2012年11月21日(12:09)
東京駅とエイジング処理
復元工事が完成した東京駅を見てきました。
といっても、東京で降りて、改札を出る前に丸の内側をひととおり眺め、改札を出てから待合室のホールや建物外観を見ただけです。
たくさんのかたがカメラを構えて写真を撮っていますが、なぜか歓声や感嘆の声が上がりません。ボクも写真を撮りながら、今ひとつ心に響いてくるモノがないのはなぜかな? と不思議でした。
日本の玄関である東京駅が、いまいちのはずがありません。
会社に戻って、カメラのカードからデータをパソコンに取り出し、モニターでもう一度見てみました。そして気がついたのです。
外観もドーム天井も新しすぎるのです。
こういった建物の復元は、オリジナルの劣化にあわせて新しい部分も経年変化・劣化を見せる「エイジング処理」をするのが原則です。東京駅はまったくエイジング処理されていません。
新聞11月15日号でも紹介しましたが、これからは住宅も「エイジング処理」がひとつのキーワードになってきています。古着と同様に家も古く見せることで、商品価値が大きく上がる。それは、レンガに価値があるのではなく、古いことが価値だから。そのことを東京駅が教えてくれます。
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