2014年02月05日(18:55)

旧荒谷邸(パッシブハウス)を訪問し、一同、考え込む

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2月4日(火) 午後いちばんで、秋田県の工務店さんをお連れして、旧荒谷邸・タギさんの自宅を訪問しました。
30年以上前に建てられたコンクリートブロック造の外側に厚い断熱を施した家。白井は、荒谷先生が住んでおられるころに1度、見学したことがあるのですが、今回は現・住み手のタギさんの案内で、じっくり話を聞きました。

この家のユニークなところは、わずかなエネルギーで暖房し、換気扇なしでニオイのこもりもなく、カビが生えることもなく、春夏秋冬、ゆるーく暮らせることです。

現代は、テクノロジーで気密化と機械換気を導入し、家を空調するわけですが、使い手の能力と建物の工夫があれば、もっとざっくりした建物で快適に暮らせることが、視察者にも肌で感じられ、一同、「うーん」とうなりました。住宅建築のプロをうならせる建物です。

現代のテクノロジーと書きましたが、じつはハイ・テクノロジーではありません。コンピュータ制御のテクノロジーと比べれば、業界内でも断熱・気密などの技術は「ローテク」と認識されています。

それにしても、給気口なし、排気口なし、レンジフードほとんど使用せず。あるのはボイラーの煙突のみという換気パーツ絶無の家。
気密測定は、家が大きいこともあり測定不能という気密性能の悪さ。
なのに、なぜか地下室も居室も、結露やカビと無縁。
換気センサーの自分からしたら換気不足一歩手前の感じですが、それで息苦しいわけでもなく、結露もまあない。

ブロック外断熱なんて時代遅れの構造だと思っていましたが、完全にボクが間違っていました。住宅向きのいい構造体です。ボクはコンクリート外断熱の部屋にいるから、その違いが良くわかります。コンクリート造よりブロック造のほうがいいです。
調湿するし、熱容量はブロックだって十分だし、何より厳寒期に温かみがある。

気密が悪くて暖かいのは、壁式構造の良さですね。窓まわりが全て給気口/排気口になっているからです。
じゃあ窓まわりは寒いのか。それが寒くない。手づくりのトリプルLow-Eの木製窓は、なかなか高性能です。

価値観をひっくり返すように見えますが、じつは高性能住宅の基本を押さえているに過ぎず、ボクらの知識がむしろ基本よりもハウツーに寄りすぎているのでしょう。

※すんません。今回は勢いで書きました。わかりにくい部分はコメントください。記事になるときは、ちゃんと書きます。

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カテゴリ:ie家 |

コメント

関西人にはチンプンカンプンです(笑)非常に興味あります。
換気無しの秘密や結露・カビと無縁な暮らしを知りたいです!

夏見 諭(2014-02-05T19:32)

夏見さん、札幌にお越しの節はご案内しますよ。
この建物を知るには、感じる意外にないような気がします。ボクも現在の基本知識が先入観となり、話だけでは納得できませんでしたから。

白井康永(2014-02-06T07:55)

ちなみに訪問時の外気温はおよそマイナス6℃でした。

白井康永(2014-02-06T07:56)

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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