2009年04月07日(20:04)

どこかずれている

◆燃費がいい車に対して減税したり、税を免除する制度が4月から始まって話題になっている。例えばプリウスは自動車重量税に加え取得税も免除になり、合計15万円から20万円安くなるそうだ。この話題で驚いていたら、今度は省エネ家電とエコカーへの買い換えで購入補助制度だそうだ。大盤振る舞いではないか。それでは住宅はどうなのか。燃費の良い住宅に対する減税や購入補助制度はないのだろうか。◆政府に2つの問題を指摘したい。1つは巨大なパワーを持つ自動車と電機産業への配慮はするが、住宅の購入促進策はなぜ行わないか、という点。もう1点は住宅政策は本来、底辺への購入補助と省エネ促進のための誘導策の2本立てであるべきなのに、なぜ富裕層に手厚い減税策などしか出てこないのかという点。◆人が生きている以上、住居費は必ずかかるものだ。それがマイホーム購入の支払いでも、家賃でも、どういう形であれ住むための費用はかかる。そして日本は戦後一貫してマイホーム取得促進政策を推し進めてきた。ところがここ数年、マイホームの夢が遠のいている。では賃貸で住み続けるか、中古のマンションでも買うか。戸建てに関しては居住水準がかなり上がったものの、賃貸は狭くカビなどで不衛生。中古のマンションも賃貸よりはいいがやはり狭い。早い話、日本は戸建て以外の住宅は、居住環境が低いのだ。◆そういう現状でわれわれはどんどんマイホームから遠のいてしまう政策を目の当たりにしている。家を建てれば家電も場合によっては車も買い換えるのに、車と家電の買い換え促進だけではすそ野が広がらない。家電や自動車については物知り顔で燃費やエコを語るのに、住宅の燃費への関心の低さはどうだ。まあ住宅ローン減税があるにはあるが、違うんだよなあ。国の住宅政策はずれている。

カテゴリ:辛口 |

コメント

総論では分かるのですが、ちょっと下記は引っかかりました。

>賃貸は狭くカビなどで不衛生。
>中古のマンションも賃貸よりはいいがやはり狭い。
>日本は戸建て以外の住宅は、居住環境が低いのだ。

これは流石にちょっとどうなのかな?と思いました。

それにしても、いくら未曾有の不況だと言っても、流石に最近の大盤振る舞いはちょっとやりすぎの様に感じますね。どう見ても「選挙」対策に見えて仕方が無い。
今必要な景気対策は、私が思うに「浅くても良いので広く」なんだと思う。別にどこの政党を支持しているかは別にしても、例えば、消費税引き下げ等かなと。
勿論、太陽光を狙っていて、自家用車も16万キロを越えている私としては今の流れは悪くは無いんですが、何か思惑がある様に思えて仕方が無いですね。

なべやん(2009-04-07T21:42)

なべやんさん
ご指摘ありがとうございます。ちょっと言いすぎですね。
住宅業界にも政策支援が20年度から復活はしているんです。しかしそれがあまりに寒冷地や地方、底辺の消費者を無視しているうえに、新たな公共事業という側面もあり、不愉快きわまりないのです。でも底辺の消費者を無視すると消費を刺激しないから、しっぺ返しはけっきょく企業に返ってくるのです。
そういう改善が期待できない税金投入が続いています・・・。

まるへん(2009-04-08T18:39)

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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