平成16年3月15日号から
床下750ミリを確保
室蘭市・増川建設 収納スペースとして提案

大型の床下収納扉と専用階段を設置。簡単に上り下りできる
 増川建設(株)(室蘭市、増川智社長)では、このほど床下空間全体を収納スペースとした木造軸組工法の住宅を室蘭市内に完成させ、現場見学会を開催した。
 昨年の十勝沖地震では同社が建設した住宅も暖房設備が被害を受け、その被害状況を確認するために床下へ潜ったところ、配管などが障害となり点検をするだけでも大変な状況だったという。そこで、メンテナンスのときに床下へ潜りやすいように、布基礎を通常より高くしたところ予想以上に広い空間が誕生した。
 この広い空間を有効活用してもらえるように、床下の大空間を収納スペースとして利用することを提案したところ、ユーザーは喜んで受け入れたという。
 床下構造は、布基礎両側にEPS断熱型枠「ICフォーム」を使用し、押出スチレンフォームB1種50ミリによるスカート断熱を併用。凍結深度を浅くすることで型枠三段積みで900ミリ、GLからの基礎高を650ミリ確保した。一方、床下地盤は0.2ミリの防湿フィルムを施してから土間コンクリート100~150ミリを打設。地盤には暗きょを入れている。
 基礎を高くしたことで床下は750ミリ高となり、室内から床下へ入りやすいように、1,800×700ミリの大型床下収納扉を設置、専用の階段を備え付けた。
 同社の増川社長は「床下の大空間を収納スペースとしたアイデアは、偶然に思いついて提案したことだが、ユーザーはとても喜んでくれている。床下空間も換気経路の一部とし防湿・防水対策も行っているので、衣類や食料品などどんな物でも収納できることが魅力だと思う」と話している。 

床下空間の様子。床下の環境対策をしっかり行っているので、どんなものでも収納できる

製品プロフィール
製品名 ICフォーム
部位等 断熱兼用型枠材
価格 目安は35坪の住宅で20万円ほど
問い合わせ コンフォートフォーム(株)
東京都墨田区菊川2丁目13-9
Tel.03-3632-8561
基礎の断面図。床下は750ミリ高

ラインナップ一新
ゼオン化成 強度と美観に優れた新SD

センターロックは中央のラップ部分(写真左側)にも折返しがついていて、きっちりかみ合うー
 ゼオン化成(株)では、ゼオンサイディングのラインナップを一新、強度と美観に優れた新タイプ2種と縦張り2種を4月から発売。また、北海道地区の営業・アフター体制を強化するため、北海道営業所をこのほど開設した。
 同社では、最も厳しいカナダ規格の品質基準をクリアした高性能塩ビサイディングを「ゼオンサイディング」として道内市場で七年ほど前から販売、シーリングを使わないオープンジョイント工法や通気胴縁の施工を省略できる特許工法の開発などで注目を浴び、売上を伸ばしてきた。
 今回導入するのは、「センターロック」、「チャーターオーク」、「縦張り」の三シリーズ。これにともない、従来のACシリーズとCBシリーズは廃番になるが、普及タイプのRCシリーズは引き続き販売される。
 センターロックシリーズは、従来サイディングの重ねている部分が上端と下端のみだったのに対し、その名称の通り中央のラップ部分にも折返しを設けてかみ合うようにしたもの。これにより、強風時にサイディングがバタつかずしっかりと固定される。また、センター部分が固定されることで取り付け面が波打ったりつなぎ目が浮くことなく、きれいに納まる。厚みは従来のACシリーズと同じ1.3ミリ。標準在庫色はクリーム、サンド、ダークサンド、ウインザーブルーの4色。
 チャーターオークシリーズは、サイディング上端の釘止め部分を塩ビとアクリル強化材の二層構造とし、剛性を大幅に向上させた。これにより下地の不陸の影響を受けずにサイディング全体を真っすぐ張ることができる。こちらも厚みは1.3ミリ。標準在庫色は今までにない濃い色で、アイビー、オータムレッド、ブルー、ウオルナットの4色。
 縦張りシリーズは、これまでとは違ったデザインを求めるユーザーの声に応えるもので、スパン間隔の大小が異なる二種類を導入する。標準在庫色は2色で、どの色になるかは間もなく決まる。
 なお、3シリーズとも価格は未定だが、製品のグレードアップにともない、従来の価格帯よりもやや高くなる見込み。
 このほか、同社ではゼオンサイディングの性能を生かすための下地部材として、透湿・防水シートと気密テープ、気密パッキン、ならびに強風対策用としてウインドロック金具を新たに発売した。いずれも強度や耐久性など同社が定めた水準以上の品質に設定しており、ゼオンサイディングとセットで使うことで外装材の耐久性をトータルに高めていこうという考え。
 また、同社では北海道地区の販売ならびにアフターサービスの強化を目的に人員を増やし、従来の北海道出張所を北海道営業所として今月から開設した。所在地は、札幌市中央区北2条東1丁目2-10日宝北2条ビル、Tel.011・222・1150。
 新製品の問い合わせは、北海道営業所か、本社第2事業部建材部(Tel.03・5470・8969)へ。
センターロックの4色は、左からウインザーブルー、ダークサンド、サンド、クリーム



4色揃ったチャーターオーク。左からウォルナット、ブルー、オータムレッド、アイビー

縦張りシリーズは写真のタイプのほか、スパン間隔が小さいタイプも導入される

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