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2015年07月19日(07:51)

建築研究所 坂本雄三理事長「誘導基準ができます」

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7月18日(土)
建築研究所・坂本雄三理事長の講演会が室蘭で開かれました。主催は地元の住宅会社・住まいのウチイケさん。ハウス・オブ・ザ・イヤーの受賞記念というかたちで、市民と専門家160名ほどが集まりました。
地場工務店がまずしっかり家をつくること、いい家をつくっていることを地域の市民に知ってもらう努力を怠らないこと、断熱技術と設備、そして制御技術を高めること、基本は断熱性能にあることなどを説明し、みんな聴き入っていました。

そのなかで、「誘導基準」の話が出てきました。
現行の基準は5-6年後に義務化が予定されており、すでに目指すべき目標ではなくなっています。そこで、新たに目標を示す形になりそうです。
細かなことは触れられませんでしたが、現行基準から2割強化という線のようです。単純に北海道に当てはめると、熱損失係数(Q値)で1.3Wを切る水準になります。北海道は本格的に200mm断熱時代が到来することになりそうですね。
その他の地域はようやくまともな断熱基準が登場したと言えそうです。

さあみなさん、これからどうしましょうか!!

〈写真最前列は室蘭市長の青山剛くん。生意気にも「くん」付けで呼ばせていただくのは、高校の後輩だから。室蘭工業大学の建築出身の市長は、やはり建築と都市計画が好きですね〉

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2015年07月15日(19:10)

セミナー出張が終わりました

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函館・青森(鰺ヶ沢)、北見・旭川の出張が終わりました。
セミナーはどの会場も満席! 多くのかたに力添えをいただき、そして多くのかたに集まっていただき、そして、講師の山本亜耕先生、藤原陽三先生に素晴らしい内容の講演をいただきました。

参加いただいた皆さんからのアンケートからも「やって良かった」と主催者・協賛各社の満足感でいっぱいです。
講演内容については後日新聞で特集いたします。

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2015年07月01日(19:17)

本州からの住宅視察がひと段落しました。

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100人以上の住宅会社・工務店・設備会社の皆さんをご案内しました。北海道の高断熱住宅と同時に、売却前提のモデルハウスも見ていただきます。そうすると、2-3日という短期間でも北海道の住宅の現状をわかってもらえるかなと思うからです。

既成概念を取り払って、新しいチャレンジをいろいろやっていることを知っていただくと同時に、特別な高額住宅ではなく、普通の住宅が普通にしっかり断熱されていることを断熱されていることも知っていただきたいのです。

そのなかで、ボクが教えられることもたくさんあります。
今年、特に感じたのは外装材についてです。金属サイディングや金属板外壁がとにかく多いと指摘される。
確かに多いですね。
メンテコストがかからずに長持ちする外壁材を、という要望が、金属板外装の増加の背景にあると思います。
また、いま徐々に増えている木外装について「腐るからうちの地方では使えない」と言われることが多い。これも、よく考えれば10数年前までは北海道も同じだったことを思い出しました。
水切り、雨がかり、湿気の開放。こういった技術を積み重ねていまがあるのですね。

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屋根については、いつも首をかしげられるM型の無落雪方式がありますが、雪が落ちない三角屋根とそれに使う屋根材も珍しいようです。屋根材が珍しいというより、雪を乗せたまま冬を越して問題を起こさない技術に驚くようです。
これも、考えてみれば10数年前から技術開発が進んで、断熱・気密化と屋根通気などで雪を載せたままOKな屋根ができてきました。

これらの結果、北海道の家は外観からして本州の家と違うことになります。厳しい気象が住宅を造ってきたと言えるでしょう。そこを見てもらえると良いな、と思います。

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2015年06月01日(18:42)

「人生の最後にもう1棟建てるか」

今日は午後から札幌の北隣り・石狩市で取材。建売で家を買ってその後2棟注文住宅を建築。冗談交じりに「最後にもう1棟建てるか」と笑う。
楽天主義は人生を明るく照らす。
そう感じた人生の先輩の生き方でした。
 
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その後、同じく石狩市内で建築中の現場を訪問。
7月末完成を目指して、大工さんが2人、仕事をしていました。
2階はスギ材の床だそう。ぶ厚い床材が頼もしく感じられました。
 
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1階は低めに窓を設置。この結果、とても落ちついた雰囲気になっています。
外は29℃とほぼ真夏日。暑いなかお疲れさまです。
 
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2015年05月24日(15:00)

日本で唯一「セントラルヒーティング工事店の団体」

日本全国では暖房といえば「こたつ」。しかし、日本でもっとも寒い北海道ではこたつの普及率が日本一低いという。
じゃあ、あんなに寒い地域でどうやって暖房しているの?

はい。今日のお題「セントラルヒーティング」のお話です。

日本で唯一、北海道は「セントラルヒーティング」が戸建住宅の標準的な暖房方法です。
セントラルヒーティング=集中暖房と訳すことができます。
なので、本来の意味では1台のボイラーで家全体を暖房する方法を差します。
例えば温水セントラルヒーティング。
セントラル温風暖房も少ないですがあります。

また、セントラルヒーティングを「家じゅうくまなく暖房する」という意味にとらえるなら、
ストーブ1台やエアコンと個室に小さな暖房器でもセントラルヒーティングと言っていいのかもしれません。

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そのセントラルヒーティングは誰がつくるかというと、
例えばですが、ボイラーはノーリツ、部屋につけるパネルヒーターはまた別のメーカー、温水を回す配管は銅管、システム部材は外国製といった具合で、どこかのメーカーが完成品を持っているわけではなく、1軒ごとにシステム設計が必要です。
このため、北海道では暖房工事店が40年ほど前に誕生し、経営と技術が現代まで引き継がれています。

温水暖房は、基本的には秋口にスイッチを入れるだけで、あとは春まで何もしなくていいすごいシステムです。
その工事店の団体が北海道にあります。おそらく日本で唯一の存在です。
北海道暖冷房換気システム協会・略称:北暖協(ほくだんきょう)といいます。
非常に価値ある北海道の資産だと、白井は思います。

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この団体は、業界団体ですが誰かに圧力をかけるために存在しているわけではありません。技術の研さんと次世代への継承、会員企業の経営基盤強化が目的です。

日本で唯一、かつ地域の資産。そういう目線で、北海道の住宅産業を見直すと、もっと楽しくなるのではないかと思います。
写真は、先週、5月22日に開かれた北暖協の総会の様子です。
同会のホームページはこちら
http://hokudankyou.com/

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2015年05月20日(18:57)

水漏れ発生!!

今朝のことです。目がさめて、いつものようにトイレで用を足し、スッキリしてからもう一回布団にもぐり込もうかな、なんてヤワなこと考えながら部屋の前まで来たら、足裏に水が。
瞬間的に
「朝からネコの吐しゃ物を踏んじまった」
とトホホな気持ちになって床を見たのですが、毛玉も吐しゃ物もないっぽい。
「?」

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ケンケンしながらゾウキンを取りに行き、まず足裏を拭く。
「おかしいな、臭くないぞ」
そのまま床を拭くが、やっぱり臭くない。

何となく天井を見上げたら、案の定、天井が濡れていました。
朝食の準備をしている女房どのに事態を伝え、真上にある冷蔵庫を点検すると、案の定、庫内でジプロックから水が出ていたそう。

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朝から冷蔵庫の掃除をすることになった白井家でした。
女房どのによると、以前にも冷蔵庫から水漏れを起こしたことがあるそう。
わが家は台所も木床なので、水漏れするとすぐに下階に水がたれる仕組みになっています。
善きにつけ悪しきにつけ。

この時とっさに頭をよぎったのは、
1.台所が1階なら発見は相当遅れるか気がつかないな。
2.台所がクッションフロアの床材で、その下に合板・ポリエチレンシート・断熱材という構成だと、合板が腐る可能性があるな。

という2点です。
2は、クッションフロアとポリエチレンの防湿・気密シートという湿気を通さない素材の間に水がたまって抜けなくなる危険性が高く、そのまま気がつかずに放置すると合板を腐らせる可能性があるという意味です。

床断熱工法を採用している方は、水漏れしても床下地の合板を腐らせない台所の床構造になるよう、注意してください。
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先日、夫婦2人で白樺山荘のラーメンを食べました。
以前食べた季節限定メニューはイマイチいただけなかったけど、
定番のしょうゆラーメンはけっこううまかったです。
よって写真掲載!
 
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2015年04月17日(09:44)

コンクリート造マンションの40年後

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当社は分譲マンションの1室に入っています。
札幌オリンピックの直後に建った、その当時、ボクの家から半径2km圏内で、初めてエレベータが装備された建物でした。
1973年、今から42年前の建物です。

家1戸が60m2程度で小さいのですが、建物規模が大きいこともあって、330戸もある大きなコミュニティです。
これまではほぼ順調に、大規模修繕や配管更新なども進めてきたのですが、ここに来てちょっとたいへんらしいのです。


・ベランダを囲っているコンクリート塀の笠木部分・陸屋根のパラペットのコンクリートが崩壊を開始。落下するとたいへんな事故になりかねない。
・外部鋼製部材の腐食。例えば鉄の骨組みでつくった小屋根などが崩壊寸前になり撤去する。そうすると屋上から冬は薄氷が落下したり、これからはコンクリートの落下の危険も。
・建物周囲土壌の地盤沈下。札幌は広い面積の多くが泥炭地域で、大型の建物を建てると建物自体は沈下しないけど、地盤は沈下を続けており、長い年月の中で液状化現象に似た作用で外周基礎のまわりの地盤にぽっかり穴が開く。

いずれも修繕の必要があり、それが設備更新の数倍の費用がかかるようなのです。
330戸入っている当マンションでも、修繕費用が足りない事態になってきました。

大規模修繕のころまでは、「修繕計画に乗ってやっていけばマンションの維持はわりとしっかりできる」と安心していましたが、40年を超すとどうやらそんな甘いものではないようです。

 
札幌はいま、分譲マンションの販売数が少ない数で安定しており、もうあまり増えそうにありません。が、賃貸のコンクリート造マンションはどんどん増えています。

最初の計画がいちばん大切です。
しかし、いい計画を立てても、金額が高くなるのでやれないという現実もあります。
マンションオーナーさん、そしてマンションの購入を検討する皆さん、ここは考えどころです。
〈写真は不動産情報からいただいちゃいました〉

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2015年04月01日(17:04)

「主婦3名雑談:オール電化について、石油ストーブについて」

今日から北海道内では電気料金が3回目の値上げになりました。正式には、劇変緩和策が終了となった。

以下、かなりリアルなお話です。

専業主婦3人.小学生の子どもが1~2名.名前は仮名です。
一戸建てオール電化を数年内に建てた.

明美「月の請求が7万円近いんでビックリ!」
優子「だいたい5万以上はみんなかかるよね」
涼子「うちは蓄熱暖房器を切って灯油ストーブにした。ストーブは本当に暖かくてビックリ!」
明美「すぐ暖まるしね、周りは」
涼子「シチュー煮込んだりできるし」
優子「結露はどうなの?」
涼子「結露はないよ」
明美「暖房止めちゃだめって言うけど、大丈夫なんじゃないの!?」
優子「石油のにおいが気にならない?」
涼子「全然ないよ」
明美「電気代がいちばん高いのは1,2月だよね」


みたいな会話は、いま全道各地で展開されています。
こういう話はこれからの家づくりにジワリ効いてきますね。

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ボクは、北海道電力がどうだとか言いたいわけではありません。まず、エネルギー消費が少ない家を建てるべきだという、そういう話をしておきたいのです。
今回は電気の値上げでしたが、その前は灯油値上げでした。ガスだって今後値上がりするかもしれないんです。

じゃすでに建った家はどうするの??
このブログで1年以上ずっと人気記事を独走している「オール電化住宅で灯油ストーブ」という記事がありますが、それもひとつの方法ですね。もちろん注意してほしいことはいろいろありますが、熱源分散は正しいアプローチだと思います。

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2015年03月31日(18:36)

北海道でも太陽熱利用を推進したい

世の中の多く、そして当社も今日は年度末。
そして、高校野球では東海第四高が決勝進出です。
おめでとうございます。
じつは、知人の息子さんが2人もこの春から同校野球部に進みます。
がんばれー。
 
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そんな3月31日(火)、太陽熱で温水をつくり、その熱で暖房と給湯をまかなおうという実証住宅を見せてもらってきました。
 
北海道のよく似た気象条件の北欧・スウェーデンなどではずいぶん昔から太陽熱温水システムが使われているのに、北海道は今のところ技術の蓄積がまったくありません。30年ほど前にはやったそうですが、その後廃れてしまいました。技術の継承もありません。
 
廃れた理由は技術面ではないと思います。30年前にはやった理由はオイルショックで灯油が値上がりしたことです。灯油を節約するシステムとして注目されるも、その後灯油はリッター30円台の時代へ。そして熱源交代により電気温水器の時代へ。
 
要するに、太陽熱温水器はときのエネルギーコストに翻弄(ほんろう)され、技術の集積が進まないまま、今を迎えているのです。
 
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太陽熱利用は太陽光発電の2倍以上の効率と言われます。寒い北海道の冬でも温水(ぬるま湯)をつくることができるので、じゅうぶんに働きます。
 
実験を行っている大洋建設の鏡原社長は、「技術的には8割がたクリアしている。あとはコストダウン」と話しています。
取り組みをはじめて3年。苦節3年です!
「北海道の住宅は高断熱と太陽熱温水で、ほんのわずかのエネルギーで暖かく冬を過ごすことができる。もちろん夏は涼しく。そんな家づくりをまず北海道の業界を挙げてすすめていきたい」そう話す情熱が印象的でした。

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2015年03月07日(17:36)

北海道の家と人ご案内する

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3月5日(木)・6日(金)は、秋田県から住宅視察が訪れ、白井はその帯同をさせていただきました。今年に入って2グループめです。
ご案内しながら思うのですが、北海道の住宅とそこに住む人、そして設計・施工者をご紹介するのは、自分自身を見つめる大きな機会になるし、北海道がやってきたことを見た第三者からいろんな声を聞くことは、ボクにとって無形の財産になっています。

例えば、個室の収納が少ないとのご指摘。
そうかもしれませんね。北海道の家はLDKに人が集まる設計になっているので、収納もリビングに配置するケースが増えています。長くいる場所にそこで必要な収納を。その観点から行くと、寝るだけの個室には着替えさえあればよいことになりますし、中には着替えを脱衣とリビング収納に分けて設置して、個室はそれ以外のものを置くだけ、という家もありますね。

一方、いつも言われるのが「雨樋がない」こと。この点についてボクは、つけたほうがいいと思っています。雨樋が氷堤などで壊れる家はもうそんなに多くないし、氷堤ができない家をつくっている会社は、雨樋をつけた方が外装材保護になるし、いいこと尽くめだと思うのですが。

ツアー帯同は来週もあります。また新鮮な出会いと発見があるでしょう。

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写真1は、不思議な家・旧荒谷邸(タギ邸)にて。いつもありがとうございます。タギ邸については以前2回ほどブログで紹介しています。こちら>>
写真2は、十数年ぶりにいったすすきの・ラーメン横丁で。市内の観光地にも驚きがありますね。ラーメン横丁はうれしい驚きでした。以前より安くておいしくなっている。

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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