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外張断熱+ゼオン 同社は、釧路管内で営繕中心のリフォームを数多く手がけてきた。リフォームに参入する会社が増えたこともあり、付加価値の高いリフォーム工事を検討した結果、築20~40年程度の住宅の断熱改修を手がけることにした。 今回改修した住宅は、切妻屋根で断熱材なし、モルタル仕上げの約40年前の建物によく見られる仕様。施主は中古住宅として購入したが、冬の寒さがひどく何とか暖かくしたいと要望したほか、これまでの切妻屋根は道路側に雪が落ちることから、通行人に支障が起きない屋根に改修したいと希望した。建て替えという選択肢もあったが、解体費などを考慮すると金額負担が大きくなりそうなこともあり、大規模改修することにした。躯体の乾燥状態は良好で腐れなどはなく、基礎の状態も良好だったという。 施工内容は、基礎・躯体とも外張り断熱による断熱改修、PVCサッシへの交換と外装材交換、屋根工事、耐震補強、キッチンの交換、2階の増築など。総額で900万円近い額になった。断熱スペックは、外壁部分がネオマフォーム50ミリ、屋根が同66ミリ。
断熱改修と外装材交換は、モルタル外壁を剥がして躯体外側に防湿・気密シートを施工、構造用合板を張り、ネオマフォーム50ミリを外張り、さらに透湿・防水シートを張って軽量で躯体への負担の少ないゼオンサイディングを胴縁なしで直張りしている。 換気については、今回は個別換気とし、各部屋に熱交換換気扇をつけ、暖房も灯油ストーブのままとした。ホールダウン金物の代わりにオリジナル金物で土台と基礎を緊結して耐引抜強度アップを図った。2階の個室を増築して広げた結果、延床面積は約44坪に広くなった。 全棟気密測定実施へ 施工後、気密測定したところ、2回測定の平均値が0.53cm2/m2と新築並みの高い数値が出た。釧路ホームサービスの工藤専務は、「次世代省エネ基準の2cm2/m2は切るだろうと思っていたが、予想以上にいい値が出た。外張り断熱による改修は、入居者が住んだまま行うことができ、性能も出しやすいメリットがある。市内には築20年以上の住宅がかなりあり、断熱改修の需要は高まると考えている。他社と差別化するために断熱改修の質を高め、全物件気密測定を行いたい」と話している。