平成15年10月25日号〈特集「最良の換気を選ぶ」〉から
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新法の問題点と今後

全館換気の考え方 カビ・ダニ対策も重要

 ここまで、新法をベースに快適環境のための換気の選び方を見てきたが、最後に新法そのものに関するいくつかの課題などを指摘し今後の改善を期待したい。


家全体の0.5回/h

 換気については家全体で0.5回/h程度の換気量を保証すれば、それ以外はさほど細かい基準など必要がないはずなのに、換気対象を居室に限定したために細かな基準が必要になった。居室以外は換気がいらないというのは、居室以外は暖房もいらないという古い考え方と同じ。ホルムアルデヒド対策としても不十分だ。人がいようといまいと室内空間はすべて暖房し換気もするというのが現在の技術のはずだ。
 一方、居室以外でもトイレやユーティリティなどは臭いや湿気除去のために換気が必要になる。フロも当然必要だ。そうすると、換気がなくてもいい空間とは玄関からホール・廊下・階段などに限られる。家一軒の中で換気が必要ない空間はほとんどないのだ。
 新法は残念ながら遅れている。換気の基準はスッキリと“家全体の0.5回/h、それを引き渡し前に検査すること”に改めるべきだろう。また、法律に関係なく実際の換気設計・施工は、例え個別換気だとしても全館換気を行うべきだ。


配管スペースの確保

 換気については家全体で0.5回/h程度の換気量を保証すれば、それ以外はさほど細かい基準など必要がないはずなのに、換気対象を居室に限定したために細かな基準が必要になった。居室以外は換気がいらないというのは、居室以外は暖房もいらないという古い考え方と同じ。ホルムアルデヒド対策としても不十分だ。人がいようといまいと室内空間はすべて暖房し換気もするというのが現在の技術のはずだ。
 一方、居室以外でもトイレやユーティリティなどは臭いや湿気除去のために換気が必要になる。フロも当然必要だ。そうすると、換気がなくてもいい空間とは玄関からホール・廊下・階段などに限られる。家一軒の中で換気が必要ない空間はほとんどないのだ。
 新法は残念ながら遅れている。換気の基準はスッキリと“家全体の0.5回/h、それを引き渡し前に検査すること”に改めるべきだろう。また、法律に関係なく実際の換気設計・施工は、例え個別換気だとしても全館換気を行うべきだ。


居室だけを換気対象エリアとした場合、そのエリアは淡水色の部分だけとなる。しかしこれでいいのか、というのが今回の新法に対する大きな疑問の一つだ。セントラル換気の場合は換気経路として居室扱いになる空間が肌色の部分なので、換気対象面積は広がるが、それでも家全体で0.5回/hとはならない。ベストはこれまで通り家全体で0.5回の換気を行う方法だ

ぜひ総合的な対策を

 最後に強調しておきたいのは、シックハウスの原因は化学物質だけではないという点だ。カビやダニが繁殖しない環境を作らない限り、本当に安心できる住まいとは言えない。カビ・ダニはアトピーやぜんそくと関連していると言われており、結露のない室内を作ることが何より大切だ。




日本の住宅は天井ふところなどダクト配管のスペースがとりにくく、結果として強引な配管をするために空気抵抗が大きくなりやすい。
多くの問題は建物の設計段階で配慮すれば解消できる。換気配管に限らず、暖房、給水・給湯、電気の維持も考えた建物躯体側の配慮が求められる

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