北海道の住宅のエネルギー消費の内訳(本紙推計)
北海道では暖房が50~60%を占めるが、給湯、その他のエネルギーも省エネを考える上で無視できない。今後は高効率給湯器や省エネ型電灯・家電なども重要になる |
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5月29日に公表された日本の2005年度温室効果ガス排出量等の確報値によると、温室効果ガスの総排出量は13億6000万トンで京都議定書の基準年である1990年比で7.8%上回っている。排出量が大きく伸びている民生部門のうち、住宅についての現状と今後を、社会資本整備審議会の環境部会がとりまとめた中間素案から見ていきたい。これらは今年度中に評価を終え、2008年度から対策を実施、2010年度の目標達成を目指す。
家庭部門が37%も増加
新築住宅の次世代省エネルギー基準達成率は、2005年度で30%。2007年度で44%と推定され、目標値である2008年度50%はおおむね達成可能としている。
ところが家庭部門のCO2排出量は基準年に比べて36・7%も増加し、対前年比でも4%増加している。これは対策が進む一方で、大型テレビやパソコンの普及、生活の24時間化など、ライフスタイルの変化が影響していると分析。
目標達成に向けては、利便性や快適性を追求しながらも一人一人がライフスタイルを見直し、省エネによる経済メリットやインセンティブの付与も重要としている。
住宅分野では省エネのいっそうの強化が必要としながらも、「現状の高い断熱性・気密性の確保を要する基準は、木造軸組住宅など構法によっては、施工の手間や技術水準の確保などの課題」があり、「コスト負担に配慮し、地域の気候風土、住文化を取り入れた評価方法の開発や基準の検討が必要」としている。
給湯設備なども対象に
さらに注目すべきはこれまで対象となっていなかった建築設備も含め、総合的に省エネを推進していこうという考え。
躯体の断熱性能に加え、暖冷房設備、給湯設備、その他のエネルギーを総合的に評価する手法を開発・基準化するとともに、対応する技術開発を推進することになる。
既存住宅については改修コストも大きいことから、外壁・天井・床の断熱改修、給湯システムの改修など部分ごとの改修や、主要な居室のみの改修など、取り組みやすく効果的な方法を開発するとともに、インセンティブの付与を検討する。
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