初のモデルを建設
内池建設苫小牧支店 さらなる低価格化見込む
(株)内池建設苫小牧支店(小幡直樹支店長)では、木造ツーバイフォー工法に用いる枠材の代わりに、1.2ミリ厚の亜鉛メッキ鋼板を取り入れ、外張断熱方式を標準採用したニッテツスーパーフレーム工法(KC型スチールハウス)のモデルハウスを苫小牧市内に建設中で、今後は同社のセールスポイントの一つとして展開していく考えだ。
スチールハウスは、旧建築基準法第38条の規定で大臣認定の対象となっていたが、平成13年11月に公布された国土交通省の告示により、特別な手続きをせずに一般工法として採用できるようになった。
同社で初採用となるニッテツスーパーフレーム工法は、木材と比較して1.8倍以上の強度を持つスチールを使用、大規模な地震や台風などの災害にも安全であることが実験などで確認されている。スチール本体はもちろん接合に使うドリルネジにも亜鉛メッキを施してあるので、ネジ穴からの錆も抑制する。白アリによる食害の心配もない。
住宅の仕様は、外壁の面材に構造用合板9.5ミリ、その上から押出スチレンフォームB3種75ミリを外張り。1階外壁仕上げは重ね塗りなどが可能で独特の意匠を作れるジョリパット、玄関周りの一部にアクセントとしてとど松を使用し、2階外壁にはガルバリウムカラー鋼板を貼った個性的なデザイン。メンテナンスが容易な素材の組み合わせとなっている。今回のモデルハウスには、1台で100坪前後まで暖房可能なカナダ製熱交換換気暖房システム「ライフブレスCAFシリーズ」(総輸入元、パワーズトレーディング(株))を導入したオール電化仕様。オプションで加湿機能と空気清浄機を追加した。
同社の小幡支店長は「木造住宅よりも耐久性などで期待できることや価格が木造ツーバイフォー工法に近づいてきたことから今回の採用に踏み切った。工程管理の見直しなどによって、さらにコストダウンを図る余地があるので、今後はスチールハウスを標準工法として取り入れる方向で検討している」と話している。
関東で全棟標準に
土屋ツーバイ 道内も受注体制を整備
(株)土屋ツーバイホーム(本社札幌市、工藤政利社長)では、道内で培った高断熱・高気密のノウハウを取り入れて、これまで6年ほど本州で取り組んできたスチールハウス「スチールツーバイ」を昨年11月から東京2支店で全棟に標準採用。他社のツーバイ住宅と差別化を図ることで関東圏の売り上げを伸ばし、2年後の第20期には全社年商を現在の60億円から100億円に引き上げる考えだ。
同社では、森林資源の保護に有効で地震・ハリケーンに強く、腐朽もないなどのメリットに着目して1997年からスチールハウスにいち早く取り組み、NKK(日本鋼管(株))と技術提携し開発を進めてきたが、特に関東地方では地震に対する不安が強いため、軽量で地震に強く、シロアリ被害がないなど耐久性があり、経年劣化も少なくリサイクルが可能という点で差別化につながると考え、東京2支店でウッドツーバイからスチールツーバイへ全面的に切り替えたという。
構造は、錆に強い亜鉛メッキ処理を施した0.8ミリ厚以上のライトゲージ鋼板を成形したリップ型(Cの字型)とコの字型の形鋼をスタッドとして使用。床・壁・屋根トラスのフレームは工場でパネル化され、壁パネルは構造用合板9.5ミリも一体化。現場では基礎工事後、404の土台を敷き、1階側根太を施工してからビス・金具等で建て込んでいく。断熱は外断熱とし、地域の次世代省エネ基準をクリアする。
工期はウッドツーバイより多少長くなっているが、将来的には同じ程度になる見込み。価格も坪当たり55万円位で、これまでのウッドツーバイと同等。
同社では、今期(18期)からスチールツーバイで関東圏の売り上げを伸ばすことで、道内と東京2支店の売り上げ比率を現在の8対2から6対4にし、全社年商でも100億円を達成する意向。また、道内でも今後、ユーザーの要望に応じて受注する体制を整える。
同社の木口人志取締役技術部長は「時代が地震に対する強さや経年劣化の少なさなどを住まいに求めていることが、スチールハウスには追い風となっている。道内で培った高断熱・高気密・計画換気・健康仕様のノウハウをスチールツーバイに取り入れることで、他社との差別化を図りたい」と話している。 |
内池建設が施工中のスチールハウス内部
スチールスタッドによる土屋ツーバイホームのフレーム構造
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