形鋼部材の生産を始めた杉田公義北海鋼機社長 |
江別市に本社を構える関東以北唯一の鉄鋼二次製品総合メーカーの北海鋼機(株)では、先月28日から新日本製鐵(株)が展開するスチールハウス「ニッテツスーパーフレーム」用形鋼および薄板軽量形鋼部材の委託生産を開始した。納期短縮と輸送コストの圧縮などにより、道内でのスチールハウス着工戸数を早い時期に600戸に持っていきたいとしている。
スチールハウスの構造部材となる形鋼の生産は道内では初めて。また、新日鐵は年内立ち上げ予定の他地域の拠点も加え、これでほぼ全国7拠点体制が整う。
北海鋼機内に新たに設置したラインは、板厚が1.0、1.2、1.6ミリ、長さは最大10メートルの長尺ものまで生産可能。生産能力は月産250トンで、これは一直体制のフル生産で年間およそ600戸分の供給能力に相当するという。
スチールハウスによる住宅着工は昨年度が道内で15棟・66戸、全国で2035戸・19000戸。全住宅着工に占めるシェアは全国で1.6%あまり。道内ではさらに低くなっているが、新日鐵ではライン新設を機に本格的にシェア拡大に乗り出したい考え。
コスト面では躯体部分で木造ツーバイフォーと同じ、完成コストで断熱工法が外張りとなる分、コストアップになると見ているが、性能測定などのデータを踏まえ断熱性能には自信を深めている。
スチールハウス用の部材は、基本的には床・壁をパネル化、屋根をトラス化したうえで現場納入となり、形鋼だけの販売は行わない。納期は三週間程度。
道内では現在、一般住宅のほか、寮やグループホームなど共同住宅の実績も多く、今後も低層の住宅・非住宅を含め、幅広く展開したい考えだ。
今日のキーワード
スチールハウス…ツーバイフォー工法と同じく、枠組材と面材で構成する工法。枠組材にはディメンションランバーに替わり形鋼、面材には合板類を使う。耐震性など強度面、腐れ、特にシロアリに対する強さ、軽く寸法安定性が高いなどの特徴を持っている。鋼材はレベラーなどを通り左奥の成形機へ流れる
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鋼材はレベラーなどを通り左奥の成形機へ流れる
成形された形鋼はここでまとめられ、出荷に回る
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