ひと

2015年09月26日(18:04)

家を持つなら早いほうがいい。

家を購入する年齢とそのときの家族構成よって、その大きさが変わる傾向があります。

30歳前後で結婚してすぐ建てる家。
子どもが生まれて建てる家。
子どもが小学生になってから建てる家。
子どもが中学高校になってから建てる家。

そのときそのときに必要な面積と、夫婦の経済力によって、家の広さが変わるわけです。
例えばアメリカは、スターターハウスと言って小さめの家を購入することからスタートし、のちに子育て用の広い家に移り住み、最後はリタイアメント用の小さな家に移るというのがわりと普通の暮らしぶりと言われます。

今のところ日本は一生に1度の買い物なので、最初に買った家で生涯を過ごすことになりそう。
そうすると、どの大きさの家が妥当なのか。

言い方を変えれば、子育て用の広い家か、夫婦2人プラスアルファ程度の家がいいのか、という話です。

40代が家を建てると、わりと広い家になる傾向があります。ところが最近は30代前半で家を持つので、家は小ぶりです。

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写真は今週前半に取材した家です。
子どもが3歳。2人目はまだ、というご夫婦。

ボクは、このくらいで家を建てるのもいいなと思いました。
カビくさい部屋で子育てするのではなく、健康で暖かい家で子育てすることができますし、わが家の体験上、小学校入学前の時期が、いちばんいい環境で過ごすべき時だと思うからです。

小学校から上になると、家ではあまり遊ばなくなります。幼稚園までが子どもが家と深く関わる時期であり、わが家では子ども達に聞いてもそのころの家がいちばん印象に残っているようです。

家を持つなら早いほうがいい。
それがこの日思ったことでした。

ちなみにボクの年代は、
まず中古のマンションを買え。それを頭金にして戸建てを買え。
と教えられました。
時代背景も違ってきたと思います。

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P.S.ブログのいまのタイトルバックは、最近のものです。
うちの子ども達はわりあい家で遊ぶ方だと思います。
屋根にすわって楽しかったらしいです。
 

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2015年09月19日(10:42)

大工は必要なのか?

シルバーウィークに突入しましたね。
当社にとりましては、今日からの5日間、ゴールデンウィーク並みの特別体制で新聞をつくることになり、いわゆる連休前シフトで週の前半はなかなか厳しいスケジュールでした。

「公務員のための連休じゃないの?」とぼやいた人もいます。
なかなかに微妙な連休でございます。

さて、今月に入って今日で19日が過ぎましたが、「大工」と「職人」について取材し、話を聞く機会が何度かありました。そして、自分の中で少し考えがまとまってきましたので、ちょっとだけ整理してみたいと思います。

(株)クラレが毎年行っている「新小学一年生が将来就きたい職業」男の子編は、1位スポーツ選手、2位警察官、そして6位に大工職人が入っています(2015年)。
一方、「親が将来就かせたい職業」は、1位公務員、2位スポーツ選手、そして7位に大工職人が入っています(2015年)。
大工はパイロットや建築家を上回り、親からも人気の職業なのです。
 
その夢は一体いつ消えるのでしょうか?
同じくクラレが6年後、すなわち小学校を卒業するときに行った調査があります。
1位スポーツ選手、2位研究者、そして上位10位から大工職人は消えてしまいました。
夢は小学生のうちに消える。
 
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クラレホームページから転載
原本はこちら
http://www.kuraray.co.jp/enquete/occupation/2015_s6/boys.html
 
大工のコラムは少し続くかもしれません

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2015年09月02日(20:14)

第60回記念展「新道展」を見る。

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雨の中、新北海道美術協会の第60回記念展「新道展」を見てきました。
ふだん、ほとんど美術から遠い生活を送っているため、こういった展示会を見るのははじめて。でも北海道にゆかりのある作家で、自分が好きな方はいるんですよ。ときどきは美術館も訪れます。

新北海道美術協会とは、全道規模の団体公募展の中で名高い3つのうちの1つだそうです。
詳しくはこちら。
http://blog.goo.ne.jp/h-art_2005/e/a31814fc806983a385a571078c589d90

出品は300を超え、そのなかで初の出展で入選したのが齊藤健太君です。

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齊藤 健太>今回の道展に入選した若き作家・けんちゃん。屋号はDECO。油絵が多い中、半紙に筆で絵を描きそれを障子に仕立てた作品です。
けんちゃんの作品は、あたたかくて、それでいてちょっとなまめかしい。作品をカメラに収めている人も多かったです。

けんちゃんは映像もつくりますがイラストが上手です。本紙では10月からけんちゃんの描くイラストを紙面に掲載していく予定です。

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けんちゃん以外の出展作もじっくり見てまいりました。
しばし仕事を忘れておりました。
自分の気に入った作品をカメラに収め、いろんな絵を見て満足です。

佳作とかの札がついているのがなぜ佳作かはさっぱりわかりませんでしたが、皆さんの情熱は伝わりました。

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2015年08月23日(16:50)

無農薬・自然栽培農業に取り組む佐々木ファームを通したヒューマンドラマ

8月22日(土)、女房と受験生の娘を連れて「大地の花咲き」という映画を見に、札幌芸術の森アートホールに行ってきました。

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農家を継いだ夫婦が、4歳になったばかりの息子の突然死をきっかけに、いのちの大切さに気づき、野菜という命ある植物を育てている自分の仕事の意味を探す。
葛藤のすえにいのちに感謝しながら仲間や土地、としてすべてのいのちと共存する「自然農法」に取り組み、共感する仲間といっしょに家族、仲間、使命をはぐくんでいくヒューマンドキュメンタリーです。

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身近の人の死をきっかけに生き方が変わった、大病をしたら人が変わった。という話を聞くことがあります。人はそれほどに強いストレスの中でしか変われないという事実を、自分もよくわかります。
まして、それが自分の子の死だったら、その命の意味を問い返す、自分もきっとそうするだろうと思いました。

使命を見つけて、仲間とともに進む姿は、やはり力強いなと思いました。

ちなみに自然農法という農業のあり方をほとんどの方は知らないと思います。ただの無農薬栽培とも違い、雑草と共存しながら畑を作る方法です。

ボクはふだん、映画をほとんど見ません。ドラマも見ません。最後に見た映画は2年前のドキュメンタリーフィルムですね。
そんなボクですから、映画の評価はできませんが、

人が生きるということは、死ぬまで一生懸命走り続けることだな。
あきらめたらそこで終わり(スラムダンクの名せりふですね)だな。

みたいなことを改めて感じました。

娘は芸術の森に行く途中にあるジェラートが狙いだったらしく、帰りはおいしそうに食べていました。
ジェラート・札幌果林樹です。
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生きているから食べられる。
勉強しなくても、健康で生きていればすべて良し、かもしれません(笑)。

このあとの放映予定は9月12日(土)関東、9月21日(月)関西だそうです。

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2015年07月19日(07:51)

建築研究所 坂本雄三理事長「誘導基準ができます」

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7月18日(土)
建築研究所・坂本雄三理事長の講演会が室蘭で開かれました。主催は地元の住宅会社・住まいのウチイケさん。ハウス・オブ・ザ・イヤーの受賞記念というかたちで、市民と専門家160名ほどが集まりました。
地場工務店がまずしっかり家をつくること、いい家をつくっていることを地域の市民に知ってもらう努力を怠らないこと、断熱技術と設備、そして制御技術を高めること、基本は断熱性能にあることなどを説明し、みんな聴き入っていました。

そのなかで、「誘導基準」の話が出てきました。
現行の基準は5-6年後に義務化が予定されており、すでに目指すべき目標ではなくなっています。そこで、新たに目標を示す形になりそうです。
細かなことは触れられませんでしたが、現行基準から2割強化という線のようです。単純に北海道に当てはめると、熱損失係数(Q値)で1.3Wを切る水準になります。北海道は本格的に200mm断熱時代が到来することになりそうですね。
その他の地域はようやくまともな断熱基準が登場したと言えそうです。

さあみなさん、これからどうしましょうか!!

〈写真最前列は室蘭市長の青山剛くん。生意気にも「くん」付けで呼ばせていただくのは、高校の後輩だから。室蘭工業大学の建築出身の市長は、やはり建築と都市計画が好きですね〉

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2015年07月15日(19:13)

鰺ヶ沢でのおそろしくも楽しい取材!

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函館出張を1日延ばして、海峡線に乗って青森に渡りました。
目的は、お寺の建替取材です。
北海道から大工が出かけて、本州でお寺を建てています。
 
一人一人インタビューし、最後に「いちばん気に入っている場所で写真を撮らせてください」とお願いしました。
 
最初の2人は本堂内での撮影でした。次に軒先に上がりました。
「大工とスズメは軒で泣く」ということわざがあります。
とても難易度が高い軒先。それだけに見せ場でもあるのです。
 
さあ次はどこ?
「じゃあ、いまつくっている宝珠で」
解説しましょう! 宝珠(ほうじゅ)とは本堂の屋根の一番高いてっぺんに乗る飾りのことです。
「わかりました。行きましょう」
 
大工のHさんに続いて、足場からまず軒下まで上がります。
そこからはハシゴで軒の上、すなわち瓦が乗った屋根に登ります。
そこからさらに足場のかかった屋根をまっすぐ上に登り、途中で板の上を渡って横移動、最後に急こう配を這って登ります。
ついに頂上まで来てしまいました。
下は見ません。何があっても下は見ません。上だけを見て撮影!
 
さて、下りはもっと怖いです。撮影でしゃがみ、緊張で足が疲労しているため、バランスが取りにくい。加えて反りが入った屋根こう配は平衡感覚を壊してしまうようです。板の上を横移動するだけなのに、体が傾いてしまうのです。
そんな状態で軒からはしごで下りなければなりません。
 
胸ポケットには買ったばかりのスマホ。かがめばポケットからスマホ落下は確実。
命からがらおりました。
 
そして5人目。さあ、どこでも行きますよ! と白井。
「じゃあもう一回テッペンに!」
笑うしかありませんでした。
こんどはスマホを地上において、Oさんに続いて登ります。
前回の反省を生かし、平衡感覚が狂いやすい視界情報より、三半規管を信じて歩きます。少しだけ怖さが減りました。平行移動で前回ほどふらつかずに歩くことができましたが、屋根から下りるのはやはり怖い。
 

 
そして最後。
さあ、どこでも良いですよ! と白井。
「じゃあもう一回いいですか」
いいですとも(笑)。
こんどはテッペンではなく、下屋根。
瓦では泣く銅板葺です。
Mさんに続いて登ります。ところが急こう配で足を滑らしてしまいました。
幸い、落下することもなく何とか撮影ポイントへ。
 
軒で泣くのは大工ではなく、記者ですわ。
 
取材はすごく楽しかったんです。
大工が好き、ものづくりが大好き!
そういう若者を取材すると、おっさんのボクまですがすがしくなります!
 
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〈軒先から見下ろす日本海。この日はとてもおだやかでした〉

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2015年06月20日(17:38)

北海道ビルダーズ協会へのエール

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北海道のビルダーや設計事務所200社とそれを支える会社90社ほどが参加して一般社団法人北海道ビルダーズ協会が設立されました。
設立総会と祝賀会が6月18日(木)に開かれたので、ボクは祝賀会に出席しました。

北海道の有力ビルダーが集まる、とても華やかな会になりました。
祝賀会の最初は国や北海道、札幌市などからの祝辞が続きました。行政もこの団体に期待していることが伝わります。
乾杯、そして祝宴。

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30分ほど経ってから、室蘭工業大学名誉教授で、新住協代表の鎌田紀彦先生が祝辞に立ちました。

鎌田先生の話は、いつもの毒舌でした。まあ、文字に起こすといろいろ障害もあるので、白井の判断で差し障りない部分のみ紹介します。その内容を広く知ってほしいと思ったからです。
先生の話はこんな感じだったと思います。

工務店、地場企業の団体なら歓迎だ。
1977年(昭和52年)に北海道にきて、暖かい家を造る構法を開発し、北海道庁に提案したら相手にされなかった。そこで自分で団体を作った(いまの新住協です)。
自分は設計が好きで、自分の設計した住宅を日本に100万戸造ることが夢だった。この夢は、暖かい省エネ住宅を造るというかたちで実現されようとしている。
しかしこれで終わった訳ではない。エネルギーコストが上がるなか、もっと省エネな住宅を建てなければならない。現基準の半分で済むQ1.0住宅が必要になってきている。
数年前、新住協(新木造住宅技術研究協議会)の会員工務店に、5年後には全棟標準でQ1.0住宅をやろうと檄を飛ばしたが、それは実現していない。
それ目指して頑張れ。

話の合間に、当日の来賓である札幌市には札幌版次世代基準のことを、国には省エネ基準のことをチクリと語ったり、北大教授だった荒谷登先生が150mm断熱を主張したのに対し、自身が100mm断熱で良いと主張したことをちょっと反省したと懺悔したり。

最初ざわついていた会場が、最後は講演を聴くように静まりました。
ボクが思ったのは、来賓が建前しか話さないこのような席で、ホンネでエールを送るそのブレない語り口が、鎌田先生らしく、ボクには心に響くエールでした。

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2015年06月01日(18:42)

「人生の最後にもう1棟建てるか」

今日は午後から札幌の北隣り・石狩市で取材。建売で家を買ってその後2棟注文住宅を建築。冗談交じりに「最後にもう1棟建てるか」と笑う。
楽天主義は人生を明るく照らす。
そう感じた人生の先輩の生き方でした。
 
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その後、同じく石狩市内で建築中の現場を訪問。
7月末完成を目指して、大工さんが2人、仕事をしていました。
2階はスギ材の床だそう。ぶ厚い床材が頼もしく感じられました。
 
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1階は低めに窓を設置。この結果、とても落ちついた雰囲気になっています。
外は29℃とほぼ真夏日。暑いなかお疲れさまです。
 
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2015年05月16日(16:07)

鎌田先生、室蘭で最後の実験住宅

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今日は北海道・室蘭で、完成しすでに入居している実験住宅の見学会があり行ってきました。
長年、室蘭工業大学で教壇に立ちながら、木造住宅の作り方にイノベーション(技術革新)をもたらした鎌田紀彦先生が、大学教員として手がけた最後の実験住宅になります。
見学しながら、27年前のことを思い出しました。

大学を卒業して2年働いた自分が北海道に戻ってきたのが昭和63年(1988年)2月。そしてその月のうちにボクは鎌田先生の講義を受ける機会に恵まれました。
当社主催の「寒地住宅学校」。大学を卒業して2年足らず、まだ学生気分の抜けない自分にとって、その4日間はまさに授業そのものでました。

どうして家が寒いのか。どうして家が腐るのか。
どうやったら寒さを解消できるか。そのためにどのくらいのエネルギーが必要か。
「断熱性能を100%発揮するための気密化」
鎌田先生のこの言葉は、木造住宅が寒い理由とその対策をすべて言い切っています。
先生の講義は、いまよりは少し柔らかかったボクの頭にスッと入ってきました。相性も良かったのでしょうね。
ものすごくわかりやすく、しかも業界のどなたかが質問しても回答に迷いがない。

ボクは、右も左もわからない新しい仕事を覚えることと並行して、鎌田先生の教科書を何度も何度も読んで、ほぼ暗記しました。
ボクはこの日から鎌田先生の生徒になりました。

あれから27年と3ヵ月もたったようです。
生意気を言ったことも1度や2度ではありません。最近では、日ごろの仕事は仕事として、先生の気持ちを少しは受けとめられるようになったかなと思っています。
 
この日は、失礼ながら、「先生は本当に働き者だな」と心の中でつぶやきました。写真は、住宅設備のちょっとした取り付けミスを自ら直しているところです。最近、鎌田先生が働き者だと見えるようになりました(失礼をお許しください)。

ボクにとっては、ちょっとだけ昔を振り返る見学会でもありました。
室蘭は快晴でポカポカでしたが、札幌に戻ると曇天で肌寒い。こんんな春の日もあるんですね。

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2015年04月25日(15:32)

いまこそ記者が必要とされている、と思う。

「情報発信をうまくやりたい」
「PRで優位に立ちたい」といったご相談が最近増えています。

新聞や雑誌といった"メディア"に"広告"を掲載すれば、お客さまがかなりの確率でご覧になり、そのうちの一定数の方から問い合わせをいただく。
こうした従来型のPR方法が効かなくなってきたいることが大きな背景にあると思いますが、
facebookの活用がうまくできないといったご相談もあります。

いままで通り宣伝は必要なのですが、それに加え情報を発信することが必要です。
ボクたちは、新聞社という情報を発信する企業として、そのお手伝いをする仕事が徐々に増えています。

新聞や雑誌、テレビが「古いメディア」という言い方でくくられ、営業不振からか突っ込んだ取材が減り、その結果さらにメディアがダメになっていく、という負のスパイラルが進んでいるようにボクには見えます。

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しかし、宣伝が効かなくなり「情報発信」が重要になって来た現代で必要とされるのは、情報を集めて加工してきたメディアに勤務する記者たち。
情報の必要性はますます高まっています。いまこそ記者たちがそのスキルを再度磨き直し、世の中のお力になるときではないか、などと思う今日このごろ。

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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