平成17年10月25日号から
オイルパネルヒーターってどうなの?
設置の手軽さが魅力
電気料金値下げで普及に勢い

電気オイルパネルヒーターの設置例
 ホットタイム22ロングという暖房用電気料金メニューを利用する電気暖房「オイルパネルヒーター」が北海道で徐々に普及しつつある。暖房感覚は温水セントラル暖房とほぼ同じだが、配管の必要がなくそれぞれ独立して熱源を内蔵しているため、手軽だ。本紙では住宅会社からの「オイルパネルヒーターってどうなの?」という質問を契機に、「イニシャルとランニングコストは?」「快適性は?」「耐久性は?」などの疑問をすでに採用した住宅会社に取材するとともに、発売元各社にも共通質問を投げかけた。

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エコライフを叶える家
札幌・平尾建築事務所 化学物質に頼らず自然と共生

森の中で施工中の住宅。外装材は周囲の森にとけ込むよう木酢液に漬け込んでから燻煙処理したカラマツの羽目板を使用
 平尾建築事務所(札幌市、平尾稔幸主宰)では、自然との共生をコンセプトに、道産材の軸組材・内装材や、生活排水を敷地内で浄化・還元可能な工法を採用した住宅を設計、現在当別町内で辻野建設工業(株)(当別町、辻野浩社長)の施工により、建設を進めている。

軸組に道産無垢材

 この物件は、エコロジーに関心が高く、自然と共生するライフスタイルを希望する施主の意向を反映し、設計では自然素材の使用化学物質の排除新土壌浄化工法の採用―の3つが大きなポイントとなっている。
 建物は約30坪の在来木造2階建てで、軸組材は接着剤を使う集成材ではなく、全てエゾマツ・トドマツの無垢材を使用。土台部分は防腐処理を避けるため、高基礎としてGLから1.2メートル以上の高さに施工しており、床下空間は1.4メートル弱の高さを取って配管などのメンテナンスを容易にするとともに、床下暖房用のFFストーブの設置場所としている。

軸組材は全てエゾ・トドの無垢材


床には30ミリの無塗装カラマツのフローリングを貼っている
 外装材と1階壁以外の内装材は下川産のカラマツを使っており、外装材はカラマツを木酢液に漬け込んでから薫煙することにより防腐効果を高めた羽目板、2階の壁・天井は無垢の羽目板、1・2階の床は30ミリ厚の無塗装フローリングをそれぞれ施工。いずれも適切に管理された森林の木を使っていることを示すFSC認証を受けている。1階の壁については、完成・引き渡し後に施主が道内産の珪藻土を使ってセルフビルドで仕上げる予定だ。
 また、断熱はニュージーランド製の羊毛断熱材・サーモウールを外壁軸間に100ミリ、屋根たる木間に220ミリ、それぞれ充てん。基礎は押出スチレンフォーム50ミリ。暖房はFFストーブで床下空間を暖め、1階床面に設けた通気口から暖気を上げる床下暖房方式としている


排水処理もエコに
 敷地には上下水道がないために、50メートルの井戸を掘って生活用水を確保し、排水は電力や薬品を一切使わず、微生物の力を利用して浄化し敷地に還元するというエコロジカルな考えに基づいた排水処理工法「新土壌浄化工法」(開発・施工=エコロジーコロンブス福岡)で処理する。
 この工法は土中に設置したコンクリート製の汚水槽の上に卵パックのような形状のエコロン(微生物繁殖層)を置き、これらの周囲をろ材となる特殊培養土で埋めたもので、汚水槽からオーバーフローした排水が、毛管サイフォン現象によってエコロンからろ材へ移るときに水溶性嫌気性バクテリアの力によって水と炭酸ガスに分解、周辺土壌に浸透させるという、汚水を自然のサイクルで循環させているのが大きな特徴となっている。
 通常は素材や工法にこだわった分だけコスト負担も大きくなるが、この物件では小屋裏2階として2階の外壁を省略するとともに、梁も大断面のものは使わず、背の低い梁を600ミリピッチで入れて荷重を分散させるなど設計上の工夫によりコストアップを最小限に抑えた。

新土壌浄化工法の施工の様子。この盛土の中で雑排水がバクテリアの力によって浄化される
 同事務所の小尾慎氏は「敷地が泥炭地なのでいろいろ苦労することはあったが、木を始め材料の素材感をそのまま生かすことで周囲の森とも調和した住まいになり、自然との共生というコンセプトをうまく表現できたと思う」と話している。


製品プロフィール(黄色部分)・工法プロフィール(青部分)
製品名
エゾマツ・トドマツ柱・梁材
部位等 軸組
価格 問い合わせのこと
問い合わせ ?丹治秀工業
千歳市駒里2211-1
0123-22-6220
製品名
カラマツ羽目板・フローリング
部位等 内外装
価格 問い合わせのこと
問い合わせ 下川町森林組合
上川郡下川町南町133
01655-4-2159
[Home page]
工法名
工法名
部位等 家庭内雑排水処理
価格 問い合わせのこと
問い合わせ ?三素
富良野市錦町14-3
0167-22-0383
[Home page]

電化提案を充実
ほくでん マドレ・リニューアル

主要な暖房・給湯機器が展示され、実際に触れることもできる
 ほくでん料理情報館マドレがこのほど「ほくでん電化生活情報館マドレ」としてリニューアルオープンした。料理だけに限らず、暖房・給湯も含めたオール電化設備を実際に目で見て確かめ、コンサルタント提案もできる場として、一般ユーザーはもちろん、住宅会社などのサブユーザーにも来館してほしいとしている。

ユーティリティーをイメージした展示では電気ボイラーが実際に稼働している
 新しいマドレでは、電化生活を体験できるよう、料理教室とはべつに主要メーカーのクッキングヒーターを一堂に展示した体験クッキングコーナーや、電気蓄熱暖房器のほか電気温水セントラルやオイルパネルヒーターなどの暖房機器と電気温水器を見て触れる電化情報ギャラリーなど、オール電化を実際に体験できる施設が充実。
 主要な暖房機器は暖かさを体感できるように実際に暖房しているほか、給湯では高圧力型の電気温水器のパワーを目で見ることができるようになっている。
 コンサル提案コーナーでは、これまでディパタウンで行っていた機能をさらに充実させた。
 場所はこれまで通りサッポロファクトリー一条館3階(中央区北1条東4丁目)、開館時間は10時から18時、木曜は20時まで。休館は第1、3水曜日と年末年始。電話はTel.011・242・0141。

リフォームを強化
北ガス ユーザー向けに新ブランド

サッポロファクトリーのショールーム内に開設されたリフォーム専用デスク
 北海道ガス(株)では、暖房や水廻りを中心としたリフォーム向けガス機器の需要拡大を目的とした新リフォームブランド「KITAGAS リフォーム! リフォーム!」を立ち上げるとともに、サッポロファクトリーの同社ショールーム・サガティック内にリフォーム専用窓口となるデスクを開設。今月からサービスを開始した。
 これまで同社では各地域のサービス店を中心としてリフォームを手がけてきたが、ユーザーニーズも多様化する中、リフォームの強化に着手。
 新ブランドの立ち上げにともなってショールーム内に開設した専用デスクには、2級建築士の資格を持つプランナー3名を配置し、暖房器やコンロなど住設機器単体にとどまらず、リビングやキッチン、浴室など空間全体のリフォームを提案することでユーザーの満足度向上を図るほか、リフォームローンの相談も実施する。
 また、グループ会社である北ガス建設や地域拠点であるサービス店・暖房設備店とのネットワークを密にして施工品質の維持・向上と、提案から施工、アフターまでの業務の標準化を図る。
 現時点では札幌地区のみの実施となるが、早いうちに他の地区にも展開する考えだ。
 同社札幌支店地域深耕推進グループの今城忠宣マネージャーは「ユーザーに信頼されるブランドとなるよう、ニーズを適確に捉えて最適な住空間を提案していきたい」と話している。

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