平成18年7月15日号から
現場の意識を改革
網走・光輝建設 毎日の現場清掃など徹底

現在施工中の漁師の家の建て替え現場。左はこのほど完成した倉庫。解体中にもかかわらず隣接道路はきれいな状態を保っている
 光輝建設(株)(網走市、福井政義社長)では、住宅の性能や仕様以外の面でも地域密着型ビルダーとしての姿勢を明確に打ち出そうと、今年4月から協力業者とともに隣接道路を含めた1日5回の現場清掃や禁煙、各社が納品した設備・建材等のゴミや休憩時に飲んだ飲料水の空き缶・ペットボトルの持ち帰りを定めた衛生管理要綱を実行。現場は商品という意識の徹底により、施主や現場周辺住民から今までになかった良い反応を得ている。

真の地域密着目指す
 同社が衛生管理要綱を定めたのは、今年3月に札幌で行われた本紙主催の寒地住宅学校で日菱企画社長・住宅産業塾塾長の長井克之氏による講演がきっかけ。長井氏の「地場ビルダーはよく地域密着ということを口にするが、本当に地域に密着しているのか?」という一言を聞いた時、改めて地域密着の意味を考え、「現場の周りであいさつも掃除もしないで何が地域密着かと思い、まずはやらなければいけないこと、始められることを具体的に1つでもやっていこうと決心した」(同社澤田利昭専務)。
 具体的に決めたのは、自社の社員を含め現場に入っている者全員で現場およびその敷地内と隣接道路を1日5回清掃現場および敷地内の禁煙納入品や作業から出てくるゴミは基本的に各社で持ち帰る休憩時に飲む飲料水の空き缶・ペットボトルなどは各自で持ち帰る―の4項目。この4項目を衛生管理要綱として定め、協力業者に通知したところ、反対意見はなく、一緒に頑張りたいという声もあったほか、積極的に改善点を提案する業者もおり、好意的に受け入れられたそうだ。

周辺住民が好意的に
 衛生管理要綱は7月から始まった現場から実行しており、まだ100%徹底されているわけではないが、その成果は確実に現れている。
 例えば清掃については現場と敷地内はもちろん、現場の両隣とその向かいの3軒の隣接道路も掃除し始めたところ、3日ほどすると朝の清掃の時、現場の近所の人も出てきてあいさつしたり、一緒になって掃除を始めたりするようになり、施主も近所の人から「ちゃんとした工務店に頼んでるんですね」と言われて気分が良かったと話すなど、予想以上の成果に驚いたそうだ。

解体作業中の職人たち。衛生管理要綱を実行したことで、ゴミが散乱しないよう考えて作業するようになるなど、意識レベルは確実に向上したという
 また、現在は始業前と作業終了時以外は現場の状態によって掃除を行っているが、職人たちも現場をきれいに保つためにはどうすればいいかを考えて仕事をするようになったという。
 禁煙については建物内でタバコを吸うことはなくなったが、敷地内では吸っている職人もいるとのこと。ただ、敷地内で吸っている場合でも携帯用灰皿を使っており、現場周辺は極端に吸い殻が減少。ゴミの処理に関しても空き缶やペットボトルなどは現場内に置きっ放しになっていることがなくなり、まとめて袋に入れておいて休憩時にコンビニに買い出しに行く時に捨ててくるようになった。
 現在施工している建て替えの現場では、解体の時にできるだけ廃材やゴミを散乱させないように努力する職人もいるなど、確実に現場の意識レベルは向上しているといい、同社では今後も強制的ではなく、職人や協力業者の理解を得たうえで続けていきたいとしている。
 同社の澤田専務は「今年はテストケースと言えるかもしれないが、まずは続けることが大切。衛生管理要綱の内容を充実・徹底し、さらにもっと地域に密着してできることを模索していきたい」と話している。



Q1.0住宅全国に
10年後に10万戸 新住協・鎌田教授が方針

講演する鎌田教授
 NPO新住協北海道では7月6日、同会代表理事で室蘭工業大学教授の鎌田紀彦氏による講演などと退任理事への感謝の集いを開催。100名を超す会員が集まった。
 当日は、同会が推進しているQ1.0住宅運動の中で、熱損失係数(Q値)、暖房エネルギー消費計算に使われているシミュレーションソフト「QPex」の計算ルールの統一や、住宅火災を例にしながら“逃げ遅れ”を防ぐ構法と内装仕上げ材の検討、そしてこれまでの新住協の歩みと今後のあり方などについて、鎌田教授や会員らが説明・提案した。
 この中で鎌田教授は「振り返ってみると“いい家を10万戸日本中に、できれば安く”というのが住宅研究のスタートだった。これまで一緒にやってきてくれた会員はきっと生きがいを持って家を建ててきたと思う。おかげで何とか断熱・気密住宅をある程度普及させることができた。
 これからもその気持ちが重要だと思うし、Q1.0住宅運動によって10年後にはQ1.0住宅を10万戸、新住協会員は無理なく標準で建てるようになってほしい。そのためには技術開発も必要だし、コストアップ分を抑制する手法が求められる」と語った。
 また、研修会のあとは前期で理事を退任した安田弘氏(STV興発(株))、升元健氏((株)ノーザンプランニング)、長谷川正道氏(長谷川興業(株))らを招き謝恩パーティを開いた。



新しい珪藻土壁材
タイガー産業 機能維持し価格を抑える

1300℃に達するバーナーであぶっても燃えない
 (株)タイガー産業ではこのほど、珪藻土を配合した内装仕上げ材「エコセブンK」を発売した。珪藻土の優れた機能と風合いを手軽に楽しんでもらうため、価格を抑えた。
 調湿性、ニオイの吸着・分解、耐火性といった珪藻土の本来の機能を生かすため、合成樹脂系のバインダーを使わずに配合。このためホルムアルデヒド規制では告示対象外となり、F☆☆☆☆と同様に使用面積の制限なく使える。また1300℃のバーナーであぶってもまったく燃えない。

施工性がよく、コテはもちろんハケ引きなどの仕上げも思いのまま
 湿気の調整機能面では、エコセブンKの塗布面に霧吹きで水をかけても水滴になる前にどんどんしみ込むほど吸湿能力がある。
 ニオイの吸着・分解機能も持っているほか、特殊な配合によって施工性がよく、施主のDIY施工も可能。色は素地色の白のほか、生なり系、ベージュ系、若草系の全6色。仕上げはしっくい風だけでなく、コテ跡、ハケ引きなどいろいろな手法が楽しめる。
 材料は下塗り用と上塗り用があり、標準施工厚は合計で3ミリ。設計価格は下塗り用、上塗り用ともに14キログラム入り、施工面積25m2で1万6000 円。m2単価では1280円となる(素地色の場合)。着色する場合は着色剤が6000円、合計で1520円/m2(価格はすべて税別)。
 問い合わせは同社へ(札幌市白石区栄通14丁目2-22、Tel.011・851・3711)。

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