リビングの壁に連続して設けた飾り棚。軸組外側に張った構造用合板をそのまま見せている |
室内は“和”を表現
室内は空洞になっている軸間部分を利用し、居室の壁に連続した飾り棚、玄関の壁際に傘や小物を置くスペースなどを設け、2階天井となる屋根はサンダー掛けした野地板(構造用合板)と登り梁を、室内側の梁や柱とともに現しにして、和の雰囲気を表現。「当初は構造部分を壁一面現しにしたり、真壁にすることも考えていた」が、ゴールデンウィークの公開に間に合わせるため工期が限られ、見た目がきれいな構造用合板などを調達する時間がなかったことから、外壁軸間は部分的な利用にとどめたそうだ。
工期的には軸間充てん断熱と比べると、断熱材のビス止めなどによってサイディング下地施工までは今回の外断熱のほうが手間がかかっており、コストも断熱材とビスによって坪あたり1.5~2万円アップになるというが、同社では充てん断熱ではできない魅力を加えられるのであれば、このコスト差は納得できる範囲だとしている。
室内空間の表現手段の一つ
岡本社長
同社の岡本社長は「内装下地の石膏ボードを張って軸間を現しにしないのであれば、外断熱は熱橋の解消だけがメリットになり、それならダブル断熱(付加断熱)でもいいということになるが、今回はフェノールフォームを使うことによって軸間を有効利用でき、充てん断熱ではできない提案が可能になった。外断熱はユーザーがイメージする室内空間を表現する手段の1つと考えている」と話している。 |
玄関廻りの壁には傘や小物を置けるスペースを作った |
吹き抜けから見た屋根なりの2階天井部分。小屋組の構造材と野地板を現しにし、和のイメージを演出している |
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