新聞記事

2011年10月05日号から

変わるハウスメーカー地図

タマ・一条進出の影響を探る
 札幌に本州大手のタマホームと一条工務店が進出してきたのが平成20年。潜在需要の活性化を期待する声がある一方で、受注競争の激化を不安視する声も多く、その動向に多くの住宅会社が関心を寄せた。それから3年。両社の進出で札幌の業界勢力図にはどのような変化があったのか。タマホームの全道展開が加速したのを機に検証した。

8社がランク外に
 タマホームは平成20年に札幌に進出してから、苫小牧にロードサイド店の営業所を開設、一条工務店は北海道マイホームセンター札幌会場に続き南会場にも出店。その後は両社とも主立った動きは見られなかったが、9月下旬にタマホームが札幌北、旭川、帯広、函館のマイホームセンターに相次いでモデルハウス兼営業拠点をオープン。道北・道東も営業エリアとなり、道南は苫小牧から函館までカバーする体制が整った。
 それでは札幌の住宅市場は両社の進出でどうなったのか。
 平成22年の札幌市内戸建専用住宅確認済棟数上位30社のデータを、両社が札幌に進出する前の平成19年と比べてみると、残っているのは24社。8社がランク外となっており、新たにタマホームと一条工務店を含む7社がランクインしている。ランク外となった住宅会社は平成20年に経営破たんした松本建工と旧木の城たいせつを除くと、年間30~40棟クラスの住宅会社で21~30位に位置していた。逆に新しくランクインした7社はタマホームと一条工務店を除き、いずれも年間30~40棟クラスの地場住宅会社。このうち2社は創業10年未満の若い会社だ。
 このように年間30~40棟クラスの住宅会社で入れ替わりはあるものの、比較的新しい住宅会社も出てきていることを考えると、それ自体はタマホーム・一条工務店進出の影響と言い切れない。

中堅クラスが混戦模様
 一方で、年間50棟以上の上位20社の順位変動が激しい。
 特に目に付くのは、トップがかわったこと。しかもそのトップはタマホームが進出した当時、最も影響を受けるのではないかと言われていた住宅会社だ。
 また、上位20社の中でも11~20位、棟数で見れば年間50~100棟クラスの住宅会社のアップダウンが激しく、平成19年に11~20位に入っていた住宅会社10社のうち、22年には8社が入れ替わっている。同じランク内に入っていたのは僅か2社のみで、3社はトップ10内に入り、4社は21位以下にダウン、残る1社は経営破たんした。
 タマホームでは札幌市内を含め全道展開をさらに加速させる構えを見せており、このほど進出した地方都市でもどのような市場の変化が起こるか注目されるところだ。

平成19年と22年の札幌市内戸建専用住宅確認申請済棟数ランキングは、試読をご請求ください。
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https://www.iesu.co.jp/publication/newspaper/


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