エコ化

2014年10月24日(19:34)

久しぶりに自分ですべて取材して、記事を書きました。

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温水セントラルヒーティングについての記事です。
ボクの記憶の限り、温水セントラルヒーティングに関する記事って、ある意味当たり前すぎて、あまり掲載した記憶がありません。それを今回取り上げたのは、温水セントラルヒーティングが新築の暖房方式として復活してきたからです。

これまでも落ち込んでいたわけではありません。ただ、少し減っていたとみられます。それが、現時点では札幌圏で圧倒的ナンバーワンだと思われます。

ただ、これからはエアコンやストーブとの組み合わせや、太陽熱温水の利用など、いろいろな変化があるかもしれません。そういう変化に適応しながらも、温水セントラルヒーティングは北海道の暖房方式として生き残っていくのではないでしょうか。

最近は北東北でも「温水セントラルヒーティングをやりたい」という声を聞くようになりました。価格面や施工力の問題もありますが、冷房よりも暖房中心の地域は、セントラルヒーティングを検討してみてはどうでしょうか。

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2014年09月02日(18:18)

省エネ住宅・設備セミナー @札幌

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2014_0902akoh.jpg9月2日(火)札幌のセミナーが無事終わりました。山本亜耕さんの切れ味のよい話、あと、暖房エコフィール(灯油暖房ボイラー)の効率は、カタログ値以上によくなる可能性があるという話に驚きました。なぜか、潜熱を回収する分が、カタログ値には含まれていないからだそうです!

9月4日(木)は帯広会場です。
会場でお待ちしております。

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2014年08月25日(18:05)

断熱リフォーム.netというホームページ

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ヤフーやグーグルで「断熱リフォーム」で検索をかけてみると、かなりの数のホームページが出てきます。
白井のパソコンで検索をかけると、
日本建材・住宅設備産業協会、リクシル(LIXIL)、All About、住まいの水先案内人、Panasonic、新住協と出てきます。
設備メーカーや設計事務所、断熱住宅推進団体などのサイトですから、それぞれ素晴らしいことが書かれていると思います。
 
一方、ボクたち消費者は「寒い家を何とかしたい」と考えたときにまずどうしたらいいのでしょうか。
断熱リフォームってわが家でもできるのか?
『暖かくなります』と誘われて断熱サイディングに張り替えたけれど、変わらないという話も聞く(不安)..
予算はどうなんだろう。
あるいは、中古住宅を買ってリフォームするときに、ちょっと断熱したらちょっとあったかくなるのか??
 
こういったことが知りたいと思います。でもリフォームは新築と違って家の状況が千差万別なので、ひと言で答えられない面もあります。
 
なので、断熱リフォームのホームページは、いろいろなケースが載っていること、いろいろなリフォーム体験をした人の話が載っていると役に立ちますね。
 
『断熱リフォーム.net』は、断熱リフォームのメリットや工事内容・価格から、補助金・減税措置などおトクな情報まで、総合的な情報が集まっています。
 
なかでも、
●断熱リフォームを行ったエンドユーザーの生の声がわかります(今後事例を順次追加予定)

●断熱先進地・北海道で断熱工事の豊富なノウハウを持つ企業(ダンネツ)が、断熱リフォームに対する質問・相談に答えてくれます。またホームページ制作は当社も協力させていただきました。
 
いちどご覧くださいませ。

【断熱リフォーム.net】http://断熱リフォーム.net

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2014年08月22日(20:32)

東北の地場工務店の苦労は、○○で解決できるはず

地域のお客さまにいい住宅を提供するには、断熱性能をしっかりする必要がある。そして、この点をしっかりやれば東北では差別化ができるのですが、しかしその一方で、コストダウンのためには多くの工務店さんが「工法を変えて対応」しておられます。
それはどういうことか。

断熱気密工法と使用建材の標準化がまだ完全にできておらず、例えば「A工法は簡単で断熱性能は良いけどB工法より高い」「B工法でも使う建材をグレードを下げれば性能は低下するけどさらに安くなる」という現実があります。

北海道と比べるとわかりやすいので、比較しながら説明してみます。
北海道でも、割高な工法と割安な工法があります。割安な工法とは、繊維系断熱材を使った新在来木造構法とツーバイフォーの充てん断熱工法です。
そして、この割安工法には、下の断熱グレードが存在しません。低密度ポリエチレンフィルム(防湿・気密シート)、不織布フィルム(透湿・防水シート)、プレカットグラスウール、樹脂サッシアルゴンペアは、北海道の標準工法用断熱・気密建材です。このなかに第3種換気と基礎断熱用押出スチレンフォームを含めてもいいかもしれません。
メーカーは、これらより低位のグレードの商品を在庫し、二重の在庫負担をするより、低位の商品の扱いをやめたほうがいいので、結果として標準品の出荷が増え、価格的にもこなれてきます。

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一方、東北はこれらよりも下位の建材がまだ普通に出回っており、標準化が進んでいません。また、断熱はグラスウールがトップシェアでも、グラスウールの充てん断熱・気密工法が標準とは言えない状況に見えます。
下位の製品が一掃されないため、断熱に関心のない会社は最下位の断熱建材を使用します。そのため、依然として工法と建材の標準化が進まないのです。

コストダウンのために工法を変更する必要がある。そうすると、設計も現場も2つのやり方に慣れる必要があります。努力でカバーできる範囲だとは思いますが、しかし、その努力を作業分析などに向けることができたなら、標準工法からさらにコストダウンが可能になるかもしれません。
言いたいことは、慣れることはできるが、その手間や努力をほかに向ければさらに生産性を向上させられる、ということです。

これからは新築着工が激減します。この機会を先取りして、ビルダーと建材メーカーが手を携えて、まずは建材の標準化に乗り出してみてはどうかと思うのです。

それは、いい住宅を建てようとするビルダーさん、そして、地域の皆さんのためになるはずです。

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2014年08月20日(09:42)

何を熱源に暖房すべきか

seminar_omote_ol.jpg北海道の戸建住宅の熱源は、石炭から石油に変わり、10年ほど前から電気に変わりました。
最近は電気料金の値上げを契機にガスに移行しつつあります。
背景にあるのはエネルギー価格の高騰。そのときそのときの割安なエネルギーを選ぶのは当然のことですが、一歩引いて考えると、

1.いま選んでいるエネルギーも、将来的に最安値を維持できる保証はない.
2.安いエネルギーを選んでも、エネルギー使用量が多ければ光熱費負担は増える一方.

という2つの問題があります。

住宅の専門家として、「熱源」を消費者にどのように提案をすべきでしょうか。

この問いについて、とてもシンプルなかたちで答えてくださるのが、建築家・山本亜耕さんです。
9月2日(火)札幌、9月4日(木)帯広で山本亜耕さんの講演会を企画しました。当日はご自身の設計例を紹介いただきながら、「熱源選択と省エネルギー」について会場の皆さんと考えたいと思います。

講演会ではもうひとつ、大きなニュースがあります。高効率・潜熱回収型の灯油ボイラー、いわゆる暖房エコフィールの13-14年冬シーズンの成績がまとまり、当日発表いたします。
石油の配送インフラがしっかりしている北海道では、灯油熱源はとても安定しています。暖房エコフィールの登場で、熱源として見直す機会にもなると思います。

申込書はこちらからダウンロードしてください
0902-04seminar.pdf
 

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2014年08月11日(18:34)

ロフトの壁を一部ぶち抜きました

2014_0811loft01.jpgさあ、暑さが来るゾ、と思っていたら、涼しくなってしまいました。その代わりに大雨。皆さんの地域は大丈夫だったでしょうか? うちのまわりは道路が冠水し消防車が出動した地域もありました。

2014_0811loft02.jpgさて、本格的な暑さが来る前に、ロフトの壁を一部、ぶち抜きました。カッターで切り目を入れ、のこぎりで石こうボードを切断。ちょっとたたいてペリッとはがします。
この部屋は入口ドアの上に欄間があるのですが、ロフトの空気を抜く仕掛けがありません。ロフトの一番高いところを抜くと、窓からの風が通り抜けるようになるのです。
じっさい、穴を開けた瞬間から風を感じるようになりました。

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部屋のなるべく高い場所に通気用の穴を開けると、部屋にたまりがちな熱気を排出することができます。
 
1時間半の仕事でした。
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壁の向こうが見える!

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2014年08月04日(11:42)

夏の暑さ対策 いよいよ最終段階へ キッチン対策

今年の夏はわりと暑いですがここ数年と比べ湿度が低く、昔の北海道に戻ったような爽やかな暑さになっています。
ただ、今日の夕方から雨の予報ですから、明日以降は湿度が高くなるかもしれません。

夏の暑さ対策をはじめたころは、まず業界で言われている方法を試してみて、少々絶望し、一時迷い子状態になっていましたが、いまは60点もらえるくらいまで成果を挙げることができました。
ただ、まだ家人には不満が残っています。
問題1:キッチンが暑い
問題2:通気がとれないロフトが寝苦しい

ロフトは天井下の壁をぶち抜けば通気がとれるので、それで十分かと思いますが、遮音をどうするかという課題があります。
開閉式の欄間(らんま)にするか??

キッチンの暑さについては、今まであまり真剣に対策を考えなかったのですが、今年は考えてみます。
キッチンは、コンロ、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジと熱源だらけ。暑いのが当たり前ですが、それを何とかしてこそ、家人から感謝の言葉が出てくるというものでしょう。
方法としては通気確保かなと思います。調理時に風がながれるようにする。一番簡単な方法は扇風機設置ですかねえ...

いま気がついたけど、防火のために天井から垂れ壁があることも通気を阻害しているか..

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〈長野県駒ヶ根市の民家。なかなかにキレイなまとまりだと思いませんか。2階の窓が小さいのは、敷地まわりの建物との関係かと推測されます〉

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2014年08月02日(14:57)

北海道のトドマツでつくるコンクリート

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先進国が東南アジアの森を破壊している、といわれ始めてから、ずいぶん年月がたっています。
合板(ベニア)の原料に使われるラワン材、洗剤の原料になるヤシの木の植林で伐採される天然林、木炭やエビ養殖に伐採されるマングローブなどなど、白井が知っているだけでも深刻な状況です。

ラワン合板が問題になって、徐々に針葉樹合板が増え、最近では北海道産の針葉樹が使われるようになってきました。
しかし、土木用、コンクリート打設用の合板は、いまだにラワン合板が多いのです。それを北海道産の針葉樹に切り替えることができないか、という研究が行われています。
使われる木は、「天まで届け」のトドマツ、枝が天を向いているほうです。

各種試験の結果、製品に必要な強度は十分にあることがわかり、試験施工でも問題がなさそう。
今後は、家に使う木だけでなく、基礎を打つ型枠材も北海道産の木が使われるようになってくるかもしれません。

今月・8月の林産試だよりが伝えています。

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2014年07月17日(11:57)

木の繊維の工場に行ってきました。7月14日(月)

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北海道のカラマツやトドマツの未利用材をほぐして、木の繊維そのままに断熱材をつくっている会社です。

竣工式に工場設備を見て以来。久しぶりでした。
東北の一行をご案内するかたちで総勢10名以上での訪問。
工藤社長以下、渡部工場長、営業の赤尾課長が出迎えてくれました。

断熱材というのは機能性建材ですので、基本的に機能と価格は比例的関係にあります。
しかし、木の繊維がつくる断熱材「ウッドファイバー」は違った価値観でつくられています。
断熱性能はグラスウールなどの繊維系断熱材と同等。蓄熱性はとても優れています。しかし、いちばんの特徴は、地元の木を余すところなく使いきるというエコと、天然素材につつまれる安心感にあると思います。

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じっさいに「ウッドファイバー」を触ってみると、とても素朴です。
そんなことを見学者がみんな感じながら、ひととおり工場を見終わり、飛行機の時間が迫っていたグループが先に空港に向かい、自分を含め10名ほどが残って話を聞きました。

かなり興味を持たれたようです。価格のことも重要ですが(すなわち少々お高いのです)、ウッドファイバーが価値ある建材かどうかが重要であり、また上手な使い方をすると付加価値を上げられる可能性があるのです。
写真はこう配天井に張ったウッドファイバーです。
付加断熱材として断熱強化を実現するとともに、吸音材として大きな空間の反響を減らし、また仕上げを兼ねることで天然素材の良さを利用しています。

場所は千歳空港から南へ10分ちょっとのところにあり、札幌からも空港利用者にも利便性がいい立地です。

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〈写真:旭川・芦野組施工物件〉

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2014年07月15日(11:20)

蓄熱性と吸放湿性を旧荒谷邸から学ぶ

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35年前のパッシブハウスとして最近注目を集める旧荒谷邸(タギ邸)を2月に訪れたことをブログで紹介しました。
https://www.iesu.co.jp/column/2014/02/05185540.html
そのときに『夏は本当にカビくさくならないのか』ぜひ確認したいと思っていました。その機会がありました。
7月12日(土)、総勢13名でタギ邸を訪問。前回と同じく、タギさんと奥さまが迎えてくださいました。

雪がない時期なので、外回りをぐるりと見ることができました。そして室内へ。
旧荒谷邸(タギ邸)は、やはりカビくささがありませんでした。
冬暖かく、夏涼しいのは、250mmの外断熱と3層ガラスによって実現されており、そのこと自体に驚きはありません。

ただ、この家の気密性能がガス減衰法による測定で換気回数3回/h、強制換気設備なしで、燃費がいまの一般的住宅のおよそ1/3、冬の相対湿度40-50%、夏も冬も結露なしと聞けば、「どんなマジックを使っているのか?」と専門家ほどうなってしまいます。

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トリプルガラスサッシもセントラル換気もない時代に考えられた仕掛けに驚くと同時に、いまこそ取り入れるべき知恵もあると思うのです。
それはやっぱり、コンクリートブロックです。吸放湿性があり蓄熱効果のある建材。室内の熱を蓄えて温度変化を緩やかにすること。そして同じく湿度変化もおだやかにすること。その両方ができる建材が、住宅用建材としていま求められています。
ドイツも同じことを考えていることを昨年末のセミナーで知りました。ドイツは日干しレンガを使っているそうです。

室内にどのくらいの量を使ったら良いか、など今のところぜんぜんわかっておりません。タギ邸は構造そのものがコンクリートブロック造ですから、大量に使われていますが、木造ではそうはいかないのです。

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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