2009年06月09日(14:01)
長期優良住宅制度の始まりに当たって
◆長期優良住宅という新しい制度が始まった(こちらに記事あり)。その普及のために100万円と200万円の補助金も開始している。予算に余裕のある層にとっては確かに「おトク」だ。沈んだ住宅業界にとっての突破口であってほしいと思う。
◆しかし、現状の問題は、住宅がほしくても建てられない層が増えてきていることにある。ローンの門前払いだ。着工を増やすためには、ゆとりのない層に対する条件緩和、職業差別などのない融資審査が行われなければならない。10割融資復活によってフラット35がその役割を担えるか、ここが正念場だ。
◆そもそも、「長期優良住宅以外は優良ではないのか」という自然な疑問に対して明確な説明ができない制度に、ギリギリで住宅を取得する層は投資すべきではない。お墨付きは確認申請でじゅうぶんなのだ。住宅会社側は常に消費者側に立って、ソンのない住宅取得をアドバイスする存在であってほしい。
長期とか優良とか言わずに、100年、200年住宅が建っている国がスウェーデン。そしてそれらが中古住宅として普通に取引されている。背景には当然住宅政策があるのだが、官僚が「長期」とか「優良」とかのお墨付きを出しているわけではない。
こういうお墨付きが天下りを生むのだ。
スウェーデン・人口約5万人のまちの郊外に建つ木造住宅。1835年の建築というから、築174年!!
延床面積180m2。断熱性能や窓は現行基準に合わせてリフォームされている。購入者は1994年に2,800万円で購入し、2007年に5,100万円で売却。なお、土地の評価価格は1,000万円程度。
コメント