ハイブリッド2×6の納まり図
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大幸建設(株)住宅事業部(本社北見市、佐々木護社長)では、2×6工法でグラスウール充てん断熱+グラスウールボード付加断熱により165ミリの壁断熱厚を実現した「ハイブリッド2×6」を昨年春から標準仕様化。厳寒のオホーツク地域で優れた快適性と省エネ性を提案することで、他社との差別化を図っている。
壁の断熱厚は165ミリ
充てん140ミリ+25ミリ外付加
同社では8年ほど前から2×6工法で充てん断熱を標準仕様としていたが、ここ数年、オホーツク地域では外断熱工法を採用する住宅が増え、外断熱に対するユーザーのニーズも強くなっていたという。しかし、外断熱工法では高断熱化した場合に外壁の垂れ下がりが心配だったため、外張り断熱材を厚手化しなくても熱橋の解消が可能な付加断熱を検討。2×6充てん140ミリ断熱にグラスウールボード25ミリによる外張り付加をプラスして165ミリ断熱とすることにより、熱橋の解消と同時に2×6充てん断熱を上回る断熱性能を確保した。
外壁部分は、2×6スタッド間に高性能グラスウール16K140ミリを充てんし、構造用合板の室外側に透湿・防風シート付きのグラスウールボード32K25ミリの3×9尺サイズを横張りしてジョイント部分を気密テープ処理。墨出しした後、通気胴縁を受ける樹脂製のスペーサーを455ミリピッチで入れ、通気胴縁を施工し、外装仕上げを行う。
燃費は従来比12%減
同社の計算によると、壁の断熱性能は2×8充てん断熱や2×4充てん断熱+フェノールフォーム25外張り付加を上回り、年間暖房灯油消費量は従来の2×6充てん断熱より約12%削減できるという。付加断熱にかかるコストは、坪当たり1万円弱。他の断熱仕様は床がグラスウール24K200ミリ、天井がセルローズファイバー250ミリ、窓がPVCサッシアルゴンガス入りLow-Eペアガラスで、プランにもよるが住宅全体の熱損失係数(Q値)は1.3W/m2Kを切り、次世代基準の1.6Wを超えるレベルとなる。
北見市内に建てられたハイブリッド2×6のモデルハウス
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このほか、構造面では床鳴りの解消などを目的に1・2階とも床根太にTJIを455ミリピッチまたは303ミリピッチで施工。また、2階から1階に響く音対策として、2階床根太の下端に床根太と直交して胴縁を入れ、石こうボード9.5ミリを2層張りし、2階床合板とフロア材との間にプラスターボード12.5ミリを挟むなどの配慮を行っている。
同社の佐々木雄一企画管理室長は「大工からは工事中でも以前の2×6充てん断熱とは暖さが違うという声を聞いており、体感上はずいぶん差があるようだ。今後は給気の冷たさの解消など換気も改良し、より快適性を高めていきたい」と話している。
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