平成16年7月25日号から
“木”にこだわる
タカハシ建設 宮大工の意気を住宅にも

構造材に道産材を使った住宅。野地板は合板を使わず青木を使うのもこだわり

玄関収納はアガチス材、天井はかまの化粧合板
 寺社建築中心で、宮大工を多く抱える(有)北一タカハシ建設(札幌市、?橋一彦社長)は、一般住宅の新築やリフォームでも木と造りにこだわり、樹種や使い方に宮大工としてのノウハウをつぎ込んでいる。
 「できれば構造材はすべて道産のムク材にこだわりたい」という高橋社長だが、ここ2年ほどは極端に入手が難しくなっているという。写真の住宅は岩見沢市内に建てた道産エゾ・トドの在来木造工法住宅だが、最近は北洋材も多い。北洋材は比重が軽く粘りがない材もあるため、梁サイズは1ランク上げている。
 構造的には在来にせよツーバイフォーにせよ、強度は釘で決まるのが現代の工法。同社には日本最後の宮大工棟梁といわれた故・西岡常一氏に師事した棟梁がいるが、住宅では釘の胴径と打ち方、本数を厳しく指導し、木材を腐らせない工法と断熱性能によって、耐久性を高めている。
 断熱は室内側から外装下地のOSBに向けてウレタン70ミリを吹き付け。外部の通気層のほかに柱とのチリ30ミリを室内の通気スペースとし、木材の腐れを防ぐ考え。床も同様の構成。床下は外部扱いで床下換気を行い、根太とフロアの間に通気スペースをとっている。年間の暖房費は、深深夜の電力を利用した電気蓄熱暖房(オール電化)で、3万円程度で収まるという。

建具はレトロモダンなデザイン。トイレとユーティリティーのドア
 「和風以外はできない」と社長が宣言しており、建具などにもこだわりを持っている。写真の玄関収納はアガチス材。室内ドアは框がアガチス、腰が秋田杉のうずくり。和風のなかに洋風のレバーハンドルがレトロモダンなデザインをつくっている。
 ?橋社長は「宮大工としての心意気を何よりも大切にしたい。ヒノキや青森ヒバ、秋田杉なども造作用に使うが、ただ使うのではなく、木を見て使うという宮大工のこだわりは住宅でも同じ。ものづくりにこだわり、お客様から信
頼されて仕事をいただくというスタンスを、これからも変えない」と語っている。

より便利で快適に
スティーベル 蓄暖の主力モデルを一新
ETS-TEJタイプの操作パネル。室温、外気温、蓄熱量、時刻の確認ができる。安全対策としてチャイルドロック機能も装備
 日本スティーベル(株)は、電気蓄熱暖房器の主力モデル「ETS-S」シリーズを9年ぶりにフルモデルチェンジし、「ETS-T」シリーズとして9月1日から発売する。次世代の暖房機器を目指して様々な機能を新搭載しながら、価格は旧ETS-Sシリーズと変わらない。
 ETS-TEJタイプはドリーム8、深夜電力両用、ETS-TJタイプは、深夜電力専用タイプでどちらもマイコン割引に対応している。
 両タイプ共通の特長として、これまで電気蓄熱暖房器の弱点とされてきた春や秋など外気温の変動が激しい時期でも安定した温度制御ができるよう、外気温度にあわせて蓄熱量を自動コントロールする「シーズンセンサー」を標準装備(特許取得済)。住宅の性能や地域によってこのプログラム内容をカスタマイズすることもできるので、より高精度な制御が可能になる。
 室温の安定制御のためにソフトファン制御とダブルエアダンパーを新採用した。ソフトファン制御は室温が上昇して設定温度に近づいたときにファンの回転数を蓄熱残量に応じて落とし、室温の急激な変動を抑える。ダブルエアダンパーは、ソフトファン制御と組み合わせることで、ファン使用時の輻射熱量を調整し、蓄えた熱を効果的に使用可能にする。このほか、全面のパネルに空気層を装備し、自然放熱時に低温輻射する。

ETS-TEJタイプの外観
 また、ETS-Tシリーズ本体と専用ソフト「WSP for Windows」をインストールしたパソコンと接続することで、機器内部の運転状態や保守情報をパソコンに表示したり、シーズンセンサーのプログラムを変更することが可能になるため、アフター時の対応処理を迅速に正確に行える。
 このほか、ETS-TEJタイプ独自の特長として、業界初のワイヤレスリモコンを採用、室温調整、追い炊きやファンのON/OFF、スリープタイマーなどのコントロールが可能。また、同タイプは制御回路を200V化したため、電源工事を200V1本だけで済ませられる。
 両タイプともヒーター容量は2キロワット~7キロワットまで6種類あり、5キロワットタイプの場合、外形寸法は幅1,130×高さ650×奥行き245ミリ、総質量は271キログラム。価格は29万8200円(ETS-500TEJ)、27万1950円(ETS-500TJ)。
 問い合わせは、同社北海道営業所(札幌市中央区北4条東7丁目374-4、Tel.011・219・4649)へ。

銅管ヘッダー工法
住友軽金属工業 施工性向上しコスト削減

給水用銅管(ブルー)、給湯用銅管(オレンジ)、ヘッダー、継手などがセットに
 住友軽金属工業(株)は、施工が容易で材工コストの低減が見込めるヘッダー工法による住宅向け銅管給水・給湯配管システム「水・湯・P(スイートピー)」をこのほど発売した。普及が進む樹脂管によるヘッダー工法に対抗する製品だ。
 「水・湯・P(スイートピー)」は、ヘッダー工法と細径銅管(10A)を採用し、手曲げが容易になった。継手は火を使わず銅管を差し込むだけで簡単に施工ができるワンタッチ継手。また、銅イオンが溶け出す青水現象の心配を一掃した内面特殊コーティング付き銅管を採用。給水は青、給湯はオレンジの被覆があるため施工ミスが起きにくく、管材の保護も兼ねている。同社では、施工性の向上と細径銅管の採用で材工コストが他の配管材料、配管方式に比べてもっとも安価になると試算している。
 同社では今後銅管給水・給湯配管システムの販売に集中する考え。
 同システムは、保温材付きヘッダー、内面特殊コーティング付き被覆銅管、床取り出し金具、座付水栓エルボなどを1セットとして販売する。価格は、ヘッダーの系統数や金具の数で変わり、10万1500円/セット~12万3500円/セット(いずれも税別)。
 問い合わせは、同社北海道支店(札幌市中央区北1条西3丁目3-200、Tel.011・241・4651)へ。

ホームページ:
http://www.copper-world.jp/

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