平成13年11月15日号から
品質武器に道産材普及へ
「北国のE-木材」を全国展開 道産木材ブランド化促進事業 
北国のE―木材」のブランドマーク
 道内住宅着工の減少や外材の輸入量増加などによって道産材の流通量が伸び悩む中、北海道木材林産協同組合連合会(道木連)では道の支援を受け、平均含水率17%以下、四面プレーナー仕上げ等の品質基準を満たす道産針葉樹構造材を「北国のE―木材」と称して市場に供給・PRする道産木材ブランド化促進事業を本格的に開始。北海道ブランドの高品質な乾燥木材を全国的にアピールし、道産材のシェア拡大につなげていく意向だ。
 森林が面積の70%を占める道内では、エゾマツ・トドマツなど住宅の構造材として使える森林資源が豊富だが、ここ数年の住宅着工の落ち込みや安価な外材の輸入量が増加したことによって道産材の流通量が停滞。この状況を打開するには道外にも市場を広げていくことが重要なポイントとなるが、道外で道産材はほとんど認知されてなく、多くのビルダーは構造材にスギやヒノキを使っているのが現状だ。


人工乾燥・プレーナー仕上げを行ったトドマツ柱材
 そこで道産木材ブランド化促進事業では、品質で差別化を図ることによって道産材の普及を推進しようと、一定の品質基準をクリアするエゾマツ・トドマツ・カラマツの構造材(集成材含む)を「北国のE―木材」としてブランド化。品質基準は(1)狂いや割れを抑え、強度を高めるために平均含水率17%以下に人工乾燥(2)現場での施工性向上と廃棄物削減を考えた四面プレーナー仕上げ―としている。
 品質の統一と安定化を図るため、人工乾燥施設とプレーナーがけの設備を有し、日本住宅・木材技術センターが認定する木材乾燥士または木材乾燥業務の経験が長い社員が在籍している工場で生産された構造材であることも条件としており、出荷時にはブランドロゴのマークを印刷したシートまたはシールが添付される。

優れた乾燥性PR 四面プレーナーがけも特徴
 本州向けは輸送費などによってコスト的には不利な面もあるが、全国的にも進んでいる道内の人工乾燥技術と、スギなどと比較して乾燥しやすいエゾマツ・トドマツ等の特性や、一般的には二面がけが多いプレーナー仕上げを四面行っていることなどを付加価値としてアピールし、コスト差を補っていく考えだ。
 道木連では、これから首都圏でビルダー向けに「北国のE―木材」の説明会を本格的に行うとともに、今月中にはパンフレットも作成して普及・PRを展開する一方、生産工場など業界関係者を対象とした研修の実施、技術指導テキストの製作、ビルダー・ユーザーを対象とした品質・施工性のモニター調査などを行い、品質の安定・向上も図っていく。
 また、来年には道産木材に関する総合的な窓口となる「北海道木の家」電子ショールームをインターネット上に開設し、ビルダー・ユーザーとの情報交換の場とする予定。
 道木連の枝松義英参事は「首都圏ではエゾマツやトドマツといった道産材の認知度は低いが、構造材の品質に対する要求が厳しい道内で培われてきた人工乾燥技術など他の製材にはない優れた特徴を知ってもらうことで、シェアを広げていきたい」と話している。

光触媒で環境改善
アークフラッシュ ホルムや細菌、臭いを分解
 (有)アワーズでは、酸化チタンが紫外線を受けることによって起こる光触媒反応を利用して、有害化学物質や細菌、臭いなどを分解するコーティング塗料「アークフラッシュ」の道内販売を本格的に開始。室内のクロスなどにも利用可能で、シックハウス対策や抗菌・消臭対策に優れた効果が期待できる材料として注目を集めている。
 これまで酸化チタンを利用した塗料は、コーティング剤など他の原料によって酸化チタンが埋もれてしまい、光触媒の効果はほとんど期待できなかったというが、アークフラッシュでは、酸化チタンをより微粒子化するとともに、吹き付け時にはコーティング材をシャボン玉状にするなど独自の技術開発により、ほぼ全ての酸化チタンを塗膜表面に露出させることに成功。酸化チタンが本来有している光触媒の効果を十分発揮できるのが大きな特徴となっている。
 光触媒は酸化チタンが紫外線を受けた時に二酸化炭素と水素を取り込み、活性酸素を発生させる仕組みで、この活性酸素がホルムアルデヒドなど有害化学物質を始め、細菌・ウィルス、臭いの原因物質といった分子サイズの小さな有機体まで水素と酸素に分解する。自浄作用もあるため、煙草のヤニなどの汚れが付いても、自然に落ちていくほか、酸化チタンの粒子の表面は3万ケルビンという熱さになるので、ダニなどの害虫を寄せ付けない効果もあるという。
 活性酸素というと人体に悪いイメージがあるが、空気中に活性酸素が出てくる可能性はほとんどなく、日常の生活空間に存在する紫外線量では酸化チタン表面の活性酸素濃度も非常に小さいため、人体には全く影響を及ぼさない。また、酸化チタンそのものは、金と並んで最も安全な金属の一つであり、金属アレルギーも起こらない。
 施工は専用の吹き付け機で行い、金属やガラス・鏡、石などを除けばクロスや羽目板はもちろん、絨毯や畳にも塗装可能だ。色は白色だが、薄く塗るために下地の原色はほとんどと損なわない。速乾性なので養生期間は特に必要ないが、完全硬化まで十日から二週間必要。一度施工すれば効果は半永久的だ。
 施工単価は壁四面と天井への吹き付けで床面積1平方メートル当たり2,500円。既存の住宅の壁・天井に施工する場合は洗浄量として同500円が別途必要になる。
 なお、同社では現在、道内でのアークフラッシュ施工代理店も募集中だ。
 問い合わせは、同社営業部(札幌市白石区菊水七条二丁目2-10、tel.011-811-2936 fax.011-811-2926)へ。

専用の吹付機で酸化チタンを含んだ塗料を吹き付ける

放熱器の熱を利用
宇部気密ハウジング「アメニア」 電気を使わずに加湿
 宇部気密ハウジング(株)では、電気を使わずに水分を蒸発させ室内を加湿する、エコロジカル加湿器「アメニア」をドイツから輸入、北海道内で先行発売した。
 寒冷地の高断熱・高気密住宅の数少ない悩みの一つが冬場の過乾燥。アメニアはパネルヒーターの熱を利用して水を蒸発させる簡単な仕組みだが、市販の加湿器とは異なり電気を使わず、しかも水を完全に蒸気にして空気中に放出するので、健康的でエコロジカル。同社ではパッシブ加湿器として、これから乾燥する冬場へ向けて販売を強化する。
 製品は縦320×横210×奥行き最大50ミリの樹脂製本体と抗菌処理したフィルターからなっており、パネルヒーターなどの放熱器に専用金具で取り付ける。本体の中に水を80ml入れると、フィルターが毛細管現象で水を吸い上げ、放熱器の熱で蒸発が進むという仕組み。
 ときどき水を足すことと、定期的にフィルターを交換するだけの簡単なメンテ、電気料金はかからない。
 本体はグレーとホワイトの2色。設計価格はアメニア6セットに交換用フィルターが6枚ついて1ケース1万3,200円(1セット2,200円)。フィルターは別売りもする。
 問い合わせは同社札幌支店(札幌市中央区北一条西五丁目興銀ビル、tel.011-222-6330)などへ。

外張断熱用のビス
軽く入りビット外れなし
 若井産業(株)と(株)栄興が共同開発した、外張り断熱材の止めつけに適した「断熱パネル用Wカットビス」が好評だ。
 外張り断熱の場合、長ビスを通気胴縁の上から断熱材を介して柱に止めつけることになるが、外装材を支える強度を維持することと同時に施工しやすさも求められる。Wカットビスは、(1)先端部と胴部にカットが入っており、揉み込み抵抗を大幅に低減したことで軽く入る(2)首下ネジが最後の締め付けをガイドするので頭浮きがない(3)四角ビットを採用しビット外れの心配がない(4)防蟻剤などの薬品にも耐える表面ラスパート処理で錆に強い―などの特徴があり、用途は外張り断熱のほか、断熱パネル材の止めつけにも適している。
 製品規格は長さ100、120、135、150ミリが6ミリ径、180、200ミリが7ミリ径。工務店価格は、長さ120ミリタイプが1ケースで9,600円(100本入り1箱、6箱入り、1本あたり16円)。
 問い合わせは栄興(北広島市白樺町一丁目8-5、tel.011-373-4031)。

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