建材価格が今年に入って一部で上昇している。円安の進行で原材料に値上がり傾向が見られること、アベノミクスの浸透で人件費を上げようとする施工業者が出てきていることなどが原因と思われる。
たとえば、室内クロスの材工価格は長年価格が安定していたが、帯広では「今年に入って値上げ要請があり500番台では30円値上がりして630円に」、札幌では「1000番台が100円上がって930円に」など値上がり始めた。生コンの圧送料金も札幌で「今年に入って2000円上がり2万8000円に」という声や、帯広では「10年以上同価格だったのが今年5000円上がって3万円に」など上昇している。
板金は今年に入って価格は落ち着きを見せていたが、夏頃から値上げ要請があり、札幌の一部工務店では100円アップ、道東でも3%アップなど小幅な値上げとなった。
生コンはこれまで相対的に割安だった帯広で値上げ要請があり、「3000円値上がり予定」「値上がり幅は未定だが確実に上がる」という声が出ている。さらに、帯広では黒庭土なども値上がりし、1m3あたり5000円台になっている。
合板は、札幌では値上がりが続いている。特に24mm厚シナ合板の4×8サイズは、「5月に350円上がって6240円に」、「530円上がって6690円に」など値上げ幅が大きい。構造用合板は各地域で値上がりが見られ、札幌では「春先に200円上がって12mmの3×6が1400円になった」、帯広でも「200円近く上がって9.5mmの4×8が1700円に」など、値上がりが続く。JAS品のコンパネも1200円前後と数年前の1000円以下から大きく上昇している。
一方で根太レス合板については価格の上昇は止まり、落ち着きを見せている。
軸組の構造材は、今年に入って落ち着いていたが札幌で「夏に2000円値上げ」など、一部値上がりしている。2×4材は各地とも値段は高止まりしているが、帯広では「秋から値上げの通知が来た」とさらなる値上げが予想される。防腐土台も値上がり傾向で、軸組用は札幌でも一部で3000円を突破。他地域でも同様の動きを見せている。
石こうボードは、昨年から今年にかけて全地域とも概ね20円程度の値上がりとなったが、札幌では夏から秋にかけて10~20円程度値下がりしたところがあり、値上げが完全に浸透していないようだ。
断熱材では、グラスウールは春先に各地とも200~400円程度値上がりした。押出発泡板は当社の調査結果からは値上がりしていないが、メーカーでは値上げを発表しており、今後値上がりが予想される。
このほか、金物、接着剤関連は各地とも値動きはほとんどなく、落ち着いている。
新聞記事
2014年09月25日号から
建材価格ジワリ上昇 クロスや圧送料金も一部値上がり 道内建材価格動向
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