平成15年4月15日号から
実証住宅で技術PR
ダンネツ パネルによる合理化実現

床パネルの施工の様子


EIFSを採用した跳ね出し部分

実証住宅の外観
 (株)ダンネツ(本社旭川市、太田吉四郎社長)では、断熱パネルを始めとする同社の高性能な断熱・気密製品や合理的な施工技術を提案する場として、同社の設計・監理による実証住宅をこのほど札幌市内に竣工。パネル化による施工性の向上や工期短縮、ブローイングの優れた施工精度などを検証した。
 実証住宅は、一昨年に(財)住宅・木材技術センターから木造住宅合理化システム認定を取得したダンネツパネル構法を応用して施工した1棟6戸の2階建てオール電化長屋式賃貸住宅で、延床面積は150坪。断熱施工は、一階床にはEPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)を24ミリ厚の構造用合板にスポット接着させて、大引がかかる部分の切断・加工や分別解体を容易にした根太レスパネル―EPS、外壁にはサイコロ状のグラスウールを乾式吹き込みするキュービックブローエース100ミリ(旭ファイバーグラス(株)製)、天井にはブローイング300ミリをそれぞれ施工し、気密層は床がパネルの構造用合板、壁・天井はポリフィルム0.2ミリとしている。
 施工を検証してきた中で、特に効果を確認できたのが1階の床組施工。1階床面積73.5坪に根太レスパネル―EPSを129枚施工し、土台敷きから床パネルを貼り終えるまでの工期は大工4人で2日、トータルコストは材工で約180万円だったが、在来工法で大引の上に根太を組み、断熱・気密施工を行う一般的な施工方法をシミュレーションすると、工期は4人で6日程度、材工は約180万円となり、同じ材工価格でも工期は3分の1になることが立証された。
 パネルなどの材料にかかるコストは約160万円で、従来工法より40万円割高だが、大工手間は工期が短縮された分だけ逆に40万円の削減。従来と同じコストで工期が短縮されることによって大工の回転率が上がり、熟練した大工でなくても高い断熱・気密性と施工精度を確保できるほか、床から先にできあがるので2階の床が仕上がるまでクレーンは必要なく、大工も足下を気にせず安心して作業できたという。
 また、外壁の断熱もキュービックブローエースの乾式吹き込みにより、電気蓄熱暖房機用の200ボルトの太い配線が走る部分でも隙間なく断熱できるなど、施工精度の高さを改めて認識したとのこと。

新外装工法も試験 耐久性高く通気層も省略
 外装は窯業系サイディングに加えて、二階の跳ね出しの部分にEPSと弾力性のある樹脂モルタルを組み合わせた「EIFS」(エクステリア・インシュレーション・フィニッシュ・システム)と呼ばれる工法を試験的に実施。これは断熱付加と高耐久な外装仕上げを同時に実現するもので、EPS・樹脂モルタルとも透湿性があるため、今回は透湿・防水シートの上に通気層なしで施工している。同社では壁内の温・湿度データ測定などを行い、通気層なしで問題がないことを確認したうえで、年内には販売したい考えだ。
 断熱性能は地域の次世代省エネ基準と新省エネ基準の中間レベルだが、賃貸住宅としては十分な性能・品質であり、気密測定では相当隙間面積0.7平方センチ/平方メートルと、高い気密性能を記録した。
 同社市場開発推進室では「床組のパネル化は想像以上に良い結果が得られ、キュービックブローエースも施工精度の高さが実感できた。今後は壁内の温・湿度の変化や暖房費などのデータ収集を続け、第二、第三の実証住宅も考えていきたい」と話している。 

高性能住宅Q&A-必見! シックハウス新法7
面積規制は不要に
F☆☆☆☆がこれからの主流
ホルムアルデヒド発散建材の面積規制



居室の種類
換気量
係 数
換気回数
第二種建材
第三種建材
住宅等の居室 0.7回/h以上
1.20
0.20
その他
(0.5回/h以上0.7回/h未満)
2.80
0.50
住宅等の居室以外の居室 0.7回/h以上
0.88
0.15
0.5回/h以上0.7回/h未満
1.40
0.25
その他
(0.3回/h以上0.5回/h未満)
3.00
0.50
 これまで、シックハウス新法の建材対応についてみてきましたが、今回は面積規制について説明した上でここまでの話を整理し、次回は換気について話を進めていきたいと思います。
 面積規制については当初、大きな話題となりましたが、結論から言うと、7月以降、しばらくの間は混乱することもあるでしょうが、その後はまるで意味のない規制となるでしょう。それは面積規制の対象とならないF☆☆☆☆が建材の主流となるはずだからです。
 面積規制は、仕上げに第三種建材(FC0クラス)や第二種建材(FC1クラス)を使う場合は換気量を増やすか、使用面積を制限するというものです。
 詳しくは別表の通りで、第三種建材では換気0.5回の時、住宅内で使える面積は床面積の2倍までです。換気回数を0.7回に増やせば使える面積も増えますが、これは現実的ではありませんし、0.5回以下ではダメだと法律に書かれているので、第三種建材を使う場合は床面積の2倍が上限になります。
 なお、この面積規制は居室を対象としたものなので、廊下や洗面所などは基本的には対象となりません。だからといってわざわざ廊下にホルムアルデヒドを発散する建材を使うこともないでしょうが、計算上ギリギリの場合は逃げとして利用する手もあります。ただし、基本的にと言ったように、換気経路などの関係で廊下や洗面所がアンダーカットなどで居室とつながっている場合は、これらも居室と見なされます。
 建材対応についてまとめると、1.室内に露出する面に関しては(仕上げ規制)、これまでのFC0の上位基準になるF☆☆☆☆の建材を使えば、面積制限なく自由に使えます。2.小屋裏や天井ふところ、キッチンキャビネットの中など室内に露出しない部分は(下地規制)、従来のFC0、新しいランクでいうF☆☆☆を使えばOKです。
 3.建材を選ぶときには、ホルムアルデヒドの発散量に注意します。JIS、JAS製品の場合はF☆☆☆☆かどうか、試験成績書があるかどうかをチェック。4.確認申請時にはこれらを記入することになります。
 以上のように、建材規制については、情報収集して対応建材を使うというのが対策となります。


増改築対応の浴室
江本工業 マイナスイオン発生器搭載
 江本工業(株)ではリフォームニーズにも対応したシステムバス「ソシエグラジア」「ソシエアバンセ」「ソシエリエット」3タイプを発売した。1.5坪もラインナップした高級タイプからコスト重視タイプまで幅広い層に対応する。
 ソシエグラジアはシリーズ最高級のワイドバスを搭載。広い空間で家族との入浴を想定し半身浴スペースを設置。
 ソシエアバンセはベンチ型の半身浴を設けた機能的デザイン。
 ソシエリエットは楕円型のツートンカラーバスとシンプルバスを選べる。
 各タイプとも分割壁や防水パン分割式などを採用し、リフォーム時の施工性を重視。また業界初のマイナスイオン発生器を搭載。マイナスイオンは呼吸から20%、皮膚から80〇%の割合で体内に吸収されるため、浴室は最も効率のよい空間という。
 このほか、こちらも業界初という2枚引き込み戸をラインナップ。有効開口幅1,075ミリを確保し、介護時の利便性を図った。
 設計価格はソシエアバンセ(写真)で北海道地区が105円から163万円。
 問い合わせは同社各支店営業所へ(札幌=札幌市白石区本通14丁目北1-26、Tel.011・863・1451)。



ソシエアバンセ・1620サイズ

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