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新聞記事

2010年08月15日号から

特集 長期優良住宅

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20100815_02_03.jpg 長期優良住宅の認定制度がスタートして1年2ヵ月。国の補助や各種減税措置などもあり、今年6月末時点での認定戸数は全国で約8万戸に達した。今や長期優良住宅への対応は住宅会社にとって重要なテーマの一つ。ここでは長期優良住宅のポイントを再確認するとともに、手間がかかる技術的審査や認定申請をサポートしてくれる各種サービスなどについてまとめた。

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2010年02月25日号から

少々説明が必要なLED照明・・・コラム取材ノート

 昨年末完成の住宅オーナー取材を立て続けに2軒行ったが、驚いたのは2軒とも入居後にLED電球を購入していたことだ。LDKに付いている12個の電球を、「1個3000円で特売していたので12個とも買ってしまいました。やはり電気代はバカになりませんので」とすべてLED電球に交換したオーナーもいる▼一方で、2軒ともオーナーがこんな話をした。「思ったより暗くて少しがっかりしています」。四方に光が広がる白熱電球と違い、LED電球は放熱用のフィンがあるため光の広がりは限られている。しかし、暗いとわかって気軽に別の商品に交換できる価格ではない▼気になるのは、住宅会社のかかわり方。照明の打ち合わせ時に、LED電球について簡単な説明などがあれば、オーナーの小さな後悔は生まれずに済んだだろう。話題が先行して実態がわかりにくい商品だからこそ、プロの提案やアドバイスが求められる。(北郡)


2010年01月25日号から

住宅版エコポイント

リフォームも最大30万円

 今国会での今年度第2次補正予算成立後にスタートする住宅版エコポイントの講習会が、去る18日、札幌市教育文化会館で行われ、国土交通省住宅局住宅生産課課長補佐の原田佳道氏がポイント数は新築・リフォームとも規模にかかわらず最大30万となることや、同時に実施する他の工事にポイントを使える即時交換が可能になることなど、今月15日に新たに発表された内容を中心に制度概要の説明を行った。講習会のポイントは次の通り。

着工時期-今年12月31日まで

1.工法を問わずトップランナー基準(住宅事業建築主の判断の基準)に適合する住宅 2.木造で次世代省エネ基準に適合する住宅―のいずれかを対象とし、昨年12月8日から今年12月31日まで着工することが条件。着工は根切り工事または基礎杭打ち工事の着手時とする。
 リフォームは窓や外壁等の改修部位が次世代省エネ基準に適合することを条件に、1.ガラス交換・内窓追加・窓自体の交換を行う窓の断熱改修 2.定められた最低使用量以上の断熱材を使う外壁・天井・屋根・床の断熱改修―の2つの改修工事を対象とする。新築とは異なり、今年1月1日から12月31日に工事着手した物件が対象。
 リフォームと同時にバリアフリー改修として手すり設置や段差解消、廊下等の拡幅を行う場合は、その内容に応じてポイントが加算される。
 新築戸建て・リフォームとも工事完了・引き渡しは今年度第2次補正予算成立後となることも条件となるが、工期が短いリフォームの場合、この点に注意したい。

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リフォームのポイント計算-窓は面積で異なる

 もらえるポイントは、規模にかかわらず新築戸建てもリフォームも1戸あたり最大30万。
 リフォームの場合、窓の断熱改修と外壁等の断熱改修、これらと同時に行うバリアフリー改修で与えられるポイントの合計数がもらえるが、窓の断熱改修は内窓追加と窓自体の交換は窓面積の大きさ、ガラス交換はガラス面積の大きさによってそれぞれ大・中・小の区分を設けポイントを設定。面積が大きいほどポイントを多くもらえる。
 外壁等の断熱改修は部位別にポイント数が定められ、外壁が10万ポイント、屋根・天井が3万ポイント、床(基礎)が5万ポイント。省エネ基準の断熱材性能区分に応じて各部位の必要使用量が定められており、例えば戸建住宅の外壁改修で高性能グラスウール16Kを使う場合は6以上、押出スチレンフォームB3種や硬質ウレタンボードを使う場合は4以上は最低使う必要がある。
 リフォームで外壁等や窓と同時に行うバリアフリー改修は、手すり設置と段差解消が5000ポイント、廊下等の拡幅が2万5000ポイント。1戸あたり5万ポイントを限度とするが、各部屋・空間ごとにポイントを加算する仕組みで、例えば浴室とトイレに1本ずつ手すりを付ければ合計1万ポイントになるが、浴室だけ手すりを2本付けても5000ポイントと計算し、1万ポイントにはならない。

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ポイントの申請と利用については、本紙試読をご請求ください。


2010年01月25日号から

工務店生態レポート

第6回 広告宣伝予算

インターネットの普及にともない、新聞のチラシや雑誌広告は効果が薄くなっているが、「広告宣伝は麻薬と同じで止めるに止められない」という声もあり、今でも会社のアピールや集客の手段としている工務店は多い。そこで今回は広告宣伝の年間予算と掲載メディアについて調査した。

200万円以内
 広告宣伝にかける予算は年間200万円ほど。そのうち雑誌広告が半分以上で、他は見学会の新聞チラシなどにあてている。ただ、出稿している住宅雑誌は昔と比べてかなり広告を出す工務店が減ってきており、当社もこのまま雑誌広告を出続けるのかどうかを考える必要があると思う」(札幌A社・年間施工棟数10棟)

 「1年で大体200万円程度は広告宣伝に使う。『ライナー』など旭川ではフリーペーパーの反応が良いので、予算の半分以上はフリーペーパーに使っている。後はチラシの制作費にあてている」(旭川F社・年間施工棟数5棟)

300万円以内
 「広告宣伝費は毎年大体250万~300万円となっている。住宅雑誌への広告出稿が大半を占めるが、最近では実験的に無料の不動産情報誌にも広告を出すことがある。できるだけ多くのユーザーの目に留まるメディアとインパクトのある広告を組み合わせていきたい」(札幌B社・年間施工棟数25棟)

 「毎年300万円を広告宣伝費として計上しており、一番多く使うのは雑誌広告で、次に新聞広告。雑誌広告は出し始めた頃、反応がゼロだったが、最近になって見たという人が増えてきたように思う。逆に新聞広告は反応が鈍ってきているようなので、サイズを小さくした」(十勝G社・年間施工棟数25棟)

売上の2%
 「当社は不動産事業もやっているが、広告宣伝予算は住宅工事だけ売り上げから2%をあてている。主に道新など一般紙の折り込みチラシのほか、OB客や新規見込み客向けに独自に作っている広報誌の制作・発送費にかけている」(道央D社・年間施工棟数30棟)

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2010年01月05日号から

札幌市内戸建住宅オーナー3,000件にアンケート

今年こそは受注競争に勝ち、活路を見出すために、やはり「顧客ニーズ」に対しピントの合った戦略が必要。

一番参考になるのは「顧客の本音」ではないだろうか。そう考えた本紙は、札幌市内で住宅を取得したばかりの3000件にアンケートを送付、ユーザー40名の率直な回答を得ました。戦略のヒントが隠れているはずです。

アンケート結果については見本紙をご請求ください。http://www.iesu.co.jp/inquiry/


2009年11月25日号から

必要度高まる性能測定・検査

国の住宅政策は、長期優良住宅に代表されるように"高い性能と品質をもった建物を長く大切に使う"というスタンスが明確になってきた。そこで性能・品質を保証する手段として重要性を増しつつあるのが性能測定・検査。"住宅の性能・品質を実測値で示すことが、信頼できる住宅会社と安心できる住まいの証になる"―。そんな時代がやってきそうだ。
小特集の内容は見本紙をご請求ください


2009年08月25日号から

住宅はどうなった?

取材ノート

 トヨタのプリウスが大人気だ。今契約しても納車は来年4月以降らしい。薄型テレビも好調だ。今年上半期の販売台数は前年比17%増だという。プリウスはエコカーへの買い替え補助金、薄型テレビはエコポイントによって、お買い得感が一気に高まった。それでは住宅はどうか。国は過去最大のローン減税をアピールした。中小業者で長期優良住宅を建てたら100万円補助する支援事業も行っている。だが、今年上半期の住宅着工数は目を覆うばかり。やはり数千万の買い物である住宅は車や家電と同じ感覚で購入できない。最大600万円のローン減税? 実際に600万円の減税措置を受けられる人はどれだけいるのか。10年経っても5千万円のローンがある人って一体...一般のサラリーマンでは想像もつかない。結局、最初から今年家を建てようとしていたユーザーが少し得をしただけで、需要の掘り起こしには結びついていないのではないか。(水越)


2009年08月05日号から

情報管理のミスは一大事

 今や大手ハウスメーカーから中小住宅会社まで、パソコンによるデータ管理とインターネットによる情報発信・収集が当たり前。ただ便利になった一方、セキュリティ対策をしていなかったために想定外の事態が起こり、それが仕事の障害になったという例が意外と多い。ここではそのような事例をピックアップし検証した。
 
情報管理のNG/ユーザーに不安感
20090805_01_01.jpg 住宅会社はユーザーの個人情報として、住所・氏名・年齢・電話番号から勤務先、場合によっては年収など細かい部分まで知る立場にある。それだけに情報管理には慎重になる必要があるが、知らず知らずのうちにユーザーの個人情報を第三者に公開していることはないだろうか。
 ケース1...「商談中のユーザーに、これまでの施工事例の写真をパソコンで見せたが、事例を選ぶ時に使ったOB客の一覧表に、名前や住所、電話番号などもそのまま表示されてしまっていた」。
 このケースは担当者が無意識にパソコンの中の個人データを見せてしまったわけだが、商談中のユーザーとしては「自分の家と名前、住所もこのように他人に見られるのか」と、不安な気持ちになるかもしれない。自分がお客様だったらどう思うか、ユーザーの立場に立って考えるべきだろう。
 ちなみにある住宅会社では、同じデータでも社内用と社外用を用意し、商談などでユーザーなどに見せる社外用は、個人情報を削除しているという。
 
(図...ユーザーとの商談中に何も考えずOB客などの個人情報を見せてしまっていることはないだろうか。「自分の情報もこのように他人に見られるのか」とユーザーに思われたら、会社にとって大きなマイナスになりかねない)
 
 
無線LANのNG/パスワードが未設定
 社内のネットワーク用としてLANケーブルのほかに無線LANを併用している住宅会社もあるが、意外とパスワードなどのセキュリティを設定していないケースが目に付く。
 ケース2...「LANケーブルが邪魔になるので無線LANを導入したが、ある日、お客様が自分のノートパソコンを持って事務所に来た時、パスワードを入力しなくても無線LANにつながったのを見て、『セキュリティは大丈夫なの』と指摘された」。
 有線のネットワークと異なり、無線LANはパスワードなどのセキュリティを設定していないと簡単にネットワークにつながってしまう。セキュリティの設定方法は無線LANの機器のマニュアルに書かれてあるが、パソコンなどに慣れていない人にとっては難しく見えるので、ついつい何もしないままになっているということもあるようだ。
 しかし、そうなると事務所の外から無線LANにつながっているパソコンのデータが盗まれたり、データが消されたりする可能性もある。自社でパスワードなどのセキュリティを設定できなければ、社外の信用できる人間に設定を任せるといったことも検討してはどうか。
 
セキュリティのNG/添付ファイル届かず
20090805_01_02.jpg 有線にしろ無線にしろ、外部からネットワークに侵入されないよう、セキュリティ対策を施したとしても、その内容を自社で把握しておかないと、後から大変な目にあうこともある。
 ケース3...「ある情報機器関連会社にネットワークのセキュリティシステムを設定してもらったが、プレカット工場に図面データを電子メールに添付して送ろうとしたところ、何度やっても送れなかった。セキュリティレベルを高く設定したのが原因のようだが、これで1日無駄したあげく、メールが大嫌いになった」。
 仕事を安全に進めるためのセキュリティシステムが、逆に仕事の足を引っ張ったという例。このようにセキュリティレベルを高く設定した場合、電子メールに添付したデータの送受信ができなくなる可能性が高い。
 セキュリティシステムを依頼する際には、どの程度のレベルで設定するのかを相談し、問題が起こった時の対応方法についても事前に確認しておくことが大切。
 
(図...外部に社内のネットワークセキュリティを任せている場合、会社によってはセキュリティレベルが高すぎてファイルを添付した電子メールが送受信できないなんてこともある。セキュリティが仕事の妨げになったら本末転倒だ)


2009年07月15日号から

黒アリは断熱材が好き

 ちょうど1年前の昨年の7月15日号と25日号に、黒アリ(トビイロケアリ)が新築住宅に侵入する理由は、基礎断熱などに使う発泡プラスチック系の断熱材と関連しているという記事を掲載し、かなりの反響となった。今回はその続報。
 
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2009年04月05日号から

住宅の環境負荷は植林で減らせるか?

 住宅建設や家庭でのエネルギー消費による環境負荷低減に貢献しようと、ハウスメーカーや住宅会社が山に植林を行う動きが少しずつ見られるようになってきた。企業イメージのアップにもつながるため、今後も住宅と植林を結びつける動きは広まっていきそうだが、一体どれくらい植林すればCO2の排出や森林資源の減少など住宅を原因とする環境負荷を減らせるのだろうか? ここでは住宅による環境負荷を低減するために必要な植林本数を、CO2排出量の吸収と木材の循環利用という観点から調べてみた。

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2008年12月25日号から

あらゆる成功体験を見直す 09年こそよい年に

編集長

08年は春先に木の城たいせつ、そして年末押し迫った12月15日に松本建工が経営破たんした。いずれも北海道を代表する住宅会社だったし、主義・主張の違いはあれ、住宅性能と独自の工法で成長した企業だった。
  引き金を引いたのはもちろん住宅不況である。しかし、経営の悪化には共通した原因があるのではないか。 
 木の城たいせつは、「断熱材の性能を100%引き出すための気密化」、すなわち高断熱・高気密工法が開発されるまで、最も暖かい在来工法住宅の1つだった。また松本建工が開発したFP工法は、平成に入って高断熱・高気密工法が全国に広がる中で、在来工法の工務店が取り入れやすい高断熱・高気密工法として大いに注目された。
  しかし、時代はこの2社を追い抜いたのかもしれない。
  高断熱・高気密工法の時代になって、木の城たいせつは明らかに時代遅れの工法だった。3層構造の外観デザインへの固執も時代に合わなくなっていた。
  松本建工も同様だ。高断熱・高気密が差別化になった時代から、当たり前の時代となり、FP工法は高コストがむしろ足かせとなる。
  いずれも成長を支えた独自工法への過度のこだわりが、変革を阻み経営悪化の一因となったのではないか。
  既存のあらゆる成功体験を見直し、捨て去り、新しい時代に会社と商品とサービスをフィットさせなければ、この時代は生き残れない。
  松本建工は北方型住宅先導的モデル事業推進協議会の代表事業者でもある。北海道の住宅業界はこの2社を教訓として、時代に対応しながらしぶとく生き残る力強さを身につけなければならない。
  09年こそ明るい年にしたい。その願いを込め、来年以降も厳しい市場の中で戦いを続ける各位へ向けたエールとしたい。


2008年12月05日号から

編集長の目

次世代基準普及へ大きく踏み込む 一方で不幸な消費者生む可能性も

 09年4月以降の国の省エネ政策は、正直「なぜ」という疑問も多いと思う。概要は1~2面に掲載したが、いわゆる次世代基準と呼ばれる平成11年基準を最低基準として一気に普及させる一方、誘導基準も示した今回の政策を評価した上で、苦言を呈したい。第1になぜ気密性能基準がなくなったのか、第2に断熱基準の強化は必要ないのか、第3にトップランナーを一次エネルギーで判断する意味は何か。

1.気密除外
普及のためか逃げのためか

 まず、なぜ気密性能基準がなくなったのか。国では、「住宅構造形式にかかわらず一定程度の気密性が確保される状況にある」ことを主な理由としている。
 確かに、外壁下地構造用面材の使用、根太レス工法の普及などにより、以前よりは格段に気密性能値が高くなっていることは確かだ。しかし、それにもかかわらず気密性能が重要なのは、制御できない漏気、それによる熱ロスの増大、場合によっては壁内結露などが心配されるからだ。
 実は、気密性能基準をなくしたもう一つの理由は、次世代基準を最低限の基準として運用するときに、気密性能基準や結露防止措置の規定が「じゃまになる」からという面がある。うるさいことが書かれていると、最低基準になじまないのだろう。底上げのためにいわば片目をつぶったわけだ。
 しかし、片目をつぶったことで住宅を取得する国民が不幸になる可能性もある。予定通りの断熱性能が発揮されない、悪くすれば壁内結露や寒さという欠陥住宅の危険性が高まる。
 そのとき、気密性の低さなどを理由に確認申請の窓口や、基準を制定した国の責任を追及することは難しいだろう。すべて住宅会社責任。これが気密基準をなくした本当の意味かもしれない。

2.基準強化
わかりにくい基準の全体像

 第2の断熱基準強化については、トップランナー基準の参考資料にⅠ、Ⅱ地域Q値1・4W、Ⅲ~Ⅴ地域1・9Wという性能値が示されている。これをもっとわかりやすくスッキリさせることはできなかったのだろうか。
  法規上は基準ではない。しかし基準の解説に書かれている以上、業界内では事実上の基準として動くだろう。しかも算定方法が細かい。非常にわかりにくい基準体系だ。今後は国交省の政策トップが主導権を持ち、わかりやすい基準作りをしてほしい。

3.一次エネルギー
使いやすさより国の都合優先

 第3に、トップランナー基準が一次エネルギーで判断する意味は何か。国際間の約束事では一次エネルギー換算で判断することが必要だろう。しかし、国内の政策として基準を作るときは、翻訳してわかりやすくすることが当然ではないか。同じ量のエネルギーを使っても電気と灯油を一次エネルギー換算すると量が違うという結果は、現場をただただ戸惑わせるばかりだ。そもそも、一次エネルギーに換算する際に使う灯油・ガスの変換効率や電気の発電効率は、住宅会社や消費者の努力によってどうにかできるものではない。基準は使用エネルギー量で規制すべきであり、手を出せない部分にまで責任を持たせるかたちの一次エネルギー算定は間違っていると考えるがどうか。こういう部分から見えてくるのは、国の都合しか考えていない基準作りのあり方だ。

工務店への影響
必ずしもマイナスではない

 最後に、これらの基準改定が地場のマジメに取り組んできた工務店などにとってどういう影響があるか。気密性能基準の削除が強くマイナスに働くことはないだろう。断熱性能をスペックだけで見る風潮はより強まるとしても、その暗部として増えそうな欠陥住宅の被害が、結果として気密性能の重要性を再認識させてくれるはずだ。
  また省エネラベルが大手・中小の区別なく制度運用されれば、その点でもマイナスはない。むしろ、いち早く新基準対応を宣言することが重要なのではないか。
 いずれにしても、09年春からの省エネ政策はすでに動き出した。工務店は消費者のためになる提案を、わかりやすく行えばよいのだ。


2008年11月25日号から

北方型ECOのQ値 矛盾を修正

計算方法を明確化

断熱区画内の空間は室内扱い
 北方型住宅ECOモデルの熱損失係数=Q値計算で使用する床面積は、実質床面積だけでなく、基礎断熱した床下など断熱区画された空間を含めた気積を2.6で割った相当床面積も認められる。これにより屋根断熱・基礎断熱の住宅のQ値が不利になると言われる点が解消されそうだ。去る16日に札幌市内で行われたNPOパッシブシステム研究会(中野隆二理事長、(有)フォルムデザイン社長)の講習会で、はるす工房主宰の高杉昇氏が明らかにした。北海道建設部建築指導課から今月中には正式発表される見込みで、それにあわせて北方型住宅のマニュアルも改定される。
  Q値計算は各部位の熱損失係数の合計(総熱損失係数)を実質床面積で割って算出するが、屋根断熱や基礎断熱によって気積の大きい住宅ほど不利になるため、北方型住宅ECOでは建築環境・省エネルギー機構(IBEC)の気密測定マニュアルにも記載されているように、住宅全体の気積を2.6で割って算出した相当床面積をQ値計算に使うのが適当ではないかという声が出ていた。
 ところで、実際に北方型住宅ECOを建設している住宅会社の中には、性能評価や基本性能確認を行う北海道建築指導センターで1棟目の申請は問題なく下りたが、2棟目はQ値が基準に達しないとして認められなかったという事態も発生しており、混乱を招いていた。

気積÷2.6で床面積算出可能
 これを受けて道ではQ値計算における床面積の扱いについて検討。このほど、断熱区画されていれば床下や小屋裏も室内空間とし、気積を2.6で割った数値を床面積として認める方向に固まったようだ。
  高杉氏は「実質床面積で計算すると、床下空間の気積が大きくなった住宅ではQ値1.3Wをクリアするため必要以上に断熱性能を高める必要があったが、今回の措置によってこの問題も解消される。
 例えば基礎断熱・屋根断熱で吹き上げ部分もある住宅で、総熱損失係数171.0W/Kの場合、実質床面積116.48m2でQ値を算出すると1.47Wになるが、床下空間や吹き上げ部分も含めた気積388.61m3を2.6で割った相当床面積149.47m2で算出すると1.14Wになり、北方型住宅 ECOの基準をクリアできる」と講演の中で話している。

編集長の目
もう一歩踏み込んで
わかりやすい基準を

20081125_3.jpg  この問題は当初から矛盾していた。端的に言うと、一般的に使われているQ値計算ソフトやふだんの計算方法なら、Q値が1.0Wレベルに達する超高断熱仕様なのに、北方型住宅ECOでは基準の1.3Wをオーバーして基準値以下と評価された例が数件現れる事態が発生している。
  その理由は床面積の計算方法の違い。総熱損失係数は同じでも、床面積が違えばQ値が変わってくる。
  断熱仕様も実際の暖房エネルギー消費も同じなのに、Q値は大きく違ってくる。つじつまが合わない話だ。
  それを是正しようというのが今回の措置。
  それにしても、である。計算に使われる「相当床面積」とか「実質床面積」というのはいったい何を指すのだろう。建築基準法上の床面積以外に、いろいろな床面積があっていいのだろうか。
  基礎断熱・屋根断熱であろうが吹き抜けがあろうが、床面積は基準法上の床面積で計算する。そう統一したほうがわかりやすいと思うが、いかがだろうか 。


2008年11月25日号から

ジャパンホームショー見聞記

工務店減り建築家が増加

20081125_1_1.jpg11月12日から14日の3日間、東京ビッグサイトで毎年恒例のジャパンホームショーが開かれた。
 印象をまとめると、工務店・住宅会社が新しい商品・工法を探す場というよりは、商品化の前段階であったり、素材・パーツであったり、販売代理店募集であったりと、これから建材・設備として商品化を進めるためのパートナーを募集する展示会という内容だった。出展者によると、工務店は少なく、設計事務所が多かったという。
そのような中、手に取ったものを中心に紹介したい(本紙編集長)。
  まず断熱関係では、積水化学工業のフェノール樹脂断熱材「フェノバボード」。熱伝導率が0.019Wで発泡ボード系断熱材としても最高レベル。ただし北海道では販売していない。
  住宅不況から、首都圏などでは外張り断熱からコストの安い軸間の充てんスプレー工法が増えているというが、「アクアフォーム」はいわゆる水発泡のウレタンスプレー工法。熱伝導率は0.033Wとこの分野の製品としては高断熱。発売元は(株)日本アクア。
  RC造の外断熱工法も多く展示されていた。伸び続けた本州でやや頭打ちという話も出ているが、業界はにぎやかだ。20081125_1_4.jpg
  電材では、突板を使ったおしゃれな照明が、九州・福岡から出展されていた。製造は(有)アサヒ突板工業、デザインはヨンイチ・デザインストア。写真の「木星」は三角形の突板ピース20枚で組み立てる。ペンダント照明の「FuSa」は白熱灯の熱で房が広がる独特の形状。
電気機器製造販売の河村電器産業(株)は、スタイリッシュな「ワットメーターボックス」のほか、参考出品として薄型・コンパクトな分電盤を展示した。早ければ年内にも発表の見込み。
  そのほか、おもしろいものでは、床下点検ロボット「エニーS90」という超小型戦車のような自走式ビデオカメラが出展されていた。特殊なゴムタイヤで、塩ビ管でも乗り越えられるという。

20081125_1_5.jpg  ゼオライトのVOC吸着力と光触媒による分解により、従来は難しいとされていたトルエンも分解するクロス「エアピュアレ」。価格は1000番台クロスの2倍。
  光触媒作用によって空気をきれいにするという電気スタンド「フォトエコ」。タイプはいろいろある。
  住宅気密測定器を発売しているコーナー札幌(株)は、大型物件や気密性の悪い古い住宅を測定できる送風機連結タイプの気密測定器「KNS‐4000ⅡPro」を発表した。C値5/m2程度なら延床1000m2まで、200m2の住宅でC値25/m2まで測定できる。
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大型物件対応とともに、断熱改修提案でC値のビフォー・アフターを説明するときに測定できる機種がほしいという要望にこたえたといい、価格は本体操作部とファンコントロール装置で220万円。


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