オーシープランを施工中の現場。既存防水材の上から施工可能で、そのまま仕上げを兼ねる |
防水工法で50年の歴史を持つドイツ・カスター社の正規代理店であるサンエナジーでは、カスター社が製造している高耐久屋上防水シート「O.C.PLAN(オーシープラン)」を、このほど札幌市内の戸建住宅の車庫で実施した屋根防水改修に採用。既存の防水材を撤去せずに済み、雨天でも施工可能というオーシープランの特徴を生かし、コストを抑えながら耐久性の高い屋根防水を行った。
耐用年数は30年以上
改修を行った車庫は、住宅とは別棟として建てられているもので、屋根は排水用の3つのドレンがあるフラット形状。住宅も車庫も今年で築10年を迎えたが、車庫の屋根はアスファルト系のシート防水材が劣化して浮き上がってきており、改修しておかないと本格的に雪が降る頃には何らかの障害が出てくるのではないかと、オーナーは考えていたという。
今回防水材として採用したオーシープランは、瀝青(れきせい)とオレフィン系の原料を混合させたエチレンコポリマー瀝青(ECB)をシート状に加工した熱可塑性防水シート材。紫外線や熱、水の影響を受けないほか、コンクリート並みの引張強度や、4.5倍までの変形に耐える柔軟性をマイナス25℃まで維持する高い寸法安定性などにより、優れた耐久性を発揮する。可塑剤を使っていないので、水にさらされても毒性の物質が放散される心配もない。
予想耐用年数は30年以上といい、カスター社は25年保証を行っている。施工は施工代理店のナカジマなどの責任施工。
1層目は金属製のディスクで両サイドを固定し、その上から2層目を熱溶着する |
金物と熱溶着で固定
施工は水勾配がほとんどなかったことから、屋根の一部に押出ポリスチレンフォームを敷いて水勾配を確保した後、幅1mのオーシープランを上下2層で段違いに施工している。具体的には既存防水材の上から1層目をほぼ80センチの間隔を開けて敷設し、オーシープランの両サイドを専用の金属ディスクとスパイクピンで固定。その後、1層目のオーシープランの間を覆うように上から2層目を敷設し、ジョイント部分に熱を加え溶着させている。
また、笠木部分は専用のプレートを設置してからオーシープランを被せるように施工し、ドレン部分はオーシープランを加工し専用の部材を作って納めた。仕上げはオーシープランをそのまま見せている。
施工面積は110m2で、工事は3日間で終了。途中で雨や雪が降ることもあったが、施工には全く影響はなかった。コストは塩ビシートで防水改修する場合でも既存防水材の撤去費用を含めて1万円/は超えるが、今回の現場は材工で1万円/ほどで、塩ビシート防水と同等以下という。
サンエナジー社では「オーシープランは全く可塑剤が入っていないので、物性の安定度が極めて高く、耐久性は抜群。改修工事では既存の防水材を撤去することなく施工できるので、高耐久な屋根防水を、コストをかけずに行うことができる」と話している。
オーシープランの問い合わせはサンエナジー(Tel.011・688・4446、Fax011・688・4447)へ。
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