2017年12月
2017年12月29日(15:03)
印象的だった北大構内の歴史的建造物・耐震改修後の見学会
今年8月23日、
耐震補強した北海道大学内に建つ歴史的建造物を見学するツアーに参加しました。この時期はけっこう忙しかったのですが、どうしても見に行きたかったので、午後は趣味の世界に走りました(笑)。
北海道大学は、大学であると同時に北海道開拓の歴史でもあります。農学部は、まさにここから北海道の酪農のノウハウが広がったという意味で、大学を超えた意味があります。
理学部は、北海道に眠る資源の開発ともかかわり、こちらも開拓・産業を支えた歴史がきざまれています。
そういう意味で北大は構内すべてが博物館でもあり、アミューズメント施設でもある、というのがボクの認識です。
見学ツアーを記事にしなかったので、ここで少しばかり紹介したいと思います。
まずは超有名なモデルバーン。この木造建築群が耐震補強されたのだそうです。どうしてもここを見たかったのでございます。
建築技術としては、アメリカから輸入されたツーバイフォー的な工法と、大工が持つ軸組工法がミックスしているそう。ただし、時代によってどっちに比重があるかは変わってくるという。古い建築ほどアメリカの技術がそのまま使われているはずです(だいぶ忘れた)。
耐震設計がうるさくなっている現代の木造建築の目で見ると、「こりゃ基準法クリアしないな」とボクみたいな素人でもわかるわけです。とは言え、現行基準に沿って補強するなら、オリジナルの状態がまるで破壊されてしまいかねない。そこをどう乗り越えるかがこういった歴史的価値のある建築を改修する際の大きなポイントになるそうです。
しかし、そういった難しい話ではなく、木造建築の素朴な良さを堪能しましたですよ。法隆寺とはまた違った木造の世界がここにあります。貧乏だけどなぜか豊かさも感じさせる木造建築群なのです。
あ、そんな感想を持つのはボクだけかもしれません。
ボクは、シンプルな三角屋根が好きです。いわゆる切妻屋根こそが北海道の木造のシンボルであると信じて疑いません。
時代がフラット系屋根全盛になろうが、そこは変わらないです。
2017年12月22日(17:48)
編集長コラムと公式サイトをプチリニューアル
今日、プチリニューアルを終えました。
エンドユーザー向けサイトはずいぶん前から新しい仕組みで動いているのですが、公式サイトとこのコラムはヒマなときにでも、と少し放置気味でした。
今回は、スマホ対応にあわせてデザインのプチリニューアルをした程度です。
今後、本格的にコンテンツの充実を進める予定です。
2017年12月18日(17:50)
超低金利・地価高騰を背景に小型プランの勉強も始まる-札幌この一年
今年もあと2週間となりました。ボクの住むまち・札幌で、とにかく印象的だったことを書いてみます。
札幌圏ではこの1年、地価高騰がバブルのようにふくらみ、地下鉄・JR駅から徒歩圏内は前年の5割高といわれるほど高騰しました。一方で駅から離れた宅地は現状維持か価格が下がっています。消費者の多くは利便性が最優先なので、ない土地をみんなが探すことになるため、住宅会社としても営業マン個人としても土地待ち客名簿ができるほど。住宅会社にとって最大の悩みのタネとなりました。
例えば、坪100万円の宅地が登場しています(2年前まではおよそ60万円台が上限)。
地下鉄徒歩10分圏内で坪50万円が相場になってきました(30万円台が許容限界かと思うのですが)。
バブル時代に地上げされその後塩漬けになっていた宮の森の大型宅地が売りに出ています。
〈マンションにはさまれたまちなかの家〉
こうなると、普通の市民が予算内で購入可能な駅近土地は、間口が10m以下で狭く、日照も厳しいものばかり。逆にそういう土地でも明るく光が入るすてきなプランが提示できれば、設計力で家が売れていく時期でもあります。
建物間口が4間(7.2m)以下になると、間取りの工夫が必要になります。最近は1階の床面積が小さくなっているので、1階に玄関、LDK、水回り、できれば個室1つをどう配置するか、かなり難しいのです。
このようななか(一社)新住協札幌支部はこの1年間、コンパクトプランで、かつ同団体が推進する省エネ住宅「Q1.0住宅」をローコストに実現するプロトタイププロジェクトを実施しています。
間口5間(9m)の敷地を想定し、2.5間×6間と、3間×5間の総2階プランを検討。このうち2.5間×6間のプランは基本設計を元に数社が概算見積を提示。今後はプランを確定させて構造計算、実施設計、モデルハウス提案と進む予定です。
企業単位でも、3間×5間の総2階プランを企画商品として検討している会社も出てきています。建物間口が3間(5.4m)なら、土地間口は5間、ギリギリ7.5mでも収まります。
一方で、誕生から20~30年が過ぎたバブルからポストバブル期に広がった郊外のニュータウンの中には、札幌市内にもかかわらず坪5万円以下でも買い手がつかないケースもあります。豊かなカントリーライフを夢見たものの、子どもが巣立ったので中心部に引っ越そうと売りに出す。ところがまったく売れないという例もあるのです。
超低金利の金融政策は、住宅ローンの総額が小さくなることで、ここまで住宅景気をけん引してきました。しかし、徐々にマイナス面が大きくなってきているというのがこの1年でした。
2017年12月07日(16:24)
本州で最も寒い地域からのお客さま
昨日・12月6日は、本州で最も寒いエリアからお客さまを迎えました。二戸・久慈地域です。
岩手・秋田・青森にまたがるエリアは、本州で最も寒く、北海道並みといいますか、ひょっとしたら函館より寒いです。
皆さんが断熱住宅に取り組み、札幌版次世代住宅基準のベーシックからスタンダードレベルの家を建てているそうですから、素晴らしいことです。4日のブログに「釜石市民はかわいそう」と書きましたが、二戸エリアの皆さんはいい住宅を手にするチャンスがあるのです。
県内で最も寒いエリアのほうが暖かい家に暮らすことができ、最も温暖なエリアの家が寒い。
これは、北海道の家が暖かくて、関東の家が寒いという現象と同じですね。
話題になったのは、「底上げ」です。自分たちは、ここまで一生懸命やってきて、技術面もコスト面もかなりこなれてきた。が、地域の住宅レベルはなかなか上がらない。そこをどうしたら良いだろうか、という悩みでした。
もうひとつは、素晴らしい技術をどうやって地域のユーザーに伝えるか。
札幌の経験を少しだけお伝えすることができましたが、ぜんぜん不足気味の情報だったと思います。
2017年12月04日(17:48)
「そんなに寒くないから」という言葉が危険
日にちが前後しますが、11月16,17日の延べ2日間、岩手県釜石市を訪問しました。
釜石を訪れるのは3回目です。うち2回は釜石線で向かいました。三陸の町、釜石市ですが、内陸側に鉄鉱石が出る地域があり、それで釜石に製鉄所ができたことが、JRで窓の外を眺めていてわかりました。
〈震災後に出店したハウスメーカーはまだ残っています〉
行く前に釜石の気候を調べたところ、あまり寒くない。
『とは言え海岸だから風が強いだろ』と風速も見たのだが、風は弱い。どうやら、釜石は比較的過ごしやすい町のようだ。
地元の方・住宅関係者も地元・釜石を「そんなに寒くないから」と思っているそうだ。
確かに、県庁のある盛岡市と比べればかなり寒さがゆるい。では世の中的にいう"温暖地"なのかといえば、そんなことはない。
11月16日、ホテルに向かう途中も小雪が舞っていた。
温暖地は11月には雪が舞ったりしない。
つまり、岩手の物差しではなく、世界の気候区分の中では準寒冷地であり、「寒い」のです。
なんでこんな話を書いているかといいますと・・
「暖かいから断熱はそんなにしなくて良い」
という言い訳の根拠になってしまうからです。
本当に暖かいならいいのですが、
寒いですから・・。
断熱したほうが良いですって。
釜石ではなかなか断熱住宅が増えないそうです・・。
市民の皆さん、かわいそう・・
釜石に限らず、北海道では函館も「札幌と違って暖かいから」とおっしゃる人がいますが、函館は真冬日があります。
真冬日がある土地は、正真正銘の寒冷地です。
そんなことを強く感じた今回の出張でした。
帰りは、JR釜石駅から新花巻、新幹線に乗り換えて盛岡、そこで北海道新幹線に乗り換えて新函館北斗、そこで在来線特急に乗り換えて札幌、合計10時間というJRの旅となりました。
なぜ飛行機で帰ってこなかったって?
「嵐」のコンサートで飛行機満席!!