平成13年10月5日号から
道産I形梁が本格販売へ
久保木工が製品化し来年度から
 道立林産試験場(林産試)と道立寒地住宅都市研究所(寒研)が共同で研究を行っていた道産材によるI形梁が来年度から本格的に市販されることになりそうだ。これは同研究の技術移転を受けて旭川市の久保木工(株)(tel.0166・31・9389)が製品化するもので、フランジに道産トドマツ製材、ウェブに道産カラマツ構造用合板を使用。高品質な純道産のツーバイフォー用床根太部材として、床組の品質向上や一定価格での安定供給、さらに地域経済の活性化などの効果が期待されている。
 道産材によるツーバイフォー部材としては十勝・新得町の(株)関木材工業が平成7年からトドマツの204及び206ランバー材を生産していたが、(社)日本ツーバイフォー建築協会道支部などから210や212を望む声が上がったことを受けて平成11、12年度に林産試と寒研が共同研究を実施。市場調査や製造装置の開発、試験施工などを経て実用化に至った。
 規格は梁背が235?と286?の2種類、梁幅が44?、64?、89?の三種類で、フランジには関木材工業のトドマツランバー材、ウェブには丸玉産業(株)のカラマツ構造用合板を採用。このうち梁幅44?の製品は二枚合わせで側根太や端根太として使用することを想定したもの。
 強度的には梁背235?の製品の場合、梁幅64?で210のランバー材と同等、同89?で輸入I形梁(235×44ミリ)と同等といい、床根太スパンは同64?で二間、同89?で二間半まで飛ばせる(設計荷重225kg/平方m、根太ピッチ455?)。

施工性の良さが魅力 割れ少なく取り回し良好
 昨年行われた試験施工では、床組の剛性感・水平精度が高く、フランジは輸入I形梁のLVLより釘打ち時の割れが少ないほか、梁幅89?でも同じ梁背のランバー材よりも軽量で取り回しが良いうえ、梁幅が広いので部材の座りが良く、現場で歩きやすいなどの評価を受けたという。
 林産試によると、価格は梁背235?の場合、梁幅44?で輸入I形梁と同程度、同64?と89?は輸入I形梁より5~10%程度高くなると見込んでいるが、同研究所技術部加工科の大橋義徳研究職員は「施工性の良さや、床鳴りなど床根太の乾燥収縮によるクレーム対策経費の節減なども含めてトータルで考えれば、得られるメリットのほうが大きいと思う」と話しており、来年度には建築基準法第37条認定を取得して普及に弾みを付けたい考えだ。

普及のポイントは安定価格

 ここ数年、北米の原木事情の悪化によって210を始めとするランバー材の品質低下が指摘されている中、I形梁に対するビルダーの関心は高いものの、最終的にコスト面で採用を断念することが多い。道産I形梁の普及も量産によるコストダウンが不可欠と言えるが、品質や施工性、海外事情に左右されない安定した価格も重要なポイントになる。

林産試験場に展示されている道産I形梁のカットモデル


試験施工を行った現場の様子

アクリル系を発売
下地に追従する柔軟な基材
 宇部気密ハウジング(株)では、透湿・防水シートや防湿・気密シートの継ぎ目の貼り合わせ用として、アクリル系粘着テープ「ツーエステープ」をこのほど発売した。
 同製品は、優れた手切れ性、強力な粘着力といったアクリル系テープの特徴はそのままに、特殊基材の採用でテープに柔軟性を持たせて木の暴れに対する追従性を向上、さらに自背面接着力に優れているために、入隅部などテープ同士が重なり合う箇所でも安定した接着力がある。
 ラインナップは、現時点では片面接着の50㎜幅タイプ「片面ツーエステープ 」のみだが、これから同75㎜幅タイプ、同100㎜幅タイプ、両面接着タイプを順次発売する。巻長は20m厚さは片面タイプが0.2㎜、両面タイプが0.3㎜。設計価格は、片面ツーエステープ が一巻千円。
 今回のアクリル系テープ発売により、同社の気密・防水テープのラインナップは、アクリル系、ブチル系、アスファルト系の3タイプになった。
 問い合わせは、同社札幌支店(tel.011・222・6330)などへ。
 

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