平成13年6月5日号から
特 集
「合理化のためのCADと社内Lan」-B4判2ページ
平成13年6月5日号 PDFファイル(1,004k)

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微風用の小型発電機
三  素
 エコ設備機器の販売を行っている?三素(富良野市、家次敬介社長)ではこのほど、日本の風の特性を考慮して開発された小型風力発電機「ウインドダンサー(MWG―50・?松村機械製作所製)」の販売を開始した。
 アメリカや中国など大陸の風は、一定方向に一定の強さで吹くが、日本のような島国の風は海岸沿いなどを除いて微風程度の地域が多く、風向きもよく変わるという特性がある。そこでウインドダンサーでは、微風状況でも風車が回るようFRP製の5枚羽根を採用、さらに尾翼を可動式の大型形状とすることで、風向きへの追従性を向上させている点が大きな特徴だ。
 風速3.5m/秒から発電を開始し、同8.0m/秒で50Wの定格出力が得られる。最大出力は一三〇W。風車と発電機を直結したダイレクト発電方式により、ギア鳴りなどの騒音がないほか、強風時には本体が自動的に横向きになって風を受け流す安全設計だ。
 販売価格は本体148,000円で、実際の設置にかかる費用は、100A程度のバッテリーやインバータ、ポールなども含め、工事費込みで約50万円になるそうだ。
 問い合わせは同社(tel.0167-22-0383、FAX0167-39-1028)。

天井から輻射暖房
斜里・高橋組 カナダ製「ターマレイ」全棟採用
 ?丸七高橋組(斜里町、高橋太志社長)では、天井からの遠赤外線輻射熱で室内を暖める暖房システム「ターマレイ」を4月竣工のオール電化住宅に初採用、自然な暖かさや室内のスペース効率向上などのメリットが得られることから、今後、全棟に標準採用する方針だ。
 ターマレイは、カナダで開発された暖房システムで、天井に設置した電気加熱線埋設の石膏ボードパネルからの遠赤外線輻射熱で室内全体を暖房、各部屋の温度調節は専用のコントローラーで行う。
 放射される遠赤外線は5.6ミクロン以上と波長が長く、身体の芯から暖まり、新陳代謝の活性化や血液の循環を促進する効果が得られるほか、輻射熱により室内全体を均一に暖めることが可能、暖房機器によるデッドスペースを作らない、可動部分がないのでメンテナンスはほとんど不要といったメリットがある。
 同社初採用となった今回の物件は,次世代省エネ基準をクリアするツーバイフォー住宅で、延床面積は約41坪。使用パネル枚数は八〇枚(出力110W/枚)で、施工は床根太下端にパネルを受ける仮止めテープを取り付け、その上にパネルを乗せていき、結線後、天井下地を張り上げるだけ。1階天井部分はパネルの上にグラスウールを充てんし、パネルの輻射熱が2階床に伝わらないようにしている。
 設置の手間は、パネル据え付けに1人工、配線などに2人工と、1日あれば終了。コストは材工で120~130万円ほどだが、電気蓄熱暖房器や温水セントラルとの差額よりも得られるメリットのほうが大きいと同社では見ている。

ヒートポンプの可能性
魅力は高い熱効率
坂谷氏
 ヒートポンプとは、温度の低い方から高い方へと熱を運び上げる機器の総称で、ヨーロッパでは暖房機器として技術的に確立されており、特にスイスでは年間の新築着工戸数約4万戸のうち、約6千戸で導入されているほど普及している。
 ほくでんでは、技術の進歩に伴い、北海道のような寒冷地でも使用できるヒートポンプ技術が開発されつつあることから、今年度内の実用化を目指し、各メーカーと協力して、このヒートポンプを利用した暖房システムの開発に取り組んでいる。
 ヒートポンプとは、具体的にどのような機器かというと、運転には電気式のモーターを使用し、構成は図一のように、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器とこれらを結ぶ配管から成り立っており、この配管の中を循環している冷媒が、圧力をかけられガス化、液体化を繰り返して熱を作り出す仕組み。
 配管内の冷媒は、圧縮機に吸い込まれ、ここで高温・高圧のガスに圧縮されて凝縮器に送られる。凝縮器では冷やされ熱を放出(熱交換して温水をつくる)して液体になり、さらに膨張弁で減圧されて低温・低圧の液体となり再び蒸発器に戻る。

 図の例でいうと、冷媒を高温・高圧ガスにするための圧縮機を動かすモーターの入力が1kWだが、外気から約2kWの熱が冷媒に取り込まれているので、室内側に1+2=3kWの熱を放出できることになる。つまり1の入力に対し3倍の出力が得られることになり、これが省エネルギーにつながる仕組みとなっている。
 この入力対出力の比を、成績係数(COP)といい、ヒートポンプの効率を表す。一般にヒートポンプのCOPは、外気を熱源とする場合2~3程度、地下水や地中熱の場合3.5~4.5程度になる。
 ヒートポンプの熱源として主に利用されるのは外気だが、そのほかに地下水、地中熱、太陽熱を利用したり、温排水や換気排熱などの排熱を再利用するものもある。

戸建住宅で実証中
 現在、三菱電機?と日本スティーベル?の製品(外気から熱を吸収するタイプ)を次世代省エネ基準相当の熱性能をもつ戸建住宅に設置して実証中だ。ヒートポンプで作られた温水は各居室に設置したパネルヒーターや床暖に循環する。外気温が極端に低下するなど、ヒートポンプだけでは熱量が不足する場合は、自動的に電気ヒーターが作動する仕組み。三菱電機製はエアコンを設置し冷水を循環させることで、冷房も可能。
 これまでの実証で、床暖では送水温度35degで十分暖かいということがわかった。またパネルヒーターでも同40degでも基本的に大丈夫だという結果が出ている。もう1~2年検証する必要があるが、送水温度が低ければ低いほどCOPが上がり、より少ないエネルギーで暖房が可能になる。低温暖房は快適性の面からも優れていることから、住まい手にとってより良い暖房システムになるよう、ヒートポンプを用いた住宅用電化システムの開発を進めていきたいと考えている。
地中熱利用に挑戦
平山氏
 地中熱ヒートポンプ暖房システムは、地中に掘った直径100mm、深さ50~250mの縦穴に不凍液を満たしたパイプ(採熱管)を挿入する方法と、地下1.5~3mにその採熱管を水平に埋設する方法がある。いずれの場合も採熱管内不凍液を循環させることにより地中から熱を吸収する。吸収した熱は地中熱ヒートポンプによって暖房用として30degから65degの温水をつくる。
 地中熱ヒートポンプは一年を通して安定した温度の地中熱(地中温度は約10deg)を熱源とするので、外気温度に影響されるない点が最大の魅力。
 ただし課題もある。地中熱ヒートポンプが普及しているスウェーデンは岩盤のため掘りやすく、ボーリング費用は一?当たり二千円だが、日本は地層が多層なのでそう簡単にはいかない。いかにコストを安く、簡単に穴を空けるかがこれからの課題だ。

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