2015年05月16日(16:07)

鎌田先生、室蘭で最後の実験住宅

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今日は北海道・室蘭で、完成しすでに入居している実験住宅の見学会があり行ってきました。
長年、室蘭工業大学で教壇に立ちながら、木造住宅の作り方にイノベーション(技術革新)をもたらした鎌田紀彦先生が、大学教員として手がけた最後の実験住宅になります。
見学しながら、27年前のことを思い出しました。

大学を卒業して2年働いた自分が北海道に戻ってきたのが昭和63年(1988年)2月。そしてその月のうちにボクは鎌田先生の講義を受ける機会に恵まれました。
当社主催の「寒地住宅学校」。大学を卒業して2年足らず、まだ学生気分の抜けない自分にとって、その4日間はまさに授業そのものでました。

どうして家が寒いのか。どうして家が腐るのか。
どうやったら寒さを解消できるか。そのためにどのくらいのエネルギーが必要か。
「断熱性能を100%発揮するための気密化」
鎌田先生のこの言葉は、木造住宅が寒い理由とその対策をすべて言い切っています。
先生の講義は、いまよりは少し柔らかかったボクの頭にスッと入ってきました。相性も良かったのでしょうね。
ものすごくわかりやすく、しかも業界のどなたかが質問しても回答に迷いがない。

ボクは、右も左もわからない新しい仕事を覚えることと並行して、鎌田先生の教科書を何度も何度も読んで、ほぼ暗記しました。
ボクはこの日から鎌田先生の生徒になりました。

あれから27年と3ヵ月もたったようです。
生意気を言ったことも1度や2度ではありません。最近では、日ごろの仕事は仕事として、先生の気持ちを少しは受けとめられるようになったかなと思っています。
 
この日は、失礼ながら、「先生は本当に働き者だな」と心の中でつぶやきました。写真は、住宅設備のちょっとした取り付けミスを自ら直しているところです。最近、鎌田先生が働き者だと見えるようになりました(失礼をお許しください)。

ボクにとっては、ちょっとだけ昔を振り返る見学会でもありました。
室蘭は快晴でポカポカでしたが、札幌に戻ると曇天で肌寒い。こんんな春の日もあるんですね。

カテゴリ:ひと |

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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