平成18年10月5日号から
風雪対策にレンガなど
猿払・小山内建設 厳しい気候に備え耐久性確保


写真2点とも…外装材にレンガを採用した住宅の例。レンガと木をうまくコーディネートして個性的な外観デザインとしている
 小山内建設(株)(宗谷郡猿払村、小山内浩一社長)では、外装材にカナダレンガを始めとする高耐久部材を積極的に採用することで、厳しい風雪にさらされる猿払の気候風土の中でもメンテナンス負担を最小限に抑えながら長期にわたって快適に暮らせる住まいづくりに取り組んでいる。
 同社がある猿払村は宗谷管内のオホーツク海側に位置し、水揚げ量日本一を誇るホタテ貝を中心とした漁業や酪農などの第1次産業を経済基盤とする日本最北の村。冬期は積雪量こそ多くはないが、強い西風が吹き、同村のホームページによると南極のブリザードを思わせる日も数回あるという。その強い風雪は住宅の外装材にも影響を及ぼし、例えば窯業系サイディングでは板材の収縮やコーキング切れといった問題が心配になってくるそうだ。
 そこで同社では5年ほど前から風雪から構造体を守る外皮=外装材の耐久性を重要視し、レンガやPVCサイディング、ガルバリウム鋼板などを積極的に採用。イニシャルコストは割高になるものの、長期的に見てランニングコストがかからず、メンテンナンスもほとんど必要ないというメリットを活かし、建物の長寿命化と維持管理負担の軽減を図っている。
 このうち最も採用例が多いレンガは、幅257ミリ高さ79ミリ奥行90ミリのカナダ製品を使用している。国産品より目が粗く、水を吸っても排出しやすいため凍害を受けにくいのが特徴で、カラーも豊富。施工は6径の鉄筋を縦514ミリピッチ、横400ミリピッチで入れて積み上げ、専用金物を使って鉄筋と柱・間柱、構造面材のOSBを一定のピッチで緊結する。
 また猿払村の場合、生コンクリートが当たり1万8000円程度と非常に割高なことから、レンガを受ける基礎は幅を広くするとコスト増に直結してくる。そこで同社では150ミリ幅の布基礎上部の室外側に造った130ミリ幅の突き出し部分でレンガを受け、突き出し部分とフーチングの間には押出スチレンフォームB3種75ミリ、布基礎内側には同50ミリを打ち込む納まりとしている。


PVCサイディング(ゼオンサイディング)を採用した住宅。玄関が東向きのため、この後、玄関前にカーポートを設置し、袖壁も付けることで西風による吹き溜まりに対応した
最初にコストかける
 レンガにかかるコストはm2当たり材工で2万円強。窯業系サイディングが同4千円近くかかるので外壁面積を 160m2とすると、その差は240万円程度になる。ちょうどサイディングの張り替え1回分くらいの差になることから、「サイディングは後々張り替えることが必要になることを考えれば、最初にその分のお金をかけて半永久的に長持ちするレンガを使ったほうがいい」(小山内社長)と言ってユーザーに提案しているという。

外装材にレンガを使う時の納まり例。布基礎室外側に設けた突き出し部分の上にレンガを積み上げていく
 このほか、猿払村では積雪こそそれほど多くはないが、強い西風によってできる吹き溜まりを防ぐことが家づくりのもう一つのポイントになる。
 同社では玄関を吹き溜まりが発生しにくい南または北に配置するほか、東に玄関を設ける場合は玄関前のアプローチにカーポートや袖壁を付けるなどして吹き溜まりをできにくくしている。
 同社の小山内社長は「当社が建てた住宅では、外壁のメンテナンスでお客さんにお金をかけさせたくないと考えたことが、レンガなどを積極的に採用するきっかけとなった。今後は他の地場工務店とも話しあって、環境や省エネを考慮した猿払のスタンダートとなる住宅の性能・仕様を決め、地元ユーザーが地元業者に安心して家づくりを頼めるようにしたい」と話している。


次世代基準に対応
ダンネツ 「かんたんベース」の断熱強化

モデルチェンジして断熱厚を増した「かんたんベース」の施工現場
 (株)ダンネツでは、ブロック状の型枠兼用断熱材「かんたんベース」をモデルチェンジ。型枠断熱材の厚さを65ミリとして次世代省エネ基準に対応させたほか、高さのバリエーションとT字コーナーセットの部材構成をそれぞれ見直して発売を開始した。
 同製品はセパレーターを自由な位置に固定できるようにすることで優れた施工性を実現するとともに、断面積が小さい専用セパレーターを採用することによって必要十分なコンクリート強度を確保するEPSの型枠兼用断熱材。
 今回のモデルチェンジでは、床下空気環境の改善が期待できる粉炭の配合はそのままに、型枠断熱材の厚さを53ミリから65ミリに厚手化。Ⅰ地域の次世代省エネ基準に対応するとともに、生コン打設時の圧力に対する強度も増したことで、より高い仕上がり精度を確保できるようにした。

モデルチェンジ前(左)とモデルチェンジ後(右)の断熱厚を比べたところ
 また、型枠断熱材は高さは、150ミリ、200ミリ、300ミリ、400ミリの4種類から、200ミリ、300ミリ、350ミリの3種類に変更。T字コーナーのセットは、これまでL字形状の入隅用断熱材2枚とセパレーター2個で構成していたが、新たに平面用断熱材を1枚加え、同時にセパレータも5個に増やした。型枠断熱材の長さは910ミリ(平面用)で従来通り。
 工務店入り価格は、高さ300ミリ品で、下段用が1460円、中段用が1260円、上段用が1180円(いずれも税別で、平面用断熱材2枚とハーフタイプ含むセパレーター8本または4本のセット)。
 問い合わせは同社本社(Tel.0166・61・9151、Fax.0166・61・2044)または各支店へ。
ホームページhttp://www.dan-netsu.co.jp/



スウェドアを改良
ガデリウス CP錠採用など防犯性向上

チーク・オイル仕上げ標準ドア
(K676G66T)
 ガデリウス(株)は木製断熱玄関ドア「スウェドア」の防犯性能を高め、ダブルロックを標準仕様として発売した。
 スウェドアはこれまでも防犯性能を高めたシリンダー錠を採用し、錠前破りの被害ゼロの実績を誇っていたが、防犯性能を玄関ドアに求められる性能の重要な1つととらえ、改良に踏み切った。
 新しいスウェドアでは錠前にCPマーク認定品のGH-HORIの製品を採用。防犯性能確認試験に合格した新タイプは、主錠がこじ開けに強いロックガードとの一体成型。主錠の下につく補助錠は鎌式かんぬきとバックプレートを標準装備。カギ穴壊し、こじ開け対策を徹底した。
 このほかサムターンは脱着式とし、サムターン回しに対応。錠はピッキングに強いディンプルシリンダー。一定以上のガラス開口部には防犯合わせ複層ガラスを装備し、打ち破りなどへの対策とした。断熱・気密性や寸法安定性などドア本体の機能・性能に変更はない。
 価格は写真のタイプで税別60万5000円。防犯機能はすべて標準装備されている。
 問い合わせは同社各拠点へ(札幌Tel.011・743・7710、Fax.011・743・7721)。
ホームページhttp://www.livingscandinavia.com/




高省エネ住宅の視点5
高省エネ住宅こそ熱交換換気
日本スティーベル(株)北海道営業所・平山 竜三所長に聞く
 断熱・気密性能を上げていけばいくほど、換気による熱ロスが住宅全体の熱損失に占める割合は高くなる。この換気による熱ロスを極力減らすことを目的にしているのが第1種熱交換換気システムだ。新住協のQ1・0プロジェクトでは、日本スティーベルの熱交換換気システム『LWZ-161』が多く採用され、その検証結果に注目が集まっている。今回は、日本スティーベル(株)北海道営業所の平山竜三所長にインタビューし、同社の熱交換換気システムが本当に省エネになるのか、その疑問を紐解いていただいた。
【記事全文は紙面にて。見本誌をご請求ください】

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