新聞記事

2012年10月25日号から

決められない施主と処方せん

「何ヵ月経っても契約のハンコがまだもらえない」「『これでいいですね』と念押ししたのにまた設計変更だ」。ビルダーから嘆きの声が聞こえてくる。ひょっとして相手にしているのは、「決められない」顧客じゃありませんか?

注文住宅に向かないユーザー増加中

20121025_01_01.jpg 注文住宅は、施主の要望に細かく応えることで、顧客満足度が向上する と考えられてきたが、それは顧客である注文主が"注文できること"が前提だ。しかし、小さな子どもを抱えた若い親は子育てに忙しく、注文住宅で一から打ち合わせすることが苦痛に感じられることもある。また、人生経験が浅く、あふれる情報を消化しきれないために「結局何がいいのかわからない」と決められない顧客も増えてきている。

 一方、住宅会社側からは、「お客と一緒になって悩むと、結局振り回されるばかりで契約が取れなかったり話が進まない」という嘆きも聞こえてくる。売上と原価は従来と変わらなくても、長引く打ち合わせで社員1人あたりの労働時間が延び、そのことが人件費アップにつながると同時に社員や社長の長時間労働という負担になっている。
 こうした「家を建てる」というよりも「買う」感覚が強まってきているユーザーに対し、企画型住宅をモデルハウスとして建て、セミオーダー型を目ざす住宅会社が多い。
 「ユーザーは"注文住宅"を望んでいるわけではない。自分らしい暮らし、ステキな生活を望んでいるのであって細かな注文を実現するよりも、打ち合わせコストを省いた結果安くていい家が目の前にあればそれを『買う』方が自然」と語る住宅会社の社長もいる。
 徹底的にこだわるフルオーダー住宅よりもセミオーダー型住宅が増えるのは、こういった消費者像の変化がある。
 もっとも、住宅会社からすると、デザインやプランをパターン化して決めてしまうのは勇気がいる。対象を絞り込んでしまうことになるからだ。それでも札幌圏は人口が250万人ほどあり、対象を絞り込むマーケティング的な手法が十分成り立つ。
 一方でこの手法は注意点もある。そのスタイルの住宅を選ぶ理由、仕様を絞り込む理由が顧客にきちんと説明され、顧客が「欲しい」と感じなければ押しつけがましい営業になってしまう危険性がある。

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