新聞記事

2014年05月25日号から

自宅でつくり消費する 小規模オフグリッド太陽光発電

20140525_2_1.jpg札幌・トミタ ☎011-891-0013
 ㈲トミタ(札幌市、佐山廣和社長)は、電力会社に余剰電力を売電する系統連携を行わず、家庭に蓄電し、全て消費する「オフグリッド太陽光発電」を提案。エネルギー問題に関心のある新しい顧客層を開拓している。
 同社は灯油販売、住宅リフォーム工事などを行いながらエコ機器のソリューション販売も取り組み、灯油、LPガス型燃料電池や太陽光発電など幅広く取り扱っている。
 東日本大震災で非常用電源として太陽光発電が注目されるようになったことから、電力会社の送電網に接続して余剰電力を売電する系統連携を行わず、余剰電力を蓄電池に貯めることで家庭内電力の一部系統を太陽光発電でまかなう「オフグリッド太陽光発電」を提案し始めた。
 このシステムは、一部のコンセントに太陽光発電と蓄電池からの電力を供給する。用途は、照明やノートパソコン(デスクトップは非推奨)、外構用など。携帯電話の充電などにも使える。
 500~1000wクラスの太陽光発電パネル、独立架台、チャージャーコントローラー、DC/ACインバーター、2.76~5.52kWの国産メーカー蓄電池などで構成。オプションとして、供給電力が減って電圧が降下すると自動的に電力会社からの電力供給に切り替えるグリッド/オフグリッド切替機や、壁付け設置用の架台を用意。最近は、壁付け施工に力を入れている。
 壁付け施工は、屋根に負担がかからない以外に、積雪の影響をほとんど受けないので冬でも安定した発電が見込めるメリットがある。なお、パネルの設置角度を75度にすることで、90度設置に比べて発電量を増やせる。
 今後、太陽光発電の余剰電力の売電価格はさらに下がることが予想され、国の補助金も今年度からなくなるなど、「元が取れる」ことをあてにした客層が減っていくと予想される。一方で、災害に備えて最低限の電力を確保したいという客層もおり、佐山社長によると「元が取れないことが最初からわかって設置するのなら、50~70万円程度が上限ではないか」と見ている。そこでシステムのセット価格も49万8000円(税別・工事費別)~に設定した。
 オフグリッドの発電システムは、設計事務所で数棟、自社販売で数棟の施工実績があり、今後実績を増やしていきたい考え。
 「システムは、チャージャーコントローラーやインバーター、蓄電池の性能で使い勝手が大きく変わる。当社では信頼できる国内メーカー品を採用した」と佐山社長は話しており、今後も新しいシステムの開発を進めていく。

【写真】
外照明用にオフグリッドで使用する太陽光パネル
   


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