平成19年5月15日号から
道産木材高騰の明暗 その1
森でいま何が起きているか
丸太の奪い合い 製材所休業も
 ラワン材の高騰に続いて昨年秋から輸入針葉樹丸太・木材が高騰している。「原料確保に苦労している本州大手合板メーカーが、代替原料として道産丸太を買い占めている」一方、「道内製材工場では、高騰した道産丸太を仕入れられず、休業の危機に陥っているところもある。道内の民有林で乱伐が起こり、資源が枯渇することもありうるのではないか」。
 道内の木材業界関係者の発言だが、こうした急激な変化は、北海道の林業育成や緑の環境保護、地元製材業や住宅産業にとって製品価格の値上げだけにとどまらない様々な問題を引き起こしつつある。本紙ではそれぞれの立場の関係者に取材、シリーズで森林王国北海道の展望と課題を探った。第1回は「変化に揺れる道内林業・林産業の現状」について。

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高性能住宅Q&A 冬季竣工でVOC濃度が高い2
反応生成型もある
接着剤の減量を現場で徹底
 前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。原因は推測でしかないのですが、まずアセトアルデヒドについては、接着剤類ではないかと考えられます。問題はなぜ冬場だけ高濃度になるのか、という点です。
 これは冬場の低温のためにVOC類の蒸発する速度が遅く、特に床下地合板と床材の間に使われる接着剤は、これらの面材に封じ込められることで蒸発速度が遅いことに加えて、竣工間際に暖房によって室内温度が上がり、蒸発が促進される面があるようです。
 蒸発速度の違いというあたりは、かなり検証が難しいようですが、それが冬場の高濃度の原因であることはほぼ間違いないというのが専門家の見方です。
 接着剤類は、現在、ウレタン樹脂系などと酢酸ビニル系といわれる製品になっています。酢酸ビニル系はなかなかのくせ者で、原料にはほとんどアセトアルデヒドを含みませんが、反応によって生成するらしいのです。また接着剤のメーカーによってもアセトアルデヒドの濃度が違ってくるといわれており、もちろん使用量が多ければどんな場合でもアセトアルデヒドは高くなります。
 対策としては、言うまでもありませんが接着剤の使用量を抑えるように現場を指導することです。ただ、床鳴りを抑えながらどこまで接着剤を減らせるかが問題です。在来工法では最近、根太レスで厚物の床下地合板を使うケースが増えていますが、床鳴りの原因である床のたわみを床剛性を上げることで抑え、接着剤を減らすのがいいでしょう(関連記事3月15日号Q&Aに)。
 問題は測定してみたらアセトアルデヒド濃度が高かったときの対策です。これについては4月25日号の3面に紹介しましたが、換気回数を1.5回/hにして1週間運転すると、濃度が低下するそうです。
 この方法でアセトアルデヒド濃度が指針値をオーバーした住宅を改善した(有)北欧住宅研究所・川本清司所長によると、当初は半信半疑だったが、結果は指針値以下に抑えることができ、その後換気量を0.5回に戻しても濃度が指針値を上回ることはなかったと言います。換気手法としてはレンジフードを回すのがよいでしょう。
 なお、化学物質の吸着剤が市販されていますが、ホルムアルデヒドには効果があってもアセトアルデヒドにはきかないケースがあるというので注意してください。(次号に続く)

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