新聞記事

2013年02月25日号から

新品を古く見せる エイジングにブームの予感

20130225_01.jpg2001年にオープンしたテーマパーク・東京ディズニーシーとユニバーサル・スタジオ・ジャパンに、エイジング塗装が本格的に使われた。その後、一般店舗の内装や住宅にまで用途が広がっている。その魅力と道内での現状を取材した。

若い世代のレトロ志向にマッチ

20130225_01_2.jpg エイジング塗装とは、新品の建材をまるで古びた建材のように見せる特殊な塗装技術だ。テーマパークでは、欧米の古い街並みの再現に使われた。それは単に木質建材や建具を古く見せるだけでなく、木材を鉄のように見せたり、モルタルをブリック仕上げのように見せるなど、幅広く応用されている。
 また、長引く景気低迷で過去を懐かしむレトロ志向が若い世代の消費者の間で増えてきた。デザイナーズブランドの服よりも古着を着こなしたり、古民家風や南欧風の飲食店に人気が出るのも同様。

店舗でいち早く採用
低コストで表現力アップ

 この技術を最初に積極的に使うようになったのが、デザイン性の善し悪しが売上アップも左右する店舗内装だ。商業施設や店舗などの塗装工事を得意とする井原塗装㈱(札幌市、井原啓太社長)は、井原社長自身がエイジング塗装の導入を決断。札幌エスタなど人の集まる商業テナントの内装で採用され、飲食店やアパレルショップなどで多く使われている。大型の案件では東京に応援部隊を頼むこともある。
 特にここ2、3年は目立って増えており、内装デザインを担当するデザイナーがエイジング採用を決めることも多いが、予算を抑えて見栄えを良くするため採用されることもあるという。井原社長は、「普通に新品の建材を使っても、安い建材だと表現の幅が限られ、見栄えがしない。安っぽさをうまくカバーする方法としてエイジング塗装にニーズがある」。
 エイジング塗装の技術は建材だけでなく、古い家具の再生にも使われる。塗装が剥げたりキズが付いた古い家具に再塗装をするとき、新品のように仕上げるのではなく、エイジング塗装することで美しく年月を経た状態を再現することができる。
 「エイジング塗装は技術も必要だが、最終的にはその人のセンスや観察力が大事だ」という。たとえば、ドアノブ回りの汚れはどのあたりがひどくなりやすいかなど正確に観察していないと、「汚らしく見える」など逆効果になることも。

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