高性能・低価格に挑戦 |
秋田・知的オオタホーム こだわる、性能と施工品質 |
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Q1.0住宅の外観
室内には地元でなければ手に入りにくい秋田杉の白太の羽目板。年月を経過するといい色に焼けてくるという
基礎天端から50ミリほど立ち上げた基礎断熱材。土台の木部熱橋を抑える
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秋田県大館市の?知的オオタホーム(太田国雄社長)は一定期間モデルハウスとして展示しその後売却する建売住宅でQ1.0住宅に挑戦。土地・建物で約2000万円という販売価格を念頭に、コストを抑えながら光熱費を大幅に削減できる住宅として差別化戦略を展開する。
同社はこれまでも高断熱・高気密住宅で他社とは一線を画す性能にこだわった住宅を販売してきたが、徐々に全体の性能レベルも上がることで相対的な差が縮まったことに加え、ローコストの流れもあり、明確に差別化が図れる上に省燃費化によって住まい手の経済的負担と地球環境への貢献を明確にできるQ1.0住宅に挑戦することを決めた。
大館市は地域区分がⅡ地域、凍結震度が45センチある北海道・函館並みの寒冷地。次世代省エネ基準はQ値で1.9Wだが、今回の物件は1.08W。断熱スペックは北海道のQ1.0住宅とほぼ同じで壁が高性能グラスウール16K100ミリ充てん、外側にフェノールフォーム35ミリ付加など。
断熱の納まりを徹底
同社の物件の大きな特徴は、断熱スペックという仕様部分だけでなく、建て終われば見えなくなる各部位の納まりなどを徹底して丁寧に施工している点だ。
まず、基礎工事ではどんな地盤でも表土をはいで地盤改良する。コンクリートは浮き型枠を使って布基礎とベタ基礎を一体で打ち込み。基礎断熱は土台の木部熱橋をできるだけ少なくするため、断熱材を土台が半分隠れるまで立ち上げておく。半分残すのは、外壁下地のOSBを土台まで釘打ちするため。
内壁下地は防湿・気密シートを貼った上に胴縁を組み、このスペースに配線を回す。こうすることで断熱層内の配線と気密層の穴あけがほとんどなくなる。
(写真上・下)ホールダウン金物など熱橋部分はすべてウレタンで熱橋を防止する |
また窓は、夏を涼しく過ごす工夫としてドレーキップと引き違いを多く使う。引き違いは気密性能が低下するから使わないというビルダーもいるが、召しあわせのような明確な隙間は木材の腐れなどとは関係ないので、通風のために採用しているという。
標準仕様は第3種換気だが、今回はフロア設置タイプの熱交換換気を1、2階に1台ずつ設置。暖房は電気蓄熱暖房器によるオール電化。年間の光熱費は17万9000円程度と試算されている。
敷地面積は70坪、延床面積は36.6坪で、販売価格は2006万円。このうち土地費は400万円。建物の坪単価は税抜きでおよそ41万8000円になる。
同社太田社長は「3年前に地場企業5社でオール電化住宅の展示を行ったところ反響もあり、ちょうどモデルハウスを建てようと計画しているところだった。室蘭工業大学鎌田紀彦先生の講演を聴き、まずはやってみようと挑戦した。いかにお金をかけないで、高省エネ住宅ができるかを発信することで、灯油がリッター75円の時代にユーザーの関心を高めていくことができると思う」としている。 |
防湿・気密シートの室内側、下地胴縁スペースに設置したコンセントボックス。気密コンセントボックスを使わなくてよくなるほか、配線による気密層の穴あけも少なくなる |
主な断熱仕様とQ値 建設地:秋田県大館市内
基礎 |
押出スチレンフォームB3、75ミリ |
壁 |
高性能グラスウール16K100ミリ+フェノールフォーム35ミリ
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屋根 |
高性能グラスウール16K200ミリ |
窓 |
樹脂サッシ・Low-Eアルゴンペア |
換気 |
熱交換型セントラル換気 |
暖房 |
電気蓄熱暖房器(オール電化) |
Q値 |
1.08W/m2・K |
暖房エネルギー試算 |
788リットル(灯油換算) |
C値 |
0.16 /? |
※Q値は換気回数を0.2回/hで計算している |