2013年04月18日(10:39)

難しくなっている製造業

昨日はある方に相談事があり、久しぶりに会社を訪ねました。
雑談とも本論ともつかない話の中で出てきたのが、
『製造メーカーが不具合の正しい原因を認めようとしない』ことです。
例えば、『使い方の問題』とか『その他の原因』とか『正しい施工法にそっていない』とかが製造メーカー側の言い分です。
製造メーカーは不具合があると調査します。そして社内のある部門では原因を突き止め、対策に乗り出します。
しかし(ビルダーも含め)ユーザーに対してそのことを隠す傾向にあります。

ボクは製造メーカーの責任を問うべきだと言いたいわけではない。ここで言いたいのは、昔とは違うという現実です。

日本を代表するP社はそのむかし、不具合が発生したらまず回収して交換する。原因追及はそれから、という姿勢で顧客の信頼を集め、「次もP社を」という好循環で業績を伸ばしたと言われています。
しかし、P社もいまやグローバル企業。そして、格段に手厚くなった消費者保護行政と株主による経営支配権の強化制度などにより、昔のような「商い」ができなくなっています(ボクの想像ですが)。
そして、日本の企業はクレーム対応面でもグローバル化し、以前と違う対応をせざるを得なくなってきました。

知人やボクの経験から、ドイツ車の本国メーカーは、リコール以外のクレーム処理(無償修理)を一切認めません。しかも、クレーム情報を社外に出さないのが通例です。すべてユーザー負担。日本法人やディーラーがちょっとだけ泣いてくれますが・・・。

住宅部材もこれに近くなってきています。しかし、地域工務店の中には昔のP社のような「商い」をやりたい社長さんがけっこうおられます。
不具合で地域工務店と製造メーカーがもめた例を、自分はたくさん知っています。

製造メーカーもヘタをすると屋台骨がゆらぐし、開発意欲をそぐことにもなるので、真剣です。製造者の責任範囲をあまり大きくすると、しまいにはものづくりをする人・会社がいなくなってしまいます。

誰が悪いとかではなく、そういう時代だということを感じた4月の肌寒い午後でした。

カテゴリ:日記 |

コメント

今回私のとこでも
同じような案件が飛び込んでまいりましたがやはり
隠蔽されようとしている案件も多数
もっと考えて頂きたい事ばかりですが
クレームをひた隠しにしている事も
限界が近づいています
有り程度の公表と それに対する対応を切に望む
今日この頃です

樋口健人(2013-04-19T09:22)

樋口さん、そうですね。
理念とかもからみますが、
現実対応としてはもうちょっと情報を公開してもいいように思います。
 
鋼板についてもありましたモンね、同じ案件が。。

白井康永(2013-04-19T11:31)

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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