エコ化

2017年07月28日(18:04)

ZEH協の設立記念講演会を取材しました

日本全国から300人が集まり、2020年までにネットゼロエネルギー住宅をどうやって普及していくか、ZEH元年の昨年1年間の実績を踏まえて、課題をどう解決していくか、ZEH推進協議会(ZEH協)を軸に進めていこうという合意が形成された講演会でした。

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産学官のうち「産」は工務店を中心に関連する住設建材メーカー、「学」は村上周三氏をはじめとして東京理大秋元氏、植田氏、早大田辺氏の各先生方、「官」は国土交通省・経済産業省・環境省の3省。
オールジャパンで工務店のZEHを推進することになりそうです。

2016年度、ZEHは新築戸建ての12%に達したそうです。普及前夜です。ただ地域格差がある。たくさん建つ地域もあれば、北海道や沖縄のようにまだ普及前夜とも呼べない地域もあるわけです。

10年間の電力買取以降は買取単価がどうなるのか、2019年度以降の買取単価はどうなるのかといった、ZEHの経済性についての不安もあります。

それやこれや、いろいろまとめてZEH協で答えを出します。という宣言でした。

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講演に新しい内容はそれほどありませんでしたが、産学官の雰囲気、ZEHのメリットについての北海道以外の地域の認識、やはりちょっと足踏みが感じられる今年の様子、それに補助額削減で機能不全になりかねないインセンティブの今後などなど、行ってよかったと思いました。

ただ、足元の状況は「ZEHより立地」。
土地がない。

この問題が何より深刻なのです。
このまま行けば30年ぶりの不動産バブルが再現しそうです。ボクはそろそろ金利引き上げが必要と感じていますが、そうすれば融資の金利が上がって家が建たなくなる。

つまり、どっちに進んでもこの先は険しいのです。そういった中でZEHを全国的に推進していく。そういう時代感覚の2017年です。

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2017年02月15日(15:59)

3社の相見積もりでも電気パネルヒーターしか選べない

バレンタインデーのお昼に、東北海道にお住まいのこれから家を新築するかたからお電話がまいりました。

1.高性能グラスウール105mm+ウレタンボード20mm
2.フェノールフォーム50mm外張り
3.ウレタンパネル

これらの中でどの工法(業者)に任せるか、これらの断熱水準でいいのかを迷っているとのことでした。もし断熱強化するとしたら、窓か断熱か。


お住まいの地域は、冬は晴天が多く、強風が吹きつけるものの気温は道東としては温暖な地域。そこで白井は、窓をトリプルにするよりも、以下の断熱強化をおすすめしました。
高性能グラスウール105mm+ウレタンボードまたはフェノールフォーム50mm
こうすれば、6月に暖房を使う日が少なくなると考えたのです。

この話はもうちょっと続くのですが、そこははしょって暖房設備の話。
3社が3社とも電気パネルヒーターなのだそうです。1社がリビングにはエアコンをつけるそう。
これには正直ショックでしたね。
お客さまには事実上選択肢がないわけです。

1や2の断熱仕様は省エネ基準ギリギリです。電気パネルヒーターだけで暖房したら、一体いくらかかるのでしょうか。提案している会社は真剣に光熱費を吟味・試算したことがあるのでしょうか。

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〈痛ーいお注射が必要な気がします〉


しかも電気パネルヒーターに適したホットタイム22ロングの新規加入はこの3月末で終わります。
どうするの?

ボクは、エアコンをつけたほうが良いです、とお答えしましたが、この地域で新築する多くのかたは、いまでも電気パネルヒーターを選んでいる(選ばざるを得ない)のでしょうか。

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これから家を建てる北海道の皆さん、断熱も重要ですが、暖房もよく検討してくださいね。
 

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2017年02月11日(10:33)

熱環境を優先するか、暖房費節約を優先するか

札幌では徐々にトリプルガラスを装備した新築の戸建住宅が増えています。取材にうかがうと、ついついガラスを触ってしまうんですね。

わが家もトリプルガラスです。トリプルガラスは本当に暖かいですね。冷輻射を感じることはまったくありません。ただ、それは窓下に放熱器を配置しているから、かもしれないのです。

窓下に放熱器がなければ

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もし放熱器がなければ、冷気流が起きるのではないか。そう予測しています。というのも入居すぐのころ、居間階段の2階から冷気が降りてきて、ひどく寒い思いをしたことがあり、上の階の放熱器を適正な温度に設定し直したら、冷気が止まりました。
室温ではなく、気流が寒く感じさせるのです。

肌寒いとまでは感じなくても、床面を冷気流が走る可能性はある。

ところで、最近のトリプルガラスはわが家のものより高性能です。少しだけ室内の温度を上げてやれば、窓下に放熱器がなくても寒くないかも。とも思うのです。


もちろんベストは窓下に放熱器を設置することですが、断熱性能を高めて暖房費を節約し、断熱強化にかかった費用は安上がりにした暖房設備費で相殺する、という考え方もけっこう現実的かなと。
ただし、その場合は熱交換換気が必要になる気がします。給気レジスタから直接冷気が入る第3種換気では、冷気流を発生させてしまうでしょう。

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そんなことを思い巡らせながらうかがったのがこちらのお宅。ガンダム&トトロが美しく飾られておりました。

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冷気流の処理はかなり寒冷地に限定した話
 
自分、樹脂サッシが出る直前の時代の戸建て借家に5年ほど住んでいたことがあり、12月、1月と寒さが厳しくなるにつれて低気密住宅がどう寒くなるかを体感したんです。
あの当時の建物でも、外気が0度付近だとそんなに寒く感じないんです。ところがマイナス5度、マイナス10度、マイナス15度となると、家のなかに屋外があるように寒さが侵入してくるんですね。
その原因は壁内の冷気流なんです。
中間仕切壁についたコンセントボックスを外してみたことがあるんですが、壁の中は突風状態ですよ。
 
体感寒さはマイナス5℃以下にならないと本当のところはわからない。
逆に言いますと、本州のほとんどの地域では現行の開口部を採用すればダウンドラフト対策に神経質になる必要がないと思います。

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2017年02月08日(11:26)

熱取得を優先するか、寒さ対策を優先するか

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息を吸い込むとむせるほど、かなり冷え込んだ1月24日。わが家の屋外温度計はマイナス17度を指していました。
この日は省エネ住宅を推進する勉強グループ・新住協札幌支部の新年例会。まず、会員の棟晶さんが建築中のモデルハウスを見学。このモデルハウスは秋田の建築家、西方里見さんが基本設計し、棟晶さんのが省エネ性を高める環境性能計画を行っている建物です。
ものモデルハウス、じつは見どころいっぱいなのですが、まだお披露目できないそう! 3月の公開が楽しみですね。超高断熱サッシなどの断熱技術によって、エネルギーの自立を目指すそうです。

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ブログならではのネタを。
この日説明してくれた棟晶・齊藤常務はお風邪。現場マイナス10度のなか、発熱を押してみんなに説明してくれました。
そして見学会終了後、病院直行!
インフルではなかったようです。
齊藤常務、ホント寒い日にありがとうございます。

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その後、札幌中心部に会場を移して西方里見さんの自宅・ZEH勉強会。
そもそもこの勉強会を開催しようと決めたのが、昨年11月の関西研修のレンタカー車内でした。
「来年(今年・2017年のこと)はZEHを勉強しよう。その上で自社の仕事にも反映させたい」そういう流れでした。

新潟のオーガニックスタジオ新潟さんの物件を見ても思うのですが、開口部からの熱取得を優先し、課題となるダウンドラフトを押さえるために断熱性能を引き上げる、夏場の暑さ対策としてブラインドを最初から設置する、コストアップ対策としてカーテンウオール式ガラス面とする(サッシ枠不要)を行っています。

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北海道では寒さ対策を優先します。これまでは断熱住宅をリードしてきた北海道ですが、本州発の熱取得優先という考え方に挑戦する価値はあると思います。

本州発と書きましたが、本当は室蘭工業大学で教鞭を執っておられたころに鎌田紀彦先生が最初に言い出したはずです。ただ、先生は北海道の事情もわかっておられる。昨年暮れに札幌で行った企業研修で、南面大開口部のシミュレーションを行い、「この方位でこの住宅の場合は熱取得より断熱を優先したほうが良いね」とおっしゃっていました。
そう、北海道の場合は、熱取得を優先するか、寒さ対策を優先するかはケースバイケースなのでしょうね。

なかなかにおもしろい一日でした。
西方さん、そして齊藤さん、ありがとうございました。

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2016年12月15日(16:56)

これで良いのか断熱改修(頭の整理中)

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先週はおもしろいセミナーがありました。

断熱住宅のサイディング外壁の上から断熱材を張って断熱リフォームする新しい断熱改修と、2000年以降の建築にもかかわらず寒い、使いにくい住宅をフルリフォームした事例。これらを紹介したうえで会場で議論しましょうという企画でした。

外壁の上から行う断熱改修については、ボクのfacebookで紹介し新聞の記事でも書きました。
要点をまとめると、通気層を一部ふさぐ、サイディングのうえから断熱材を施工する、その上に軽量な樹脂サイディングを施工して終了。

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ポイントは、既存外装材を撤去する費用で断熱を付加しましょうというローコスト改修。通気層については大いに議論もあるところですが、企画した北海道科学大学・福島明教授は「気密住宅なら大丈夫」と説明しています。


もう一方の住宅は、2002年に新築したものの初年度から寒い、しかも家の中に雪が吹き込むという50年前のクオリティだったそう。おまけに間取りが非常に使いにくく、階段は危険なまわり階段で、上り下りが多い1階車庫の3層構造。このまま住み続けることはキツイということで、建替も含めて1年がかりで検討した結果、3階をなくして面積を縮小したうえでフルリフォームした。間取りも完全に変更。


ボクが事務局を務めるあったかリフォーム倶楽部という断熱リフォームの推進団体では、「300万円の断熱リフォーム」「100万円の断熱リフォーム」を展開しています。こちら>>
フルリフォームがいいことは当然だけど、いつまで住宅を使うかなど費用対効果を考えると、答えはひとつではない、とボクは考えています。


福島先生の今回の取り組みは、気密性能が悪いために断熱性能を引き出せない多くの北海道の住宅ストックに対する答えではなく、気密性能は良いが断熱は100mmレベルというまあまあの数があるはずの道内住宅ストックに対するひとつの提案だと思います。
福島先生の挑戦は、これまでの常識からすると、すべてがタブー。ただし、気密性、耐震性の初期性能が高く、躯体換気もしっかりしている物件なら、外装交換の際に最低限の出費で断熱性能を高めることができることを示しています。

これから気密住宅のストックが増えていくわけで、断熱のみ厚手化したい場合、福島先生の手法は有効だと思います。一方、現状の機能・性能があまりにお粗末な物件は、これまで通り大手術するしかない。

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一方の減築・フルリフォームは、まだまだ機能・性能が不十分な家に対する改善方法として、多くの課題を残しながらも現状でのベストな答えを出した思います。

設計した山本亜耕氏は、この工事を通じて3階を解体するたいへんさ、大量に発生する建築廃材とその処理の難しさなど、新築工事にはない難しさと直面し、「ストック住宅の改修技術がまだほとんど確立していない現状を身をもって知った」と語っています。
例えば石こうボードビスに代表される抜きにくい金物類は、新築時の高い施工性と引き換えに、解体・再建をとてもめんどうにしてしまいました。

もうひとつの論点はまさに「ストック社会の建築」、改修の基本技術と教育の問題でしょう。
亜耕さんはこう語っていました。
新築中心で進んできた戦後の住宅業界は、これまで、既存住宅の改修について、さまざまな整備を進めてはいる。ただ、まだまだ不十分。
設計者は既存住宅の改修に関する教育をまったく受けておらず、学校教育でもまだ行われていない。施工については、まだまだ会社と個人の経験に頼っている。

インスペクションが広まって、既存住宅の診断が、不動産流通の場面でも取り入れられるようになってくるでしょう。ではその後どう改修するか。どうローコストに抑えるか。
今回のセミナーは、そういった課題をボクたちに突きつけるかたちになりました。

いろんな断熱改修方法が提案されています。
今後は、新築よりめんどうな施工管理、建物の出来に反映しないさまざまな施工コスト、こういった問題をどう解決していくかが大きなポイントのひとつになるでしょう。

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2016年12月08日(11:20)

北海道のZEH事情

年の瀬ですね。
今年の札幌は早くから降雪があり、冷えたと思ったら今度は小春日和になったりと、秋がないまま冬になりました。

11月末にZEHセミナーの講師を務めてきました。
暖房負荷の大きい北海道において、ZEHが難しいことはいうまでもありません。
ただ、それだけではなくて、現状の北海道の家づくりが否定されたかのような現在の省エネ性能判断プログラムに対する不満や、屋根の防水などなど、いろいろあるわけです。

ボク的には、まずは過去に設置した太陽光発電の発電データを収集することから始めてみてはいかがですか、という話をしました。

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基準クリアのためには、実績ではなくシミュレーションでいいのですが、雪の降る北海道において、実績がわからないと屋根に発電器を上げたくないという気持ちもありますよね。

そして昨日はZEHの補助金申請と、ZEH基準に適合するための設計の苦労話の勉強会がありました。
こちらは盛り上がりました。

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2016年07月31日(16:53)

旧中湧別駅、エゾリス、聖ミカエル教会、鎌田先生と鈴木所長。ボクの7月

今日は朝から汗かきまくりでした。
朝ランは11kmでバテバテ。走り込み不足のため冷却システムが不十分でオーバーヒート気味。走り終わっても汗が引かず。朝食後は草刈りへ。こちらも汗だくで、水分とミネラル不足になってしまいました。

さてさて、怒濤の7月を写真で振り返りたいと思います。
 
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7月2日(土)湧別町に東京大学名誉教授で建築研究所理事長の坂本雄三先生を迎え省エネ住宅のセミナーが開かれました。ボクは後半に坂本先生を中心としたトークセッションの司会役。
写真は、会場となった同町文化センターの向かいには旧中湧別駅。すでに廃線となっていますが、駅の構えがほぼそのまま残っているのは珍しいとのこと。ボクは初めて訪れましたが、子どものころ姉とふたり旅をした札幌-帯広の狩勝峠超えを思い出しました。
不思議ですね。本当はもう覚えていないはずなのに、思い出が駅舎に重なるのです。
 
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セミナーが終わった後、少し遠回りして帯広に向かったのですが、写真はサロマ湖畔で開かれていた自転車のロングライド大会参加者です(インターナショナルオホーツク サイクリング2016)。
ちょうどのこのころから雨が降り出して、子どももママチャリの人もいたので、きっとたいへんだったと思います。皆さん完走できましたか。
 
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7月3日(日)帯広の朝は前日の雨の影響で蒸し暑かったですが、気持ちよく晴れました。写真は、ホテルから十勝川を渡って音更町へジョギングし、鈴蘭公園から望む十勝大橋。帯広と音更を結ぶ大きな橋です。
鈴蘭公園はジョギングに最高の公園で、人慣れしたエゾリスも出てきて、楽しくなりました。

 
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7月4日(月)帯広で定員を大幅に上回る皆さんにお越しいただき、相模稔さん(オーガニックスタジオ新潟社長)のセミナーを開催しました。相模さんの熱いトーク、聴き入る皆さん。講演者と参加者が一体になったとき、いい講演会になります。
 
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帯広の講演を終えて札幌に戻りましたが、まだぜんぜん明るい。ここは札幌市東区にある札幌聖ミカエル教会。アントニン・レーモンド設計により1960年に完成したそう。ボクにとってここは通学路でした。そのことがのちの人生に少し影響しているかな、と思わなくもないすてきな建物です。相模さん大興奮!
 
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7月11日(月)中標津町でのセミナーを終えて、講師の山本亜耕さんと空港に向かい、飛行機の時間まで中標津のチーズと鹿肉ジャーキーをかじりながらビアパーティ(笑)。いい具合に酔いが回り、さあ飛行機に乗るか!というときのこの景色。絶景なり中標津。美しきボンバルディア。日本ではあまり評判が良くないですが、ボクはプロペラ機のボンバルディアが好きです。
 
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7月19日(火)この日はいろいろな人の協力で新住協札幌支部のセミナーが無事終わりました。17時の講演終了後、19時までイタリアンレストランで懇親会、その後2次会、さらに3次会と続き、写真は講師の鈴木大隆・北方建築総合研究所所長が最終のJRに乗車するために席を立つときの鎌田紀彦新住協代表理事との握手ショットです。
いろいろあってまわりが気をもんだおふたりでしたが、何はともあれ少し肩の荷が下りました。
 
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7月22日(金)は、前日夜に帯広でミニプレゼンをしたため、早朝に帯広を出て室蘭まで250km走りました。ちょうどトマムを通過するときの写真です。前日飲み過ぎたボクは予想通りの寝坊。ちょっと飛ばしました。
 
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会場の室蘭市文化センターから見る室蘭の町は快晴。狭い土地に家が建ちならび往年のにぎわいをしのばせます。
 
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定員いっぱいの参加者にお越しいただき、山本亜耕さんの講演が終わった後、アイスを食べに白鳥大橋方向へ車を走らすと、ありました旧三菱合資会社 室蘭出張所。現役で使われているようで、何よりです。ボクの好きな擬洋風ですね!
 
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7月24日(日)インテリアコラージュセミナーを取材しました。部屋の模様替えやリフォーム、新築の前に、自分の好みを知ることが大切。そのためには「好きの見える化」をするわけです。誰でもそうかなと思いますが、和風とビクトリア調が好きとか、人は好みの方向が一定とは限りません。そういうこともすべてこの1枚の紙の上に表現します。上手・ヘタではなく、「好きの見える化」をするのです。ちなみに白井は自分の「好き」を持っていかなかったため、ちょっと片手落ちなボードになってしまいました。ボクの好きは方向性がありません(笑)。
 
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7月28日(木)最後のセミナー会場へ向かう途中、創成川イーストで蔵を見つけました。札幌軟石による組積造でしょう。母屋も古い木造のようでした。いままで何百回とこの前を通っていますが、この日初めて気がつきました。ヒトは、車で見える風景と歩いて見える風景が全く違うのですね。

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2016年06月25日(14:45)

ニセコの超高級別荘と究極の手づくり住宅 視察その3.家の価値

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〈まだ建設中の2.5億円ほどする別荘〉
 
ニセコ・後志地区の林業を視察したのち、この日の宿に向かいました。
北海道トラックス:ニセコの魅力にとりつかれたオーストラリア人が立ち上げたリゾート専門の不動産会社で、創業は2003年、完成物件数が60件以上というニセコ地区で最有力の海外資本系企業です。
SUDOホーム・須藤建設さんに同社を紹介いただき、協力価格(笑)で別荘を2棟借りました。須藤建設さんは2006年から同社と提携し、ニセコ地区に高品質な建築を建ててきました。
 
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〈鹿の角を使ったグスタフのダイニング照明〉

ニセコはパウダースノーを求めて南半球のオーストラリアの人たちが集まるようになり、いまではアジアの人たちも来ています。ただ単に集まるだけでなく、リゾートとしてニセコを気に入り、別荘を持つ、つまりニセコに投資する人たちが爆発的に増えています。
日本のお金持ちはニセコに興味なくても、世界のお金持ちの中に0.1%ニセコが好きな人がいて、数億円を投資して年に数ヵ月遊びに来る、そういうエリアになったのが、ニセコです。
ニセコとは、自治体区分でいうと倶知安町(くっちゃん)のヒラフ地区、花園地区、ニセコ町にまたがる、標高1308mのニセコアンヌプリという山のすそ野を取り囲むエリアを主に指しています。
 
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〈カワセミのバルコニー〉
 
借りたのは、Gustav Hideaway(グスタフ・ハイダウェイ)とKawasemi(カワセミ)という2棟。グスタフのオーナーはアメリカ人、カワセミは香港系のイギリス人だそう。
ニセコに別荘を持つ人はニセコにほれている人が多く、夏・冬ともに1ヵ月あまりを自分の別荘で過ごすそうです。それ以外の期間を貸別荘として運用する人から、ボクたちは1日だけ借りて宿泊しました。他人には貸さない人もいます。
 
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〈寝室の窓から緑をみる〉
 
泊まって感じることにとても意味がある
北海道トラックスは不動産企画から販売、建ったあとの管理と運用を請け負っている、と考えるとわかりやすいと思います。
ボクたちを案内してくれたのは樫田さん。もとは道内最王手の地場ハウスメーカーに勤めていたそう。事前の細かな打ち合わせから当日の案内、夕食レストランの手配までしてくれました。
 
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〈チェックインはすべて英語!〉
 
建物価格は、約1億から2億円以上ということだそうで、プラス土地代。まあ、まったく次元の違う世界なのです。別世界だから見る価値がないかと聞かれれば、ボクは、泊まって体験できる豪邸がせっかく身近にあるのだから、夏のシーズンにぜひ行って泊まるべきだと思いました。きっといろいろなことが感じられるはずです。見るだけでなく体験するべきです。
なぜ夏かというと、冬は5連泊からの受付になるので、たぶん泊まれません(笑)。
また、1人で1棟借りるのは金額面で難しいので、5人以上で行くことをオススメします。例えばビルダーの研修旅行として仲間同士で行く方法もあると思います。
※北海道トラックスへの問い合わせは白井まで。電話の向こうがいきなり英語、というのは何だと思うので。
 
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〈ホテルのエントランスに牛のアート〉
 
札幌で味わえない時間の流れ方
夕食は「杏ダイニング」。ここはスキー場のヒラフゴンドラのすぐそばにあるホテル「木ニセコ」の1Fです。
北海道産の海の幸、畑の贈り物をシェフが料理してくれます。が、ここまでだと普通のレストランですね。じつは、窓の外に夕暮れの羊蹄山がドーンと見えるのです。暮れゆく羊蹄山を眺めながら、ゆっくりとした時間を楽しむ。これは札幌では味わえないこと。だからこそリゾートの意味がある。そう感じました。
 
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お客の多くは外国人でしょうね。料理は松花堂風かと思えば、独創的な洋風料理だったりもして、その和洋折衷にあまり違和感がないのは店の実力かと思いました。
 
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やがて羊蹄山は完全に闇に沈みました。レストランではテーブルを囲む人たちの笑顔が、小さな明かりに浮かびます。
http://www.kiniseko.com/ja/dining-ki-niseko
 
建材が発明される前の手づくりの家

翌朝はいつものように5時起床。ボクは、わがままを言って、田んぼの見える部屋に泊まりました。窓の外では植えたばかりの苗が風に揺れています。外に出てみるとパラパラと雨も落ちてきましたが、天気は何とか持ちそう。
 
この日の午前は、メーソンリーストーブという少々変わった薪ストーブをつくっているニセコ町のマキビト工芸さんを訪ねます。
ニセコの主要道から農道に入り、ややしばらく走ったあとに舗装道から下る砂利道を100m以上走り、マキビト工芸の工藤さんご夫婦が暮らす住宅兼ショールームがありました。
 
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現地に着くと、「ショールーム」という言葉は誰からも出てきません。手づくりの、ムーミンの家のような、「いえ」がそこにありました。
壁厚40cm。断熱材が発明される前の極寒冷地建築。建築の専門家たちが、「何だこれは?」と思わず声をあげる家です。
ストーブを見に行ったのに、みんな家の話から離れられません。1泊したセレブな別荘の対極にある、人のニオイがする家。その価値にまた衝撃を受けました。
現代の家づくりは、木を同じ寸法に加工した製材や集成材、薄くスライスした木を貼り合わせた合板、石こうボード、その他の建材でできています。これら建材が開発される前の家づくりを考えたこともありません。
しかし、100年前までは確実にこれらの建材はこの世界にありませんでした。そのころ家は、木と、土と土を焼いたレンガやタイルでつくられていました。工藤さん夫婦の家はこれにとても近い。
 
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そして、メーソンリーストーブも、そういう家づくりの中で見えてくる暖房器具でした。
レンガの総重量3トン。巨大な蓄熱体が熱を貯めこむので、燃やした薪をムダにしない。ストーブ表面温度は65℃程度だそうです。
また、牧野燃焼効率も極寒冷地に伝わる知恵があるそう。薪は立てておき、上に火をつけるのです。ロウソクをイメージしてくれればわかると思います。上から燃えるといぶされて出る白い煙が出なくなる。これが燃焼効率向上の秘訣だそう。
そんなわけで、1日2回、バケツ1杯の薪でじゅうぶん。
 
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とは言え、そんな巨大なストーブを家に置くことは難しいですから、小型の蓄熱ストーブも開発されています。とは言えこちら600kg。
 
お金を払って安らぎを買う人、時間使って安らぎをつくる人。
ひとはいろいろな方法で安らぎに向かうのですね。
 

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2016年06月18日(17:19)

ニセコ・札幌で大量に生まれる薪需要 視察その2.半機械化林業

黒松内の興奮がさめやらぬまま、われわれはバスに乗って千歳林業さんの本社・倶知安町に向かいました。そこには薪割り機がありました。
 
東日本大震災以降、薪ストーブがブレイクしています。電気に依存しない暖房機。灯油も電気もガス暖房も、ほとんどが電気がないと使えない仕組みになっていますが、薪ストーブはほとんどが電気なしで運転することができます。ただし、薪(まき)を夏の間に調達しておく必要があります。
 
もうひとつの需要は、リゾート地ニセコならではの別荘・ペンション等の需要増。
休暇を過ごす非日常空間に炎が見える暖房がほしいと願うのは普通の心理。ところが、燃料となる薪が調達できない!
 
千歳林業はこれまでも薪を販売してきたそうですが、どうにもやりくりがつかなくなって、2013年度に薪割り機を購入したのだそうです。
 
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〈奥から手前のおのに向けて丸太を押し出して薪を割る〉
 
機械化林業を見学してきたボクたちは、オートメーション化が進んだ生産設備を頭の中に描いていたのですが、目の前にあった設備は「家内制手工業」と呼んでもいいくらい、ゆっくりした設備でした。
短く切った丸太を機械に投入し、おのに押し当てて薪を割る。割れた薪はそのまま流れていくという仕組みです。そのスピードはかなりのんびりしたものでした。
 
聞けば、生産設備のスピードを上げたくても原木の供給が間に合わないのだそう。林業会社においてそういう状況ですから、なにをかいわんや。
 
広葉樹を主に生産していますが、とうてい足りないので、針葉樹を混ぜる場合もある。シラカバは火つきがいいので一定量を入れるけど日持ちがいいのはナラ。いずれにしても原木不足。
 
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〈向かって右から丸太を投入し、ちょうど壁で見えない部分で薪を製造。左から薪が流れてくる。トラクターは何のためにあるか!? じつは薪割り機の動力なのでした〉
 
見学者のボクたちは、ある種の混乱に陥りました。
黒松内では、これからの林業は機械化が進む。そう確信したわけですが、薪割りの生産はまるで違う。そもそも原木が足りない。
 
ボクたちの仕事がそうであるように、林業の世界も一本調子であるわけがないのですね。
生産性をうんと上げる仕事がある一方、需要をにらみながら原料供給と相談して生産性を最適化する仕事もある。
そういった難しさを半日で目撃したのですから、頭の中はかなりいっぱいいっぱいになりました。

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2016年04月01日(18:13)

申し込み殺到!札幌版次世代住宅補助

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基準を改定して使いやすくなった札幌版次世代住宅基準の補助申し込み第1回が締め切られ、応募多数で抽選となりました。
どのくらい応募多数かというと、以下のように
 
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スタンダードレベルの補助20件に対して119件の応募、すなわち募集倍率6倍です!
 
まずは大成功といえるでしょう。
http://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/10shien/zisedai/zisedaihojo.html
時代の後押しもあり、札幌市の基準改定が受け入れられた結果だと思います。
抽選にもれた約100件が全部スタンダードレベルで建つわけではないと思いますが、仮に1/3が建ち、補助物件と合わせて50件のスタンダードレベルの住宅が建つとなると、これはすごいことです。
札幌の一般個人住宅は年間に4500件くらい。そのうち3月末の申込分で50件以上がスタンダードレベルとは!
 
今後は、ベーシックをもう少し減らしてでも、スタンダードを手厚く補助したほうが良いのではないかな、と白井は思いました。
 
この点とあわせて、もう一つ検討したらいいなと思うのは、スタンダードの抽選にもれた人は、ベーシックの抽選会に参加できるようにしてはどうかと思うのです。もう一歩進んで、スタンダードに漏れた人がベーシックの抽選において優先権を持ってもいいのではないかと。
 
というのも・・・
第1に、高い目標に向かって投資する意欲ある市民を、補助のかたちでサポートするために、ベーシックを希望する市民よりスタンダードを希望する市民を優遇していい。
 
第2に倍率はそのときによって異なるでしょうから、スタンダードに応募が集中したときに、はずれた人とベーシックが当たった人との間にただよう何となくの不公平感は解消されたほうが良い。
 
第3に、今の選考方法だと、住宅事業者の中にはスタンダードに10棟以上申し込んで1棟も当たらない会社もある一方、ベーシックに5棟以上申し込んで全部当たる会社もでてきてしまう。これは「残念だね」で肩をたたいて済む問題ではない気がする。
 
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制度がさらに改善され、みんなが納得して取り組める仕組みになるように、札幌市には引き続きがんばってほしいと思います。
 
※写真は札幌市のHPからお借りしました

カテゴリ:エコ化 |

PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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