2枚合わせの208材の上に床根太の208材を455ミリピッチで入れ、構造用合板15ミリを張った床組 |
(株)建築館みうら(北見市、三浦秀秋社長)では、基礎断熱を採用したツーバイフォー工法で施工した住宅の床鳴りや建具の狂いをできる限り抑えるため、208材の床根太の下に、大引の役目を果たす2枚合わせの208材を床根太と直交して入れた1階床組を1年前から採用。鋼製束で90角の土台を支え、床下地にネダレスパネルを張っていた従来仕様より施工精度を向上させると同時に、コストダウンにもつなげている。
従来、同社のツーバイフォー工法の1階床組は、床剛性の確保と同時に1階フロアレベルをGLから低く抑えることを考えて、床根太は使わず、3×6尺のグリッドに組んだ90ミリ角の集成材土台を鋼製束で支え、床下地に28ミリ厚の構造用合板を張る仕様としていた。ただ、経年変化で土間コンクリートに微妙な不陸が生じた場合などに、鋼製束の調整だけでは解消できない床鳴りや建具の狂いがあるほか、最近では28ミリ厚の構造用合板が入手しにくくなったこともあり、鋼製束と厚物の構造用合板を使わずに十分な施工精度を確保できる床組仕様を考えたという。
現在採用している1階床組は、基礎工事終了後に90ミリ角のヒバ集成材土台を敷いた後、床根太の208材を455ミリピッチで施工。その後、あらかじめ土間上に用意しておいた2枚合わせの208材を大引として床根太の下に入れてから、床下地の構造用合板15ミリを施工している。
1階床下地の構造用合板を施工中の現場 |
大引より先に床根太を施工するのは、大引を先に施工してから床根太を流すよりも床面のレベルの精度を確保しやすいため。後施工となる大引は、1350ミリピッチで布基礎にコンクリートビスで固定した受け金物で受ける。床根太と土台の取り合いは床根太をアゴ掛け状に欠き込んで土台に乗せ、土台上の端根太・側根太は204材として床根太との高さを揃えるとともに、1階フロアレベルも低く抑えた。
束の調整手間解消
従来の仕様と比較すると、鋼製束がなくなった分、土間コンクリートの施工精度に気を遣う必要はなくなり、施工後に床下に入って鋼製束の高さを微調整する手間も解消。床剛性の面では体重のある人が跳ねたりすると多少の振動はあるが、生活上は影響なく、必要十分な剛性を確保しているという。
また、鋼製束が不要となったほか、土間コンクリートの厚さは鋼製束を受ける必要がなくなったため120ミリから50ミリに薄くでき、構造用合板も薄くなったことで坪当たり5000円程度のコストダウンにつながっている。
同社の三浦社長は「土間コンクリートに不陸が起こった場合、鋼製束の調整にとても苦労することがあり、クレームの原因になる心配もあった。現在の仕様であればそのような問題はなく、一般的なツーバイフォー工法の床組よりも高いレベルの床剛性を保つことができる」と話している。 |