戸建てのマイホームは依然として低調が続いているが、分譲マンションは依然として供給量も多く、札幌ではこの秋の商戦でも多くの物件が売り出されている。二年ほど前から続くこのマンションブームは、戸建てのマイホームや土地付き一戸建て住宅の販売に大きな影響を与えていると言われるが、そこにはユーザーの嗜好を捉え、マンションの弱点を改善するために商品開発を続けているデベロッパー側の努力も見逃せない。
今ひとつ盛り上がらない戸建て市場をよそに、健闘する分譲マンションの商品力を探ってみた。
抜群の立地環境
分譲マンションを中心とする集合住宅物件では、中心部回帰ともいえる現象が進み、今や郊外型のマンションはほとんど影を潜めるまでに立地環境が変化した。
大通や札幌駅付近の中心部商業地区まで、徒歩で十五分以内、地下鉄・JR利用の場合でも五分前後という利便性のよさで、3LDKタイプで1,800万円台、4LDKで2.400万円台くらいからが主力。4LDKタイプでは100平方メートルを超える戸建てと見劣りしない規模を確保している物件も多い。
一方、高さでは14、15階建てが増えており、20階建てのツインタワー、30階建ても出現。マンションのステータスシンボル化を狙っている。環境は良くても郊外にならざるを得ない戸建てのニュータウンにとっては強力なライバルであり、実際、新規の住宅購入者だけでなく、郊外の一戸建て住宅から移り住む例も増えているという。
ハイレベルな装備
各物件とも立地の良さや除雪負担からの解放など、マンションならではの特徴のほか、商品力アップのためにユーザーにも分かりやすい魅力付けを行っている。
まず、バリアフリー対策はほぼ標準仕様。シックハウス症候群の原因とされている建材面に関してもホルムアルデヒドを含まない接着剤を使用するなどの配慮がなされている。空気汚染対策では、セントラル換気システムを導入し結露の抑制も図る物件も増えている。また、赤サビ問題に対応するステンレス管・樹脂管によるさや管ヘッダー工法の採用も増加しており、さらに活水器を組み込む例もある。
|
道内初の免震構造を謳うアイビーハイム札幌ツインタワー |