熱材と関連しているという記事を掲載し、かなりの反響となった。今回はその続報。
 
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「クロアリ」関連記事
住宅内にクロアリが侵入する事例を最初に報告した記事
寄稿・前編 トビイロケアリ(黒アリ)が 新築住宅に侵入する事例について (株)青山プリザーブ 青山 修三
(2008年・平成20年7月15号 北海道住宅新聞)


前年記事の続報(2009年07月15日号)
(この記事)

リフォームで壁をはがしたらアリ
シロアリ駆除剤を使うべきかどうか(2010年2月25日号)

クロアリが出たときどうするか
状況説明より、共感と誠実な対応(2010年6月25日号)

気密性が良くてもアリが侵入
「アリの侵入は築後6ヵ月以内が多く、1年以内の侵入報告がほとんど..」(2013年5月15日号)


2009年04月05日号から

住宅の環境負荷は植林で減らせるか?

 住宅建設や家庭でのエネルギー消費による環境負荷低減に貢献しようと、ハウスメーカーや住宅会社が山に植林を行う動きが少しずつ見られるようになってきた。企業イメージのアップにもつながるため、今後も住宅と植林を結びつける動きは広まっていきそうだが、一体どれくらい植林すればCO2の排出や森林資源の減少など住宅を原因とする環境負荷を減らせるのだろうか? ここでは住宅による環境負荷を低減するために必要な植林本数を、CO2排出量の吸収と木材の循環利用という観点から調べてみた。

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2008年12月25日号から

あらゆる成功体験を見直す 09年こそよい年に

編集長

08年は春先に木の城たいせつ、そして年末押し迫った12月15日に松本建工が経営破たんした。いずれも北海道を代表する住宅会社だったし、主義・主張の違いはあれ、住宅性能と独自の工法で成長した企業だった。
  引き金を引いたのはもちろん住宅不況である。しかし、経営の悪化には共通した原因があるのではないか。 
 木の城たいせつは、「断熱材の性能を100%引き出すための気密化」、すなわち高断熱・高気密工法が開発されるまで、最も暖かい在来工法住宅の1つだった。また松本建工が開発したFP工法は、平成に入って高断熱・高気密工法が全国に広がる中で、在来工法の工務店が取り入れやすい高断熱・高気密工法として大いに注目された。
  しかし、時代はこの2社を追い抜いたのかもしれない。
  高断熱・高気密工法の時代になって、木の城たいせつは明らかに時代遅れの工法だった。3層構造の外観デザインへの固執も時代に合わなくなっていた。
  松本建工も同様だ。高断熱・高気密が差別化になった時代から、当たり前の時代となり、FP工法は高コストがむしろ足かせとなる。
  いずれも成長を支えた独自工法への過度のこだわりが、変革を阻み経営悪化の一因となったのではないか。
  既存のあらゆる成功体験を見直し、捨て去り、新しい時代に会社と商品とサービスをフィットさせなければ、この時代は生き残れない。
  松本建工は北方型住宅先導的モデル事業推進協議会の代表事業者でもある。北海道の住宅業界はこの2社を教訓として、時代に対応しながらしぶとく生き残る力強さを身につけなければならない。
  09年こそ明るい年にしたい。その願いを込め、来年以降も厳しい市場の中で戦いを続ける各位へ向けたエールとしたい。


2008年12月05日号から

編集長の目

次世代基準普及へ大きく踏み込む 一方で不幸な消費者生む可能性も

 09年4月以降の国の省エネ政策は、正直「なぜ」という疑問も多いと思う。概要は1~2面に掲載したが、いわゆる次世代基準と呼ばれる平成11年基準を最低基準として一気に普及させる一方、誘導基準も示した今回の政策を評価した上で、苦言を呈したい。第1になぜ気密性能基準がなくなったのか、第2に断熱基準の強化は必要ないのか、第3にトップランナーを一次エネルギーで判断する意味は何か。

1.気密除外
普及のためか逃げのためか

 まず、なぜ気密性能基準がなくなったのか。国では、「住宅構造形式にかかわらず一定程度の気密性が確保される状況にある」ことを主な理由としている。
 確かに、外壁下地構造用面材の使用、根太レス工法の普及などにより、以前よりは格段に気密性能値が高くなっていることは確かだ。しかし、それにもかかわらず気密性能が重要なのは、制御できない漏気、それによる熱ロスの増大、場合によっては壁内結露などが心配されるからだ。
 実は、気密性能基準をなくしたもう一つの理由は、次世代基準を最低限の基準として運用するときに、気密性能基準や結露防止措置の規定が「じゃまになる」からという面がある。うるさいことが書かれていると、最低基準になじまないのだろう。底上げのためにいわば片目をつぶったわけだ。
 しかし、片目をつぶったことで住宅を取得する国民が不幸になる可能性もある。予定通りの断熱性能が発揮されない、悪くすれば壁内結露や寒さという欠陥住宅の危険性が高まる。
 そのとき、気密性の低さなどを理由に確認申請の窓口や、基準を制定した国の責任を追及することは難しいだろう。すべて住宅会社責任。これが気密基準をなくした本当の意味かもしれない。

2.基準強化
わかりにくい基準の全体像

 第2の断熱基準強化については、トップランナー基準の参考資料にⅠ、Ⅱ地域Q値1・4W、Ⅲ~Ⅴ地域1・9Wという性能値が示されている。これをもっとわかりやすくスッキリさせることはできなかったのだろうか。
  法規上は基準ではない。しかし基準の解説に書かれている以上、業界内では事実上の基準として動くだろう。しかも算定方法が細かい。非常にわかりにくい基準体系だ。今後は国交省の政策トップが主導権を持ち、わかりやすい基準作りをしてほしい。

3.一次エネルギー
使いやすさより国の都合優先

 第3に、トップランナー基準が一次エネルギーで判断する意味は何か。国際間の約束事では一次エネルギー換算で判断することが必要だろう。しかし、国内の政策として基準を作るときは、翻訳してわかりやすくすることが当然ではないか。同じ量のエネルギーを使っても電気と灯油を一次エネルギー換算すると量が違うという結果は、現場をただただ戸惑わせるばかりだ。そもそも、一次エネルギーに換算する際に使う灯油・ガスの変換効率や電気の発電効率は、住宅会社や消費者の努力によってどうにかできるものではない。基準は使用エネルギー量で規制すべきであり、手を出せない部分にまで責任を持たせるかたちの一次エネルギー算定は間違っていると考えるがどうか。こういう部分から見えてくるのは、国の都合しか考えていない基準作りのあり方だ。

工務店への影響
必ずしもマイナスではない

 最後に、これらの基準改定が地場のマジメに取り組んできた工務店などにとってどういう影響があるか。気密性能基準の削除が強くマイナスに働くことはないだろう。断熱性能をスペックだけで見る風潮はより強まるとしても、その暗部として増えそうな欠陥住宅の被害が、結果として気密性能の重要性を再認識させてくれるはずだ。
  また省エネラベルが大手・中小の区別なく制度運用されれば、その点でもマイナスはない。むしろ、いち早く新基準対応を宣言することが重要なのではないか。
 いずれにしても、09年春からの省エネ政策はすでに動き出した。工務店は消費者のためになる提案を、わかりやすく行えばよいのだ。


2008年11月25日号から

北方型ECOのQ値 矛盾を修正

計算方法を明確化

断熱区画内の空間は室内扱い
 北方型住宅ECOモデルの熱損失係数=Q値計算で使用する床面積は、実質床面積だけでなく、基礎断熱した床下など断熱区画された空間を含めた気積を2.6で割った相当床面積も認められる。これにより屋根断熱・基礎断熱の住宅のQ値が不利になると言われる点が解消されそうだ。去る16日に札幌市内で行われたNPOパッシブシステム研究会(中野隆二理事長、(有)フォルムデザイン社長)の講習会で、はるす工房主宰の高杉昇氏が明らかにした。北海道建設部建築指導課から今月中には正式発表される見込みで、それにあわせて北方型住宅のマニュアルも改定される。
  Q値計算は各部位の熱損失係数の合計(総熱損失係数)を実質床面積で割って算出するが、屋根断熱や基礎断熱によって気積の大きい住宅ほど不利になるため、北方型住宅ECOでは建築環境・省エネルギー機構(IBEC)の気密測定マニュアルにも記載されているように、住宅全体の気積を2.6で割って算出した相当床面積をQ値計算に使うのが適当ではないかという声が出ていた。
 ところで、実際に北方型住宅ECOを建設している住宅会社の中には、性能評価や基本性能確認を行う北海道建築指導センターで1棟目の申請は問題なく下りたが、2棟目はQ値が基準に達しないとして認められなかったという事態も発生しており、混乱を招いていた。

気積÷2.6で床面積算出可能
 これを受けて道ではQ値計算における床面積の扱いについて検討。このほど、断熱区画されていれば床下や小屋裏も室内空間とし、気積を2.6で割った数値を床面積として認める方向に固まったようだ。
  高杉氏は「実質床面積で計算すると、床下空間の気積が大きくなった住宅ではQ値1.3Wをクリアするため必要以上に断熱性能を高める必要があったが、今回の措置によってこの問題も解消される。
 例えば基礎断熱・屋根断熱で吹き上げ部分もある住宅で、総熱損失係数171.0W/Kの場合、実質床面積116.48m2でQ値を算出すると1.47Wになるが、床下空間や吹き上げ部分も含めた気積388.61m3を2.6で割った相当床面積149.47m2で算出すると1.14Wになり、北方型住宅 ECOの基準をクリアできる」と講演の中で話している。

編集長の目
もう一歩踏み込んで
わかりやすい基準を

20081125_3.jpg  この問題は当初から矛盾していた。端的に言うと、一般的に使われているQ値計算ソフトやふだんの計算方法なら、Q値が1.0Wレベルに達する超高断熱仕様なのに、北方型住宅ECOでは基準の1.3Wをオーバーして基準値以下と評価された例が数件現れる事態が発生している。
  その理由は床面積の計算方法の違い。総熱損失係数は同じでも、床面積が違えばQ値が変わってくる。
  断熱仕様も実際の暖房エネルギー消費も同じなのに、Q値は大きく違ってくる。つじつまが合わない話だ。
  それを是正しようというのが今回の措置。
  それにしても、である。計算に使われる「相当床面積」とか「実質床面積」というのはいったい何を指すのだろう。建築基準法上の床面積以外に、いろいろな床面積があっていいのだろうか。
  基礎断熱・屋根断熱であろうが吹き抜けがあろうが、床面積は基準法上の床面積で計算する。そう統一したほうがわかりやすいと思うが、いかがだろうか 。


2008年11月25日号から

ジャパンホームショー見聞記

工務店減り建築家が増加

20081125_1_1.jpg11月12日から14日の3日間、東京ビッグサイトで毎年恒例のジャパンホームショーが開かれた。
 印象をまとめると、工務店・住宅会社が新しい商品・工法を探す場というよりは、商品化の前段階であったり、素材・パーツであったり、販売代理店募集であったりと、これから建材・設備として商品化を進めるためのパートナーを募集する展示会という内容だった。出展者によると、工務店は少なく、設計事務所が多かったという。
そのような中、手に取ったものを中心に紹介したい(本紙編集長)。
  まず断熱関係では、積水化学工業のフェノール樹脂断熱材「フェノバボード」。熱伝導率が0.019Wで発泡ボード系断熱材としても最高レベル。ただし北海道では販売していない。
  住宅不況から、首都圏などでは外張り断熱からコストの安い軸間の充てんスプレー工法が増えているというが、「アクアフォーム」はいわゆる水発泡のウレタンスプレー工法。熱伝導率は0.033Wとこの分野の製品としては高断熱。発売元は(株)日本アクア。
  RC造の外断熱工法も多く展示されていた。伸び続けた本州でやや頭打ちという話も出ているが、業界はにぎやかだ。20081125_1_4.jpg
  電材では、突板を使ったおしゃれな照明が、九州・福岡から出展されていた。製造は(有)アサヒ突板工業、デザインはヨンイチ・デザインストア。写真の「木星」は三角形の突板ピース20枚で組み立てる。ペンダント照明の「FuSa」は白熱灯の熱で房が広がる独特の形状。
電気機器製造販売の河村電器産業(株)は、スタイリッシュな「ワットメーターボックス」のほか、参考出品として薄型・コンパクトな分電盤を展示した。早ければ年内にも発表の見込み。
  そのほか、おもしろいものでは、床下点検ロボット「エニーS90」という超小型戦車のような自走式ビデオカメラが出展されていた。特殊なゴムタイヤで、塩ビ管でも乗り越えられるという。

20081125_1_5.jpg  ゼオライトのVOC吸着力と光触媒による分解により、従来は難しいとされていたトルエンも分解するクロス「エアピュアレ」。価格は1000番台クロスの2倍。
  光触媒作用によって空気をきれいにするという電気スタンド「フォトエコ」。タイプはいろいろある。
  住宅気密測定器を発売しているコーナー札幌(株)は、大型物件や気密性の悪い古い住宅を測定できる送風機連結タイプの気密測定器「KNS‐4000ⅡPro」を発表した。C値5/m2程度なら延床1000m2まで、200m2の住宅でC値25/m2まで測定できる。
20081125_1_6.jpg
大型物件対応とともに、断熱改修提案でC値のビフォー・アフターを説明するときに測定できる機種がほしいという要望にこたえたといい、価格は本体操作部とファンコントロール装置で220万円。


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