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新聞記事

2011年07月26日号から

札幌市エコリフォーム補助・8/29から追加募集

札幌市では、省エネ改修・バリアフリー改修に最大50万円を補助する「平成23年度札幌市住宅エコリフォーム補助制度」の追加募集を8月29日(月)から開始する。11月11日(金)まで先着順で申請を受け付けるが、追加予算枠の1千万円に達した時点で締め切る。

 この補助制度は昨年度から始まったもので、今年度は5月9日から申請受付を開始。補助見込み額が予算枠に達することとなったため5月20日に受付を終了していたが、追加予算のメドが立ったため追加募集を行うこととなった。

 補助対象要件に変更はなく、省エネ改修工事・バリアフリー工事のいずれかまたは両方を行った住宅に対し、市で定める基準工事費の10%、最大50万円を補助する。ただし、賃貸住宅など申請者自ら居住していない住宅は、戸あたり50万円で1人(1法人)100万円が限度。施工業者は建設業の許可を受け、市内に主な営業所を持つ業者に限る。

 省エネ改修は居室のすべての窓・床・外壁・天井(屋根)の断熱改修のうちいずれか1つ以上行い、改修部分が次世代省エネ基準に適合すること、バリアフリー改修は1.浴室の改良、2.便所の改良、3.階段の改良(屋内に限る)、4.段差の解消、5.通路の拡幅、6.移動経路への手すり設置、7.出入り口の戸の改良―が条件。
 なお、申請時に工事着手している住宅は補助対象外となる。

 詳しくは同市都市局市街地整備部住宅課民間住宅担当(tel.011-211-2807)へ。


2011年07月25日号から

網走にパッシブハウスタウン

2012年春に着工
20110725_01_01.jpg ドイツ発祥の省エネ住宅で、日本各地でも建設が始まっているパッシブハウス基準による「オホーツク・スロービレッジ」(略称・OSV)が、道東の網走市内で計画されている。来春には第1棟目の住宅が着工する予定だ。

ゼロカーボンで15~20棟

 オホーツク・スロービレッジは、国内初のパッシブハウスを設計した森みわさん(東北芸術工科大学客員教授)を代表とするオホーツク・スロービレッジ(株)が建設を進めているもの。
 国内初のパッシブハウスは神奈川県鎌倉市に建設され、今年1月には茨城県で2棟目が竣工。現在も福岡や奈良などで建設が進められているが、同社では冬期に厳しい気候条件にさらされる北海道・オホーツク地域に建設することで、パッシブハウスが有する高い快適性と省エネ性を実証し、その必要性を住宅業界関係者から一般ユーザーまで広く知ってもらおうと、網走での建設を検討してきた。
 場所は、冬には流氷がやってくる同市北浜の海に近い高台にある約2万1千坪の牧場跡地で、自然のままの草木や花が生い茂っており、オホーツク海と知床連山を見渡せる絶好のロケーションに位置する。計画案ではこの土地にカーボンニュートラルを目指した15~20棟のパッシブハウスを建設する。面積上はさらに棟数を増やすことも可能だが、各住戸からの眺望を十分確保するとともに、豊かな自然環境をできる限り残すため、棟数を絞って各住戸間にゆとりを持たせたマスタープランとする考えだ。
 統一感のある景観づくりのため、ビレッジのデザインコードには省エネ性能のみでなく、仕上げ材料のルールなどもデザインを制限しない範囲で盛り込まれる予定。道南杉によるシダーシェイクの外壁仕上げなどがその一つとなる。

※続きは試読をお申し込みください。
(伝言欄に「7月25日号から希望」とお書き添えください)
http://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


2011年07月25日号から

札幌市 宅地開発の方針転換

1区画165m2以下認める

 札幌市は、都市計画法に基づく開発行為の許可基準である「札幌市開発許可等審査基準」と「札幌市宅地開発要綱」を8月1日から改正する。
 平成19年の都市計画法改正により、市街化調整区域での大規模開発許可の基準が廃止され、市街化調整区域での大規模開発ができなくなった。また、札幌市では平成16年に「都市計画マスタープラン」を制定し、市街化区域をこれ以上広げず、増加する人口も市街化区域内に誘導することを表明している。
 以上により、これまで大規模開発を想定していた「札幌市開発許可等審査基準」と「札幌市宅地開発要綱」を見直すことになった。今回の見直しでは、既存市街地の宅地開発を促進するため、1.宅地開発に伴う道路整備要件の緩和、2.1区画あたりの宅地面積要件の緩和、3.開発に付随する公園整備に例外規定を設ける―の3点が目玉となっている。
 1.は、宅地開発を行う場合、道路幅8m以上の整備を一律に求めていたが、既存市街地では道路幅が6m程度の地域も存在し、既に建築物が並んでいるため、場合によっては6m以上でも認めることになった。2.は、市街化地域で容積率400%など地価が高い地域での宅地開発を促進するため一律1区画165m2以上としてきた指導を見直す。3.は、これまで150m2以上の公園整備を求めてきたが、500m2以上の整備を求める方向に強化した。一方で、周囲に相当規模の公園が存在する場合は、公園の整備を求めないという例外も設けた。
 問い合わせは、札幌市都市局市街地整備部宅地課(011・251・2512)。


2011年07月25日号から

読者のつぶやき

◆似てないのに連続バッティング
札幌市 工務店 社長
 市内のある会社と連続してバッティングしました。数ある会社の中でなぜ? 少々不思議な気持ちです。テイストはわれわれ専門家からみるとぜんぜん違うのですが、お客さまからみるとなぜか比較の対象になるようなのです。例えば本格○○風と○○テイスト、いぶし色とダーク調のあいだで、お客さまの気持ちは揺れ動くようです。2回目ともなると意識するので、ちょっと研究をしたりもします。お客さまからの見え方ってホントわからないものです。

◆中国の技術力向上
札幌市 工務店 社長
 先日、中国に視察旅行に行ってきましたが、建材を作る技術力がどんどん向上しているようです。これまでは普及品、低価格品という位置づけでしか見ていなかったと思いますが、手間のかかる加工を依頼して日本に輸入する方がおもしろいかもしれません。たとえば、家具調の高級キッチンとか。また、海外の銘木を中国に持ってきてフローリングに加工して日本に輸入するというのも、割安に高級品を作ることができていいと思います。

◆工程管理しっかりやりたい
道央 工務店 社長
 7月中旬は雨が降った日が多くて、現場の遅れも発生しました。7月下旬も、やや雨の多い日が多いようですので、さらに工期が伸びてしまわないか心配になってきました。暑い夏に厳しい工期、協力業者の技能者の方々も大変な負担をおかけしています。想定外のこともいろいろ起こりうるだけに、工程管理もしっかりやって、早め早めに仕事をこなし、引き渡し日はしっかり守らないと、と思っております。


2011年07月15日号から

暖房エネルギー4-7割減

PCM蓄熱材実用化へ

 PCMという特殊な蓄熱材を塗り壁材に混ぜ、日射でオーバーヒートした室内の熱や生活排熱を蓄熱・放熱させることにより、暖冷房エネルギーの大幅削減を実現する「アイウォール(iWall)システム」の研究・実証実験が、開発者の北海道職業能力開発大学校・石戸谷裕二教授(工博)らによって進められている。昨年には実験住宅が8棟建設され、4~7割の暖房エネルギー削減効果が実証された。

20110715_01_01.jpg道職能大・石戸谷教授が検証
 アイウォールシステムは、一定の温度を境に蓄熱・放熱を行う性質を持つPCM蓄熱材を利用したもので、木造の高断熱・高気密住宅に高い蓄熱性を持たせることを目標として、石戸谷教授が5年前から研究を開始。PCMを石こうプラスターや漆喰、珪藻土などに混ぜて左官で室内の壁や天井に施工する「アイウォール―p」、PCMを混ぜた塗り壁の中に温水を通すマットも一緒に塗り込む「アイウォール」、そしてさらに壁面設置の太陽熱集熱器や地中へのパイピングによって再生可能エネルギーを有効利用する「アイウォール―e」という3種類のパターンが考えられており、このうち「アイウォール―e」は、大学校内の実証実験棟で検証を行っており、これから2棟の実験住宅の建設が予定されている。

室内壁の8割に蓄熱塗壁材
 昨年建設・実測が行われた実験住宅8棟は、3棟が「アイウォール―p」、5棟が「アイウォール」。 このうち7棟は札幌圏、残る1棟は神奈川県横浜市に建設された。
 仕組みとしては、室内壁面積の約8割にPCM混入の塗り壁材を採用。冬期の日中に日射熱や生活排熱などで室内がオーバーヒートして室温が25℃を超えると、塗り壁に混ぜたPCMが蓄熱を開始、逆に夜間は室温が25℃を下回るとPCMが蓄熱した熱を放熱することで、室温を25℃に保つようになっている。
 「アイウォール―p」は暖房に一般的な温水パネル式セントラルヒーティングを使うが、「アイウォール」は30℃の低温水による放熱マットを組み合わせることで、さらなる省エネ化と暖冷房負荷のピークシフトを図る。
 放熱マットは3×6尺サイズで、部屋の大きさが6帖なら1枚、8~10帖なら2枚使用し、温水は低出力の空気熱ヒートポンプで作る。

Q1.4で暖房灯油550リットル
20110715_01_02.jpg 実測調査によると、「アイウォール―p」を採用した住宅は、同じ熱損失係数=Q値の住宅と比較して暖房なしでも室温を高く維持できる(自然温度差が2~3倍)。そのため年間暖房エネルギー消費量は4割削減することができ、延床面積40坪程度でQ値1・4Wなら、灯油550リットルくらいで済む。
 「アイウォール」は、暖房エネルギー消費量を最大で約7割削減。年間暖房灯油消費量は270リットル程度に収まる。春秋の暖房端境期でも室温は22~25℃の間で安定しているため、年間を通して暖房期間は約1ヵ月間短縮。30℃の低温水を使うため、ヒートポンプとのマッチングも良く、定格出力2kWの製品で間に合うなど設備容量を抑えることにもつながる。
 一方、「アイウォール―e」については、建物南面の壁に3×6尺サイズの集熱器を設置し、冬期は太陽熱で作った温水を放熱マットに循環させて暖房を行う。夏期は基礎のフーチング上に配管したパイプから地中熱で冷水を作って冷房に使う仕組み。使用するエネルギーは温水を循環させるポンプの電気代のみ。
 実証実験棟で検証したところ、壁面の集熱器は窓からの日射取得を利用するより約2・3倍の暖房エネルギー削減効果があることがわかったほか、夏期は外気温が35℃に達する日でも室温は26℃ほどで推移していることが分かり、最小のエネルギーで屋外の環境の変化に左右されない室内環境が実現可能になると、石戸谷教授は見ている。
 施工コストは、「アイウォール―p」が1棟あたりの施工面積150m2として70~80万円。「アイウォール」は一般的な温水パネルヒーティングと同等のコストを加算した金額、「アイウォール―e」は壁面の太陽熱集熱器と給湯用のタンクをセットで70万円ほど、地中熱のパイピングに15万円ほどのコストを加算した金額を想定している。

分厚い断熱せずに高省エネ
 石戸谷教授は「現在の住宅は1980年代初めから高断熱・高気密化によって省エネと室内環境の改善を進めてきたが、これから無暖冷房やパッシブハウスレベルまでの性能が求められるようになった時、例えば在来工法で壁に400㎜もの分厚い断熱を施工するのが適当なのかどうか。それならQ値1・3~1・6レベルの躯体にアイウォールシステムなどの蓄熱技術を加えれば、断熱の納まりで無理しなくても高い省エネ性と快適な室内環境が得られる。経済的にも10年以下で償却できるメドが立ってきた」と話している。
 アイウォールシステムの問い合わせはアイウォール研究会事務局の日和住設(tel011・665・1410)へ。

写真:
「アイウォール」の施工。放熱マットをPCM混入の塗り壁材で塗り込んでいる
グラフ:
「アイウォール」を施工した実験住宅と、施工していない住宅との年間暖房熱量比較。実験住宅では最大7割程度の削減となっている


2011年07月15日号から

短期間で不陸修復

十勝・英秀外田組

 (株)曳家建築物不陸調整英秀外崎(えいしゅうとのさき)の事業・特許を引き継ぎ、新会社の英秀外田組(株)が十勝・足寄町にこのほど設立された。代表取締役社長は、(株)外田組(足寄町)の代表取締役社長を務める菅原智美氏が兼任。外崎英人氏が取締役に就任し、技術指導する。
 地震被害による建物の不同沈下を修正するには、従来は施工期間が約2ヵ月必要だったが、「英秀式アンダーベストパイル耐震沈下調整工法」により約4分の1の2週間に短縮。引越する必要もなく、電気、ガス、水道の使用も含め、入居者がふだん通りの生活をしながら工事を進行できる。2003年の十勝沖地震で地盤が液状化を起こして27cm不同沈下した鉄骨3階建ての修復など、多数の実績があるという。
 このほか、木造住宅の土台揚げや、曳家では特許取得のアイアンスタンドフレーム工法を使用することにより、建物に歪みや損傷を与えずに嵩上げや曳家を短期間で施工できる。
 連絡先は以下の通り。足寄郡足寄町西町6丁目1ノ70、tel0156・25・4210。


2011年07月15日号から

読者のつぶやき

◆着工遅れがどう影響するか
札幌市 建材メーカー 所長
 今年の売上げ予測がなかなか立てられずに困っています。というのも、震災の影響が掴みきれないからです。新築で言えば3月末から4月、5月にかけて着工が延期になった物件があるはずですが、それがどのくらいかまだ統計などを見ても把握しきれません。また、リフォームでは震災の影響でとりやめた人がいるかもしれませんが、もともと指標となる統計がないだけにリフォーム会社さんなどから聞き込むしかありません。聞くところによると、リフォーム中止が2件あった会社もあるそうです。

◆見えない力が働く?
東京 建材メーカー 部長
 仮設住宅では、建築資材が大量に動くので建材メーカーは必死で営業攻勢をかけます。そこで当社も住宅の業界団体に働きかけるなどあらゆる努力をしてきました。しかし、話し合いがある程度進んだと思ったら突然その住宅団体から「実はこの部位は全て○○○になったので」と断られました。調べてみると、採用された建材の業界団体が裏でいろいろ動いていたようです。「その建材は震災の影響で供給が滞っていたのに・・・」と悔しい思いをしました。

◆仕事がないのは景気のせいじゃない
札幌市 工務店 幹部
 5月までは絶好調で、10ヵ月で予算達成の勢いでしたが、あることで社長と大げんかしてからやる気が消えました。それから約2ヵ月。不思議とお客さまからの問い合わせもピタッと消え、いい具合に遊んでいましたが、さすがにマズイと動き出しました。仕事がないのは景気のせいだと言いたくなりますが、自分の場合、やる気の問題だと思っています。1年中やる気をキープできるとすごい営業になれると思うのですが、そこが自分はイマイチです。


2011年07月15日号から

高級薪ストーブ 栄興

高温燃焼でススがつかない

 気密化資材や木材保護着色塗料を扱う(株)栄興はこのほど、フィンランドの天然高級石材を使用した薪ストーブ「ヌナウーニ暖炉」の扱いを開始した。設置費用込みで300万円程度と高額だが、都市部の富裕層やリゾート別荘向けに需要を掘り起こせるとみている。
 ヌナウーニ暖炉は耐熱性・耐久性に優れたフィンランド産の高級ソープストーン※を使用。1200℃の高温燃焼に耐える特性と特許燃焼技術により薪をガス化して完全燃焼させることができ、10年使っても煙突掃除が必要ないほどススや煙をほとんど排出しない。
 また鋳鉄や鋼板に比べて蓄熱容量が大きいため、高断熱住宅なら薪の投入は1日1回でいいという。火室内は高温燃焼するが、石材の特性により室内側表面温度は70℃程度で維持されるため、安心して使える。
 石材独特の素材感と温かみが人気で、北海道を含む全国各地に設置例がある。
20110715_04_01.jpg 商品ラインナップは一般の暖炉から料理用暖炉、オーブン付きなど豊富。このうちAURAは新型で、スリムでコンパクトな形状。高さ1506×幅754×奥行627mm。重量は770kg。価格の目安は150万円(搬入・組立・設置工事など別)。
 EVA1は料理用ストーブで、高さ1015×幅1120×奥行700mm。重量は1880kg。価格の目安は210万円(同)。
 栄興では、特別な暖かさを希望されるお客さまに対して、商品提案の幅を提供できる商品なので、まずは問い合わせてほしいと語っている。
 問い合わせは同社へ(北広島市白樺町1ノ8ノ5、℡011・373・4031)。

※ソープストーン:石けんのような肌触りの天然鉱石。耐熱性、蓄熱性が高いため、ストーブのほか冷やしてオンザロックの氷代わりにも使われる。なかでもヌナウーニ暖炉のソープストーンは特に耐熱性に優れており、高温に強い一方で、遮熱効果も高いという。


写真
スリムな最新型AURA


2011年07月08日

アース21住宅セミナー・相談会

0708tomakomai.jpg

7月16日(土) @苫小牧
北海道を中心とする工務店グループ「アース21」が初の市民セミナーを開催する。
直接市民へ語りかける取り組みをスタートさせており、第1回目は苫小牧。
苫小牧市文化交流センターで、セミナーは14時から16時まで。その後相談会を18時まで開催する。
問い合わせ・申し込みは菅原建設工業へ(tel.0144-82-8611)。


2011年07月06日

東日本大震災の被害に遭われた皆さまへ

3月11日の午後に起きた「東日本大震災」、および原発事故により被害にあわれた皆様に、改めて心よりお見舞い申し上げますとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。

被災地におかれましては、一日もはやく普段の生活に戻れますよう、皆様のご無事を心よりお祈り申し上げます。

なお弊社では、3月15日号から6月25日号まで「北海道住宅新聞」紙面をpdfファイルとして提供してまいりましたが、すでにご案内のように6月をもって終了いたしました。
被災地の購読者様で、pdf配信サービスの継続利用をご希望の方は、たいへん恐れ入りますがこちらまでメールをお送りくださいませ。
iesu@iesu.co.jp (@を小文字に変更してください)

ご面倒をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

2011年7月6日
株式会社北海道住宅新聞社
代表取締役編集長 白井 康永


2011年07月05日号から

読者のつぶやき

◆災害に関心薄い北海道民?
札幌市 設計事務所 所長
20110705_02_01.jpg 東日本大震災を経て、本州では、被災地ではなくても住宅購入希望者がハザードマップを見ながら土地選びをしたり、建物の耐震性などに関心を持つ人が増えたと聞きます。一方で北海道はあまりそういうユーザーをみかけない気がします。次は東海で地震が起きる、といった予測だってあてになりませんし、次は北海道かもしれません。日本は地震や噴火など災害大国だし、外国の地震が日本で津波を起こすこともある。災害経験の少ない地域でも油断できないはずですが。

◆リノベーションブームの陰で
札幌市 設計事務所 所長
 最近は不動産会社がフルリフォームした住宅を販売することが増えているようですが、危なっかしいと思うことがあります。というのも、彼らにとっては住宅も土地と同様に左から右に流れていくものという意識が見え隠れするからです。つまり、売ってしまえば後は...みたいな。増築と断熱材の入れ替えと水まわり一式交換で「リノベーション」と称している例もあります。イメージばかりが先行して工事の内容や質が検証できないと怖い気がします。

◆難しいのはむしろ人間関係
帯広市 工務店 社長
 「結露がひどくサイディングもボロボロなので見てほしい」と声がかかり、行って参りました。そしたら、問題の家は電話をくれた知人の娘さんの家で、しかもその家は施工した工務店と親戚関係。しかしその工務店とは関係が薄くなっているよう。原因は調べる前からかなりハッキリしていて、換気がほとんど止まっていることに加え、排気ダクトがどこかではずれて軒天やサイディングの凍害を引き起こしたようなのですが、人間関係が複雑で、どう説明しようか悩んでいます。


2011年07月05日号から

太陽熱で給気予熱

北総研 福島明さん

 東日本大震災以降、太陽光発電など自然エネルギーの有効利用に関心が高まっている。この中で太陽熱利用は、エネルギー変換効率は太陽光発電よりも上だと言われながら道内ではほとんど普及していない。そこに北方建築総合研究所(北総研)企画調整部長の福島明さんが、新しい提案をしている。20万円のイニシャルコストで年間1000kW以上のエネルギーを取得し、10年程度で投資コストを回収できる提案だ。

ローテク生かす家づくり
20110705_01_01.jpg 福島さんはパッシブ換気システムの研究などで知られるが、その根っこにあるのは「大手住宅会社にはできない地場工務店ならではの家づくり」を考えることだという。
 大手住宅会社は、工場でパネルを生産し、現場であっという間に組み立ててしまう。目指すのは、規格化・商品化された「手離れの良い」家づくりだ。これに工務店が対抗するためには、同じようにハイテク化を目指しても勝てないという。
 「私はあえて『手離れの悪い技術』を考えています。パッシブ換気システムがそうです。手離れが悪いということは、引き渡し後も工務店が顧客と関わり続けるという意味です」と福島さんは言う。たとえば外装材でもあえて木材を使うという選択肢がある。ハイテクではないので壊れにくく、メンテすることで確実かつ長期的な効果を期待できる。
 太陽熱の利用も同様。屋根等に載せて使う給湯器タイプと壁付けして集熱した空気を使う補助暖房タイプがあるが、福島さんが注目しているのは補助暖房タイプだ。

利用法と取付方法で性能を向上
20110705_01_02.jpg もっとも、高断熱・高気密住宅と太陽熱補助暖房の相性はあまり良くないとされてきた。熱が欲しい朝夕は日射が期待できず、日射がある昼などは場合によってはオーバーヒートする可能性があるからだ。
 もう1点の課題は暖房として使うには取得熱の温度が最低でも30℃程度必要になるという点だ。30℃までの温度がとれないと冷風になって使えないので、せっかく取得した太陽熱もムダになってしまう。
 そこで福島さんは別の手を考えた。「基礎断熱した床下空間に太陽熱で作った温風を取り入れれば給気予熱用熱源として使うことができる」というのだ。晴天の日は床下空間が緩衝帯となってオーバーヒートを緩和できる。曇りの日は少しの温度上昇も予熱用のエネルギーとして活用できる。パネル1台なら全体の換気量にはほとんど影響を及ぼさない。
 検証はこれからだが、取付方法の工夫と給気予熱に転用すれば高さ2m×幅70cmの集熱パネルで年間1000kW以上の熱を取得できる可能性があるという。取付費込みで20万円ほどかかるが、10年程度で元が取れる計算だ。
 検証に使う製品は、(株)マツナガ(本社東京都)の「ソーラーウォーマー」。デンマークで開発された太陽熱利用の補助暖房だ。同様の原理を持つ製品は他にもあるが、最大の特徴は温風を室内に導入するファンの動力がパネルに内蔵された太陽電池でまかなわれること。したがって電源を確保する必要がない。

CO2削減量は熱交換並み
 「パッシブ換気と併用すれば、商用電源を全く使わずに高性能な熱交換換気システムと同等のCO2削減効果が得られる」と期待している。熱交換換気システムが札幌で熱回収できる量は年間2000kW程度。これに運転にかかる電気代が1時間あたり平均60Wとして年間500kW程度かかるので、その分を差し引けば年間1500kWとなる。さらにCO2削減効果をトップランナー基準のように一次エネルギー評価で見ると、熱交換換気システムと太陽熱集熱は同等レベルだ。
 ソーラーウォーマーは、さらに給湯に利用できる機種もあり、年間給湯負荷の15%をまかなえる可能性がある。
 この後、今年度中に設置方法や使い方などを検証する予定だ。

ソーラーウォーマーの取付例(マツナガ)


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