ここを工夫!わが社のスタイル1
主婦目線の催し好評 |
札幌市・(株)三五工務店 |
田中寿広社長 |
「住宅の現場見学会を折り込みチラシで案内しているが来場者は年々減っている」とはある工務店社長の声。ではどのような受注のきっかけ、エンドユーザーとの接点づくりが効果的なのか。毎月25日号で新企画「ここを工夫! 我が社のスタイル」と題し、各地の工務店の取り組みやアイデアを紹介する。
第1回は札幌市北区の(株)三五工務店(田中寿広社長)。
ラジエントヒーターの実演セミナー
コチョウラン栽培セミナー |
専門家招きセミナー開催
札幌市内で好調な受注を得ている三五工務店の田中社長は、これまでの経験から「自社の住宅性能や得意分野をお客様に一生懸命PRするだけでは喜ばれる提案にはならない」と指摘する。
そこで多様なユーザーニーズに対応する複数の事業部の住宅企画の提案を行ったり、一方では社員の接客応対マナー研修を専門家を招いて実施するなどユーザーを意識した取り組みをしている。
さらに新たな取り組みとして、主婦の関心が高い暮らしに関する幅広いテーマで、同社1階に昨年オープンしたウェルカムサロンでセミナーを不定期で開催。ユーザーから好評を博している。
多彩なテーマを選ぶ
これまで開催したセミナーは、「いごこちのいい家 ものしりセミナー」と題し北方型住宅について道立北方建築総合研究所、暖房計画について(株)畑商会、融資情報を住宅金融支援機構から専門家を招いて実施。「リフォーム・建替えセミナー」では、住みやすく、長持ちする住まいの維持について、住宅診断エスパス・一級建築士事務所の宮下悟代表など。
既に4回実施し好評を博したのはエムエフジー(株)による「遠赤外線によるクッキングヒーター実演セミナー」で、スーパーラジエントヒーターの安全性や料理法の提案を行った。
また当社雑誌「Iesu」平成19年春-夏号に掲載された「冬こそコチョウラン」の原稿執筆者、荻原和夫氏を招いたセミナーでは、栽培が難しいといわれるコチョウランを高断熱・高気密の住宅で簡単に栽培できるノウハウを紹介した。
テーマ選びのポイントについて田中社長は「ラジエントヒーターは実際に我が家で使ってみて良い点が分かったことと、キッチンがあるウェルカムサロンを利用できる点。コチョウランは、主婦の関心が集まると思ったこと、そして荻原先生の人柄と知名度。主婦目線で健康や楽しさ、安心などに結びつくテーマは他にもたくさんあると思います」という。
住宅販売に直接的には結びつかないテーマが目立つが、これはエンドユーザーと共感しあえるテーマ、暮らしに関する情報を常に提案していることが企業イメージアップなどに効果があるため。また自社スペース内の開催なので、自社のPRを行っては営業色が強まりすぎてユーザーが参加しにくいことにも配慮した。
社外から講師を招くため負担はそれほど多くなく、しかも企業としてのカラーなどは自然に伝わるのだという。 |