平成13年5月5日号から
理想は170m2以上
満足度のカギは広さ住宅金融公庫調査報告から
 マイホーム新築の主な理由としては「現在の住まいの老朽化が著しい」「家族構成に見合った広さのある家に住みたい」などが挙げられるが、このほど住宅金融公庫がまとめた「平成12年度住宅・建築主要データ調査報告―居住性調査編―」によると、やはり住宅の新築理由としては「(これまでの)住宅が古い・狭い」が大半を占めており、広さに関しては住宅面積が170m2以上になると過半数のユーザーが高い満足感を示していることが明らかになった。 広さの満足度のデータを詳しく見ていくと、住宅面積80~150m2未満では「大変満足」より「やや満足」とするユーザーのほうが多いが、同150m2以上になると「大変満足」とするユーザーが最も多くなり、同170m2以上で過半数に達する。
 これらのことを考慮すると、ユーザーにとって同110m2、約33坪はは最低条件であり、本当に満足してもらうためには同150m2、約45坪、できれば同170m2、50坪以上だと相当高い満足感を与えることができると言えそうだ。
 住宅建築は予算・敷地などの制約がある。その中でユーザーの満足度を高めるには、機能性はもちろんのこと、広さが大変重要なウエイトを占める。全体計画の中から必要なもの、不必要なものを取捨選択し、ある部分の仕様・設備を省略する提案、またはコストダウンによって35坪の住宅を40坪に、40坪を45坪に拡大する企業努力が重要なポイントになる。

「窓の表情大切に」
北欧塾で倉本達彦氏
 木製トリプルサッシなどを製造・販売している(株)ノルドでは、去る4月11日、同社の顧客工務店23社をメンバーに「北欧塾」を開催。第1回目となる今回は、倉本龍彦氏(倉本たつひこ建築計画室室長)を講師に迎え、「住宅のデザイン」をテーマにして講演を行った後、懇親会を開催した。
 北欧塾は、高性能な住宅づくりに取り組んでいる工務店が、住宅デザインに定評のある建築家の設計コンセプトや考えに触れることで、今後の住宅設計や営業に役立てることを目的に発足。メンバーは1年間、3回の塾で感性を磨く。
 倉本龍彦氏の講演内容は以下の通り。
 「今の時代、ハウスメーカーが全国一律の住宅様式をつくり、普及させているが、九州で造る住宅と、北海道で造る住宅が同じであるわけがない。ご存じの通り気候が全然違う。北海道のような冬が厳しく、夏が比較的涼しい地域では、北欧がそうであるように、壁や窓が重厚な、壁の建築となり、窓が住宅表情を決めると言っていい。一方、夏の暑さが厳しく湿度も高い九州などは屋根の建築だ。屋根が住宅全体の表情を決める。
 北海道のような地域では、窓は住宅の目といっていい。私が設計する住宅では、ちょっとしたテクニックだが、窓は外壁から少しへこませて取り付け、立体感を出している。そして、室内側には植物や小物類を飾れるように窓台をつける。
 また、工務店を経営している人に言いたいのは、住宅のデザインもさることながら、建築現場をもっと活用してほしいということ。レストランで例えると、厨房が見えるレストランもあもある。工務店は厨房が見えるレストランだ。逆に、ハウスメーカーは厨房でものを作ってから出してくる厨房の見えないレストラン。だから工務店は、お客の目の前で調理し、喜んでもらうレストランのように、厨房である現場をキレイに整頓し、大工の技術を披露する場にしなくてはならない。ぜひ現場を営業の場としてほしい」。

倉本達彦氏

春の新築に焦点 でんかdeハッピーキャンペーン
ほくでんなど
 北海道電力(株)と電化機器メーカーなどで組織する北海道電化推進協議会では、6月30日までの2ヵ月間、「でんか ハッピーキャンペーン」を開催している。昨年の秋に次ぐ第二弾、春先のマイホーム計画時期に合わせて、特に新築戸建住宅に的を絞り、各種プレゼントなどを用意してユーザーや工務店などに広くオール電化住宅の快適性をPRする。 このところ、北海道の住宅の一つのスタイルとして定着したオール電化住宅は、平成12年度の新築住宅のうち、6,466戸が採用、新築住宅全体に占める割合は12.8%に達し、8戸に1戸がオール電化住宅という人気となった。また、オール電化住宅を採用した工務店・ハウスメーカーはすでに約1,300社にのぼっており、全道各地で広くオール電化が広まってきたことをうかがわせる。
 「でんか ハッピーキャンペーン」は、春先としては初めてのイベント。 普及が進む戸建ての新築需要に焦点を当て、オール電化住宅を推進している工務店・ハウスメーカーを側面から支援する。期間中の懸賞はオール電化機器をまとめて契約した方となっており、各地の住宅祭や住宅内覧会に協力するなどして、オール電化住宅の魅力をPRする。
 ほくでんでは、新築住宅の8戸に1戸まで広がったオール電化住宅の良さをユーザーに知ってもらうとともに、この機会にオール電化住宅をまだ採用したことのない工務店などに対しても提案を行う考えだ。

コラム:外野席
おかしいぞ、家電リサイクル
 瓶ビールを飲んで瓶を酒屋さんに持っていくと、五円が返ってくる。いつの頃からか、こんな当たり前のリサイクルシステムが崩壊し、まるで不法投棄を奨励したような家電リサイクル法が施行された。エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4品目を処分する場合は、ユーザーがお金を払って捨ててもらうのだという。もう使わないから捨てるのに、どこの世界にお金を払うお人好しがいるのだろうか。
 家電に限らず、廃工業製品を回収・リサイクルするためにコストがかかるのは当然だ。そのコストを、ビール瓶のように販売価格に上乗せしても、家電のように廃棄時に支払っても、ユーザーの負担は計算上は同じはず。『販売価格の上昇によって消費が冷え込むのが怖い』としても、廃棄時にお金を払うのだから同じこと。ただ、廃製品の回収率を上げるためには販売時の上乗せのほうがよいことは誰の目にも明らかだ。それでも廃棄時のユーザー負担を決めたのは、「目先の販売が優先、回収は何とかなるだろう。ツケは末端へ」という発想があるからだ。これではリサイクル進める一方で、不法投棄を奨励するようなものだ。
 こんなばかばかしい日本の環境政策に、あえてこう言いたい。「私たちは環境保護のため、不法投棄を行います」。日本国中がゴミの山になるまで環境悪化が進まない限り、この国は何も変わらない。

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