新聞記事

2013年09月15日号から

防耐火・性能試験を工場内で評価 新製品を送り出す栗山工場 エクセルシャノン

 (株)エクセルシャノンでは今年春に樹脂サッシのラインナップを一新、ペアガラスサッシ「シャノンウインドⅡ」、トリプルガラスサッシ「トリプルシャノンⅡ」、防耐火サッシ「シャノンウインドTypeEB/TypeEC」をそれぞれ発売した。これらの新しい樹脂サッシがどのように生産され、品質を担保しているのか。年間10万窓以上を生産し道内に出荷しているという空知・栗山工場を取材した。

20130915_04_01.jpg 工場では、従業員がそれぞれ機械を使いこなして工程ごとに組み立て作業を行っている。作る窓の種類が多いこともあり、自動化よりも人の力が重要視されている。
 樹脂サッシのおおよその製造方法はこうだ。塩ビ樹脂に可塑剤などを混ぜて押出成型した形材(プロファイル)を切断加工し、熱と圧力を加えて溶着してサッシの枠材を作る。それに気密材などパーツを取り付け、ガラスをはめ込んで完成させる。
 ポイントは、溶着だ。形材を窓の寸法に合わせて斜め45度にカットして窓枠の四辺部を作る。切断面の端部に圧力と熱を加えて四辺を溶着し、四角い窓枠ができあがる。熱を加えるというと、素材にストレスをかけるようなイメージがあるが、熱溶着の強度は強力接着剤を使った時と比べて数十倍も強いという。
 さらに、同社の樹脂サッシは製造開始以来肉厚を変えていない。熱溶着と合わせ、頑丈な構造でトリプルガラスの重量にも耐える。

最新の試験設備を完備
20130915_04_02.jpg 工場内には、最新鋭のサッシ試験設備がある。JIS規格に準じた水密試験や耐風圧試験などを行えるほか、防耐火試験、金物の開閉耐久試験などもできる。道内の公的機関と同等の設備だ。
 公的機関で本試験を行うと数百万円単位で費用がかかるので「試験したけど基準をクリアしなかった」では済まされない。工場内の試験設備で事前評価しておくことで製品改良を低コストで進められるほか、製品の基礎開発等でも活躍している。特に昨年は防耐火サッシの試験体をいくつもテストするなど、フル稼働した。この大がかりな設備は、他社からも試験依頼が来るほどだ。
 栗山工場は1980年に製造開始し、樹脂サッシのパイオニア工場として今年で操業34年目。同工場では、「今後、防耐火樹脂サッシのコストダウンと、トリプルシャノンⅡの出荷比率をさらに高めていきたい」と話している。


【写真】
[上]工場内で防耐火試験をしている
[下]開き窓の開閉試験機や照度試験機が並ぶ


試読・購読のお申し込みはこちら 価値のある3,150円


関連記事

powered by weblio


内容別

月別

新着記事