2009年06月11日(10:41)

"浮世床"で大いに学んだ

◆最近は"とこや"と言えばもっぱら1,000円カット。いつも行く1,000円カットのお店でこの前の日曜日、マネキンを相手に黙々とカットをしている女性がいた。小生の髪を切ってくれた女性に尋ねると、採用試験だという。そこから先のダイジェストを実況ふうに。


「普通はやらないんですよ、理容も美容も面接だけ」
「へーっ」
「カットできなくても仕事はあるし、何より店によってやり方が違うので、過去の経験は関係ないんです」
「へーっ」
「ここはみんな資格者。けっこう難しいんですよ」
「へーっ」


小生のボキャ欠という面もありますが、せきを切ったように話し始めた彼女。これまでも何度かカットしてもらったけれど、一度も世間話はしたことがなかった。ボクが投げかけた質問は、聞かれてうれしい、誇りに思える質問だったようだ。
さらに続く。


「ところで、下世話な話、給料はいいの?」
「・・・いいです。かなりいいです」
「あそう」
「社会保険とかも入っているのでそれも考えるといいんです」
「へーっ」
「正月も4日休めるでしょ。だから実家にも帰れるんです。それまでは長くて2日で、ちょっともったいなくて」
「へーっ」
「体もラクだし連休もとれるんです」
「1週間のシフトは? 週1休み?」
「いいえ、4週6休です」
「おおっ」
「事前に都合を言っておけば、早引けもできますし」


ボクもさらに知りたくなった。社員に誇りを持たせたこの会社と仕事ぶりについて。


「いつも忙しいよね。日曜はビッチリでたいへんでしょ」
「1人増やしてくれたんです。今4人体制になって、だいぶいいんですよ。でも社長的には5人にするつもりです」
「いま、札幌にお店はいくつあるの?」
「9店です」
「それじゃ3人平均でも30人は働いてるんだ!!」
「そうです。でももう知らない子もいるんですよ。全員で会うのは年に2回ですし」
「へーっ」


◆1,000円カットのお店というと、安い、ヘタ、社員の酷使、と連想している方も多いと思います。そういう店もあるかもしれませんが、成長中の企業はやはり社員を夢中にさせる何かがありますね。げんに彼女は生き生きしていましたし、会社の将来についても関心を持っていました。これが素晴らしくなくてどうしますか!!
ボクは大いに感心し、かつ大いに反省しました。


◆早飯食べて、午後からは室蘭工業大学で取材。新住協全国総会を終えた鎌田紀彦先生に突撃です。内容は6月25日号に掲載。

カテゴリ:ひと |

コメント

いい話ですし、いい会社ですね~。
なかなか社員にこう言わせる会社は無いですよね。
会社が成長しているだけではこうはなりませんし、社長のやり方が上手いんでしょうね。
逆に言うと、一般の雇われ理・美容師は大変なんですね。
でも、理・美容院ははっきり言ってそれなりに儲かりますよ。
実家も細々とですが母一人で美容院をやってますが、結構利益は出てるようです。原価は少ないですからね。
こっちにも1000円カットの店出来ないかなぁ~。

なべやん(2009-06-11T21:07)

「3Qカット」 っていう店なんです。
余談ですが、昨日、六*亭におつかいものを買いに行きました。その店は久しぶりだったのですが、女性1人でものすごく忙しそう。接客にも笑顔がない。「どうしたんだろ」と思いました。
そういう部分で評価が決まるサービス業は、1人1人の顔が勝負だと改めて思いました。
>>母一人で美容院をやってますが結構利益は出てるようです。
そうなんですよね。*税しやすい業種ともいわれているそうです。知人の実家もいいほうのくちです。

まるへん(2009-06-12T07:51)

コメント

PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

月別アーカイブ