2009年07月17日(17:31)

一次エネルギーで見るべきではない

◆今日は新聞の割付日。原稿も書き終わっておらず、朝から机に貼りついておりましたが、先が見えてきました。
◆なべやんさんからご意見をちょうだいしました。以下引用。〈実は、なんとなくなんですが、省エネレベルを全て一次エネルギー換算でって言う事に違和感を持っていたのですが、この辺に付いて・・・もう少し解説願えませんでしょうか?
一次エネルギー換算で言うと、オール電化ってのは意外と省エネでは無いと言う考え方もあって、「この辺ってどう考えれば良いのかなぁ」と思ってたんですが。〉


◆国と国との約束事が地球温暖化防止分野で「炭素換算」だったり「一次エネルギー換算」だったりすることに異議を唱える気はありません。
問題は国際間のルールを国内の私人間ルール、とくにエンドユーザーが契約の一方であるときに、そのまま当てはめるのはムリであろうという点。さらに選ぶ側のエンドユーザーに、実は選択肢がないにもかかわらず選択結果に責任を負わせることは間違っている点。そしてこういった状況は政府の無策の結果なのに、あたかも国民のぜいたくや浪費の結果であるかのように刷り込もうとするのは大きな間違いである点。そういう国を信じて消費行動をとった国民が、多大な費用負担をしながらなんのメリットもない不合理。
◆小生は住宅の省エネルギーを一次エネルギーで見るべきではないと思っています。その理由は、第1に難しすぎること、第2に熱源を選べないのに結果責任をとることはできないこと-の2点です。
1の難しいという点については、これは消費者や建築業者が手を出すレベルではなく、エネルギーの専門家がやるか、計算ソフトに組み込まれているべきレベルだと思うのです。
2については、灯油はいいとして、天然ガスはどの地域でも手に入るでしょうか? 電気については発電源を選べるでしょうか? 生活者には一次エネルギーを選ぶことができないのです。それなのに結果責任を負うのは明らかに間違った制度です。
◆消費者や住宅会社に対して、国はエネルギーの使用量を規制すべきです。あとは国が一次エネルギー換算を行えばいいのです。
◆逆に、一次エネルギーで見るにはどういう環境が整っているべきか。小生は天然ガスの普及率が少なくても携帯電話の通話エリアカバー率に近づくこと、電気については、発電源を選んで購入できること、そして電力会社がもっと自然エネルギーを購入する制度を国が整備するとともに、ペレットなどバイオマス燃料の普及を進めること。これらが実現すれば、消費者にエネルギー選択の自由とともに選択したエネルギーの使用量について責任を持たせることもあっていいと思います。


◆一気に書き込みました。間違いなどありましたらご指摘ください。

カテゴリ:エコ化 |

コメント

詳しいコメント有難う御座います。
私としては、どんなエネルギーにしても、無駄使いをしない生活、また、無駄なエネルギーを浪費しないような生活環境を確保すると言うのが必要なんだと思っています。
そこに、今更ガスの方が... とか、電気は送電で... とか、原子力が... とか言われても、私としてはどうする事も出来ない。だったら、発電所の近所に住めば良いのか?ガス田の近くに住むのか?じゃ自分で太陽光でも付けて少しでも貢献するか... と考えても、いや太陽光は元が取れないとか... 。
それよりも、私のような一般消費者としては、今の住環境の中での無駄を省いて、出来る範囲の事をする。それしか選択肢は無いんだと思うんです。
で、長い目で見て一番エネルギーを消費する生活拠点「家」のエネルギー消費の基本レベルを「出来る範囲」で下げておく。この事は、最初にやっておくと、長い間努力しなくとも省エネになる。この選択を怠ると、それは後々まで響いてくる。ここの重要性をもっと認識しないといけないのだが、その事に気付くのは多くの場合家を建てた後。残念で仕方ないですね。
今、私が思っているのは、通勤に毎日片道16kmも車に乗っている事。これが、一次エネルギー換算では相当足を引っ張っている。
転職して近場で仕事するか... (^^;。

なべやん(2009-07-17T21:42)

なべやんさん
〈無駄使いをしない生活〉これを目指すのが、感度の高い消費者のできる方法。まったく同感です。
ふつうの消費者に対してEU諸国は経済性を示して省エネに誘導する政策をとっています。そのために化石起源のエネルギーに高い税率をかけ、その税金を政策誘導に使う。結果、いい方向に向いていく。
〈毎日片道16kmも車に乗っている事。〉この距離だとロードバイクですね。さっそく購入してください。秋には体の変化が感じられるはずです(笑)。

まるへん(2009-07-18T09:19)

>この距離だとロードバイクですね。さっそく購入してください。秋には体の変化が感じられるはずです(笑)
うう~痛い(^^;。
大阪時代は、自宅から駅までと、会社の最寄の駅から会社までを自転車で通った事がありますが、16kmは遠い... 原付でもきついと思ってたので(^^;。
ま、体力作りはしないとと感じ始めてる昨今なんで、悪くは無いんですが、さてこれが続くかどうか... 。
家を出ると直ぐ下りで、その先はほぼ平坦。会社の近く500m位がきつい登りか... 。
無理な省エネは止めといた方が良いかな(^^;;;。

なべやん(2009-07-18T21:28)

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PROFILE

編集長 白井 康永

家づくりを変えたいという野望を持ち、北海道住宅新聞、札幌良い住宅jp を中心に、少子化の激流のなかでわれわれが日本を導きます.時にひょうひょうと(笑).
北海道・札幌市生まれ54歳。血液型O型.新卒1年、専門学校に通う娘たち、高校を卒業した息子あり. 休日にやってること:のろまジョギングとテレマークスキー.

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