平成17年10月5日号から
北総研50周年特集
北総研50年の軌跡とこれから

平成14年に旭川リサーチパーク内に完成した北総研庁舎
 寒冷地住宅の技術開発に大きな役割を果たしてきた道立北方建築総合研究所(北総研)が、今年で設立50周年を迎えた。昭和30年の設立からこれまでの間、時代のニーズに応えた様々な研究を行い、その成果を道内はもちろん、全国に向けて発信してきたが、今後も道内の住環境向上にかかる道民の期待は大きく、よりいっそうの活躍が期待される。ここではこれまでの研究成果やトピックス、成田所長へのインタビューなどを交えながら改めて北総研の歩みを振り返るとともに、現在の研究・調査活動や今後の展望などについても紹介する。

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築40年で気密0.5cm2
釧路ホームサービス 次世代基準目指し断熱改修

改修工事に入ったところ。2階増築工事は、既存建築部分を完全に解体してから新しい柱で建てる


改修工事が完成。2階部分が大幅に増築され、屋根や外装材の変更で印象も一新した
 (有)釧路ホームサービス(釧路市、葛西勝紀社長)は、築40年の住宅改修で次世代省エネ基準レベルの断熱・気密工事を行った結果、完成後の気密測定で0.53cm2/m2を達成。これに自信を深めた同社では、今後次世代省エネ相当の改修工事を積極的に推進する考えだ。

外張断熱+ゼオン
 同社は、釧路管内で営繕中心のリフォームを数多く手がけてきた。リフォームに参入する会社が増えたこともあり、付加価値の高いリフォーム工事を検討した結果、築20~40年程度の住宅の断熱改修を手がけることにした。
 今回改修した住宅は、切妻屋根で断熱材なし、モルタル仕上げの約40年前の建物によく見られる仕様。施主は中古住宅として購入したが、冬の寒さがひどく何とか暖かくしたいと要望したほか、これまでの切妻屋根は道路側に雪が落ちることから、通行人に支障が起きない屋根に改修したいと希望した。建て替えという選択肢もあったが、解体費などを考慮すると金額負担が大きくなりそうなこともあり、大規模改修することにした。躯体の乾燥状態は良好で腐れなどはなく、基礎の状態も良好だったという。
 施工内容は、基礎・躯体とも外張り断熱による断熱改修、PVCサッシへの交換と外装材交換、屋根工事、耐震補強、キッチンの交換、2階の増築など。総額で900万円近い額になった。断熱スペックは、外壁部分がネオマフォーム50ミリ、屋根が同66ミリ。


基礎断熱を先行して工事するため、先張り防湿・気密シートを施工


ネオマフォームを張っているところ。この後、透湿・防水シートを張ってゼオンサイディングを直張りする

 断熱改修と外装材交換は、モルタル外壁を剥がして躯体外側に防湿・気密シートを施工、構造用合板を張り、ネオマフォーム50ミリを外張り、さらに透湿・防水シートを張って軽量で躯体への負担の少ないゼオンサイディングを胴縁なしで直張りしている。
 換気については、今回は個別換気とし、各部屋に熱交換換気扇をつけ、暖房も灯油ストーブのままとした。ホールダウン金物の代わりにオリジナル金物で土台と基礎を緊結して耐引抜強度アップを図った。2階の個室を増築して広げた結果、延床面積は約44坪に広くなった。

全棟気密測定実施へ
 施工後、気密測定したところ、2回測定の平均値が0.53cm2/m2と新築並みの高い数値が出た。釧路ホームサービスの工藤専務は、「次世代省エネ基準の2cm2/m2は切るだろうと思っていたが、予想以上にいい値が出た。外張り断熱による改修は、入居者が住んだまま行うことができ、性能も出しやすいメリットがある。市内には築20年以上の住宅がかなりあり、断熱改修の需要は高まると考えている。他社と差別化するために断熱改修の質を高め、全物件気密測定を行いたい」と話している。



初のお客様感謝祭
旭川・吉田建設社 一緒に秋の味覚を満喫

ステージの上で吉田社長が司会しながら社員を紹介
 (株)吉田建設社(旭川市、吉田寛社長)では先月18日、同社としては初めてのお客様謝恩・親睦パーティーを開催。朝からの雨も開始時刻までにはほぼやみ、200名近くの来場者でにぎわった。
 焼き肉やビールなどで過ごしやすくなった初秋を満喫しようと、同社社員をはじめ取引先企業が総出で企画から会場設営、当日の運営も実施。
 昼食時間を過ぎたころから社員紹介をかねて吉田社長が挨拶。「お客様のお手伝いも大歓迎。みんなで楽しくやれれば」と語ったほか、初めての開催ということもあり、気づいた点があればどんどん指摘していただき、来年はより楽しいイベントにしたいと締めくくった。
 また抽選会ではビールや大工さん手作りの家具などが出品され、当選者からは大きな歓声が上がっていた。


社屋に実験棟設置
ジェイベック 棟換気部材の性能を検証

社屋屋上に風洞実験装置を設置、暴風雨を再現する
 ジェイベック(株)は昨年から「平板・S瓦用棟換気テッペン」を発売し、同社の新潟社屋屋上で同製品の実験棟を公開してきたが、このほど北見工業大学の坂本弘志教授の監修により、風洞実験装置を設置した。
 実験装置は送風機によって風を送り、水を流して強制的に暴風雨状態を作り出す仕組み。これにより棟換気部材の雨水浸入の有無や、限界風速を見極めることができる。
 設置後に行った実験では、大型台風並みの風速50メートル/Sの暴風雨を作り出したが、実験棟に雨水の浸入は見られなかった。平板・S瓦用棟換気テッペンの雨水浸入限界風速は55メートル/Sとなっている。
 同社吉岡茂樹社長は「風速50mを超える暴風雨の状態や雨の浸入限界を実際に目で見て体験できる設備となった。ぜひ見学にお越しいただきたい」と語っている。なお、当日は新潟県妙高市の長谷川興業(株)長谷川正道専務、馬場課長も見学に訪れ、実験装置に驚いていた。
 製品は長さが1820ミリ、厚さ20ミリ。設計価格は1ケース3本入りで4万8000円/ケース(税別)。
 今後は平板・S瓦用棟換気テッペン以外の棟換気部材も試験予定。
 展示実験棟の見学希望、商品についての問い合わせは同社まで(新潟市卸新町1-2059-5、Tel.025・250・8900、村井・中山)。

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