2015年07月15日(19:13)

鰺ヶ沢でのおそろしくも楽しい取材!

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函館出張を1日延ばして、海峡線に乗って青森に渡りました。
目的は、お寺の建替取材です。
北海道から大工が出かけて、本州でお寺を建てています。
 
一人一人インタビューし、最後に「いちばん気に入っている場所で写真を撮らせてください」とお願いしました。
 
最初の2人は本堂内での撮影でした。次に軒先に上がりました。
「大工とスズメは軒で泣く」ということわざがあります。
とても難易度が高い軒先。それだけに見せ場でもあるのです。
 
さあ次はどこ?
「じゃあ、いまつくっている宝珠で」
解説しましょう! 宝珠(ほうじゅ)とは本堂の屋根の一番高いてっぺんに乗る飾りのことです。
「わかりました。行きましょう」
 
大工のHさんに続いて、足場からまず軒下まで上がります。
そこからはハシゴで軒の上、すなわち瓦が乗った屋根に登ります。
そこからさらに足場のかかった屋根をまっすぐ上に登り、途中で板の上を渡って横移動、最後に急こう配を這って登ります。
ついに頂上まで来てしまいました。
下は見ません。何があっても下は見ません。上だけを見て撮影!
 
さて、下りはもっと怖いです。撮影でしゃがみ、緊張で足が疲労しているため、バランスが取りにくい。加えて反りが入った屋根こう配は平衡感覚を壊してしまうようです。板の上を横移動するだけなのに、体が傾いてしまうのです。
そんな状態で軒からはしごで下りなければなりません。
 
胸ポケットには買ったばかりのスマホ。かがめばポケットからスマホ落下は確実。
命からがらおりました。
 
そして5人目。さあ、どこでも行きますよ! と白井。
「じゃあもう一回テッペンに!」
笑うしかありませんでした。
こんどはスマホを地上において、Oさんに続いて登ります。
前回の反省を生かし、平衡感覚が狂いやすい視界情報より、三半規管を信じて歩きます。少しだけ怖さが減りました。平行移動で前回ほどふらつかずに歩くことができましたが、屋根から下りるのはやはり怖い。
 

 
そして最後。
さあ、どこでも良いですよ! と白井。
「じゃあもう一回いいですか」
いいですとも(笑)。
こんどはテッペンではなく、下屋根。
瓦では泣く銅板葺です。
Mさんに続いて登ります。ところが急こう配で足を滑らしてしまいました。
幸い、落下することもなく何とか撮影ポイントへ。
 
軒で泣くのは大工ではなく、記者ですわ。
 
取材はすごく楽しかったんです。
大工が好き、ものづくりが大好き!
そういう若者を取材すると、おっさんのボクまですがすがしくなります!
 
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〈軒先から見下ろす日本海。この日はとてもおだやかでした〉

カテゴリ:ひと |

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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