シックハウスに警鐘 |
NEWソトダン研修会 法改正後も要注意と川本氏 |
シックハウスについて実例を交えながら説明する川本会長 |
NEWソトダン住宅研究会(川本清司会長、(有)北欧住宅研究所所長)では12日午後から札幌市内で定例の研修会を開催。シックハウス対策の改正建築基準法施行から丸4年になろうとしているが、シックハウスに関する相談や裁判が増えていることから、改めて適切な建材の選択・施工と換気などシックハウス対策を中心に勉強した。
アセトアルデヒド濃度の低減に成功した例 |
講師は会長の川本氏。これまでに数多くの住宅の室内化学物質濃度調査などを行ってきた経験から、改正基準法の施行後は、規制が始まったホルムアルデヒドについては指針値をオーバーする住宅がほとんどなくなったが、代わりにアセトアルデヒドが指針値をオーバーするケースが増えている、アセトアルデヒドの放散源として根太ボンド類が疑われるなどを紹介した上で、ボンドの成分チェックや使用量を抑えるなど、現場での対策も重要になることを紹介した。
また入居後に住人が化学物質過敏症にかかってしまった家の例から「アセトアルデヒドはベイクアウトを実施してもなかなか濃度が下がらない場合が多い。そういうときは換気量を1.5回/h程度にして1週間ほど運転すると指針値以下まで低下し、その後換気量を0.5回/hに戻しても指針値を大きくオーバーすることはなかった。通常の換気設備では対応できないので、レンジフードを回すとよい。ただ、指針値以下に抑えても、患者は症状こそ改善したがまだ過敏症に悩んでいる」と対応の難しさを説明した。
最後に、「ホルムアルデヒド対策ができたからシックハウス対策ができたと考えるのは間違い。ほかの化学物質の濃度が高くないか、十分注意する必要がある。換気については、適切な設計・施工と、換気風量の測定による確認が大切」であることを改めて強調していた。 |