平成18年10月25日号から
地元業者で総合展示場
網走・フォレスト44 来年5月オープン目指す

挨拶に立つ山崎会長

祝辞を述べる大場市長
 市外からの建設業者流入が年々増加の一途を辿っている網走市で、地元建設業者9社が地域に密着した移動型総合住宅展示場「フォレスト44」を計画し、このほど運営組織(山崎雅博会長、(株)ほつけん社長)を立ち上げた。地元ユーザーの目線に立った住宅と街並みの実現を目指すとともに、近隣町村を含めた地域の活性化を図る考え。

良質な住環境提案
網走支庁の所在地である網走市は、オホーツク海に面した人口約4万人の都市で、流氷や網走刑務所などの観光資源が全国的にも有名だ。市内のここ数年の住宅着工戸数を見ると、戸建住宅を示す持家は120戸前後で推移している。
 ただ、同じオホーツク圏の内陸側に位置し、網走市から車で1時間圏内にある人口約12万8千人の北見市で大型商業施設の出店が相次いでいることから、網走市民が北見市まで買い物に出かけるケースが増加。それにともなって、網走市民が買い物帰りに北見市内の住宅展示場であるミントランドや地元業者のモデルハウスに立ち寄ることも多くなり、結果として網走市内の新築住宅の4割は他地域の建設業者によって建てられているという。

第1回目の会場として予定されている分譲地「美しヶ丘 潮見」
 「フォレスト44」はこの状況を改善しようと、網走交通、阿部建設、光輝建設、塩川建設、夏見建設、北斗建設、ほつけん、北工建設、和晃建設の網走市内 9社が発起人となって企画したもので、「フォレスト44」という名称は、網走市が森と海に囲まれた自然豊かな街であることと、北緯44度に位置することに由来。地元ユーザーに対しより良い住環境を提案する場を設け、ともに切磋琢磨しながら地元の活性化を図るための移動型総合住宅展示場として、来年度から網走市内各地区で展開していく予定だ。

網走活性化に一役
 第1回目の展示場開催は、網走交通が分譲を行っている「美しヶ丘 潮見」(網走市潮見1丁目)の13区画で来年5 月のオープンを目指しており、事業に参加する会員業者も随時募集している。また、オープンに先立ち、来年2月には地元ユーザーを対象とした住宅関連セミナーも行う。

設立総会には発起人会社の協力業者も参加。志を一つにして網走の活性化に取り組もうという意気込みが感じられた
 今月10日に網走市内のホテルで行われた設立総会では、会長にほつけん社長の山崎雅博氏、副会長に光輝建設専務の澤田利昭氏と阿部建設常務の岡澤翼氏、事務局に網走交通常務の平間敏明氏、同次長に網走交通不動産事業部課長の加藤典幸氏、監査に夏見建設専務の夏見宗一氏を選出。挨拶に立った山崎会長は「会員各社で知恵と力を出しあい、網走の活性化と良質な住環境の提供を目指したフォレスト44の街並みが市内に多くできるように頑張っていきたい」と抱負を語った。
 また、来賓として招かれた網走市長の大場脩氏は「住宅に関する様々な情報を提供することによって、地元の住宅を地元の企業が受注し、地域の活性化につなげることは、非常に有意義で必要な取り組み。今後よりいっそう発展してもらいたい」と祝辞を述べた。


大工学校開催
新住協 高断熱・高気密の技術指導

実技研修の会場。鎌田教授が模型でポイントを解説
 去る9月21日、22日の両日、室蘭工業大学内で「NPO新住協の第1回大工学校」が開催された。同大学鎌田紀彦教授が総合講師を務め、道内外から60名の参加者が新在来木造構法の基本技術を学んだ。
 参加者は主に工務店の施工管理者や大工技能者で、今回はグラスウールの充てんから気密施工の細部にわたる処理などについての講義と実技研修が行われた。初心者向けの技術講習会として予定されていたが、参加者の中には新在来木造構法に10年以上取り組んでいる工務店もおり、施工技術を再確認する人もいたようだ。
 初日の午前中は、研修室で鎌田教授による講義からスタート。テーマは「新在来木造構法の原理原則とその意義、シート気密と合板気密」。新在来木造構法マニュアル2002をテキストに使用しながら、鎌田教授が高断熱・高気密に取り組み始めたころの話から始まり、気密層と気流止めの役割など、重要なポイントをわかりやすく説明した。
 昼食後、大学会館ホールへ会場を移し実技研修が始まった。ここには断熱材や気密部材が並べられ、各製品の使い方や特徴などを説明。その後、床・壁・天井を組んだ6畳間の模型を使い、床組、土台と桁廻りの先張りシート、グラスウール充てん、タイベック張り、通気胴縁、サッシの取り付け、サッシ周辺の気密処理の模範施工を、須藤建設㈱(伊達市、須藤芳巳副社長)の大工2名が行い、鎌田教授が施工ポイントを詳しく解説。
 夜間座学では、主に実技研修の復習を行い初日は終了した。
 2日目は実技研修から始まり、大工2名が屋根断熱の模範施工を披露し、ポイントを鎌田教授が解説。昼から行われた座学では換気機器、暖房の理論と施工、現在新住協で取り組んでいるQ1.0住宅などについて講義し、全日程を終えた。
 この大工学校に参加した本州の新会員からは「非常にわかりやすくて勉強になった」という声があった。次回は、来年3月に関東・関西地域での開校を予定している。


高省エネ住宅の視点7
窓の断熱強化はどこまで可能ですか
ガデリウス(株)建築材料部・長沼弘喜次長に聞く
 住宅の断熱性能を高めると、熱ロスは換気と窓からが多くなる。窓は日射熱を取り込むためには大きく、ガラスの枚数も少なくしたいが、熱損失を考えると小さく、ガラスを多重化したい。さらに、窓枠部分(障子と框)の熱損失もかなり重要だ。北海道と北東北など本州の寒冷地の高省エネ化を考えるとき、窓はどうあるべきなのか。スウェーデン製・木製3層窓を輸入するガデリウス㈱建築材料部次長で札幌営業所長の長沼弘喜氏に聞いた。
【記事全文は紙面にて。見本誌をご請求ください】



サーモパネル改良
森永エンジニアリング 直線的デザインを採用

内覧会で披露された新型のサーモパネル
 森永エンジニアリング(株)では同社が輸入・販売する温水暖房ラジエーターの主力機種であるサーモパネルシリーズをモデルチェンジ。来年2月出荷分から新タイプのTPNシリーズとして切り替える。10日には札幌市内で発表内覧会も開催した。
 新型は従来の優しいデザイン要素を残しながら、現在の主流となっている表面引っ込み型プレスタイプに変更。また広幅タイプを充実させて機種を増加。連窓の大開口部などにも対応しやすくなった。
 同社がサーモパネルなどを輸入してからおよそ40年になるが、外板の変更を含むモデルチェンジは今回が初めて。生産ラインの合理化などにより鋼板など高騰する原材料費の上昇分を吸収。製品価格も従来品とほぼ同じに抑えた。
 新型はトップカバーとサイドカバーを装備した直線的デザイン。プレス部分は従来の優しい6角形の要素をそのまま生かし、イメージを継承した。
 ラインナップはこれまで通りシングルのTPN11とダブルのTPN22を用意。サイズは長さ方向のラインナップが増え、合計では90機種となった。
 放熱量は従来品と数%程度の違いしかなく、これまでと同じサイズなら選定するパネルを変更する必要はない。
 新タイプの詳細については同社各営業所へ(札幌:Tel.011・251・9811、仙台:022・265・2622)。

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