平成18年4月25日号から
多機能型換気が好評進
旭川・坂下工務店 暖房・加湿・清浄もセット化

空気清浄機に採用されている乱流沈殿方式の原理
 (株)坂下工務店(旭川市、坂下光博社長)では、換気・暖房・加湿・空気清浄をシステム化できるカナダ製の空調システム「ライフブレス」(総輸入元・パワーズトレーディング(株))を4年ほど前から採用。「ぜん息が治まった」「ホコリがたたないので掃除が楽」などユーザーから好評だ。
 ライフブレスは、顕熱型の熱交換換気や熱交換換気暖房に加え、オプションで加湿や空気清浄機もセットできる空調システム。同社では他社との差別化を図るため、1つのファンで給排気を制御でき、穏やかな流速で温かい新鮮空気を給気できるライフブレスのCAF(換気暖房)シリーズを平成14年に建設したモデルハウスで初採用し、空気に乱気流を起こしてフィルターにハウスダストなどを吸着させる乱流沈殿方式の空気清浄機と、水を含んだフィルターに空気を通して湿度を高める加湿器も組み込んだ。
 空気清浄機と加湿器は各部屋からCAFシリーズ本体に戻るリターンのダクト側に組み込んでおり、排気は10%を室外へ排出、残り90%は浄化・加湿された後、排気と熱交換した新鮮外気と共に温水が循環している暖房コイルで適切な温度に暖められ、各部屋に穏やかな流速で給気される。


室温設定は居間に設置したコントローラーで行う
「ぜん息が治まった」
 モデルハウスは、ダブル断熱(付加断熱)によって次世代省エネ基準レベルの断熱性能を持つ約41坪の在来木造で、公開後に売却されて平成14年12月に現在のオーナーが入居。そのオーナーは子供がぜん息を患っており、以前暮らしていたアパートでは湿度を保つのに気を遣い、空気清浄機をレンタルしていたほどだが、換気と暖房、加湿器、空気清浄機が1つになっているシステムに魅力を感じてモデルハウスを購入した。
 オーナーによると、入居後は子供のぜん息が治まったほか、家族全員風邪をひかなくなり、ホコリも気にならず、掃除はすごく楽になったとのこと。室温も湿度もコントローラーで簡単に調節でき、メンテナンスもCAFシリーズ本体の熱交換コアを年1回、フィルターを3ヵ月に1回の割合で清掃するほか、空気清浄機のフィルター6枚のうち2枚を年1回交換する程度の手間で済む。
 また、換気能力に関しても、夫婦2人で3年以上喫煙しているにもかかわらずタバコの臭いが感じられず、カーテンや壁・天井のクロスに汚れも付かないと、オーナーは話す。


ライフブレスを初採用した住宅。モデルハウスとして公開された後、現オーナーが購入・入居した
コストアップは僅か
 同社では昨年、62軒中20軒にライフブレスを設置しており、加湿器と空気清浄機も今まで設置したユーザーから好評なため、標準で組み込んでいる。コスト的には同社が標準で使っている第一種熱交換換気より割高になるが、換気と暖房を合わせて考えると、コスト差は僅かだという。
 CAFシリーズ本体のサイズが高さ1207ミリ×幅749ミリ×奥行483ミリ(40DHW形式)と大きく、空気清浄機も付けるとある程度の設置スペースが必要になるが、同社では床下に専用のピットを造って設置することで、室内空間を犠牲にせず、メンテナンスも楽にできるようにしている。

ユーティリティーの床下にピットを造って設置したライフブレス。正面がCAFシリーズで、右側に加湿器、少し見えにくいが左側に空気清浄機がある
 同社ホームアドバイザーの遠藤覚氏は「予算が合えば全ての物件に設置したいほど、ユーザーから好評を得ている。最初にライフブレスを設置したモデルハウスを購入したオーナーの話は特に説得力があり、ライフブレスが決め手となりそうな商談中のユーザーに体験談を話してもらうと、100%契約に結びつくほど」と話している。

製品プロフィール
製品名
ライフブレス
部位等 換気
価格 問い合わせのこと
問い合わせ パワーズトレーディング(株)
札幌市西区発寒6条10丁目7-6
Tel.011-668-1244
[homepage]

太平洋興産(株)(旭川地域)
旭川市大町2条7丁目
Tel.0166-51-1288
[homepage]


木造戸建住宅復活の道・その3
「e-家」に住みたい-に込めた思い
(株)北海道住宅新聞社 会長 白井 丞
近年の道内新設木造住宅とマンションの着工状況(戸)
 
平成2年
平成5年
平成7年
平成9年
平成10年
平成12年
平成16年
平成17年
総戸数
89,984
71,880
69,091
59,826
47,317
50,380
49,187
52,317

49,287
48,406
45,055
37,713
31,427
30,895
28,732
28,408

  在来
45,089
42,533
37,978
30,596
25,059
23,291
21,526
20,991

  ツーバイ
3,116
4,436
5,490
5,556
5,101
6,204
6,231
6,663

  プレハブ
1,082
1,437
1,587
1,561
1,267
1,400
975
754

  一戸建
29,707
33,974
30,204
23,746
20,475
20,790
15,299
14,494

  長屋建
1,071
956
859
754
760
710
1,126
1,112


アパート
18,509
13,476
13,992
13,213
10,192
9,395
12,307
12,802

マンション
31,769
20,778
21,257
19,600
14,082
17,644
18,963
22,318
出典:国土交通省の建築統計年報

5年振り5万戸台、総体的には上向き-道内
 道内の近年の新築住宅着工動向を見ると、平成に入ってからは、同2年が最も着工量が多く、この年の新築総戸数は8万9000戸、木造だけで4万9000戸に達しています。
 しかし一般景気の長期低迷でかねてより言われていた住宅金融公庫による庶民の住宅ローン返済の滞りが表面化し、公庫が融資引き締めを本格化させたため景気対策とされていた住宅建設促進策も公庫依存度の高い戸建市場が平成9年から急激に縮小、平成13年から14年の年間平均新築戸数は2年に比べ46%の大幅減少となりました。15年からは僅かながら上向き始め、昨年は平成12年以来、5年振りに5万戸台に回復しました。
 そうした中で深刻なのが木造です。木造は平成2年をピークに昨年まで減り続けおり、工法別に見ると、ツーバイフォーは増え続けていて同比2.1倍となっているが、在来は逆に減り続けていて同比54%減と半分以下になりました。また、木造を建て方別に見ると、一戸建ては一貫して減り続けこの間51%減となっており、アパートは平成2年をピークに8年間低迷していたものの、11年以降は再び回復してきました。
 住宅不振と一口で言ってもその中で、木造在来工法の戸建てが際立って不振であることがわかります。
 一方で存在感を高めているのはマンションです。平成2年をピークに10年まで下降線をたどり、その後、再び伸びており、昨年は平成8年以来の2万戸台に乗り、木造戸数に匹敵するまでになりました。住宅のマンション化率は実に42%に達しています。

道内の建築時期別の木造住宅戸数と持家の居住水準
全道
全道持家
住宅総数
2,255,000
1,219,200

木 造
1,612,000

昭和35年以前(~46年前)
82,000
58,200

昭和45年以前(45~37年前)
145,000
100,500

昭和55年以前(36~27年前)
395,000
309,400

昭和60年以前(26~22年前)
226,000
170,800

平成2年以前(21~17年前)
218,000
165,500

平成7年以前(16~12年前)
205,000
175,700

平成10年以前(11~9年前)
137,000
171,100

平成15.9年以前(8~3年前)
148,000
62,600

不 詳
56,000
出典:総務省の住宅・土地統計調査報告(平成15年)
持つより借りる傾向が
 ところで、最近の新築マンションの分譲と賃貸の割合は、15年から昨年まで賃貸が72%と7割強を占めています。10年から賃貸ウェートが7割台に突入し一段と高くなっています。
 木造アパート・賃貸マンションの増加は、質の向上もあって住宅の利用の仕方が「持つから借りる」傾向が強くなってきているとも言えそうです。
 この傾向は全国共通です。

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国内最大級トラス
ノムラ 新ソフトで大スパン可能に

スノーダクト用トラスは、ダクトの位置が中央部になくても屋根勾配を一定にできる
 (株)ノムラ(本社旭川市、野村幸生社長)は、国内最大級のトラスマシーンを自社開発、またギャングネイルトラスを開発した米・マイテック社と技術提携してトラス用構造計算ソフトを導入し、大スパンの1枚トラスが製造可能になった。
 トラスは、204または206ランバーを組み合わせ、ギャングネイル金物でランバー同士を緊結して剛性を高める小屋組、床組用の構造材。加工なしでダクト配管スペースを確保でき、スパンを飛ばすことで間仕切り耐力壁を減らして間取り自由度が高まるメリットがある。屋根トラスの場合、トラスの下弦材が天井下地を兼用するため施工の合理化にも繋がる。
 同社はこれまで、大スパントラスは途中でつなぎ合わせる2枚トラスで対応していた。しかし、つなぎ合わせ部の直下に耐力壁が必要となるなど、トラスの持つメリットが生かしきれなかった。
 そこで米・マイテック社と技術提携して、高精度な計算ができる構造計算ソフトを採用、8間以上のスパンにも対応した1枚トラスが製造できるようになった。また、スノーダクト屋根に対応したトラスや小屋裏空間の利用を想定したアティックトラス、床組み用トラスなど、用途に応じた様々な形状のトラス製造に対応する国内最大級のトラスマシンを自社開発した。
 大スパントラスを使えば、間口が狭く奥行きの長い都市型狭小住宅や、3階、4階建て建築物、畜舎などこれまでS造、RC造向けだった建築にも木造ツーバイフォー建築の可能性が広がる。
 利用方法は、工務店が間取り図、伏図を同社に送ると、同社が構造計算を行って最適な形状のトラスを提案する。受注確定からトラス出荷まではだいたい2日程度。施工は、20坪程度の屋根面積の場合、トラス組み立てから屋根下地合板を張り終えるまで2人で4~5時間程度で終わる。
 同社では、「基本的なツーバイ材を組み合わせ、少ない材積で強固な小屋組、床組みを作るトラスは、210や212などのランバーが不足気味になると予想されるなかで今後も安定供給ができ、必要があれば建物全体の構造計算も行えるので、耐震偽装事件から来る消費者の不安を解消する魅力もある。積極的に拡販していきたい」と話している。
 問い合わせは、同社札幌営業所(札幌市厚別区厚別西2条4丁目、Tel.011・802・3336)へ。

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