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新聞記事

2012年02月25日号から

ストッパールーフ 扱い変更

住宅かし保険 認定品のみ保証

 「ストッパールーフ」の愛称などで広く知られる無落雪勾配板金屋根の住宅かし保険取扱いが昨年11月から変わり、一部の工法を除いて申請書類などが煩雑になった。施工現場の中には、戸惑いや波紋が広がっている。真相を取材した。


札幌や旭川で漏水事故続発
保証機構が改善要請

20120225_01_02.jpg20120225_01_01.jpg これまでストッパールーフは通常の「勾配屋根」と同じようにかし保険で扱われていた。しかし、昨年11月からは、施工マニュアルなどの書類を添付する個別審査が必要となり、手続きが煩雑になった。
 これに対してマキタ式スノーストッパールーフを販売する㈱マキタ(帯広市、牧田光成社長)は、設計施工基準第3条に基づいて保険取扱いできる確認書を12月初旬に住宅保証機構から取り付け、他の4保険法人からも同様の扱いを受け、以前と同じ手順で保険を受けられるようにした。
 関係者らの話を総合すると、事の発端はこうだ。昨年、札幌や旭川で無落雪勾配板金屋根の漏水事故が続発。スガモリを含む屋根の漏水事故については、北海道が突出して多く、住宅保証機構側は保険事故を未然に防ぐための措置を工法開発・発売元に要請した。
 その措置とは個別申請。機構はその理由を「設計施工基準で想定している勾配屋根とは異なり、雨水が屋根の勾配なりに流れる形状になっていないため」とした。
 マキタは、平成13年に現在の第3条除外認定と同等の扱いを住宅保証機構から受けていた。このため、申請を受け付ける窓口である北海道建築指導センターでも、これまでは特別な書類の添付をせずに申請が受理されていた。しかし現在、無落雪勾配板金屋根は、同社だけでなく複数の会社がそれぞれ独自工法として発売しているほか、今回の住宅保証機構側の要請もあったことから、同社では改めて第3条除外認定を申請。その際、若干のマニュアルの修正等を求められたという。
 主な変更点は、①下葺き材に改質アスファルトルーフィングを全面張りする②天窓まわりの納めなど、写真と図解で施工をわかりやすく説明③引渡確認書として、屋根施工業者の保守責任などを明確化し、屋根施工業者、建築請負業者、施主の3者が署名押印して複写をそれぞれが保管―など。
 このほか、責任施工体制も再構築した。札幌地区は特約店の㈱エスエス販売、その他の地区についてはマキタがそれぞれ講習会を開くなどして施工マニュアルの周知徹底に努め、講習会を受けた施工者には修了書を手渡し、教育を受けた施工者が責任施工したことを書面に残す。

施工費アップが大きな課題

 住宅保証機構では「マキタ以外にも申請は複数から受けている」と話しており、今後も第3条除外認定を受ける類似の工法が出てくる可能性がある。
 一方、屋根施工業者からは、「実際にマニュアル通り施工すると施工費が3倍になる」という声も出ており、住宅会社側の屋根仕様ともからんで波紋が広がっている。


2012年02月25日号から

1月に室温が上がらない③

高性能住宅Q&A 761

床暖房も厳しい

前回は、暖房熱のうち約1000Wはコンクリートに奪われていることを明らかにしました。1000Wとは、100V暖房器具のいちばん大きな機種とほぼ同じ能力。それが24時間ずっと。すごい熱量です。
 ここから今回。これらに加え、しばらくはコンクリート表面温度が低く、そのため体感温度も低くなります。この点も考慮すると、さらに熱量が必要になるでしょう。
 比較のために、1階を木造躯体で組んだ場合も計算します。木材量は8m3(重さにして4t)。容積比熱が立方メートルあたり0・14kWhなので、これに基礎断熱分を加え、必要熱量は4kWhになります。1時間当たりに換算したら160W。電球2つ分、コンクリート造の6分の1です。仮に床断熱ならコンクリートへの蓄熱はほとんどなく、1時間当たりで40W、コンクリート造の4%程度です。

設備に余力ないことも一因

 次に設備側の話をしたいと思います。
 仮にコンクリートに熱を奪われたとしても、熱源が強力だったら問題は小さいのです。昔はパワーのある灯油ボイラーを熱源にして温水セントラル暖房をしたので、問題はあまり起きませんでした。ストーブや電気蓄熱暖房器を多めに設置した場合も同様です。
 しかし今はちょっと違います。新築で主流熱源となっている電気もガスも、パワーに余裕がない場合が多いのです。例えば、暖房負荷計算をして必要熱量が5kWだとすると、暖房熱源の契約容量は7~8kW程度。節約するならもっと小さくすると思います。こうなると新築後の暖房立ち上げで家が暖まらないという現象が起きます。
 この問題は、北海道だけでなく、東北や信越など寒い地域ほど深刻になります。12月から1月は日射も乏しく体感温度も低いからです。ただし、2月に入ると劇的に改善するのが普通です。寒いとは言え、北海道でも2月に入れば太陽高度が上がり、昼間が長くなり、気温が低くても晴れる日が増えます。コンクリートの蓄熱も進んで、大きく改善するのです。
   *   *
 今回の例は床暖房だそうです。床暖房は、立ち上げに時間がかかるのが特徴です。室温維持には向いていますが、立ち上げ加熱用としては放熱温度が低いからです。今回は、土間コンのうえに断熱材を敷き、その上に暖房配管したそうですが、熱源の出力と放熱面温度が限られており、パワー不足に陥ったものと考えられます。
 1ヵ月の辛抱ですから、1月は1000W級の市販オイルヒーターを1台以上投入するだけで相当改善するはずです。とにかく補助暖房を入れて寒さをしのいでもらう方が良いと思います。必ず2月には改善しますから。そしてそのときに温度が上がらない理由も説明すると、きっと納得してもらえるはずです。
取材協力:中村よしあき建築研究所(岩見沢市)


2012年02月25日号から

読者のつぶやき

◆薪ストーブを望む理由
     札幌 工務店 社長 
 料理や暖房、掃除などいろいろな部分で手間を減らせる家電製品や住宅機器が普及している一方で、薪ストーブに興味を持つオーナーが少なくないように思います。主暖房ではなく、補助的な意味で取り付けるケースが多く、ある意味では贅沢なオプションですが、家族が薪の用意や火をくべたり片付けたりといったわざわざ手間のかかること、そして一緒に温かいところで語り合ったりというような場を望んでいるのかなと感じます。

◆結局はコミュニケーション力次第
     札幌 工務店 大工 
 若い頃は自分の腕を磨いて良い仕事ができるように、と思って仕事をしてきましたが、最近は現場を任されることも増え、むしろ一緒に働く仲間を上手に盛り立てつつ、うまく使う能力を会社から期待されています。思えばオーナーさんや近所の人も、クレームやトラブルになるときは、だいたい事前の挨拶とか何かあったときの誠意があったかないかで結果が大いに異なります。人の気持ちがわかる、気配りができる人間にならないと...。


◆facebookとブログの連動
     札幌 工務店 社長 
 受注に至ったお客さんに、打ち合わせの段階で「ブログ楽しく読んでますよ」と言われるなど、お客様とのつながり、信頼関係のきっかけになっている実感は今までもありました。でもさほどのアクセス数でもなく、新規受注を増やす決め手とまでは言えない状況でしたが、ブログを書いた上でツイッターやフェイスブックに、ブログ記事について触れておけば新たな訪問者が増えることがわかりました。ブログとツイッターなどは相乗効果がありますね。


2012年02月16日

常識を覆すコラボ住宅セミナー

3/9札幌、3/16函館で 本紙など主催

本紙は、ジャパンホームシールド(株)、日本住環境(株)、福井コンピュータ(株)と共催で、「常識を覆すコラボ住宅セミナー」を3月9日(金)札幌、3月16日(金)函館で開催いたします。

今回のセミナーでは、力強い住宅会社・工務店経営を進める上で大切な情報について、"住宅業界の常識が本当に正しいのか"という点からはじめて、革新技術や業務改善の方法をご紹介いたします。

講演内容:「液状化について」「換気排熱で雪を融かす新技術」「太陽光+電化+トップランナー、省エネ設計の合理化とCAD」「新旧ビルダーランキングに見る常識のウソ」。
講師は、本紙編集長の白井康永ほか、共催企業の担当者が務めます。

札幌会場:3月9日(金)午後1時30分から5時30分。かでる2・7(中央区北2条西7)1060会議室で定員80名。
函館会場:3月16日(金)午後1時30分から5時30分。サン・リフレ函館(大森町2ノ14)中会議室で定員40名。
参加費:1名様 ¥1,000-

お申し込み:申込用紙をダウンロードいただき、本紙へfaxでお申し込みくださいませ。
seminar_Mar.pdf

お問い合わせ:
本紙(tel.011・736・9811白井)、または共催企業へ(ジャパンホームシールドtel.011・330・1765小野寺、日本住環境tel.011・222・6330佐々木、福井コンピュータtel.011・874・0005松谷)。


2012年02月15日号から

1月に室温が上がらない②

高性能住宅Q&A 760

毎時1kW奪われる

前回は、室温を上げられない理由をコンクリートに熱を取られるからと仮定し、1例として1階がRC造、建築面積60㎡ではコンクリート量が概算で39m3、コンクリートを5℃から18℃に加熱するのに必要な熱量は、少なく見積もって22kWhであることまでみてきました。
 今回はその続きですが、その前に記事の間違いを訂正させてください。
  お わ び
 39m3のコンクリートを1℃暖めるのに必要な熱が22kWhで、5℃から18℃に13℃暖めるには、少なく見積もって282kWhが必要になります。表のように、熱容量として39m3のコンクリートは22kWhがあり、この大きな熱容量がふだんは室温の変動を小さくしてくれるのですが、冷えていると加熱には相当な熱量が必要になるのです。
120215-2menQ&A表.jpg
最初の半月が特にキツイ

 「少なく見積もって」というのは、竣工直後はまだ乾ききっていないコンクリートを乾かしながら加熱することになるので、水分を蒸発させるためのエネルギーがさらに必要になるという意味です(気化熱・蒸発熱)。
 39m3・90tのコンクリートに必要な蒸発のためのエネルギーは、およそ900kWhにものぼります。ただし、コンクリートの乾燥は打設後から始まっており、新築入居してからの1ヵ月程度でどのくらい乾燥が進むのか、今ひとつわかりません。乾燥開始から2週間で20~25%、3ヵ月で50~60%乾燥という実験があるそうですから、暖房onから半月間で10%程度乾燥したとして、必要熱量は90kWhとなります。
 このほか、条件次第では地盤(土壌)にも熱がとられます。
 このように、乾燥と加温のためにはかなり膨大な量の熱が必要となるのですが、1月前半の半月で加熱するとしたら、どのくらいの熱が必要かを試算しました。
 必要熱は1時間当たり約1000W。言い方を変えれば、暖房熱量のうち1kWは常にコンクリートに取られていることになります。これは大きいです。  (続く)


2012年02月15日号から

札幌市・24年度予算概要

省エネ関連手厚く
 エコリフォームは予算倍増

20120215_02_01.jpg 札幌市の平成24年度予算案がこのほど発表され、エコリフォーム補助やエネルギーecoプロジェクトなど住宅関連事業の予算が固まった。それによるとエコリフォームは前年度比2倍の1億円、エネルギーecoプロジェクトも前年度を約2千万円上回る5億1750万円の予算を計上。今後議会での審議・議決を経て成立する。(札幌版次世代住宅基準の補助事業については前号8面に掲載)。
 住宅関連事業のうち、3年目となるエコリフォーム補助は、当初の予算要求額5千万円が、市長査定によって1億円に倍増。市担当者によると、補助要件はこれまでと同じになる見込みで、基準工事費30万円以上となる省エネ改修またはバリアフリー改修を対象に基準工事費の10%以内・最大50万円を補助(戸建ての場合)。施工業者は建設業の許可を受け、市内に主な営業所を持つ業者に限る。
 ただ、補助金の算出に利用する基準工事費は、実際の工事金額との整合性を図るために見直しを行い、工事内容によっては1割程度の引き上げまたは引き下げとなる。
 また、募集は5月と8月にそれぞれ2週間程度の期間を設けて行い、先着順から抽選に変更。予算枠に余裕があれば、その後も追加で募集を続ける予定だ。

エコ設備導入補助は
市民向け予算5割増

20120215_02_02.jpg 新築・リフォームにあわせて太陽光発電やエコキュートなどの新エネ・省エネ設備を導入する市民・中小企業に費用の一部を補助するエネルギーecoプロジェクトの予算枠は、市長査定によって当初要求額に6千万円上積みされ、5億1750万円となっている。
 制度の詳細は検討中とのことだが、太陽光発電やエコキュート・エコジョーズなど対象となる設備機器と、2万〜20万円の補助額についてはこれまでと同じになる予定で、予算枠の内訳を見ると、市民向けが1億8千万円で前年度比5割増となった。
 一方、中小企業向けは無利子融資を廃止し、新たに定額補助を開始。町内会やNPO向けの補助も新設する。
 募集は前年度同様、5回の募集期間を設けて行う考えだが、抽選ではなく先着順で受け付け、各回の予算枠を超えた場合のみ抽選とする予定。
 なお、エネルギーecoプロジェクトとは別の補助事業で、2種類以上の新エネ・省エネ設備導入に補助を行う「札幌エネルギーeco+プラス」は廃止となった。
 このほか新事業として、LED電球を4千円以上購入し、2ヵ月分の電力消費両調査に協力した家庭1万世帯に最大4千円相当のSAPICAカードを進呈するLED推進キャンペーン事業も実施する。


2012年02月15日号から

読者のつぶやき

◆アフターの情報が消えた?
オホーツク 工務店 社長
 同業他社でセンスのよいホームページは、当社にとっても参考になるので定期的に見ているのですが、先日、ある会社のホームページからアフター・メンテナンスの情報がきれいさっぱりなくなっていることに気付きました。私が想像するには、実際にはアフターなどしていなかったか、していても適当だったため、お客様からのクレームが増えたのではないかと。本気でアフターやるなら、お客様から来なくていいと言われても行くくらいじゃないと、できないと思います。


◆タッチ操作は高齢者に難しいかも
旭川市 工務店 専務
 指先でタッチ操作するタブレットやスマートフォンを仕事に活用する工務店が多くなりましたが、当社でもタブレットを1台導入して社内で使い回しています。しかし、70代間近の社長が使おうとした時のこと。パスワードを入力しようと画面表示のキーボードを指先でタッチしても、誤って隣の文字に触れてしまうなど、うまく操作できませんでした。タッチ操作はキーボードが苦手な高齢者に適していると思っていましたが、必ずしもそうとは言えないですね。


◆どのレベルを目指すのか
札幌市 断熱建材関係 部長
 札幌版次世代住宅基準が動き始めます。当社にとっても関心の高いところですが、当面は北方型ECO相当を目指すとして、札幌市の目標はどのくらいなのでしょうか。Q値で1.0W程度なのか、さらにその上のレベルを目指すべきなのか。コストも大きく関係してくるので、関心があります。自分の中では、1.0W 程度を普及目標とすべきではないかと思っています。もちろん断熱性能訴求をしている住宅会社様は、もっと上を狙うことになると思いますが。


2012年02月10日

3月3日(土)札幌 お天気キャスター菅井貴子さんが省エネ対談!

「フォーラム・素敵にエコライフ2012」
※参加費は無料です

日  時
3月3日(土) 午後1時半から3時40分まで

場  所
アスティホール(札幌市中央区北4条西5丁目 アスティー45ビル4階)

主  催
北海道石油システム推進協議会、石油連盟北海道システムセンター

後  援
北海道新聞社、北海道消費者協会、北海道石油業協同組合連合会、札幌地方石油業協同組合

内  容
当日は、家庭の省エネエキスパートであり、消費生活アドバイザー・宮森芳子さんが家庭での省エネについて講演。
 
その後、テレビのお天気キャスターとしておなじみ・菅井貴子さんと、北総研(北方建築総合研究所)・福島明部長が、「高性能住宅による省エネ」について対談します。

菅井さんは、北海道環境審議会委員も務めるなど、環境に関しても関心の深い方です。

そして、省エネ性能や防災性能に優れた最新石油機器の展示会を行います。


※参加は、事前お申し込みをお願いいたします。

申込方法
郵便番号・住所・氏名・性別・職業を明記の上、FAXかメール、ハガキでお申し込み下さい。

FAX 011-200-1882 
メール  info@event-usp.com
ハガキ 〒060-0041 札幌市中央区大通東7丁目18-2EAST7ビル5階
  上田システムプロデュース内 「フォーラム・素敵にエコライフ 2012 事務局」宛


2012年02月05日号から

空知・石狩北部で記録的豪雪

OB客の除雪SOS急増

 昨年末から空知地方や石狩北部を襲った豪雪は、鉄道や高速道路を寸断し、路線バスも一時全面運休に追い込まれるなど、市民の暮らしに大きな影響を与えた。この状況に地場の住宅会社も、工期の遅れやOB客からの除雪依頼の急増など、これまで思いもよらなかった事態に直面している。

岩見沢など過去最高
 雪の行き場ない状態

20120205_01_01.jpg 今回の豪雪によって1月16日の最深積雪は空知管内の岩見沢で194㎝、石狩管内の新篠津村で213㎝、石狩市厚田で169㎝と、3地点で過去最高を記録。この日は高速道路が札幌・旭川間で断続的に通行止めとなり、JRも運休や遅れが出たほか、道路の除排雪も追いつかず、岩見沢市内を運行する高速バス・路線バスはすべて運休。その2日後には災害派遣で道内の陸上自衛隊が岩見沢と三笠で排雪作業を開始し、1月の終わりになってようやく日常の暮らしを取り戻しつつある。
 「まちなかにこれだけ降ると、除雪した雪の置き場所がなく、道路の除排雪も遅れていくのは当然。国道とその他の道路がぶつかるところは除雪の20?30㎝くらいの段差ができているほか、歩道に寄せた雪の山の上を人が歩いて走る車を見下ろしていたり、道路がすり鉢状になってバスがすれ違いできない光景を見たのは、かなり久しぶり」。
 こう話すのは岩見沢に本社を置く武部建設㈱の武部英治専務。同社ではOB客からの除排雪依頼が1月25日時点で60件を突破した。例年はこの半分以下と言い、人手が足りずにやむなく断るケースも出てきているそうだ。巨大な雪庇が落ちて外壁・窓に損傷を与えそうな住宅や、高齢者世帯の住宅は、現場より優先して除排雪したという。

車のために除雪が増える

 また、岩見沢市在住の建築家・中村欣嗣《よしあき》氏は「道路の除排雪が間に合わず、雪が高く積み上がっているため標識が見えなくなったり、消火栓やバス停の立て看板、ゴミステーション、信号の押しボタンが埋まるといった問題が出てきている。住宅に目を移すと、1世帯あたりの車の保有台数が増え、除雪が必要な面積や接道の長さが増えたために、排雪しなければならない雪の量が昔に比べて増加していることがわかる」と話す。
 降雪量や積雪量の問題だけでなく、住宅づくりや暮らし方の変化も除排雪環境悪化の一因になっているという指摘だ。

何をするにも時間かかる

 このような状況の中で、地場の住宅会社は日常の業務をどうこなしていたのか。
 武部建設では年をまたいで施工中の現場が市内にあるが、職人の移動や建材納入にかかる時間が従来の倍くらいかかったりしたほか、1日のうち半分は除雪という状況が続き、生産効率は2分の1程度にダウン。1月20日前後になってようやく落ち着いた。
 「郊外の現場だったから排雪や車の駐車スペースを確保できたものの、これが住宅密集地だったら車が停められず、現場近くから歩いて行かなければならなかったり、建材などの配送もできなかった可能性がある。札幌のまちなかだったらお手上げ状態では」(武部専務)。
 このほかにも、「毎日除雪だけで終わってしまい、工事が全然進まなかった」「建材販売業者が配送をストップした」などという他社の話も聞こえてくる。

巨大な雪庇対策が必要が心配

20120205_01_02.jpg 地場住宅会社の間では、この豪雪による住宅への被害も懸念されている。代表的なのは巨大化した雪庇の落下による外壁・窓・外構部材の破損や電線の切断、屋根の積雪荷重による建具の動きの不具合などだ。
 雪庇対策としては軒先ヒーターや衝立て状の専用部材を設置することが考えられる。ただ、通常の降雪であれば効果的なこれらの対策も今回ほどの大雪になると、軒先ヒーターの部分がかまくらのように中空状態になった雪庇ができた住宅や、衝立て状の専用部材が雪に押されて折れ曲がった住宅も何軒かあったとのこと。
 武部建設・武部専務は「岩見沢は道の条例で垂直積雪量が160㎝となっているが、当社では200㎝で計算して梁のサイズを決めているほか、住宅の配置・形状に応じて軒先ヒータなど雪庇防止部材を適切に設置したり、雪庇が隣家の敷地内に落下しないように軒先から隣地境界線まで150㎝のスペースを取るといった対策を行っている。今後もこれらの対策を強化していきたい」と話している。
 また、今回の豪雪地域の状況を見た限りでは、①屋根に安全に登ることができる配慮②雪庇がかぶらない位置への電線引き込み③軒先の雪庇を安心して落とせる配置計画などもポイントとして挙げられるだろう。


写真
①豪雪メイン...積雪量と雪庇を見ると、いかに豪雪だったかがわかる(中村欣嗣氏提供)

②豪雪雪庇...岩見沢市内の多くの住宅では建物東側に巨大な雪庇が発生。道路の除雪でできた雪山とくっつきそうな住宅もあった


2012年02月05日号から

1月に室温が上がらない①

高性能住宅Q&A 759

立ち上げの熱量不足

Q・・・昨年、当社としては初めての床暖房の住宅を施工し、年末に引き渡しました。1月に『室温が20℃までしか上がらない』と施主から相談が来ました。原因がわからず不安です(道央・建築会社)
A...まず最初に疑うべき可能性から説明しますが、この会社は、断熱住宅の実績については充分で、これまでの住宅と違う点は暖房方法だけだそうです。断熱不良が原因とは考えにくいのです。
20120205_02_01.jpg 窓面のダウンドラフト対策が不十分だったと言えなくもないですが、室温が上がらないのは、もうちょっと違った問題があると考えられます。また、最初の暖房負荷設計は間違っていなかったという前提で話を進めたいと思います。
 真っ先に考えられるのは、コンクリートに熱を取られて、室温を上げられないということです。
 この問題について、建築側のチェックポイントと設備側のチェックポイントに分けてみていきます。
20120205_02_02.jpg まず建築側です。断熱区画内にコンクリートがどのくらい使われているか、竣工の時期はいつかがポイントになります。
 特に1階がRC造外断熱で2、3階が木造の場合など、コンクリート使用量が多いと熱量不足になりやすい(家が暖まりにくい)です。
 試しにおおざっぱに計算してみました。建築面積60㎡の3階建て、1階がRC外断熱だとしたら、その概算コンクリート量は39m3(重さにして90t)。このコンクリートを5℃から18℃に加熱するのに必要な熱量は、容積比熱が立方メートルあたり0・55kWhですから、少なく見積もって22kWh。   (続く)


2012年02月05日号から

読者のつぶやき

◆スマートハウスより先にやるべきこと
信越 住宅会社 社長
 昨年の震災以降、大手を中心に太陽光発電や蓄電池、HEMSを搭載したスマートハウスの宣伝が活発になっていますが、やるべきことの順番が違うのではないかという印象をぬぐい切れません。機械は初期性能をずっと維持できませんし、いずれ壊れます。それより欧米に比べたらまだ低いレベルにとどまっている断熱性能を高めるほうが先でしょう。特に本州では少なくても北海道の平均レベルまで断熱性能を上げる必要があるのではないでしょうか。

◆お客さまを迎えに行って失敗した
道南 工務店 社長

20120205_03_01.jpg 差別化した住宅を造っているので、お客さまの意識もわたしたちの土俵に乗っていただくことが大切になります。もちろんその土俵に上がってもらうような営業・宣伝活動を行うわけですが、紹介でお越しいただいたお客さまで、とても手こずったことがあります。曰く「光熱費が高い」と。それはそうです。小さな賃貸アパートから大きな戸建てに移るのですから、断熱性が高くてもどうしたって光熱費は高くなる。要するにわれわれがご提供する住宅の付加価値を認めていないのです。そういうタイプのお客さまでしたから、ミスマッチなのです。それ以降は安易に紹介客に飛びつかないことにしました。むしろ、しっかりした情報発信をすることで、当社に関心を持ってくださるお客さまを選別したいと思っています。そうでないと、お客さまの期待を裏切るし、当社は大切な"時間を浪費"することになります。

◆補助制度をコロコロ変えるな
オホーツク 工務店 専務
 来年度から中小工務店が建てる長期優良住宅への補助は、地場で木材関連の業者らとグループを作って仕様などを国に提案し、採択されるのが条件になるそうですが、なぜこれまでの木のいえ整備促進事業を続けないのか、非常に疑問です。木のいえ整備促進事業は3年続けてやってきて、ようやく申請手続きや完了報告の作成などに慣れてきたところ。それをまた1からやり直しみたいなことをするのはおかしいのでは。中小工務店のことを本当に考えているとは思えません。


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