ie家
2015年10月12日(18:07)
省エネ リフォーム・リノベーションセミナーの講師をして!
10月11日(日)と12日(月)にグリーンファンド主催のイベント
省エネエコメッセ2015in環境プラザ
Vol.2 知ってて良かった! 「健康・快適・省エネ リフォーム・リノベーション」が開かれ、
ボクは日曜日午前に先頭を切ってセミナーの講師をしてきました。
リフォームとは不動産を負動産にならないように資産価値を維持し、耐震・断熱性能を高めることですという話、特にこれからさらに高齢化がすすみ、暖かい家は健康を維持する上で薬と同じ効果がある大切なことであるという話をして、
最後に、フルリフォーム、300万円リフォーム、100万円リフォームを説明しました。
300万円リフォームとは、外装張りかえと同時に行う断熱改修、100万円リフォームとは室内側から行う断熱改修です。
このうち、100万円リフォームはあったかリフォーム倶楽部が1年がかりで開発を進めた工法提案です。
質疑~講演後、多くのかたが関心を持ったのが
300万円と100万円のリフォームでした。
「断熱がそんなに安くできるの?」
「えっ、外装材の工事の方が高いの!?」
「わが家は外装をいじってるの。でも寒いの」
そんな声が出て、
「わが家を室内側からやる断熱改修の実験に使ってください」
という方もいらっしゃいました。
お役に立ちましたでしょうか?
2015年10月10日(16:25)
カナダの300mm断熱-マトック氏語る
古い人間には、カナダR-2000の指導者として有名、若者にはカナダの省エネ住宅設計者として紹介した方がよさそう。
クリス・マトック氏が来日し、10月9日(金)札幌でセミナーが開かれました。
何度も来日し、また自分はカナダでもマトックの話を聞いたことがあるので、なつかしい気持ちが強かったです。
いまカナダは、日本と同じく高断熱化、断熱基礎に取り組んでいるようです。
壁厚で300mmくらいの断熱という点も北海道と似ています。
日本よりも多くのデータ取りをしている点は実学的だなと思いました。
例えば、気密性能がC値で2より悪いくらいのレベルだと、300mmクラスの断熱は壁の中に湿気がたまる危険性が高いとか、ヒートポンプの効率は、外気温が-25℃からプラス25℃まで温度帯別に計測しているとか。
ちなみに、札幌レベルの-5~-10℃の温度帯ではCOPが2となっています。
カナダ情報を久しぶりにきいて、最新の写真も見ることができてなかなかによかったです。
そうそう、日本でいうエアコン暖房にも触れていました。ヒートポンプの採用を検討すると、当然にルームエアコンが候補にのぼります。COPはルームエアコンがいちばん優秀だけど、温度ムラがカナダでは好まれないと話していました。
2015年10月04日(14:06)
玄関前の雪対策-こんどの3連休にオープンするモデルハウス
午前中は撮影の同行でした。
まず、今日の幸運を神に感謝します。
外観を取り始めたときには快晴。
室内を取り始めると雲が出て、日差しが微妙に変化し、
撮影が終わったお昼前にはポツポツと雨が!
これを神のご加護と呼ばずに何と言えばいいでしょうか!!
ま、ボククリスチャンではございませんので、たぶんご加護はないですね。
誰か晴れ男(娘)さんだったか!?
写真は玄関まわり。車をカーポートに入れて玄関を開けたイメージです。
雪の多い札幌では、玄関前に何らかの雪対策がほしい。
このパターンの提案は、ボクは好きです。が増えています。
写真はたくさん撮りましたがまたボチボチ。
さて話は変わって、今日は札幌マラソンでした。
ボクも出るつもりでしたが、申し込みしようとホームページを見たらすでに受け付けが終了していました。
というわけで、撮影同行しながら応援。
天気もよく、みんないいタイムが出たようです。
さて、オイラはこれから少し走ってみます。
2015年09月26日(18:04)
家を持つなら早いほうがいい。
家を購入する年齢とそのときの家族構成よって、その大きさが変わる傾向があります。
30歳前後で結婚してすぐ建てる家。
子どもが生まれて建てる家。
子どもが小学生になってから建てる家。
子どもが中学高校になってから建てる家。
そのときそのときに必要な面積と、夫婦の経済力によって、家の広さが変わるわけです。
例えばアメリカは、スターターハウスと言って小さめの家を購入することからスタートし、のちに子育て用の広い家に移り住み、最後はリタイアメント用の小さな家に移るというのがわりと普通の暮らしぶりと言われます。
今のところ日本は一生に1度の買い物なので、最初に買った家で生涯を過ごすことになりそう。
そうすると、どの大きさの家が妥当なのか。
言い方を変えれば、子育て用の広い家か、夫婦2人プラスアルファ程度の家がいいのか、という話です。
40代が家を建てると、わりと広い家になる傾向があります。ところが最近は30代前半で家を持つので、家は小ぶりです。
写真は今週前半に取材した家です。
子どもが3歳。2人目はまだ、というご夫婦。
ボクは、このくらいで家を建てるのもいいなと思いました。
カビくさい部屋で子育てするのではなく、健康で暖かい家で子育てすることができますし、わが家の体験上、小学校入学前の時期が、いちばんいい環境で過ごすべき時だと思うからです。
小学校から上になると、家ではあまり遊ばなくなります。幼稚園までが子どもが家と深く関わる時期であり、わが家では子ども達に聞いてもそのころの家がいちばん印象に残っているようです。
家を持つなら早いほうがいい。
それがこの日思ったことでした。
ちなみにボクの年代は、
まず中古のマンションを買え。それを頭金にして戸建てを買え。
と教えられました。
時代背景も違ってきたと思います。
P.S.ブログのいまのタイトルバックは、最近のものです。
うちの子ども達はわりあい家で遊ぶ方だと思います。
屋根にすわって楽しかったらしいです。
2015年09月12日(14:47)
台風で出張キャンセル、そして床下浸水
台風の影響で名古屋便が欠航になり、水・木・金の出張をキャンセルしました。残念だったけどおかげでたまっていた仕事がかなり終わり、少しだけよかったなと振り返っています。
台風などで住宅が床下・床上浸水すると、工務店さんの仕事が増えます。いったん床下に入った水はポンプか人力かで排出しないと捨てられません。排水したあとも乾燥を早めるための大型扇風機とかが必要になり、やはり工務店さんの力が必要になるのです。
写真はわが家が床下浸水した2年半前の写真です。
ここは最も水につかった部分で5cmの水深になりました。
床下に置いてあったスリッパがプカプカ浮いています。
排水したあと、写真の扇風機で乾燥を促しました。
2015年08月13日(18:57)
トリプルガラスサッシの時代へ
前回のコラムで、R-2000基準が25年を経て北海道の標準仕様になったということを書きました。
もうひとつ、昔話をしたいと思います。
お盆、そして戦後70年だから、過去を振り返るのもいいと思います。
いまから12年前、ボクはこれからの北海道の住宅の標準仕様は、壁150mm断熱と木製トリプルガラスだと考えるようになりました。
その当時、標準仕様は壁100mm、窓はペアガラスでした。壁も窓も1.5倍の断熱をする住宅がいずれ標準になるべきだと考えた理由は、今となってははっきり思い出せませんが、確か、2×6のR-2000住宅の燃費が、当時の住宅の半分ほどだったことが第一。窓については、樹脂枠のペアガラスではガラス性能がよくなっても枠が冷えて、北海道標準とは言えない。木製のトリプルが必要と考えた気がします。
この仕様では、断熱性能はR-2000を少し上回ります。現在、北海道の標準仕様とまでは言えませんが、じつは樹脂サッシの性能改善が昨年から一気に進み、窓ガラスのトリプル化が徐々に進んできているのです。
8月15日号の北海道住宅新聞では、樹脂サッシトリプルガラスを採用した工務店・ビルダーの声をまとめました。
ペアガラスサッシとの価格差も、かなり小さくなってきています。来年じゅうにはトリプルがほぼ標準と言えるようになるかもしれません。
〈クリックして拡大〉
2015年08月05日(16:46)
R-2000の記事はちょうど25年前
北海道も暑い夏になりました。
リビングには2年ぶりに扇風機を取り出し、羽毛の掛け布団を横にしまってタオルケットで寝ています。
会社のエアコンも、止めると徐々に室温が上がるため、運転時間が長め。それでもよしずの効果で比較的過ごしやすいです。
夕方の打ち合わせ資料として、1990年の北海道住宅新聞データを探し出して印刷しました。
1990年と言えば、ちょうど25年・四半世紀前です。
弊社主催のカナダ・アメリカツアーの記事、そして9月に日本版R-2000が始まるという記事がありました。
R-2000とは、カナダがその数年前にはじめた高断熱・高気密住宅の規格を言います。
断熱が外壁140mm(ツーバイシックス)、気密がC値でおよそ0.7以下、セントラルヒーティングとセントラル換気を装備した、当時としては最先端の住宅規格です。
それが25年後には北海道の標準仕様になったのですね。
日本の木造住宅の性能を高めるきっかけの1つがR-2000でした。
〈新聞クリックで拡大します!〉
2015年08月04日(17:36)
一般人は小さな家を! お金持ちは超省エネ住宅を!?
「住宅貧乏」とか、いろんな新しい言葉を最近聞くようになりました。
燃費が良くて健康にもいい家を建てると、建築費は高いけど光熱費が安上がりなので、住宅ローンとあわせた住居費総額としては高くない上、医療費抑制が可能だから金銭面トータルで安くなる。
健康に必要なことは、薬ではない。夢と希望と住環境だ。
夢を持って生きれば前向きになる。だから病気になりにくい。あとは住環境が整っていれば健康維持ができる。高血圧の薬を飲みながら健康を維持する必要は、ほとんどの日本人にとって「ない」のだそうです。
これらの話、なかなか説得力がありますよね。
ボクがやってきた仕事は、けっこう人と人の人生にいい影響を与えることだったんだな、などと50代も過ぎると思うようになります。
ただ、それだけで家を建てるわけにもいかない。もう少ししっかりした予算組みが、本当は必要なはずです。
ボクはやはり広さだろうと思います。
いま、住宅を造るための建材や設備類が値上がりして下がらないままに高止まりしています。消費税も上がりました。2年前と同じ家を建てようとすれば、明らかに余計にお金がかかるのです。
予算には限りがあるが、あまり妥協もしたくない。
そうなると、家を小さくすることが必要になります。
小さい家で断熱もしっかり=燃費良し。
逆に予算に余裕のある方は、家が大きくなるので、断熱性能をかなりがんばらないと燃費の悪い家になってしまいます。
一般人は小さな家を! お金持ちは超省エネ住宅を。
こういう考え方もあるよな、と最近思うようになりました。
あまり結論のない話になりましたね。
写真は、写真家・國枝琢磨氏が見つけた札幌圏の住宅100から。
こちらです。
https://www.iesu.co.jp/ghs/house100/
2015年07月30日(16:50)
北海道のアンティーク・古民家を串刺ししてみました
アンティークブームです。
家具や調度品、身につけるものも新品ではなく、少しこすれた跡もあるけどツヤのある革のバッグとか、お気に入りに囲まれて暮らすことがブームの背景にあるとされています。
新品の緊張感より中古の親しみを愛するとも言えるでしょうか。
ボクもわりと中古ものが好きです。新品にこだわらないですね。
住宅でも、古民家がブームです。ですが、古民家を横断的に解説したり、まとめた資料はあまり見たことがありません。
ニシン御殿ならニシン御殿だけ。洋館なら洋館だけ。
どれもつまみ食いしたいボクなりに、ちょっと分類してみようと思い立ちました。
ニシン御殿(ニシン番屋) 小樽・祝津
洋館(公共・準公共建築) 札幌・時計台
擬洋風(函館などの町家) 函館・西部地区
建築家(田上義也など) 札幌・ろいず珈琲館
古民家(農家民家) 厚真・旧畑島邸
その他(いろいろな個人住宅)
一般に、古民家というと農家民家を指すようですが、上記の建築も広い意味で全部古民家です。
そして、一般に知られている順に上から並べてみました。
ニシン御殿は、家というより施設に近いですね。外観も室内も自分の家につながるイメージが得られにくいですが、ニシン漁全盛期のにぎわいとその後の衰退が、昭和の栄枯盛衰を象徴するようで、ボクは好きです。
定番は、小樽・祝津と道北小平町の花田番屋ですが、写真はこれらの定番を外して、しかもニシン御殿へのイメージも裏切って、洋風のニシン番屋です。場所は石狩・濃昼(ごきびる)。しっかり管理しているようでうれしくなります。
ニシン御殿についてはこのページが楽しいです。
http://nisin.hideohiguchi.com/
洋館は大好きです。豊平館とか函館区公会堂とかが大好きです。でも欧米のゴシック建築が好きなわけではありません。ボクの場合、木造下見板張りの軽快でカラフルな外観、落ちついたインテリアと少し高い天井が好きらしいです。
写真は、秋の朝の函館区公会堂。すてきですね。ここは民間人が出資して建てられた地域のための公民館です。海を望むバルコニーが最高にいいんです。
擬洋風がすごく好きです。擬洋風の家がいまでも普通に使われている函館・西部地区を散歩するのが大好きです。洋館と同じで軽快な外観と、簡素な和風とのハーモニーが楽しいのでしょう。個人的にはもっとも好きな古民家です。
写真は、またまた函館。西部地区の商家です。現役ですよ。
https://www.iesu.co.jp/column/2014/11/05083836.html
建築家の町家物件はすごいですね。パトロンがいて、建築家が作品作りを進めた感じが伝わってきます。函館・元町の日和茶房というカフェとして営業している田上義也氏の設計物件は、正直かなり圧倒されました。
写真も函館・日和茶房。函館3連発となりました。
北海道の古民家はあまり知られていませんね。本州の古民家は、かやぶきの高い屋根と屋敷森などに囲まれた堂々とした構えが多いから、見た瞬間に明治や江戸時代にタイムスリップすることができますが、北海道の古民家はトタン屋根にアルミサッシ、土台が若干傾き気味?みたいな家が多いそうで、どうやって価値を高めるかとなると、やはり再生工事が必要になる場合がほとんどだと思います。
ただ、内部を見るとニシン御殿に負けないがっしりした骨組みに圧倒されます。
町家はオーナーが変わったり、賃貸で店舗になったりと利用価値が維持される場合も少なくないですが、農家民家は廃屋・解体の危機に瀕しています。どうにもならない問題ですが、薪(まき)にしてしまうにはあまりにももったいないと思います。
興味がある方は、厚真町の再生古民家をみてきてください。パン屋さんとして営業しているので、営業時間内なら古民家内で買ったパンを食べることもできます。
写真は厚真町の再生古民家の広間&縁側です。断熱工事により、冬でも使える板の間になったそう。
記事こちら。
https://www.iesu.co.jp/ghs/article/20150724141920.html
2015年07月21日(16:41)
中古住宅の価値を引き上げることは本当に可能か?
空き家が増えている、若年人口が減っている、今後さらに家があまりそう、などの理由で、中古住宅をもっと売りやすいように、もっと買いやすいようにしよう、という動きが始まっています。
そのためには、まず中古住宅が安心して買えるか検査をしましょう。
耐震性は? 大切な部分に腐れや劣化はないかを調べて、「骨組みは大丈夫だけど、屋根がちょっと傷んでいるからなおしたほうが良いですね」みたいな検査結果を提出する。そうすれば、売り手も買い手も安心して中古住宅を売買できる。
この仕組み、とてもよくできていると思います。中古品を買うときに目ききによるチェックは必要だし、そうでなければ保証がほしいというのが買い手の気持ちですから。
今のところ普及はこれからですが、ボクはぜひ普及してほしいと思っています。
ただ、1つ引っかかることがあります。検査して性能面で問題がないことが確認されれば、不動産価値が高まる、すなわち高く売れるようになるという趣旨のPRが政府からも発信されているのです。
ボク、そうはならないと思います。
中古住宅の価値は、性能だけで決まるわけではないからです。
むしろ、この検査制度が始まり普及することで、性能が現行法に近いレベルにあることが当たり前になる。物件の価値はそこでは決まらず、立地やデザイン、基準を上回る性能などが決定要因になるはずですし、中古市場ではほしい人のニーズに合ってない物件は、たとえデザインがよく高性能でも売れないわけで、そういった市場原理までひっくり返すほどの「検査」があるはずがないと思うのです。
もっといえば、検査して性能がOKなら価値は上がる、というのはある種のバブル経済思想であって、"資産インフレを起こせば国民お財布のひもが少しゆるむはず"という下心があるのではないかと勘繰りたくなります。
中古物件の検査は、中古車でいえばディーラー車を買うようなもの。
「何かあったら当然うちがめんどう見ますから」という。
そのことで安心料が上乗せされることはあっても、価値が上がるわけではない。
そこんところはき違えないほうが良いと思うのです。
〈中古住宅市場活性化ラウンドテーブル 報告書から。価値が上がるために何をすべきなのか。そこが問題ですよね。クリックして拡大します〉